巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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おはようございます!
・・・コロナが収束してきたので、平時に戻り執筆に時間が取れない・・・ッ!!


43話 第二警備隊との邂逅

それはユエの金髪を惜しげもなく投下して製作された装備であり、カチューシャにより頭部に装着する事が可能。しかし、それは唯のカチューシャではない。このカチューシャにはユエの髪を使用して作られた特徴的な装飾が施されている。

 

それは、

 

「猫の・・・耳?」

「そう、猫耳よっ!」

 

晴香が力強く断言した通り、猫耳である。

 

これから進む先で、晴香たち一行は亜人族のテリトリーであるハルツィナ樹海に侵入する。しかし、見た目は人間でも吸血姫なユエは兎も角、ステータスプレートを見る限り一応人間な晴香は彼等にしてみれば仇敵。史実同様に第二警備隊と鉢合わせしてしまえば即戦闘もありえる。だが、人間でも猫耳とか尻尾を付けてればどうだろうか。

 

どうなるかは判らなくとも、亜人に友好的な人間か、稀に見る変態に映るだろう。

 

例え変態に映ったとしても【他の人間達とは違う】という印象を植え付けられればいい。その為に開発したのだ。

 

確かにこれなら晴香の語った思惑は達成できるかもしれない・・・とユエが思っていると、ふと思い出す。そう言えば、生成魔法も使ってたな、と。

 

「・・・アーティファクト?」

「一応ね」

 

オスカーの住処にて発見した義手に搭載されていた疑似神経をこれにも組み込んだのだ。操作は脳から出される信号を魔力的に感知して、疑似神経を通して動作する物であり、動かそうと思えば耳をぴくぴく、尻尾をフリフリと動かせる。これも本物に見せる為の物であり、亜人族達を少しでも欺けることが出来れば御の字・・・という思惑を孕んでいる・・・が。

 

それが本当の理由ではない。

 

この猫耳カチューシャは装着した状態で耳や尻尾を触られると、擽ったく、そして気持ち良く感じる様に設定がされている!それはもう、本物の猫の様に!

 

なので、これをユエに着けてもらい、撫でたり擽ったり夜のベットでにゃんにゃん出来る夜戦装備でもあるのだ。生成魔法も使い、見た目も本物に限りなく見せ、且つユエの髪を使っていることにより装着すれば本物の耳や尻尾にしか見えない。と言うほぼ本物となった猫獣人バージョンのユエ様・・・最高じゃないかい?

 

晴香も同じ装備を装着すれば、二人でにゃんにゃんじゃれ合う事も・・・

 

想像しただけで頬が緩まずにはいられない。

 

実際に緩んでにやにやしてる晴香を見たユエが、晴香の隙を付くかのようにソレを頭部に装着した。微風などが強く感じられるようであり、新しい感覚器官が生えたかのような奇妙な感覚を覚えながら、ユエは綺麗な三角形の猫耳をぴこぴこと動かす。そして、その感覚を直ぐに掴むと、耳をたらんっと倒しながら晴香に凭れ掛かった。

 

そして、

 

「・・・にゃぁ」

 

と、お鳴きになられた。

 

凭れ掛かりながら、猫手を作りながら『にゃぁ』と鳴くビスクドールの如き美貌を持つ少女。今、この瞬間・・・

 

―――ユエにゃんが爆誕した!!!

 

「――――――ハっ!?」

「「「「プシャーーっ」」」」

 

ちょっと想像しただけで、ユエにゃんが最高に可愛らしいと分かっていた。しかし、実際に着けてもらい、更にはにゃぁ。おまけに猫手でじゃれついて来る。想像以上の破壊力であり、晴香は一瞬だけ意識を失っていた。周りで一部始終を見ていた(又は見てしまった)者達は幸福の赤い体液を馬の背中にぶちまける。

 

馬がとても迷惑そうだ。

 

