それでも私は──   作:エヴァキャラのボディラインはすこ

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前回のあらすじ
ラミエル生存。そして初号機が動く。


Result

 ――禿げた山肌を蹴る。

 一直線に使徒に向かおうとすると湖が最大の障害になる。そのため大回りをしなければならないが、その分時間のロスに繋がる。

 接近するのに時間を費やすのはなんとしてでも避けなければならない。接近し、A.T.フィールドを破ってコアを破壊するのに時間を費やしたい。

 

「ミサトさん!」

 

 作戦部長の名前を叫ぶ。

 するとそれだけで私の求める行動を起こしてくれた。

 まだ残存していたミサイル発射台や砲台が一斉に稼働し、攻撃を始める。陽動など必要ない。ありったけの火力を叩き込み、弾幕を張ることで初号機の姿を捉えにくくするのが役割だ。

 弱っているから通常兵器でも倒せるか? と淡い希望を抱くが、使徒はなんなく弾いて反撃にでる。しかし光線はか細く、レーザーのような印象だ。それでも威力は衰えず、むしろ凶悪さを増している。命中すればと思うとゾッとする。

 心の中で悪態をついて、私は傷ついた初号機を走らせる。

 視界が霞む。ぐらりと足元がふらつく。

 まだフィードバックの傷が癒えていない。しかしそれは向こうも同じだ。次々と反撃にあい、弾幕は薄くなりつつある。

 残り四分。

 ――出鱈目な薙ぎ払いが迫る。

 これは命中ルートっ!

 

「ッ!!」

 

 目を剥く。掠れていた意識を覚醒させる。咄嗟に高くジャンプする。初号機の頬を光線が掠め、鋭いフィードバックに唇を噛みしめる。

 あたり一帯は瞬く間に焼け野原にされる。しかし私は振り向かない。

 残り三分十二秒。

 ようやく湖の迂回が終わる。街に脚を踏み込み、使徒を見据える。弾幕はもうなくなった。援護は、ない。兵装ビルも激しい攻防の末ほぼが倒壊していて、身を隠すほど大きなビルはない。

 一対一の正面勝負。私はプログナイフを装備して様子をうかがう。

 使徒は変形させた四つの針を尖らせ、その先端からエネルギーを収束させる。

 先に仕掛けたのは私だった。左に大きく飛躍して注意を最大まで引き上げさせる。しかしそれはフェイント。タタン、とステップを踏んで急なターンをする。引っかかった使徒が必殺の一撃を放ち、真横で生じた衝撃に初号機の身体が吹き飛ばされる。

 地面を腹で激しく削り、装甲の一部が剥がれたと警告が入る。もともと融解しかけていたのだ、これは仕方ないと思考を切り替える。

 フェイントは成功したが次には繋げられなかった。光線の影響を考えていなかった。

 私の頭は考えるな、動けと命じる。動きながら考えろと告げている。使徒はずっとコアを露出させている。A.T.フィールドさえ破ればこちらの勝ちだ。

 残り二分と少し。

 余裕がない。

 ……勝負に出るべきだ。

 汗がL.C.Lに溶ける。呼吸を整え、前屈みになる。レバーをぐぐ、と押し込んで動いた。

 ノーモーションからの大ジャンプ。反応の追いつかない使徒の頭上からラストアタックをきめる!

 

「やあああああああッッ!!」

 

 ナイフを両手で垂直に持つ。しかし使徒の軌道修正能力は想像以上で、墜とさんとするレーザーが頭部の角を持っていく。奇跡的に外れたことに安堵しつつ、私は目を見開いて集中する。

 届く!

 しかし、がぎいぃぃん!! と激しい火花を散らし、ナイフの先端は出現したA.T.フィールドに防がれる。

 ……残り百秒をきった。

 ここからは時間の勝負だ。初号機の内部電源が尽きるか、A.T.フィールドを破るか。

 こちらもフィールドを展開して侵食を始める。ナイフを膜に押し込んで強引に切れ目を入れるが、まだ浅い。

 使徒の抵抗。超至近距離で閃光が弾ける。

 反射的に身体を横に投げようとしたが、理性で抑え込んだ。

 

 ――避けるな! このチャンスを逃したら終わりと思え!!

