巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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おはようございます!


35話 2ヵ月

私達がヒュドラを殺して、反逆者オスカーの住処にお世話になって2か月とちょっとがたった。

 

二人は拠点をフル活用しながら、傍から見れば思わず砂糖の海に溺れて藻掻く様に【尊死!】と叫びたくなるような甘々な日々を送っていた。基本的に二人は一緒に居ることが多く、二人以外に誰も居ないし見ていないということで、遠慮せず何処でもイチャイチャ。元主のオスカーが存命ならば、二人の空気に居た堪れなくなってこの拠点を放棄しただろう。

 

一部の者達から見たら【桃源郷】や【Shangri-la】であった。

 

さて、そんな二人はというと・・・

 

「・・・召し上がれ♪」

「いただきますっ!」

 

フリル満載、デザイン最高、なのに何処か既視感マシマシな、何故かあったメイド服(・・・・・・・・・・)を着たユエ様が、フライ返し片手に焼いてくれたヒュドラ肉の実食中である。自ら命を投げ出すレベルで救いに行った、最愛の女の子の手料理。有難みの極み!

 

なのだが。

 

「ウグッ・・・ッ」

 

最高級ステーキのようで、とても美味しそうな見た目をしているが、猛毒を直接喰らう様な激痛に襲われる。これはユエの調理スキルが致命的に悪いとか、ダークマター作っちゃう系ヒロインとか、そんな訳ではない。最下層のラスボス、ヒュドラが常軌を逸した、通常の魔物よりも頂上の力を有していたから起こる、晴香の肉体の破壊と再生の急成長だ。

 

2か月も食べ続けているのに収まらないこの激痛。他の魔物では一度食せば成長しづらくなるのだが、ヒュドラは別格であった。

 

というか、そもそも魔物肉自体猛毒の塊なのだが、この際は伏せて置く。

 

「・・・大丈夫?」

「あり、がと」

 

心配そうなユエが、晴香の背中を撫でながら【神水】の入った水差しより注がれたをコップを差し出す。お礼を言って飲み干すと、再度齧り付いた。この様な食生活を続けているので神水の消費がかなり多い。このままでは、今後は【神水】の使用は真剣にならざるを負えなくなるが・・・

 

「・・・ん、飲んで」

 

と言う風にどんどん消費されて行く。もしステータスに技能があったなら固有技能【無表情】をカンストしたユエ様をしても笑顔で混乱してしまう、この世界に広めたら魔法版産業革命が勃発する様な革新的技術革新があったのだが、それは後程語られるだろう。

 

「はぁ・・・2か月も食べてるのに、この激痛。ヒュドラ強すぎ・・・」

「ん・・・あれは本当に別物」

 

ユエがヒュドラ戦を思い出す様に、そういった。バランスの良い構成での連携攻撃、強力ばバットステータス攻撃、ラスボス宜しく第二形態の最後の銀紋章。他の解放者たちの合作と言ったユエの言葉は間違っていない。やがてヒュドラ肉を食べ終えた晴香は、ポケットからステータスプレートを取り出し、どれ程変化したかを確認する。ヒュドラ肉を食せば必ず発生する激痛なので、どれほど成長したのかを確認するのが、食事後の日課であった。

 

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綾瀬晴香  17歳 女 レベル:???

 

天職:錬成師

 

筋力:12030

体力:15100

耐性:11680

敏捷:15420

魔力:18095

魔耐:18095

 

技能:錬成

   [+鉱物系鑑定][+鉱物系探査][+イメージ補強力上昇]

   [+鉱物分離][+鉱物融合][+精密錬成][+複製錬成]

   [+圧縮錬成][+消費魔力減少]

 

  ・弓術

   [+命中率補正]

 

  ・限界突破

  ・生成魔法

 

  ・火属性適性

   [+効果上昇][+魔力消費削減]

 

