五日目まで至ることが出来て本当にほっとしてます
昨日確認したらまたお気に入りが1件増えていました
本当にありがとうございます
今回は幕間という形で一話投稿させてもらいます
宣言通り今日はこれを含めた二話投稿しようと思うのでよろしくお願いいたします
いつからだっただろうか。
私が進んで人と話をすることが無くなったのは。
忘れたいのは確かだが、人間嫌な記憶というのはそう簡単に忘れられるものでは無い。
いつからだと自分でどれほどとぼけた所で、心の中のどこかではそれがいつからかをはっきりと覚えている。
本当に人間の心というものの作りは嫌になる。
踏み込みすぎても咎められ、引きすぎていても咎められる。
「空気読めよ」と皆からそう言われた。
なぜ読む必要があるのだろうか。
会話というものは言葉と言葉を交えることだろう。
いつから会話というものが周りの雰囲気を作るための行為になっていたのか、私には到底理解が出来ない。
歳を重ねるに連れ、空気を読むという風潮は皆が出来て当然、出来て当たり前となっていた。
なぜ周りを気にした会話をするのが常識のようになっているだろう。
そう思う度に周りの人に話しかけるのを躊躇ってきた。
いや違う、空気というものに敏感になっていった。
いつか誰かに言われた、ほんの一言。
この一言が私に話しかけるということをずっと躊躇わせてきた。
だから、私は話しても問題ないところ。
そう言われずに済むところをずっと探していた。
そうだ、話さなければいけないことなら、話しかけても流れは、空気は自然なのだと私は気づいた。
だから、必要以上は人とは喋らず、必要以上は人から話しかけられないという私が出来た。
これでも、私は今の状態を気に入っている。
周りから口下手だ、不器用だと言われようと関係ない。
これが今の私だ。
自分の最善を尽くしている。
この状況が私にとっては限界なんだ。
だけど…生徒会の人達は違った。
会長たちは「前で話すことは出来るんだ、それだけで周りとは良い意味で違うんだよ。何も出来ないより、何かできる人の方が色んな意味で強いよ」と私は口下手なんかじゃないと励ましてくれた。
七海先輩は「えー、私と話せてるからいいよ。というか花ちゃんは難しいこと考えすぎ」と言ってこの半年近くずっと関わってくれている。
天草くんもあまり喋らないけど、彼は何か待っていてくれるような安心感がある。
多分、口には出さないけど何か他の人とは違うことを考えている気がする。
彼ともっと喋ってみたい。
彼が何を考えているのかが気になるけど、やはり私は口下手で彼と話すのはまだ難しい。
今日も資料を渡すだけで大変だったけど最後は自然に話しかけられた。
彼と一緒に帰ることが出来れば彼と話すことも出来る。
これは私にとっても大きな一歩だと思う。
階段を降りた時、町田先生と彼がとても仲良く話していてとても羨ましかった。
彼も普通に話すのだと分かって嬉しかった。
その反面何故か悲しかった。
とりあえず彼を待とうと彼の下駄箱の外で待っていたら、すぐにとぼとぼと疲れた様子で歩いてきた。
何があったかは分からないけど、多分彼はついて来てくれる。
私は彼を背にして、玄関を後にした。
正門を右に行けば私の家の方角だ。
彼の家は反対だけど、一緒に帰ろうと誘ったから来てくれるはず。
そんなことを思っているとすぐに正門に着いてしまった。
どうして玄関から正門まではこんなに短いのだろう。
彼が着いてくることを信じて私は正門を右に曲がった。
足音が遠のいていくのも気づかずに進んで行った。
なぜ、正門で待たなかったのか。
私は後になって自分の行いを後悔した。
9月の冷たい夜風が私に寂しさを運んでくる。
もっとはっきりと言えばよかった。
ちゃんと彼に伝えるべきだった。
彼は黙って全てを理解していると勝手に期待していた。
やはり、私には何も出来ないのかもしれない。
私は口下手なのだから。
読み終えていただきありがとうございます。
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