俺の幼馴染みはヤンデレです   作:太公望

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さて、なぜ投稿するのか

気まぐれです


50話 修学旅行1日目

「ぐぬぬぬ」

 

「あと1枚が長い……!」

 

「こうやっててもう10分ね」

 

「2人の引き運は凄まじいですね」

 

 今日は修学旅行当日。

 俺たちは新幹線に揺られていた。

 

「それにしても長いね」

 

「彩とサリヤスだからだろ」

 

 いつも通り座る席で喧嘩になりかけたので、俺は花音と2人用の席に座ることにした。

 残る千聖達はというと、3人がけの席に座って仲良くトランプをしていた。

 

「耀太と花音も一緒にどう?」

 

「絶対にめんどくさいのでご丁寧に遠慮させていただきます」

 

「むぅ……つれないわね」

 

「別にいいだろ。着いたら動くんだし、俺は寝れる時に寝るから」

 

 だって今寝て体力回復しておかないとこの後やばいやん。

 花音は迷子になるし、千聖は電車を乗り間違えるし、彩は見つけてもらおうと頑張るし、サリヤスは……1番素直か。

 とりあえず、俺は寝て到着後に備えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んーー!着いたーー!」

 

「ここから自由行動みたいね」

 

「んじゃ、予定通りに伏見稲荷に行きますか」

 

「よし、しゅっぱーつ!」

 

 もうこの時点から嫌な予感が盛りだくさんなんですね。

 

「と思ってたけど、なんかすんなり着いちゃった」

 

「ま、迷わなくてよかった……」

 

「耀太と一緒だもの、迷うわけないじゃない♪」

 

「って言ってこの間も電車逆方向乗ったバカはどこのどいつだ」

 

「さ、さぁ……」

 

 出迎えたのはズラリとならんだ鳥居だった。どれも鮮やかな色をしていて、どれだけ見ても飽きないと思う。将来住むならここの近くがいい。だって毎日のように見れるじゃん!羨ましいもん!

 

「鳥居くぐったらおもかる石持ち上げて〜♪」

 

「サーリャちゃんはご機嫌ね」

 

「だってだって!なんかバーってくるから!」

 

「言ってる事わからんけど、なんか言いたいことわかる」

 

「でしょでしょ!さっすがヨータ、分かってる〜♪」

 

 なんかサリヤスのギャルっぽいとこ久しぶりに見たかもしれない。いつもなら厨二病炸裂してるけど、こっちの方が可愛いと思っちゃったりしてる。

 

「耀太君……分かってるんだよね?」

 

「そうよ耀太、覚悟はあるのよね?」

 

「ひえっ」

 

「ふ、2人ともおちついて〜」

 

 修学旅行でぐらい自由に平和に居させてくださいよ。

 なんで修学旅行に来てまでこんなことにならないんですかねぇ。もっと穏やかに過ごせないですかねぇ。

 

 読心術を会得した2人に後ろを取られて目的の場所を目指す。

 これがどんなに恐ろしいことか。

 ここが外じゃなければ問答無用で襲われている。なにがなんでも2人は襲ってくる。

 逃げようとはするけど、逃げれる気がしないのが事実なんです。

 

「見て見て!あれっておもかる石じゃない?」

 

「あー、そうだなー」

 

「ヨータ、具合悪い?」

 

「いやいやいや、この通り元気だから大丈夫!」

 

 2人の黒いオーラに心を削られていたが、誤魔化していこう。うん、なんとかなるさ。ここ(伏見稲荷)はそういうのに効くところだからな。

 

「それじゃ〜、早速おもかる石を持ち上げてみよ〜♪」

 

「おー!」

 

「それじゃ最初は私が行くわね」

 

 おもかる石は思ったより軽ければいい事が、重ければ悪いことが起きるらしい。

 そんなの迷信だと思うが、迷信じゃないって信じたい俺もいる。

 

「案外軽いわね」

 

「それはいい事が起きる予兆なのじゃ」

 

「耀太君耀太君、持ち上げるとこ動画撮っててもらえる?」

 

「はいはい、エゴサの材料増やすのね」

 

「ち、ちがうもん!思い出だもん!」

 

 その後、彩は軽く、サリヤスと花音も軽かったらしい。残るは俺だけ。ここまできて俺一人が重いなんてことはありえないよな。神様、ちゃんと空気読めよ?

