俺の幼馴染みはヤンデレです 作:太公望
今日は日曜日。蘭が泊まり始めてから何日か経つが、当の本人は我が家のように平然としている。とりあえずこのことはつぐちゃんにだけは伝えておいたけど、喧嘩の内容まではさすがに聞くことはしなかった。
「今日は何します?」
「そろそろ仲直りしてくれると嬉しいんだけど?」
「それは無理です。あたしも譲れないので」
「って言うと思ってたよ。いつも通りダラダラしてようぜ」
まだ肌寒いので俺と蘭は炬燵に入ってテレビを見ていた。蘭が俺の家に泊まりに来てからというもの、家から出るのは仕事以外では極力減らしている。俺以外が家に入ってくるとやばいし、なんか嫌な予感がしてならない。
そんなことを考えながら炬燵で時間を潰しているとインターホンがなった。そして出てみると……
「愛しのモカちゃんですよ〜。遊びに来ちゃいました〜」
「人違いじゃないですかね?」
「そんな事言わないで遊びましょうよ〜。ていうか、ドアなんで閉めようとしてるんですか?」
「り、理由は特にないんだけどさ……力強くない? 遊ぶのは遊ぶから少し待って、片付けてくるから」
「はーい」
想定外の訪問者が来た。家の場所……いや、これはもうどう考えてもしょうがない。女子のネットワークは広いという考えで行こう。
「蘭! モカが来たからどっか隠れろ!」
「え、来たんですか?」
「いいから早く! とりあえず俺の部屋に鍵かけて隠れとけ」
蘭を部屋に行かせてあるものを適当に片付ける。俺が休みで家にいるなら基本的に1人のことが多いって言うことも多分知ってるんだろう。そうなると2人分の食器とかも怪しまれるから不安要素は取り除いておいて損は無い。
「ハイハイおまたせしました」
「おじゃましま〜す」
モカはさっきまで蘭が座っていた場所に座って炬燵に入った。何をしに来たのかは知らないけど、めんどくさい事にならないように立ち回るしかない。それならいっそパンで釣るか? モカってパンめっちゃ好きらしいし。
「おやおや〜? なにやら美味しそうな匂いがしますな〜」
「なんで袋から出しただけでわかるんだよ。犬かよ」
「数あるパンを食べてきたモカちゃんだから分かるんですよ〜」
母さんからのメール通りに作った自家製のパンをモカは頬張る。その姿がハムスターが頬袋に餌を貯めているように見えてきて可愛いと思ってみたり思わなかったり。最近なんかこういうこと多くなってきてる気がするんだよな。
「もしかしてモカちゃんの美貌に見とれてます〜?」
「普通よりは可愛いんじゃねぇの?」
「さっすがよーさん。見る目ありますね〜」
褒められてニヤニヤしているモカをみるとムカつくのと同時にまた可愛いと思ってしまう。なんだろう、最近毒されすぎたかな?
「さてさて、何して遊びましょうかね〜」
「俺はなんでもいいぜ。遊べるものは無いけど」
「なんとなんとモカちゃんはトランプを持っているので〜す。なので神経衰弱しましょ〜。罰ゲーム付きですよ〜」
「その内容は?」
「モカちゃんが勝っちゃったらよーさんに蘭の居場所を教えてもらいます。モカちゃんが負けちゃったら慰めてもらうためによーさんに1つお願い聞いてもらいます」
え、これ八方塞がりやん。てかそもそもモカには蘭がいることバレてんの?
「それってやる必要なくない? 俺は蘭のこと知らないから」
「つぐに聞きましたよ」
「知らないです」
「それじゃぁここにある赤い髪の毛は誰のですかぁ?」
あ、しまった。まずいまずい、これは非常にまずいです。
「まぁこれを聞くためにトランプしましょうね」
「俺が勝てそうな神経衰弱でおなしゃす」
とか言ったんだよ。俺が勝てそうなって言ったやん? それなのに何この現状、悲しすぎる。
「いぇーい、モカちゃんの圧勝でした〜」
「5組しか取れなかったんだけど」
「それじゃぁ教えてくださいね〜」
「しょうがねぇな。はいはい、それは蘭の髪の毛ですよ。喧嘩したからって俺のところを頼ってきて泊まってたんですよ。でも今はどこにいるか知らんで」
蘭が逃げたのは顔合わせたくないからっしょ? したらここはお引き取り願うのが先輩の役目でしょ。
「それ、嘘ですよね。さっき下駄箱に蘭の靴ありましたもん」
「おっとおっと、なんで見てるんですか?」
「勘なんですよ〜。あと〜、蘭がよーさんの部屋にいる気がするので見てきますね〜」
「え、いや、ちょ、おい!」
捕まえることが出来ずに俺の部屋の前に着く。鍵をかけておけって言ったはずなのに蘭は鍵をかけてなかったからモカはあっさり入ることが出来たらしい。もう俺は知らん。だけど頼むから修羅場になることだけはやめてくれ。
「さてさて〜、蘭はどこにいるんでしょうか〜」
選択肢1.ベッドの中
選択肢2.机の下
選択肢3.ベッドの横の隠れられるところ
選択肢4.クローゼットの中
「モカちゃん的には〜、クローゼットの中かな〜」
「も、モカ……」
「俺知らんぞ。喧嘩すんなよ」
「喧嘩なんてしませんよ〜。蘭、この間はごめんね。モカちゃんも周期的にアレ来てたし、大好きだったパンが発売終了したってことを見たばっかりだったから」
頼む、このまま仲直りして蘭を連れて行ってくれ。ていうかここは俺は見守っていた方がいいみたいかな。
「あたしも、ごめん。お父さんとも喧嘩してたから気が立ってた」
「その事なんだけどね〜、また皆で話してみようよ。お父さんも蘭のこと考えてのことでしょ」
「でも、あたしにだって自由があるのに!」
「じゃあさ〜、頼れる先輩がいるでしょ?」
「ん? 俺?」
この状況から察するに、俺は嫌な予感しかしない。えー、逃げたいです。非常に逃げたいです。でもそれを世間は許しちゃくれねぇだろうな。
「先輩、あたしとお見合いしてください」
「ご丁寧にお断りさせていただきます」
「そこをなんとか〜」
「じゃないとバンドできないんですよ」
「えぇぇ……」
そこまで言われると……困る。
「一瞬な、一瞬だぞ?」
「いいですよ。写真撮るだけでいいんで」
「どんな風に?」
「抱き寄せてツーショット」
「知ってたその構図」
まぁ……それぐらいならいっか(感覚麻痺してます)
「……ありがとうございました」
「良し、仲直りしたから帰れるよな?」
「まぁ普通だったらそうですね」
「帰ってくれよ?」
「そこまで言わないでくださいよ。ま、結婚したらまた住むんでいいんですけど」
はぁ、ダルいって言ったらありゃしないよ。なんで俺の周りはこうもめんどくさいんですかね。
「蘭、よーさんのオンナはモカちゃんだよ?」
「何言ってんのモカ、先輩はあたしの」
「あの〜、おふたりさん?」
「「ちょっとだまってて」」
「ハイ」
もう抵抗することができません。はい、僕終了のお知らせです。このお知らせは何回目でしょうね! あーもうだるい! さっさとけえれ!
次回から修学旅行編(4.5話ぐらい)です。その後に少しグダって最終話です。ifルートで書いていこうと思うのでアンケートでとりあえず誰がいいかお願いします。無ければ感想でお願いします。
最後になりますが、サボりまくってごめんなさい。腹切します