久しぶりの投稿となりましたが、はい。
課題に追われてます。
志村けんさんの訃報にもかなりのショックを受けました。
まじで惜しい人を無くしたな…
皆さんもコロナだけは気をつけてください。
課題と共に頑張って投稿しようと思います。
静まり返った駐車場で代表の先生は俺と会長に説教を始めた。
「こっちは忙しいんだからあれぐらい対応してくれないと困るよ〜」
先程の一件に関してはこちらに非は全く無いはずだ。
どこにも怒られるいわれはない。
というかその言い方をやめて欲しい。
理由は単にウザイ。
その説教に対して会長がごく当たり前の反論を始めた。
「確かに僕らの対応が遅かったかもしれません。しかし、あの保護者の方は参加応募用紙にある注意書きの九時以前の駐車のお断りを破っています。それは僕らの対応の遅さのお詫びで許されるようなものでは無いと思うのですが」
「けどさ…そこは…しょうがないよね…」
「対応の遅さに関してですが、僕は聞いただけなので細かいこともそちらの事情も把握はしていませんが先生は生徒会への前日説明をされなかったそうですね。詳しいことを知らされていない新入生に対してそれで大丈夫だと思っていたのですか?」
「そこは君の仕事だよね?」
「はい?」
先生のその一言に会長は少し苛立った様子で疑問の声を上げた。
確かに今日は会長が居たから助かった面もある。
だがしかし、会長はほぼ任期が終了している身であり、本来ならばこの手伝いもいなかったのだ。
つまり、こればかりは会長の仕事だとは言えない。
なにより、問題なのはそこでは無い…おそらく会長もそこに対して疑問を持っているのだろう。
「確かに過去のことなら僕は教えることが出来ます。けど、今回は電気パンを先着順から抽選に変えたそうじゃないですか。その説明を僕がしろと先生は仰ってるんですか?」
「そこは…生徒会なんだからさ…」
「申し訳ないんですが生徒会は何でも屋ではないんですよ。情報を教えられなくても何でもできるなんて言うのを期待しているのならうちはこの仕事を次から断らせて貰うように町田先生に話を通しておきます」
会長のその言葉を聞くと流石に先生も困ったようで何も言わずに玄関へと身体の向きを変えて準備に戻って行った。
駐車場に残された会長と俺はしばらくの間何も喋らずにその場に立っていた。
何も無い空白の時間が過ぎていき、気づくと車を移動する為に出てきた先生方がちらほらと見え始めた。
すると会長が誘導をする為に移動を始めたので、俺も自分の仕事をするために場所を移した。
先生方の移動は別館の駐車場に移動するだけなので、駐車場で会長が誘導、正門を出てから別館までの道を俺が誘導するという形で行われた。
なので会長と話すことも無く移動の誘導は終わってしまった。
誘導を終えて校舎の方に戻ろうと身体の向きを変えると正門の前に会長が立っていた。
会長は穏やかな顔でこちらに手招きしており、俺も足早に正門へと向かった。
会長の所へ着くと会長は校舎の方へと向きを変えて歩き出したので、俺はその後を追うように着いて行った。
ここまで会話がないと気まずくなってくるのも当たり前だろう。
このまま喋らずに玄関に行ってしまっても良かったのだが、先程の時に俺がでしゃばってしまったことに対して申し訳ない気持ちがあったのでとりあえず謝るだけはすることにした。
「さっきはすいませんでした。その、でしゃばって迷惑かけたっていうか、余計なことしたかなって…」
「いや、そうでもないさ。確かにあの時は俺もイライラしてたけど、天草の判断は間違ってないよ」
その声はとても穏やかで、全てを言い終わったあとにこちらに向けた爽やかな笑みは本当にイケメンだった。
だが、すぐに落胆したような表情に変わって立ち止まった。
「大変な仕事柄なのは承知だけどさ…明らかにあれは教師の仕事だし…俺らもなんでも出来る訳ではないしさ。ああいう風に先生の都合で振り回されんのはな…」
「会長…あの…」
「まぁ、臨機応変に対応すんのが大事ってことだ。戻ろうか」
「…はい」
確かに会長の言う通りだ。
生徒会は生徒でもあるが、一般生徒とは違って教師と同じような仕事をしなければいけない。
生徒と教師の間というこの微妙な立ち位置というのが、時に特権にも凶器にもなりうるのだ。
それ故にほんの少しの準備不足、情報不足が命取りになりかねない。
今回はあの先生の連絡不足が命取りになった。
それに加えてあの先生の勝手な判断にも納得はいかない。
本当に今回はあの先生に振り回されていると思う。
玄関に戻ると会長と俺以外の生徒会メンバーが全員集まってあの先生の話を聞いていた。
「君たち遅いよ…早く入って入って」
こっちは仕事してたんだが?
しかも遅くなったのはあんたのせいでもあるだろ。
色々積もった不満を堪えながらも二人は謝罪をしながらその輪の中へと入った。
「僕は今回の祭りの代表やらせてもらってる
「くじ引きというのは抽選のことですか?」
聞きなれない言葉を使われたので推測で頭に浮かんだ物と同じかを確かめると、成嶋は雑に答えた。
「そうそう」
だから、その内容の説明がないとこっちも動けないんだよ。
少し苛立ちながらもそれを抑えて内容を聞くためにまた口を開いた。
「と言ってもどういう風にやれば…」
「そこは…生徒会にお任せしちゃおうかな」
「え?」
流石にこの発言には疑問を抱かずにはいられなかった。
どんなものか分からないのに全任する?
馬鹿を言うなよ、そんなことできるわけがないだろう。
出来ないと言っても仕事が出来ないと言う意味ではなく、この場合は責任を負えないという意味で出来ないと言った。
今回の生徒会の仕事は科学祭りの補助であり、下請け業者の様な形で仕事を受けている。
ならこればかりは条件に出さなければ。
「全任するのはいいんですが、失敗した場合の責任はとっていただけるんですか?」
成嶋ははて?といったような表情を浮かべ、首を傾げてそれに答えた。
「全任するんだから責任も持つに決まってるでしょ?何を言ってるんだよ全く」
納得がいかない。
過去にやったことと同じことをやるならばまだ理解は出来た。
だが成嶋が言っていることはどうも納得がいかない。
初めてのことをやるならしっかり考えてからやらないと失敗するリスクは高いはずだ。
なぜ、そんなものをこちらに丸投げしてくるのだろうか。
明らかにこれは時間が足りない。
あと一時間という短い時間で全ての準備を終えてそれを完璧にこなすなど不可能に近い。
例えそれに近いものができたとしても俺はそれに満足出来る気がしない。
それに失敗が怖いのは誰だって同じはずだ。
しかも、生徒会の一人の失敗は生徒会全体の失敗とされてしまう。
なによりこれに俺は怯えているのだろう。
だとしてもこいつにこれ以上振り回されるのだけはもう勘弁だ。
やってやるよ。
生徒会の意地を見せてやるよ。
読み終えていただきありがとうございます。
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