 

 使徒の攻撃が初号機の下腹部を捉える。ジュワッ! と一瞬で装甲が溶ける音が聞こえた。

 冷たい爆発。次に、急速に広がる灼熱がフィードバックとして私の身体を襲った。奥歯が割れるほど強く歯を食いしばり、逃れられない激痛を耐える。

 今度は泣かない。泣いても使徒は攻撃を止めてくれないのだ。己の生存をかけた殺し合い。妥協も手加減もあるはずがない。

 

「ガああアアアッッ!!」

 

 咆哮する。

 それと同時に初号機のモデルがエントリープラグ内に簡易出力され、レーザーが貫通したと患部を赤く点滅させて警告が入った。瞬く間に内部温度が上昇し始め、呼吸が苦しくなる。マグマを肺に流し込まれるような感覚だ。

 ようやく使徒のA.T.フィールドに大きな亀裂が走る。侵食も進み、もう少しで突破できる。あと、少し、だ。

 残り二十秒!!

 身体の中で、内臓のどこかが破裂したような感覚を覚える。口を開けば血が滲み、ショックで視界がチカチカと点滅し、目が痙攣する。

 それでも気を保たせるため、私は再び咆哮し、力任せにナイフを突き立てる。

 糸のように細い音を鳴らして広がる亀裂。柄尻を掌で包み、最後の力を振り絞って捩じ込んだ。

 そしてついに限界を迎えたA.T.フィールドは、硬質な音とともに粉々になって四散する。

 咄嗟に変形してコアを守ろうとするが、ぎこちない挙動では間に合わないだろう! 私は落下エネルギーを乗せ、そのまま惰性でコアをナイフで刺した。

 コアは今度こそ完全に破壊され、砕け散る。同時に内部電源が尽きて初号機は使徒の亡骸の上に膝をついた。使徒は最後の断末魔を上げて赤い爆発を起こした後、天に届くのではと思ってしまうほど巨大な十字架のマークを残した。

 

 

 私の耳には何も聞こえなかった。

 ぼんやりと通信音が聞こえるが、それに応える余裕は私にはなかった。

 シンクロが切断されても一向に鎮まらない激痛に、身を縮めて耐える。獣のような声を漏らし、死に至るこれが治まるのをただ待つ。下腹部を手で押さえ、目をギュッと閉じてより小さくうずくまる。鉄の味がする。L.C.Lが酸素を送ってくれるとは知っていても、口を大きく開いて呼吸の動作を繰り返した。その度に血が混じり、気分はいっそう悪くなる。

 死ぬのではないか? と思った。極限状態のおかげでアドレナリンで痛みを誤魔化せていた。状況が終了した今、麻酔の代わりとなるものは何もなかった。

 すると突然、L.C.Lが外へ排出される。どうやらやってきた零号機によってプラグが強制射出されたようだ。すばやく肺に残ったL.C.Lを吐き出し、鋭く息を吸う。

 そのまま地面に置かれ、しばらくした後にハッチが開いた。ふわりと水色の髪を靡かせながら勢いよく中に入ってきたのは綾波さんだ。

 

「碇さん……!」

 

 私の姿を見た綾波さんが名前を呼ぶ。

 耳に響く音すら苦痛に感じてしまう。私はなんとか喉から声を絞り出す。

 

「あやな、み、さん……」

 

「すぐに救護班が来てくれるはずよ。それまで何かできることはあるかしら」

 

 綾波さんが自分から何かを提案するのは初めてのことだった。私は数秒だけ考えて思いついたことを口にする。

 

「……だきし、めて」

 

「わかったわ」

 

