巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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おはようございます!

久しぶりの連日投稿・・・っ!


36話 旅立ち

左腕は健在なので義手はない。が、代わりに様々なギミックが施されたガントレット、グリーブ、胸当て等を備える事となる。どれにも生成魔法で編み出した特殊な鉱石を大量に使用した、世に出れば間違い無く国宝級の防具になるだろう。しかし、これは魔力の直接操作ができる人間でないとギミックを動作できないので、常人には唯、異様に頑丈なだけの防具である。

 

黒を基調とした白のラインが奔る防具、白髪、眼帯、そして魔法。晴香は完全に厨二キャラとなった。

 

鏡で自分の姿を見た晴香は絶望・・・せず、寧ろ結構カッコイイ?と思ってたりする。本当の戦闘に耐えきれる防御力などを備えるそれらは、紛れもなく本物の防具。白髪だって覚醒した証。眼帯は今後様々な場面で活躍する新装備。唯の厨二ではなく、本当に発動する魔法。

 

ちゃちぃコスプレ衣装を着た厨二とは完成度が違うのだよ、完成度がっ!!

 

なんて思いながら決めポーズを取っている所を、ユエが生暖かい目で見ていたのは別の話だ。

 

次は新兵器についてだ。

 

【44式50mm狙撃砲】はアザンチム鉱石を使い強度を増し、バレルの長さも洞窟内使用は殆ど発生しないので3mに改良した。【遠見】と【先読み】の固有魔法を付加させたフロント水晶(史実潜水艦の窓になった透明で高硬度の水晶)製レンズを別々に生成し創作したスコープも取り付けられ、更に口径を大型化させて砲身を50mmからロマンの88mmに変更されている。実射試験は行っていないので最大射程は10km以上となっている。

 

名称も【44式改88mm追尾狙撃砲】に改められた。

 

また、ラプトルの大群に追われた際、手数の足りなさに苦戦したことを思い出し、電磁加速式多銃身機関砲を開発した。空飛ぶ戦車の異名を持つ【A-10サンダーボルト】と同様の口径30mmと、七砲身では無いが、回転式六砲身を持つ、毎分12000発という化物だ。銃身の素材には生成魔法で創作した冷却効果のある鉱石と熱に強いタウル鉱石を使っているが、それでも連続で10分しか使用できない。再度使うには十分の冷却期間が必要になる。

 

名を【10式30mm多銃身機関砲】とした。

 

他にも面制圧等を主目的としたミサイルとその射出機を開発した。長方形の砲身を持ち、後方に六連式回転弾倉が付いており連射可能。弾頭には【熱源感知】を付与した鉱石が仕込まれており、熱を発する目標に対して自動追尾・誘導する誘導弾の他、様々な弾頭が存在する。

 

06式の対となるリボルバー銃【60式回転式拳銃】も開発された。今まで作るとは言っていたが、06式だけで片が付いていた為完全に忘れていた為である。これで晴香の基本戦術は06・60の二丁の電磁加速銃によるガン=カタ(銃による近接格闘術のようなもの)に落ち着いた。典型的な後衛であるユエとの連携を考慮して、接近戦が効率的だからだ。

 

もっとも、晴香は武装すればオールラウンドで動けるのだが。

 

他にも様々な装備・道具を開発した。しかし、装備の充実に反して、神水だけは遂に神結晶が蓄えた魔力を枯渇させた―――

 

なんてことはない。

 

では、新たに神結晶を発見したのか、と問われると違う。

 

枯渇しないその理由は、オスカーの住処を出て壁を見る。そこは、壁は一面が滝になっていた(漫画2巻を参照)。天井近くの壁から大量の水が流れ落ち、川に合流して奥の洞窟へと流れ込んでいくのである。これをみて、晴香は閃いた。

 

 

 

魔力を【纏雷】で電気に変換できるなら、電気を【纏雷】で魔力に戻せるのでは?

