巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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7話 勇者

まるでゲームのキャラにでもなったみたい!と、興奮気味に語る香織ちゃんを、八重樫さんが我が子を見守る様な、母性を感じる微笑みで対応している。他の生徒も、自身の能力が数値化されて見れる事に興奮を隠せていない。

 

ステータスを初めて見る私達の興奮ぶりに、苦笑いを浮かべたメル団からステータスの説明がなされる。

 

「全員見られたか?説明するぞ?まず最初に”レベル”があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100で、それがその人間の限界を示す。つまりレベルとは、その人間が到達できる領域の限界値を示していると言う訳だ。レベル100ということは、自分の潜在能力を全て発揮した極致ということだからな、そんな奴はそうそういない」

 

ゲームとは逆で、ステータスが上がるからレベルが上昇するしくみだ。

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることも出来る。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しい事は判っていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補佐しているのではないかと考えられている。それと、後でお前たち用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なんせ救国の勇者ご一行だからな。国の宝物庫大解放だぞ!」

 

メル団が先程言っていたが、日々の鍛錬でもステータスが上がる。なので、私は今日から皆に隠れてコソコソと鍛錬するつもりだ。勿論、鍛錬だけでなく、この城の王立図書館での情報集めや、この城を一時的に抜け出して城下町で私個人で使用するアイテムや食料を調達もやるけど。

 

「次に”天職”ってのがあるだろう。それは要るならば”才能”だ。末尾にある”技能”と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦闘系天職に分類されるんだが、戦闘系天職は千人に一人、ものによっちゃ一万人に一人の割合だ。非戦闘職も少ないと言えば少ないが・・・百人に一人はいるな。十人に一人というのも珍しくないものも結構ある。生産職は持ってる奴が多いな」

 

つまり、私とハジメさんのありふれた天職。錬成師とかのことだ。私からしたら、ありふれた生産系天職である錬成師も、死ぬ気で磨きまくれば太陽の様に輝く稀少度は低くても隠れチートな天職だと思うんだけどな。なんて思ったけど、そもそも将来の魔王ハジメさんを知る者しか、錬成師の凄さを理解できないだろう。

 

因みにこの時、ハジメさんはニヤニヤしてる。悲しいかな・・・次の瞬間、メル団の次の言葉を聞いて脂汗を滝の様に流す事となった。

 

「後は・・・各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前たちならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く、羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな。」

 

彼の反応を見る限り史実同様見事にオール10と綺麗に並んでいるのだろう。という事は、彼のこれからも殆ど変わる事なく、史実同様に物語が進むだろう。可哀想だけど、迷宮探索までの流れは一切変えるつもりは無い。こう言ったら酷いけど、だから、理不尽にイジメを受けて頂く。

 

なんて思っていると、メル団の呼びかけに早速勇者様が名乗りを上げた。そして、開示されたステータスは・・・

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル1

 

天職:勇者

 

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

 

技能:全属性適性

  

   全属性耐性

  

   物理耐性

 

   複合魔法

 

   剣術

 

   剛力

 

   縮地

 

   先読

 

   高速魔力回復

 

   気配感知

 

   魔力感知

 

   限界突破

 

   言語理解

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チートの化身だった・・・と言いたいけど、まぁうん。戦闘では全く効果を発揮できないこと(90階層での魔人族のと戦闘で)を知っていると、ただ凄い能力をいっぱい持ってるだけの、唯の甘ったれ平和ボケ人間でしかない事を私は知っているので、素直に凄いとは思えない。というか、此奴よりも封印されてるユエちゃんの方が強いし。笑勇者と比べるのは烏滸がましいか。

 

「ほお~流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か・・・技能も普通は2つ3つ何だがな・・・規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

「いや~、あはは・・・」

 

メル団の称賛に照れたように頭を掻く光輝。ちなみに団長のレベルは62。ステータス平均は300前後、この世界でもトップレベルの強さだ。しかし、光輝はレベル1で既に三分の一に迫っている。成長すればあっさり追い抜くのだけれども、使えないからね・・・

 

 ちなみに、技能=才能である以上、先天的なものなので増えたりはしないらしい。唯一の例外が”派生技能”だ。これは一つの技能を長年磨き続けた末に、いわゆる”壁を越える”に至った者が取得する後天的技能である。簡単に言えば今まで出来なかったことが、ある日突然、コツを掴んで猛烈な勢いで熟練度を増すということだ。それなのに私は、はじめっから壁を乗り越えている様である。長年の磨きとは一体・・・?

 

光輝の後に続いてその他の生徒たちも報告していく。どの生徒たちも戦闘系天職であり、例外と言えば香織ちゃんの【治癒師】鈴ちゃんの【結界師】絵里の【降霊術師】あたりだろう。ハジメさんの順番が回ってくる・・・その前に、私が割り込んで報告する。ステータスプレートを渡すと、非戦闘職なのに勇者と同程度の魔力・魔耐を有している事に驚かれる。そして、戦闘職でもないのに【弓術】を有していることから戦闘も出来るという事で喜ばれた。属性適性も有している事から、魔法についての座学も取り入れてくれるとの事。

 

それから数人周り、とうとうハジメさんの番がやって来た。

 

戦闘職は無論の事、非戦闘職の生産職である私ですら規格外のステータスばかり確認していたメル団はホクホクしている。これからの対魔人戦争で比類なき力を発揮するであろう新たな戦友の誕生に喜んでいるのだろう。そのメル団の表情が「うんっ?」と、笑顔で固まる。何回も見直したり、故障じゃ無いだろうなとコンコン叩いたりして・・・何とも言えない表情でハジメさんに返した。

 

「ああ、その、何だ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか・・・」

 

と、私にもしてくれた説明をハジメさんにも、歯切れ悪く説明するメル団。

 

その様子に、ハジメさんを目の敵にしている男子たちが食いつかないはずがなく、史実同様、檜山たち小悪党グループによるハジメさん弄りが発生。そこに愛ちゃん先生が介入し、ハジメさんの精神に止めを刺した。死んだ目になって遠くを見つめるハジメさんを心配した香織ちゃんが突撃し、それが却って男子たちの反感を買うと言う負のスパイラル。ハジメさんは悲しき運命にある・・・

 




ハジメさんが不憫。でも、コレが運命という奴さ・・・
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