  ・土属性適性

   [+効果上昇][+魔力消費削減][+持続時間上昇]

 

  ・全属性耐性

  ・魔力操作

   [+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]

 

  ・魔力感知

   [+特定感知]

 

  ・魔力遮断

  ・高速魔力回復

  ・魔力変換

   [+体力][+治癒力]

 

  ・胃酸強化

  ・気配感知

   [+特定感知]

 

  ・気配遮断

   [+幻踏]

 

  ・熱源感知

   [+特定感知]

 

  ・熱源遮断

   [+熱幻操作]

  ・毒耐性

  ・麻痺耐性

  ・石化耐性

  ・恐怖耐性

  ・纏雷

  ・天歩

   [+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]

 

  ・風爪

  ・夜目

  ・遠見

  ・金剛

  ・威圧

  ・念話

  ・先読み

  ・剛腕

  ・追跡

  ・言語理解

  ・異界収納

   [+重量無制限][+内部時間停止][+遠隔収納]

   [+遠隔召喚]

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祝い!レベル不明に到達しました!!!!

 

魔物の肉を喰った晴香の成長は、初期値と成長率から考えれば明らかに異常な上がり方。ステータスが上がると同時に肉体の変質に伴って成長限界も上昇していったと推測するなら遂にステータスプレートを以てしても晴香の限界というものが計測できなくなった。これを一つの目標にしていた晴香は思わずにっこり。

 

化け物街道まっしぐらである。

 

ちなみに、勇者の限界は全ステータス1500といったところで、限界突破の技能で更に三倍に上昇させることができるが、それでも約4倍の開きがある。しかも、晴香も魔力の直接操作や技能で現在のステータスの三倍から五倍の上昇を図ることが可能であるから、如何にチートな存在になってしまったかわかるだろう。

 

現在のステータスを哨戒した序に、新装備についても少し紹介しておこう。

 

まず、晴香は【宝物庫】という便利道具を手に入れた。

 

これはオスカーが保管していた指輪型アーティファクトで、指輪に取り付けられている一センチ程の紅い宝石の中に創られた空間に物を保管して置けるというものだ。要は晴香の【異界収納】の道具版である。空間の大きさは、正確には分からないが相当なものだと推測している。あらゆる装備や道具、素材を片っ端から詰め込んでも、まだまだ余裕がありそうだからだ。そして、この指輪に刻まれた魔法陣に魔力を流し込むだけで物の出し入れが可能だ。半径一メートル以内なら任意の場所に出すことができる。

 

空中リロードも、【異界収納】を取得している晴香にとっては全くと言って良いほど必要でない道具である為、内部の素材やアーティファクトやそのほかに必要な物を全て【異界収納】に移すと、ユエにプレゼント。これからはユエの宝物庫となる。

 

次に、晴香は魔力を動力に変換し動作する【二輪】と【四輪】を製造した。

 

これは文字通り、魔力を動力とする二輪と四輪である。

 

二輪の方は原付しか乗った事が無く、構造などそれ以外に余り興味が無かったため、ソレっぽくデザインされた【おりじなりてぃ~】溢れるものとなった。しかし、漫画の様にゴテゴテでもなければ、アニメの様に蒼い龍も居ない。いつも通りの実用性追求と、今回は乗り心地に力を入れた力作である。なので安定性も求めて大型化し、世紀末の暴走族が付けるような派手さは無いが、椅子が設置されていたりする。

 

尚、原付に慣れているのでアクセル一捻りで動く方式を採用しており、クラッチ等は搭載していない。更に言えば、魔力の直接動作も可能の使用となっている。

 

名前は【魔道駆動二輪】とした。

 

四輪は親の乗っているベゼルを意識してデザイン。車輪には弾力性抜群のタールザメの革を用い、各パーツはタウル鉱石を基礎に、工房に保管されていた、この世界最高硬度のアザンチウム鉱石で表面をコーティングしてある。おそらく06レールガンの最大出力でも貫けないだろう耐久性だ。