 

 

 

実験を繰り返して、それは成功する。生成魔法で【纏雷】を付与した特殊なアーティファクトを制作し、銅を利用した実験レベルの簡単な発電機を手動で回すと、流れ出た電気がアーティファクト内で魔力に変換され、放出されるのを【魔力感知】で確認。これを知って、晴香は飛び跳ねるレベルで感激した。

 

発電機を回す動力は、巨大な滝を利用できる。自然(人工的に作られた滝だが)エネルギーを用いれば、態々自分で回す必要もない。滝のエネルギーは膨大だ。その力をもって、大型の発電機を動かせれば、得られる電気も大量。それを返還出来れば、得られる魔力も膨大。さらに、この滝は尽きる事なくずっと流れている。つまり、24時間365日連続稼働が可能となるのだ。

 

と言う事で、晴香は滝のど真ん中に10機の水力発電器を設置し、電力を確保。その電力を変換器で魔力に変換。変換された魔力を、尽きかけた神結晶内部に直接流し込むことで、大量に溜まっていく魔力が飽和状態を起こす事により【神水】が生産されたのだ。接続さえしていれば、何らかの要因で故障することが無い限り、半永久的に【神水】を量産する。

 

効果も変わらない【量産型神水】が日に約10Lも生産される。

 

しかし、一つしかない神結晶では量産効果が薄い。

 

 

 

と言う事で、神結晶を作る事にした。

 

 

 

神結晶は魔力そのものの塊。なら、元から塊の神結晶の一部を採取し、それに変換機を接続して魔力を大量に流し込まれれば良いじゃない!と言う事でやって見ると、神結晶は日に日にどんどん大きく成長していった。そして、大体30~40cm程の大きさで成長が停止すると、数日後には神水の生産を開始する。

 

得られる神水の量も、発電機の数と変換効率に比例してどんどん増えて行った。

 

神水生産の副次効果で神結晶の量産も可能となった。

 

喜々として発電機を開発する晴香に、何をしているのか分からないユエが、これは何をしているの?と聞くと・・・

 

「あれは、神結晶と神水を量産するアーティファクトだよ!」

 

と、満面の笑顔で返されたユエは、

 

「・・・ごめん、ちょっとなに言ってるのか分からない(にっこり)」

 

微笑みを浮かべた。

 

ユエにとっても神結晶とは秘宝。約1000年の時を経てゆっくりと結晶化した魔力が、更に数百年魔力を取り込むことによって漸く生み出される、あらゆる病気や傷を完治させる霊薬―――神水を生み出す、奇跡の物質だ。晴香と初めて出会った際、神結晶を所持している事を知ると外面は兎も角、内面は驚愕・驚嘆・仰天であった。

 

そんな神結晶や神水を、言うに事を欠いて【量産】?・・・

 

「あの滝に突き刺さってるアーティファクトは【水力発電器】っていって、水の動く力で電気を精製するものなの。ちょっとそれるけど、【纏雷】って魔力を電気に変えてるの。なら、逆に電気を魔力に変えられるかな?ってやってみたら変えられてね。アレに纏雷の逆変換アーティファクトをくっ付けて、魔力を量産して、その魔力を神結晶に無理矢理送り込み続けると、内部で魔力飽和が起こって神水を作り続けるんだよ」

 

神結晶の欠片を接続すれば、成長させることも出来るんだ、とペラペラ語った晴香・・・

 

「・・・なるほど。やっぱり、わからない(にっこり♪)」

 

晴香が銃という魔法よりも強力な兵器を作ることは知ってるし、神代魔法の生成魔法を習得してアーティファクトを作れる事も知っている。でも、やっぱり神秘の結晶的な意味合いが強い神結晶や神水の量産?

 

ユエは笑顔で混乱している!

 

―――と、いうことがあった。

 

現在は滝を形成する水路弄り、直接高落差から水圧管を通して大型水力発電器の水車を回す方式に切り替えてあり、初期に設置した発電機は神結晶育成機となっている。なお、大型水力発電器は5基設置され、24時間運転を続けており、日に約1000L以上の神水を生み出している。

 

それと、新たに作り出された量産神結晶を圧縮し、錬成でネックレスやイヤリング、指輪などのアクセサリーに加工した。神結晶の膨大な魔力を内包するという特性を利用し、魔力タンク兼アクセサリーにしたのである。そして、それをユエに贈ったのだ。ユエは強力な魔法を行使できるが、最上級魔法等は魔力消費が激しく、一発で魔力枯渇に追い込まれる。しかし、電池のように外部に魔力をストックしておけば、最上級魔法でも連発出来るし、魔力枯渇で動けなくなるということもなくなる。