 

「さてさてさーて、今度は俺か」

 

「私たち全員軽かったんだもの、耀太も軽いに決まってるわ」

 

「せーのっ……って嘘だろ、結構重い」

 

「ていうことは……悪いことの予兆!?」

 

「空気読めよ神様」

 

 なんだろう、俺だけ重いのやめて貰えないっすかね?

 マジでなんなん、呪われてるん?本当にそうとしか思えないんだよなこれ。

 

「な、何とかなるよ!これも迷信だから!」

 

「1番信じてたやつが何を言う」

 

「うぐっ……」

 

「ま、ここはそういうところだからなんとかなるさ」

 

 とりあえずお気楽に行くとしよう。

 うん、この後悪いことが起きるなんて絶対にありえないから。迷信信じてる人だけど、これは信じたくない。

 

「で、上まで来てみたけどやっぱり人が多いこと」

 

「平日なのにかなり多いわね」

 

 頂上の一ノ峰上社に着いたけど、思ったより人が多かった。制服の学生も多いし、何故か知らんけどカップルが多い。頼むから変な気を起こさないでくれよ、2人とも。

 

「ここの神様は……末広大神様?って言うらしいよ!」

 

「末広がりって言うだけあって演技がいい神様みたいね」

 

「それならヨータの悪いことも飛んじゃうじゃん!」

 

「頼むからそうなってくれ」

 

 俺たちはお参りをして、御籤を引くことにした。

 御籤は年始に引いて末吉だったから、今度は吉ぐらいになってくれてると嬉しい。

 

「妾は大吉だったのじゃ!」

 

「わ、私は中吉だったよ」

 

「私はね〜、大吉!」

 

「私も中吉ね。耀太は……」

 

「もちろん小吉引いてやったぜ」

 

 結果は小吉だった。うん、末吉からほんのちょっぴりだけど上がってくれてて嬉しい。

 末吉だったけど、恋愛運と仕事運はかなりいい方らしいから満足満足。

 

 その後、俺たちはお山めぐりをしながら色々なお社を回って行った。眼力社やおせき社、薬力社などなど、色んなとこを回って行った。あ、ちゃんとお手水も忘れていません。

 

「ねぇねぇ見て見て!このパフェ可愛いよ!」

 

「彩ちゃん、落ち着いて食べるのよ」

 

「俺も落ち着けないかも。パフェの見た目も味もやばいし、テラスで食えるとか最高かよ」

 

 休憩がてら、彩が行きたいって言ってた茶屋によってパフェを食べていた。

 彩が映える場所を見つけるのが得意で助かったよ。母さんに自慢できるネタが増えた。

 

「さーて、時間も時間だから電車乗ろうぜ」

 

「ま、また乗るのね……」

 

「来る時だって迷わなかったんだし、今度も大丈夫だよ!」

 

「そうしてくれれば助かる。何事もなければちょうどいい時間だからな」

 

 電車に揺られ、歩いていったのは白髭神社。

 なんかサリヤスがここで夕焼け見たいーってアホみたいに駄々こねるからルートに入れてみた。

 

「夕日が反射して綺麗〜」

 

「サリヤスってこういうのに疎いと思ってたわ」

 

「そんなことないもん!妾だって結構興味あるんだから!」

 

 サリヤスの言う通り、夕日が揺蕩う湖面に反射して、鳥居の朱色をより一層際立たせる。

 不意に吹いた風が木の葉を湖に落としてできた波紋を見つめると、そこにはサーリャが映っていた。

 なぜだか分からないけど、いつの間にかその一点を見つめていた。

 

「ねぇ、ヨータ」

 

「なんかあったか?」

 

()ね、卒業したらマミーがいるフランスに帰るんだ。あ、ずっとじゃないよ、少しだけね。その後はね、日本の大学に通って、日本に住みたいの」

 

 また風が吹いた。

 今度はさっきより強く吹いて、俺の顔を持ち上げた。

 俺の視線の先には、鳥居の中心に沈みかけた夕日をバッグにして、いつも付けているシュシュとメガネを取ったサーリャが居た。

 

「その時、隣にヨータがいてくれたら嬉しいんだ。ずっと、ずーっとヨータと一緒にいたい。だから……私と付き合ってください」

 