 躊躇うことなくすんなりと承諾してくれた。

 綾波さんは私と一緒にシートに座り、覆うように優しく抱きしめてくれた。

 背中に胸を押し付けられ、心臓の鼓動……人の熱がじんわりと広がっていくのを感じた。たったそれだけの何ら特別なことでもないのに、ちょっとだけ痛みが引いた気がした。

 

「……ありがとう」

 

 次第に荒んでいた心身は落ち着きを取り戻し、リズミカルな呼吸を取り戻した。

 大きく息を吐く。腕に爪が食い込むほど掴む力も段々と弱まり、穏やかな気分になる。それに綾波さんはいい匂いがして、急に眠気に襲われる。

 終わったからいいよね? もう私は休んでいいよね?

 抵抗することなく私は重い瞼をゆっくりと下ろした。そして極度の緊張から解放されたからか、思ったことがすんなりと口から出てきた。

 

「お母さん……」

 

 と囁く。

 綾波さんの身体がぴくりと震えた気がした。

 

 

 次に目覚めたのは見慣れた病室で、私は一瞬で意識を覚醒させた。

 部屋には私ひとりだけ。開かれた窓からセミの鳴き声とともに、カーテンを靡かせる音が聞こえるだけだ。時刻は昼を少し回ったくらい。ちょっぴりお腹が空いた。

 ベッドの暖かい香りに包まれ、思わずへにゃりと顔が綻ぶ。そしてベッドから身体を起こそうとお腹に力を入れた瞬間、ハンマーで叩かれたような鈍痛を感じた。

 

「あ゛っ……」

 

 使徒に貫通されたお腹のフィードバックがまだ強く残っている。球の汗を噴き出し、痛みを我慢しようと低く呻く。しかし痛みはそれきりで、断続的に私を苦しめることはなかった。

 起きたことを知らせるためにベッドの脇にあるナースコールを押すと、ピピピピ、と無機質な音が鳴る。少しした後に病室に入ってきたのは、リツコさんとミサトさんだった。ふたりともいつもの仕事服に身を包み、何やら重い雰囲気を漂わせている。

 

「こ、こんにちは」

 

「こんにちはカノンちゃん。調子はどうかしら」

 

「元気ですけど……お腹が痛いです」

 

「どのあたり?」

 

「このへんです」

 

 私は下腹部を擦る。ただそれだけでも痛みが再燃しそうだ。無理に動くことはできそうだが、シンプルな腹痛が最終フェーズに悪化したようなレベルになる。

 

「どれくらい?」

 

「起き上がれないくらいです」

 

「…………」

 

「ミサトさん……?」

 

 ミサトさんはそれきり口を閉ざしてしまう。私から目を逸らしてリツコさんを見る。

 何が何だかよくわからなかった。私の知るミサトさんならたくさん私を褒めてくれるはずだ。でもリツコさんもいるから徐にそれができないのかもしれない。だとしても距離を置くような態度は理解できなかった。

 

「……まずは報告をするべきね」

 

 そう言ってバインダーをパンパント叩いたリツコさんが機械的に報告を始める。

 

「使徒の殲滅には成功。しかし街の防衛機能の65%を損失。完全復旧には四日ほどかかるわ。それと初号機については、全身の表面が溶け、さらに下腹部に拳が通るほどの大きな穴を開けられ大破。同じく修復中。急ピッチで二日ね。零号機は装甲の表面が少し傷ついたくらいで大した怪我はなしよ」

 

 ふと握りこぶしをつくってお腹にあてる。そしてその傷の大きさを今になって知る。

 零号機がほぼ無傷なら、私はちゃんと防御役をやれたということだ。使徒も倒せたし。でも、全体的に見るとそれに見合うだけの成果なのかどうかわからない。

 

「すみません……すごく被害……出てしまいましたね」

 

「気にすることはないわ。あなたは臨機応変に自分の仕事をきちんとこなしたのよ。胸を張りなさい」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 リツコさんに純粋に褒められたことに驚いた私は少し声高に反応してしまう。