 

尚、30~40cm級の神結晶をそのまま圧縮しているため、本家使用の魔結晶シリーズよりも数十倍の魔力をストックできるようになっている。それもこれも【神結晶量産】と言う名のイレギュラーが成功してしまったためだ。

 

それ以外にも、可愛らしいアクセサリーに加工する事で、ユエが喜んでくれたら嬉しいな、と思いつつ制作した。好きな人へのプレゼントなのでデザインも凝っている。

 

ユエに【神結晶シリーズ】と名付けたアクセサリー一式を贈ったのだが、そのときのユエの反応は・・・

 

「っ!・・・プロポーズ?」

 

予想通りの反応で晴香がにやりっと笑った。

 

「ふふ、()()()純粋に装備品のプレゼントよ。これがあれば、魔力枯渇に陥ってもユエは守れるでしょ?」

「・・・そう・・・ハルカ。ありがとう・・・だいすき♡」

「私も大好き♡」

 

本当にもう爆発しちまえよ!と言われそうな雰囲気を醸し出す二人。いろんな意味で準備は万端だった。今夜は燃えた。

 

それから20日後(史実ハジメよりも10日ほど早く覚醒して探索を始めていた為、時間があった)、漸く晴香とユエは地上へ出る。三階の魔法陣の部屋へとやって来た。

 

「・・・ハルカ」

「どうしたの?」

「これから先、私はずっとハルカのものだし、ハルカも私のもの・・・」

「当たり前でしょ。(あ、あれ?どこかで聞いたフレーズ・・・)」

 

晴香がそういった途端、ユエの目が重力魔法【禍天】の如く暗黒に染まった。全ての光をも飲み込む深淵が、ユエの瞳に・・・

 

「ナンカコノ後、巨乳ノウサ耳ヤド変態ヤソノ他ガハルカヲ狙ッテ来ソウナ気ガシテ・・・」

「う、うん(ご、ごめんなさいユエ。そうなる様に調整してるの私なの・・・!)」

 

―――なんて口が裂けても言えない。

 

「今ノ内二唾ツケトコウカト」

「良いよ・・・ちょっと休憩しよっか」

 

その後、地上に戻る前の休憩として十数分だけ黒い愛に溺れた。ハイライトが存在しない暗黒の瞳に見つめられながらの過激な愛情表現に、晴香は・・・

 

『ヤンデレ堕ちユエちゃんマジパないっす。最高した・・・』

 

と、内心超ゾクゾク、しかし背筋を震わせながら語る。

 

 

       *   *   *   *   *

 

 

「んっうんっ!」

 

咳払い。

 

帰還の神妙な雰囲気が消し飛んでしまったので、気を取り直し、魔法陣を起動させる。この時のハジメのセリフを何時か言ってみたいと思って暗記していた晴香は、内心興奮しながらユエに静かな声で告げる。

 

「ユエ・・・私達の武器や力は、地上では異端。聖教教会や各国が黙っているということはない」

「ん・・・」

「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」

「ん・・・」

「教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人共と敵対するかも」

「ん・・・」

「世界を敵にまわす命がけの旅。文字通り命がいくつあっても足りないぐらい危険な」

「今更・・・」

 

ユエの言葉に目を細める晴香は、真っ直ぐ自分を見つめてくるユエのふわふわな髪を優しく撫でる。気持ちよさそうに目を細めるユエに、晴香は一呼吸を置くと、キラキラと輝く紅眼を見つめ返し、未来への望みと覚悟を言葉にして魂に刻み込む。

 

「私がユエを、ユエが私を守る。それで私達は最強。全部なぎ倒して、世界を越えましょう」

 

晴香の言葉を、ユエはまるで抱きしめるように、両手を胸の前でギュッと握り締めた。そして、無表情を崩し花が咲くような笑みを浮かべた。返事はいつもの通り、

 

「んっ!」

 

 




※本編とは関係ありません





ハルカ
「噛まずに言えた!(感激)」
ユエ
「・・・練習してたの?」
ハルカ
「そうだよ!」
ユエ
「・・・そう(生暖かい目)」
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