その間に本物の猫の様に、サッと音もなく移動したユエは、晴香の膝上に跨り、首筋に顔を埋めてチロリっと舌を這わせる。ざらりとしたユエの下の感覚が首筋を奔り抜け、一瞬で体温が上昇するのを理解した。しかし、

 

(や、やばっ)

 

周りには兎人族がいる、その中には勿論男性もいる。そんな環境の中で、晴香が理性を失ってしまえば大変な事になってしまう訳で。そんな事をしてしまったら自分は兎も角、ユエのあられもない艶姿を晒してしまう訳で。そんな事、絶対に出来ない。見た奴コロス。

 

なので、とても名残惜しく思いながら、やんわりとユエを引きはがす。

 

「にゃぁ・・・」

「そんな残念そうに鳴いても駄目。上目遣いでも駄目・・・そこから先は夜に二人だけでしましょう?」

「・・・ん、わかった」

 

潔く引いたのは、やはり衆人環視の中でヤってしまうもは良くないと自重したから。しかし、甘えるなら問題ないとして、そのまま晴香の膝を枕にするようにユエにゃんが寝っ転がる。撫でてっ!と耳がピコピコ強調している。期待に満ちた潤む瞳が晴香に突き刺さる。

 

撫でるだけなら、まぁ問題無い?と、錬成を一時中断してユエを撫で始めた。

 

 

       *   *   *   *   *

 

 

新装備?を作り、それから数時間して、遂に一行は【ハルツィナ樹海】と平原の境界に到着した。樹海の外から見る限り、ただの鬱蒼とした森にしか見えないのだが、一度中に入ると直ぐさま霧に覆われるらしい。晴香は何と無く、富士の樹海を思い出した。

 

「それではハルカ殿、ユエ殿。中に入ったら決して我らから離れないで下さい。お二人を中心にして進みますが、万一はぐれると厄介ですからな。それと、行き先は森の深部、大樹の下で宜しいのですな?」

「ええ、其処が大迷宮と関係ありそうなので」

 

カムが晴香に対して樹海での注意と行き先の確認をする。カムが言った【大樹】とは【ハルツィナ樹海】の最深部にある巨大な一本樹木で、亜人達には【大樹ウーア・アルト】と呼ばれており、神聖な場所として滅多に近づくものはいないらしい。が、観光名所でもあるらしい。

 

カムは晴香の言葉に頷くと、周囲の兎人族に合図をして晴香達の周りを固め、樹海を進む。

 

道中、晴香の気配の消し方に驚愕されてユエがドヤ顔したり、魔物の襲撃をいとも容易く返り討ちにしてチビッ子達よりヒーローを見た!とでもいう様なキラキラと光る眼差しを向けられたりもしながら進む事、数時間が過ぎた頃、今までにない無数の気配に囲まれ、晴香達は歩みを止める。数も殺気も、連携の練度も、今までの魔物とは比べ物にならない。カム達は忙しなくウサミミを動かし索敵をしている。

 

そして、何かを掴んだのか苦虫を噛み潰したような表情を見せた。シアに至っては、その顔を青ざめさせている。

 

晴香はもとより、ユエは相手の正体に気付いて面倒そうな表情になった。

 

その相手の正体は虎模様の耳と尻尾を付けた、筋骨隆々の亜人。虎人族の第二警備隊の面々である。

 

「お前達・・・猫人族と・・・兎人族か」

 

その言葉に晴香とユエは顔を見合わせて笑いを堪えた。見た目が完全に獣人に成れるように製作されたカチューシャ型と尻尾型のアーティファクトは、キチンと役割を果たし、本物の獣人族の目を欺くことに成功したのだ。この敵性亜人達が私達の本当の正体を知ったら、一体どの様な顔をするのか、とても見てみたいという思いである。

 

対してハウリア族一同は、次に発せられた虎人族の言葉に生気を失って行く。

 

「・・・ん?白い髪の兎人族、だと?・・・貴様ら、報告のあったハウリア族かッ!亜人族の面汚し共め!長年、同胞を騙し続け、忌み子を匿う重罪人共め!今この時を持ってお前たちを処刑する!君たち、そいつ等から離れなさい!」