 

「それであなたのことだけど、左の腎臓の機能が低下し、また子宮へのダメージが特に酷く、機能不全と診断されました」

 

 ……あっさりとした物言いだった。流れるように紡いだ重大な言葉の羅列を私は聞き逃しそうになってしまった。ミサトさんが「そんな言い方……!」と詰め寄るが、依然として眉一つ動かさない歴然たる姿勢を崩さない。私は呆けた顔でリツコさんを見上げた。

 なんとなく予想はしていた。今までで一番を痛さだったし、何かしらの傷跡は残ると思っていた。でも私のシンクロ率が低かったおかげでまだ規模を抑えられたのだ。

 

「ごめんなさいカノンちゃん……私の作戦が失敗したせいで……っ!」

 

 ミサトさんが頭を下げる。私は咄嗟に「謝らないでくださいよ」と言うと、苦虫を万匹噛み潰したような表情で顔を上げた。

 

「……仕方ないですよ。物事が全てうまくいくわけじゃありませんから」

 

「でも……」

 

 リツコさんの言い方は確かに冷徹なものだった。しかしそれによって変に私を刺激したくないという配慮があったのかもしれない。

 そのように言われて、あっそうなんだ、とすんなり受け入れることができてしまう。ゼロ距離からの攻撃をノーガードで受け続けていたから仕方ない。

 仕方ない……が、あまりに残酷な結末だった。私は未来を奪われたのだ。まだ実感はわかないが、子供のできない身体になったのだ。これを残酷と言わずしてなんというのだろう。しかしたったこれだけで世界はまた救われたのだ。そう考えたら安い代金だと思える。

 そして私はミサトさんにもリツコさんにも怒らない。この人たちの命を私はあの時背負っていたのだ。最大のパフォーマンスができるようにあらゆる手を尽くしてくれたし、これからもそうだからだ。

 

「……これが『戦う』ってことですよね?」

 

「ええそうよ。現実は甘くないわ。でもしばらくは安静にしていなさい。近いうちにセカンドチルドレンも来日するから、あなたの負担も大幅に減るはずよ」

 

「はい、ゆっくり寝ておき……って、新しいパイロットですか⁉」

 

 ベッドからまともに動けそうにないから大人しくしていようと思った矢先、とんでもない発言に私は飛び起きた。そして案の定その動作でお腹を痛め、「お゛ぅッ」とオットセイのような鳴き声に似た声をあげて私はあっさり撃沈された。

 見えない何かにベッドに縛り付けられたような感覚だ。それほど私のお腹は悲鳴をあげている。

 

「言ったそばから……」

 

 リツコさんが額に手をあててやれやれといった素振りを見せる。私はあはは、と小さく笑って誤魔化した。

 私に本当にやることはなさそうだ。ベッドはリモコンの操作で背上げなどをしてくれる便利なものだ。これなら力を入れる必要なく楽な姿勢で食事などをとることができる。でも逆に介護そのものであって、気恥ずかしさも拭えない。一人では満足に動くすらできないから、下の世話も……と思うと気分が重くなる。

 さらにこの病室にはテレビすらないから暇の極みだ。

 

「あの、ミサトさん。この部屋にテレビを持ってきてもらったりは……」

 

「ごめん、どこもいっぱいいっぱいらしいの」

 

「そんな……」

 

「でもいいじゃない。誘惑されることなくその間たっぷり勉強できるわよん」

 

 お茶目に言ったミサトさんの何気ないセリフが私を傷つけた。

 

「ぐはッ」

 

 クリティカルヒット。ノックダウン。

 ミサトさんの言うことも最もではあるが、実際に口にしてそう言われると面倒に思ってしまう。本当は宿題だって終わってないし、追撃するならば、この入院期間中に学校の授業が進んでしまう。それの勉強……ともなるとただでさえ酷い有様なのにオーバーキルだ。

