陰キャなんで恋愛なんてしません   作:*白湯*

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どうも白湯です
スマホの画面割れてPCで作業してるので毎日投稿が難しい形になってきましたが出来るだけ毎日執筆はしようと頑張ってます
今回は前回の続きとなっていますので前回の話を見ていない方はそちらの方も見ていただけると幸いです


祭りなんで2

俺は会長と一緒に時間を守らない保護者の車に注意に行っていた。

駐車場には銀色の大型の車が止まっていた。

もちろん運転席には保護者と思われる女性の姿が見えるが、よく見ると後部座席には数人の子どもが乗っているのが見えた。

「かなり乗ってますね…」

まずったな…こんなに乗ってるとなると注意するのは気が引けるな…

保護者一人につき子ども一人ぐらいなら注意しても心は痛まないが、流石に保護者一人につきこんなに子どもがいるとなると…

別に子ども達が悪いわけではない。

悪いのは保護者であって子ども達に罪があるわけではないのだ。

それを一緒に注意するのはなんとも心が痛むのだ。

連帯責任。

この言葉、この行為は俺はどうも好きではない。

集団の一人の失敗、愚行がその集団の失敗、愚行とみなされる。

それに伴う、責任、然るべき制裁も全員が受けることになる。

これの特徴、狙いとしては一人の失敗、その責任を全員に受けさせることにより戦犯が誰かをハッキリさせ、外部からではなく内部からそれを正そうとするものだろう。

しかし、その行為自体には危険性を孕んでいるということを誰も理解していない。

例えば一人で責任を負う場合と連帯責任の場合では失敗した当人の失われる社会的信用度、その人が迫害された場合の規模は断然に違う。

連帯責任には失敗の規模の大小関係なく人の心を壊す仕組みが出来てしまっている。

まぁしかし、この場合そんな罪の意識が強い訳では無い子どもに注意をしても母親にそれほどダメージがいくこともないだろう。

それなのに子どもをガッカリさせてしまうのは裂けたいところではある。

俺がそんな葛藤をしていると横に立っていた会長が車に向かって歩いていった。

運転席側のドアに立ち、窓ガラスを軽くコンコンとノックすると窓が開き保護者と会話出来る状況になる。

「申し訳ないのですが今から教師の車の移動も含め、一度この駐車場を空にしたいのですがお車の移動をお願いしてもよろしいでしょうか?」

ドアを閉めたままだが会長のお願いに保護者と思われる女性が口を開いた。

「でもね…早く来ちゃったからね…どこかで待てればいいんだけどね…」

少し困ったように話しているが、意図的に早く来ているはずだ。

シラを切るにも程がある、とぼけ方がわざとらしい。

「もしでしたら、教師が移動する駐車場がそちらの別館の駐車場になりますので、よろしければそちらの方に空きの場所がありますから時間になるまでお待ちいただければ」

「でも…ちょっと車に酔っちゃってる子がいるから動きたくはないんだけど…」

だめだ、イライラしてきた。

嘘をつくなよ…見る限り後ろに乗ってる子どもたち全員元気だろうが。

こんなことで時間稼ぎをされても困る。

この後に教師の車移動の誘導やらこちらも準備があるんだ。

それにあの先生からの説明も受けていない。

やることが山積みでこんなとこで無駄な時間を食っていたくはない。

この保護者の狙いは会長の話から読むに電気パンのはずだ。

ならば言っても構わないはずだ。

どんな印象を受けようと、どんな顔をされようと、誰かしらが言わないとこの停滞した無駄な時間は終わらない。

「大変申し訳ないのですが、電気パンなら先着順じゃ有りませんよ?」

「は?」

先程まで穏やかな口調だった保護者の口からアホらしい声が出た。

「ですから、今回は先着順じゃなくて抽選になったんですよ」

「え?はい?」

「だから、早く来ても電気パンは貰えないですよ」

「え、それなら…」

「そうですよ。早く来ても無駄です」

俺は淡々と事実を女性に対して率直に述べた。

確かに女性の方としては先着順だと思って来ていたのである意味被害者の様に思えるが、そもそもの話この人は時間を守るというこちらが提示したルールを破っている。

どちらかと言ったらこっちがその被害者だ。

そこは勘違いしないで欲しいところではある。

