俺の幼馴染みはヤンデレです 作:太公望
もちろんどっかの普通ガールと子犬がやらかすと思いまーす
「よーちゃん起きてよ〜」
「眠い。やだ」
「は〜や〜く〜」
「もう少ししたらな」
変な夢だな。昔、ナナが泊まりに来てた時のはず。あの時はたしか土曜日だっけ? 俺が珍しく寝坊した時に起こしに来たのがナナだったんだよな。しかも俺の上に乗っかってきたから苦しかったのを覚えてる。
そして今、夢だろうかなんだろうか知らないけどめっちゃ苦しいのだが。
「よーちゃん、遅刻しちゃうよ?」
「知らない。眠い」
「ここからじゃ自転車じゃないと月ノ森まで間に合わないよ?」
「ったくめんどっちぃ……って七深? うん、夢か。寝よ」
体を起こそうとすると、夢に出てきた構図と同じように七深が俺の上に股がっていた。うん、夢だよな。第一、こいつが俺の家の鍵を持ってるはずがない。
「夢じゃないよ? ほっぺたつねってあげるよ」
「いったいんだけど。え、マジで夢じゃないの? 鍵あんの?」
「うん、あるよ。お母さんから貰ったんだ〜」
鍵を目の前にチラつかせて得意げに言う七深。多分だけど、七深の母さんに俺の母さんが渡したよな。それしか考えらんないんだけど。帰ってきたら〆るか。
「それよりさ、早く行こ?」
「時間やっばいやつやん。チャリ使うか」
起きた俺は着替えを済ませて倉庫からチャリを出してきた。朝飯はどうしたかって? 食ってねーよ。
「あーそっか。七深、チャリ乗っていいよ。俺走るから」
「え〜一緒に乗ろうよ〜」
「いや『よーちゃ〜ん』めんっどくせぇな」
七深にねだられて渋々了解した。千聖と同じぐらい一緒にいるだけあって、俺の弱点をわかってやがるな。
そして、七深をチャリの後ろに乗せて月ノ森までの道を行く。俺もあんまり知らないから七深にナビしてもらうしかないことに少しムカついてるけどな。
「そこ左だよ〜」
「はいはい」
「よーちゃん大好き〜」
「は、やめとけ」
落ちないように俺の事を抱きしめる七深。坂だからスピード上がってるってこともあるから今回だけは許そう。今回だけな!?
学校に着くのは本当に始業ギリギリ。まぁ俺が寝坊したのもあるけど途中でコンビニに寄りたいって言った七深のせいでもあるんですけど。
「七深ちゃん遅刻ギリギリ!」
「な、なにかあったの?」
「よーちゃんが起きるの遅くてさ〜」
「いやお前が上に乗ってたから起きれなかったんだよ」
白髪とツインテールの女子と話している七深がありもしないことを吹き込むから突っ込みを入れる。すると、白髪の方は俺からたじろぎ、ツインテールは疑問符を浮かべた。絶対に俺警戒されとるやん。
「あ、耀太先輩〜、桜弥先輩が呼んでましたよ」
「マジ? えーと『透子です』ありがとな、透子」
「それと、あとで一緒に写真撮って貰ってもいいですか?」
「それぐらいならいくらでも」
そして、俺は逃げるように生徒会室に向かった。何から逃げてるかって? 七深が千聖達みたいな黒いオーラを発してるからだよ。
向かったと言っても、俺は生徒会室までの道が分からないから白髪に案内してもらってる。だけどさ、めっちゃ警戒されててすっごい心苦しいのだが。
「あんまり警戒しなくてもいいぜ? なにもしないから……な?」
「で、でも…お母さんが年頃の男の子はみんな狼さんだから襲われないようにって……」
「いや普通そうだよなぁ!」
愛する愛娘を守るためならそれぐらいして当然だよな。なんなら千聖達にも同じ教育をして欲しいぐらいなのですがねぇ!
「だけど、耀太先輩なら安心できるかも。七深ちゃんの従兄弟だから……!」
「そう言って貰えるとありがたいわな」
「私、倉田ましろっていいます。しろとかしろちゃんってみんなに呼ばれてます。なんでもいいですよ」
「俺は真宮耀太。俺もなんでもいいよ」
そして生徒会室の前まで来た。
「ここです」
「おう。ありがとな」
「ちょ、ちょっといいですか?」
「ん? どした?」
生徒会室に入ろうとすると、ましろに呼び止められた。なんか口元ゴニョゴニョしてるし…なんかやったっけ?