 

名前はベゼルが元だから【斃逝瑠】とか、そんなのにしようかと考えたが、なんか微妙なので却下し、結局【魔道駆動四輪】に落ち着いた。

 

史実では【魔力駆動】であったのに対して、晴香が制作したのは【魔道駆動】なのかというと、それは、この二種類には晴香が製作した【魔力変換電動機】が搭載されている。()()()()()製作されたのが【分巻き直流モーター】であり【纏雷】やその他の魔法を【生成魔法】で付与してアーティファクト化。魔力を電気に変換して、その電気を誘導電流にして回すのだ。消費する魔力は運転手や同乗者が供給する事も可能だが、ガソリンタンクの様に【液体魔力(神水のこと)タンク】が搭載されているので、態々自前の魔力を消費する必要が無い。

 

神水を霊薬と扱う聖教教会関係者がこの現状を知れば、間違いなく神敵認定一直線であろう。

 

因みにだが、速度は魔力消費量に比例する。

 

更に、この二つの魔道駆動は車底に仕掛けがしてあり、魔力を注いで魔法を起動すると地面を錬成し整地することで、ほとんどの悪路を走破することもできる。また、ハジメ作のように武装が満載されている。銃も自前で用意できるように、晴香は女の子と言えどもミリタリーはかなり明るい。なので、様々な火器兵器を搭載した。

 

しかし、これらに対しては不満がある。確かに高速で移動できるのは良い事だが、それでも陸上。うねる道もあれば迂回しなければならない事もあるだろう。晴香は、最初っから航空機がお望みであった。だがしかし、航空力学や流体力学、ジェットエンジンの仕組みをちょっと知ってるだけで、ジェット燃料の元となる石油もなければ、それを魔法で再現する事も出来なければ、詳細な設計図や制御方法も知らない。これでは到底作れるはずもなく、泣く泣く諦める他なかった。重力魔法を取得するまで大人しくする。

 

制作過程では、適度にユエにも構っているので、拗ねる事はなかった。と言うのも、この車両たちはユエと共用する物だ。ユエの意見も積極的に取り入れられており、その為にも制作に協力してもらっている為、常に一緒に居たからである。

 

魔眼石―――これは、作らなかった。

 

代わりに【魔眼帯】を制作した。

 

機能は史実同様、神結晶に【魔力感知】と【先読み】が付与してある。晴香はヒュドラ戦で右目を失ってないので、魔眼石の代わりとなるアーティファクトは絶対必要と言う事で、目は正常なのに眼帯を付けるという厨二的装備となった。

 

何処かの恋がしたいを思い出す。

 

魔眼帯を制作した当初は、魔眼石の様に魔法の核が見れなかったら最悪、目ん玉繰り抜いて神経を引っこ抜く事も考えていた。が、眼帯を通しての疑似神経の接続が可能であったため、鮮明に魔法の核を見れるので杞憂であった。

 

もし必要性があれば、若干躊躇いながらも引っこ抜くと言い切る晴香は、もう、いろんな意味で超越者だ。

 

因みに、魔眼帯と名がある通り、眼帯に直接神結晶が接続されているため、青白い光が漏れる心配もない。体外装着の為、就寝時や入浴時には着脱可能であるとの利点が存在するが、眼帯の紐が戦闘中にでも切れてしまえば使えなくなってしまうというデメリットもある。なので、アザンチウム鉱石を極細のワイヤーにし、ソレを弾力及び物理耐性抜群の鮫型の革に編み込んで、ゴリ押しとばかりに【金剛】も付与した事から、ちょっとやそっとでは壊れない、文字通り【世界最高(最硬)の眼帯】になった。

 

 




次回!ユエ様が仰天した神水についての秘密が明かされる!


―――諸君、衝撃に備えろ・・・(ただしトータス世界の住民に限る)
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