 無鉄砲で後先考えずに突っ走るギャルった魔王のサリヤスがこんなこと考えられるかと聞かれたら、俺は迷わずNOと答えよう。

 だとしても、俺はこの状況が偶然だとは思えなかった。

 絵に書いたような図で告白された。ただその事実を俺自身が受け止めきれていない。

 あの時、待っててと言われたのをまだ鮮明に覚えている。だけど、これは不意打ちすぎるってんの。

 

「夕日が沈みかけてる時に言うとか最高かよ」

 

「え、ほんと!?写真とんなきゃ!」

 

「結局そっち行くんかい」

 

「当たり前じゃん!ヨータ、一緒に写真撮ろ!」

 

「ん、あぁ、わかった」

 

 最っ高の瞬間を最高の1枚に収めた。

 この瞬間の気持ちをずっと忘れずにいられるとしたら、きっと幸せになれるんだろう。

 

「じゃ〜、返事、待ってるね!」

 

「そのことも知ってるんかい」

 

「だってこの間の終業式で言ってたじゃん!」

 

「あ、忘れてた」

 

 自分で言ったことも忘れるとか更年期の始まりかな?

 まだそんなに年取ってないはずなんだけどな。その割にストレスはありますけども。

 

「耀太くーん、サーリャちゃーん、そろそろホテル行こ〜」

 

「だってさ。行こうぜ」

 

「うん。早く行こっか、mon prince(私の王子様)

 

「なんて?」

 

「なんでもなーい。ほら、置いてっちゃうからね!」

 

 ホテルに着いてもサリヤスは何を言っていたのかを教えてくれなかった。なんかモヤモヤするから知りたいけど、ここまで聞いてダメなら無理だ。

 サリヤスの事だ、フランス語で喋ったんだろうから、頑張ってフランス語を勉強してみよう。

 

 その後、夕飯、入浴をそれぞれ済ませ、各自部屋へ戻って行った。

 俺の部屋はもちろん男子の部屋なんだけど、俺の学年の男子は俺含め4人。そのうち3人が彼女持ちで、彼女と一緒に寝るから口実頼むって俺に頼んでどっか消えてった。

 さて、どうなる事やらね。

 

 俺も眠気に襲われて、瞼を閉じようとした時、スマホが鳴った。

 取ってみると、電話ではなく、連絡アプリに連絡が来てきた。

 重くなった瞼をこすり、内容を見てみる。

 

『明日の夜、ホテルの屋上で星を見ようと思います。一緒にどうですか?』

 

 それは燐子からのメッセージだった。

 夜って言うこともあるけど、ホテルの屋上は先生の見回り守備範囲外だし、万が一見つかったとしても、生徒会の仕事の一環って言えば許してくれそうだな。だって生徒会担当の先生と仲いいから話合わせてくれるもん。なんなら早く彼女作れって急かしてくる若い先生だから、そういうことならドンと来い精神でしょ。

 

「まぁ、さすがに襲われはしないか。お風呂入って先生の見回り終わったら行くよ……っと。これでよし、送信送信」

 

 俺が送信ボタンを押した瞬間に既読がつき、3秒後には返信してきた。

 

『待ってるね。いつもはちょっと恥ずかしいからあんなことやっちゃうけど……今回はちゃんと思い出作りたいな』

 

 いつにも増してまともな燐子が見れて逆に目が冴えそう。

 そうなったら明日が大変なので、俺は寝るとします。

 明日は……生徒会で少し回るんやん。あーあ、燐子はまともだとしても、紗夜が怖いんだよ。

 でも、紗夜も紗夜で常識人だから何とかなるか。ていうか、何とかしてくれ。

 




なぜ修学旅行の行き先を京都にしたのかぁぁぁ
なぜ琵琶湖の近くのホテルに泊まったのかぁぁ

答えはただひとぉつ……

それはぁぁぁ……

私が修学旅行で行くはずだったルートだったからだァァァ!!!

あ、ちなみにルートも予定だったのやつなんで(๑>؂<๑)♡テヘペロリンチョ♡

俺が行けなかった分、耀太に満喫してもらうんじゃい!

忘れちゃいけないけど、耀太が持ち上げたおもかる石は重かったんだからね?
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