 しかし今手元に勉強道具はないし、できることといったら寝ることだけだ。

 

「じゃああたしたちはこれで帰るわね。カノンちゃん……本当にありがとう」

 

「はい!」

 

 私は布団を被り、ゆつくり目を閉じる。運動せずにずっと寝ているだけだと、退院した時に太ってしまいそうだなどと場違いなことを考えながら私は瞼を下ろした。

 あと、セカンドチルドレンがどんな人か、今から楽しみだ。

 

 

 カノンの病室を後にし、初めに放ったミサトの言葉は。

 

「……リツコ、もう少し言い方っていうのがあるでしょ」

 

 と、怒気の孕んだものだった。病院の中だから大きな声を出すことはできない。押し殺した声が静かに木霊する。

 しかしリツコは涼しい顔だ。それがミサトにとっては心底気に入らず、胸ぐらを掴みそうになる。しかしそんなことはしなかった。

 

「わかってるでしょう? カノンちゃんも言ってたはずよ。これが『戦い』なの」

 

 どこまでも冷静な物言いに、ミサトは思い知らされる。

 今の人類の歴史は悲惨な戦争の上で成り立っている。技術は戦争というギアによってその進化を加速させ、また当然その犠牲も加速した。

 セカンドインパクト後の世界中の大混乱がいい例だ。その結果、旧東京は新型爆弾を投下されて壊滅した。

 いつまでたってもアニメのようなご都合主義の塊にはならないのだ。犠牲なくして成しえないことなどいくらでもあり、その頂点が『今』である。

 それを知ってはいても、どうしても腑に落ちない。あのような無垢な子を傷つけてでも戦おうとする大人たち。子供を守るのが大人の責務だ。なのにこれでは…………。

 大義名分は覆らない。仕方ないというのがあらゆる考慮の結末で、これからも何度も戦地に送るのだ。

 

「『こういうこと』には耐性をつけておくべきよ。ネルフの、しかも作戦部長様がいちいち気に病んでいたら作戦指揮に支障が出るわ。そんな人は降りるべきだと私は思うのだけど」

 

 理性に徹したリツコの言葉は非の打ち所のないほど正論だった。ミサトは言い返せずに歯噛みする。

 カツ、カツとリズミカルにリツコのヒールの踵が高く鳴る。なんとなく威圧されているような気もしたが、ミサトはゆっくりと口を開いた。

 

「……あんたは悲しくないの? あたしたちより小さな子の未来が奪われてんのよ?」

 

「あの子の未来と人類の未来。どっちの方が大切かわかるかしら? ……私達全員、綺麗事で生きているわけじゃないのよ」

 

「…………」

 

 どこまでも間違えていない説得に、ミサトは完全に論破されてしまう。水を打ったように静まり、何も言えなくなったミサトは誤魔化すように窓の外を眺めた。

 外は遠くに半壊したビル群が目立ち、クレーン車などで復旧作業をしているのが見える。あれらは戦いになるとまた囮となり壁となり、パイロットたちをサポートするのだ。

 エヴァにパイロットが乗るだけでは使徒を倒すのはほぼ不可能。地下でネルフの職員たちが文字通り命がけで後押ししてくれるから戦えるのだ。エヴァがやられたら最後、使徒に一方的に蹂躙される未来が待ち受けている。

 ……心と命はみんなひとつだ。

 

「……それでも、あたし達はあの子たちのために全力でサポートする。これだけは間違っていないはずよ」

 

 これだけは揺るぎない事実。これからも大人たちは子供たちを死地へ送る。変えられないもの、どうしようもないものは確かにある。しかし子供たちに世界中の人間の命を預けている。だからこそ、少しでも助けになり、いいパフォーマンスをしてほしい。

 リツコはミサトと同じように外を眺める。

 そして。

 

「そうね」

 

 とだけ呟いた。




使徒は殲滅できた。
しかしその傷跡は大きかった。

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