少し苦々しい表情をした会長が一度こちらを見たが、すぐに保護者の方の方へと顔を向けてしまった。

「申し訳なないのですが。この様な事情でしてお車の移動をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

ここまでの状況になっては諦めない訳にはいかないだろう。

これで諦めて移動してくれるとこちらの方でも助かるのだが。

「分かりました…移動しましょう」

良かったこれでこの無意味な時間が終わるなら他のことに手が回せるようになる。

「なら抽選を当たりやすくしてくれるのかしら?」

「はい?」

女性の口から出てきたとんでもない発言に流石に会長も俺も度肝を抜かれた。

いや、それはおかしいだろ。

そもそも子の人は根本的な約束を守ることが出来ていない。

何故、その状況でその様な提案をできるのだろうか。

どうにも理解ができない。

「えーと…それには対応致しかねます…」

「何故かしら?こちらはここまで待っていたのだけれど」

女性のこの発言には流石に会長も言葉を返せなくなってしまう。

そもそもこちらが配布しいている紙には9時以前の駐車場への駐車は控えるようにと注意書きがされている。

「どうして?こちらはそちらの不手際でこちらは待たされているのだけれど」

女性の発言に対して流石に俺も耐えきれなくなり少し尖った口調で返してしまった。

「だからそもそもこちらとしては9時以前の駐車をお控え願ってるんですよ。それも守れてないのによくそんなことが言えますね」

こちらとしてはそんなに強い口調で言ったつもりは無かったのだが、後部座席を見ると子どもたちが驚いた顔でこちらを見ていた。

君たちを怒ったつもりは無かったんだけど…

「だとしてもこちらはそんな情報を教えられてないのだけれど?」

「それは…こちらとしても同じ状況です。その情報を聞いたのも当日になってです」

「それは…そちらの連絡不足ではなくて?」

そこを突かれると何とも言えない。

確かにその通りだ。

その通りなのだが、そもそも論なのだ。

そもそもこの女性はルールを守るという最低限のことが出来ていない。

確かにそちらも聞いていた状況と違って文句を言いたいだろうが、その点に置いて被害者面をしていい身分では無いのだ。

これに関しては本当に返答に困ってしまう。

どうすればいい…どこかにこれを解決する糸口があれば良いのだが。

やはりどうしても情報不足が否めない。

「あれ?まだ車の移動始めてないの?」

会長と俺の後方から聞き覚えのない声が聞こえた。

誰か分からないので会長も俺もその声の主の方へと顔を向けると、そこには先程俺らに話をするはずだった先生が立っていた。

「もしかして先生でしょうか?生徒さんじゃお話にならなくて…」

迷惑そうに俺を見ながら女性が先生へと文句を垂らした。

「あ、本当ですか。生徒会でしょ?こんなんも出来なきゃ困るよ〜」

なんだろう…この先生の話し方…すごいイライラする。

そもそもアンタがこちらに何も説明しなかったこと、資料の不備が原因でこうなってんだろうが。

なんでこっちに文句を言うんだ。

何が困るよだ、困ってるのはこっちだ。

「でどうされました?」

「いやね…私は電気パンが先着順だと思って早く来ていたのだけど…今聞かされた話だと抽選に変わったっていうじゃないですか。そんなの私は聞いていないし子どもたちもこんなに待っていたのに可哀想だと思って…この子達に抽選を当たりやすくして欲しいと頼んだんですけれども…どうもこの子達自分達の失敗を認めたくないようで…」

「あ、そうでしたか。うちの生徒が本当に申し訳ありません。また、抽選の時にご申し付け下さりましたらこちらの方で対応させていただきますので」

「あら、本当ですか?それは良かった…では車の方を移動しないと」

「あ、お車の方もこちらに停めていて結構ですよ。お時間になったらこちらから出てきていただければ」

「あら、ではここで待たせてもらいますね」

そう言って女性は窓ガラスをスライドさせて閉めてしまった。

こうやって先生の都合で好きに振り回されるのは好きではない。

だが、生徒会というのは立ち位置的にもこれが避けられない。

なんとも難儀な役柄だ。

 

 




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