「そ、その……頭、撫でて貰ってもいいですか? 七深ちゃんがすっごく安心するって言ってて」
「言えばそれぐらいやるってんの」
そういって俺はましろの頭を撫でた。撫でている間、俺とましろの間には会話は一切ない。だって、ましろの顔がめっちゃ赤くなってて湯気吹きそうなんだもん。なんだろうこの感じ。守りたくなる子犬的な感覚だわ。
「もう、大丈夫です///」
「あいよ。んじゃ、またあとでな」
ましろと別れて生徒会室に入ると桜弥が一番奥の椅子に座っていた。めっちゃ生徒会室って雰囲気あるし、桜弥も生徒会長って感じの威厳がある。それに比べて日菜と燐子は……いや、考えるのはやめておこう。
「お待ちしていました。耀太さん」
「お待たせしました。そんで、俺は何をやるわけ?」
「話に聞いた通りせっかちなのですね。まぁそう焦らずに座って紅茶でも飲みませんか?」
「聞いた? あー、紅茶はいただきます」
桜弥の言った『聞いた』っていう言葉に疑問が浮かぶが、それを置いて淹れられた紅茶を飲む。いやでもさ、『聞いた』って誰に聞いたんよ。
「ところで、この制服は誰がデザインしてくれたか分かりますか?」
「いーや、全然。昔と変わったってことだけはわかる」
「ですよね。実は、この制服をデザインしてくれたのはあなたのお母さん、
「へー、うん、そう。ってマジ?」
え、あのどこにいるかも連絡よこさずに自由気ままに家に帰ってくる母さんが? 最近なんて電話すらないんですけど。一方的に服とか城とかの画像が送られてくるだけなんですけど。
「ちなみに、あなたのことを聞いたのも琴美さんからです」
「やっぱり母さんだよな。母さんしかここに繋がりないもん」
よし、今度帰ってきたら絶対に〆るわ。ついでにいる間は母さんにずっと家事やらせよ。父さんは寝させておく。だって母さんに振り回されてるの知ってるもん。
「忘れる前に文化祭の話に移りましょうか。耀太さんには全体的な見回り、1年生の出し物の補助と
「了解した。ってか、モルフォニカ? ってどこのバンド?」
「聞いてないんですか? 七深さんが所属するバンドですよ。補足として、七深さんはベースです」
「あいつが……いや、逆に納得。今日は何すればいい?」
「それでは、七深さん達のクラスを手伝ってきてください。出し物の準備をしているそうですよ」
そういわれて七深のクラスにいった。すると、そこでは甘い匂いに包まれてお菓子やら紅茶やらが作られていた。この感じだと喫茶店でもやるつもり? うちらのクラスと同じようなもんだよな。
「あ! 耀太先輩! 見てくださいこのお菓子。めっちゃ可愛いですよ!」
「そ、そうだな」
教室に入るや否や、透子にお菓子を見せつけられた。お菓子と言ってもクッキーの上にチョコペンで動物やら何やらが書かれているものだった。これって……猫?
「きゃあ!」
透子と話していると、教室の奥からなにかが爆発したような音と一緒に悲鳴が聞こえた。しかもこの声はさっきまで聞いてたましろの声。教室で爆発とか何やってんだよ。
「しろ!? なにやってんの!?」
「カップケーキ焼いてたらなんか爆発しちゃって……」
「爆発……って程でもないな。分量に対して時間が長すぎる感じ。ま、気をつけとけよ。怪我は?」
「ない、です」
「後処理手伝うよ。こっちの生徒会長に頼まれてんでね」
桜弥もめんどくさいこと頼むもんだよ。いや、まだ楽な方かもしれない。だって知り合いがいるんだもん。知り合いいなかったら絶対に気まづいし、何かとやりずらいきがするからな。逆に感謝感謝。
結局、その日はお菓子作りをめっちゃしました。それに試食と題してめっちゃ食べさせられました。みんなして黄色い悲鳴? 上げてるけどさ、俺はそんなに人気じゃないぜ? 透子が騒ぎ立ててるだけだしさ。そんでもって透子と一緒に撮った写真をSNSに透子が上げたらしいんだよ。その反響がデカいことデカいこと。だってすぐさま彩から連絡来たもん。ま、無視しましたけど(後で終わるけどな)
「しろちゃ〜ん、一緒に帰ろ〜」
「うん。いいよ」
「んじゃ俺は『よぉちゃんも一緒でしょ?』え、あ、はい」
帰ろうとするけど七深に捕まった。マジでめんどいんですけど。逃げていい?
「よーちゃんさ〜、昔みたいに『ナナ』って呼んでよ〜」
「却下」
「耀太先輩と七深ちゃんってそんなに仲良かったの?」
「それは『そ〜だよ〜。昔は一緒にお風呂入ったり、一緒に寝たりしたしね〜』おいコラ。余計なことを吹き込むな」
それをきいたましろは顔を赤くして俯いていた。こんのアホンダラ、あとで苦手なもの食わしてやる。
「耀太先輩、呼び方ってなんでもいいって言ってましたよね?」
「あー、言ってたな」
「よー先輩って呼んでもいいですか……?」
ウップス。あのね、ましろって絶対に無自覚だよね。え、なに? 年上キラー? じゃなくてもめっちゃ守りたくなるこの子犬ちゃん(薫風)
「それで呼びやすければ」
「ありがとうございます。よー先輩……///」
あーもう無理。この笑顔だけで1日頑張れるかもしれない。って心のどこかで思った瞬間、千聖達に勘づかれるからやめておこう。あーあ、明日は花咲川で明後日から文化祭本番だろ? ダッる。
って言うことでした。
ましろの年上キラーが発動して耀太の心が持ってかれかけました。そしたら怒るのは?もちろん知ってるよね笑
これ押せば感想欄にとべます。
来たら投稿頻度上がります。いや、上げます
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