 

虎人族達の意識は完全にハウリア族一同へと注がれており、本当は人間な晴香たちを守らんが為に手招きをする・・・が、晴香たちはその場から動くことがない。虎人族たちはなぜ動かないのか困惑した様子を見せる。

 

忌子であり、前亜人族の面汚しであるハウリア一族は、今この時を持って全員処刑したい。しかし、猫人族は処刑には関係なく、巻き込む訳にはいかないということで、虎人族は切り込むことが出来ない。本来であれば、重罪人に肩を持つなど同罪として処理されるのだが、如何やら様子が変であり、致し方なく庇っているだけの様にしか見えない。

 

実際、晴香たちは大樹への案内の為に致し方なくハウリアを庇っているのである。誤解されるように誘導する事も忘れない。

 

「あの、警備隊長さん。今からとっても重大な事を言うので、長老・・・アルフレリック様に伝言をお願いします。この事は私達の後ろのハウリア族とも関係があるので、私が言った事を一句漏らさずに伝えてください」

「・・・伝言だと?君たちが動けない事に、理由があるのか?」

 

頷き肯定する。そして、晴香はあらかじめ考えて置いた伝言を発する。

 

「『大迷宮は解放者の試練。オスカー・オルクス』・・・この事を伝えてもらえない限り、私はハウリアの前から動く事が出来ません」

 

晴香は腰に下げた()に手を掛けながら、そう言った。もし、ここで伝言を伝えに行かず、ハウリアを攻撃するのなら、私達はハウリアを守ると暗に促している。

 

対して虎人族は困惑した。猫人族の女が発した【大迷宮】【解放者】【試練】。それに誰かの人名だろうか【オスカー・オルクス】。ハッキリ言おう、一体何を指した言葉なのか。又は長老方だけが知る暗号か?虎人族には判らなかった。しかし、例の猫人族の女は、この言葉が族長に知らせなければいけないとても重要な情報であるとしており、その事には後ろのハウリア族も関係していると言う。

 

「・・・それが一体何の事なのか、私には判らない。しかし、長老方なら知っている方もおられるかもしれない。一人伝令を出そう。それまでの間、ハウリアが逃亡しないか我々もここで待機させてもらう・・・構わないか?」

「ええ、問題ありません。妥協していただきありがとうございます」

「いや、重罪人を庇う姿勢を見せないといけないほど重要な事なのであろう。気にするな―――ザム、聞こえていたな!長老方に余さず伝えろ!」

 

虎人族の言葉と共に、気配が一つ遠ざかっていく。同胞にはとても優しい獣人族だからと言っても、チョロ過ぎない?

 

晴香はこんなんでよく今まで生き残れたなぁ・・・と、表情には出さずに呆れた。せめて、もう少し人を疑え、と。声を大にして言いたい。言わないけど。

 

しかし、虎獣人たちが晴香を猫獣人と見間違うもの致し方なかったかもしれない。なんせ、衣装はユエとのペアルックではなく、ハウリアより聞いていた猫獣人がよく着るような民族衣装風な物(ユエが仕立て直したもの)を纏っており、カチューシャ等の飾りであっても、本物の生物の様にピコピコふりふり動くのだ。

 

とても自然に動作するので、人間界や地球であれば違ったかもしれないが、亜人族的には偽物と思う方が難しかった。

 

だが、せめて名前くらいは確認した方が良いのでは?

 

そう思わずにはいられなかった。

 




晴香
「にゃ~」
ユエ
「・・・にゃん?」
晴香
「にゃにゃっ!」
ユエ&晴香
「「にゃぁ~♡」」



なにを話して居るかは、ご想像にお任せしまs(笑)

おまけ

シア
「キーッ!カッカッカ・・・フスゥー!フスゥーッ!!」
ユエ&晴香
「「!?」」
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