ソウの立ち位置は皆に頼られる兄貴分を目指しております
【財産を失ったのは、いくらかを失ったことだ。
名誉を失ったのは、多くを失ったことだ。
勇気を失ったのは、すべてを失ったことだ】
-----ゲーテ
コミュニティ着いたソウを歓迎したのはコミュニティに所属している子供達であった
そんな子供達にソウは普通の笑顔を向ける。
「黒ウサギちゃん、この子達全員コミュニティに入っているの」
「いえ、ここにいる子達は年長組でまだ所属の一部ですよ。見ての通り獣のギフトを持っている子もいますから、何か用事がある時はこの子達に言いつけてください」
ソウはそれを聞き、自分を待っていた子供達の数を数える
軽く数えただけでも二十人前後は居た
ソウは少し冷や汗を掻いたがそれを表に出さず自己紹介する。
「【木葉ソウ】だよ。皆よろしくね」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
二十人前後も居る子供達の大声がソウの鼓膜を震わせる
少し耳鳴りがする耳を叩きながらソウは“元気が良いな”と苦笑した。
「……よし、こんな夜まで待たせちゃったみたいだから皆に面白い物を見せてあげよう」
そう言ってソウはパーカーのポケットから球状の何かを取り出す
子供達は興味津々にソウの取り出した物を見つめていた
黒ウサギも見た事のない物に興味を示し、ソウに聞く。
「ソウさん、それはなんですか?」
「ん? 【火薬玉】だよ」
ニコリと笑ってソウは黒ウサギに告げる
そしてその球状の物を宙へと全力で投げた。
「って何をなさってるんですか!?」
黒ウサギは近くに居る子供達を掴んで地に伏せる
刹那、夜空が爆発した。
「「「「「うわ~」」」」」
黒ウサギに地面へと伏せさせられなかった子供達が感嘆の声を上げて夜空を見上げる
そこに広がるのは音の無い光の爆発
色々な色が形を作り出し、空を彩る。
黒ウサギもその彩る空を見上げ、唖然とソウを見る
ソウはしてやったりとした顔で黒ウサギを見た。
「冗談だよ。あれは俺の世界で作られた、高さで出る光が違う花火だよ」
ソウは呟きながら落ちてきた球状のそれをキャッチする
そしてそれを子供達に渡した。
「しかもただの光だから安全性100%で音も出ない。力がなければそこまで綺麗な花火が出ないけどね」
「……」
少し不満ながら、子供達が喜んでいるのを見て黒ウサギはハリセンを仕舞う
ソウは黒ウサギの様子を見ながら苦笑した。
「これぐらいの遊具を渡すのは良いでしょ?」
「あまり甘やかさないでくださいね、子供のころの内にあまやかしすぎると子供達の為にもなりませんから」
「分かってるよ。だがまぁ……子供の気を惹くのは得意でね」
何処からか取り出したジャグリングボールを片手で回しながらソウは笑う
ボールは次々に増えていき、子供達はその動きに眼を奪われた。
「さぁ、行こうか。俺の家になるだろう場所へ」
ボールは鳩になり空へ飛んでいく
ソウはその鳩達に眼を向けず、見えている建物に向かって歩き出した。
黒ウサギ達は唖然としながらソウを追いかける
子供達はソウの周りに纏わり付きながら興味津々にソウに質問し始める。
「今のどうやってやったの兄ちゃん!」
「ちょっとした手品だよ」
「兄ちゃん、手品師だったの!?」
「色々やってたから手品師もやったね」
「兄ちゃんって強いの?!」
「今のところ誰にも負けるつもりはないよ」
ソウは子供達の質問に笑いながら答えていく
黒ウサギは子供達がソウを兄の様に見ている事を苦笑しながら、ソウの子供の馴れ具合に疑問を持ち質問した。
「ソウさんは子供が好きですか?」
「そうだね、孤児院の子供達と暇な時に遊ぶ位には好きだよ」
ソウは言いながら玄関の扉を開ける
そしてそこには獰猛な笑みを浮かべる少女が居た。
「あら、ソウ君。罰はまだ終わってないわよ?」
「ちょ」
ソウは静止の言葉を最後まで言えず床に額を打ち付けるのであった
ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー
「いてて」
煙草を吸いながらソウは綺麗に光る星を見る
打ち付けた額には黒ウサギが応急処置として包帯が巻かれている。
「……やっぱり飛鳥ちゃん、アイツに似ている気がする」
ソウは自分の世界に居た仲間を思い出し苦笑する
他の仲間が言うに心配したのを隠す為に照れ隠しで暴力を振るうタイプの人種
つまり飛鳥は……
「……ツンデレか」
ソウは言ってから周りを見渡して苦笑する
今の言葉を聞かれていたら飛鳥に土下座をさせられるだけじゃすまないかもしれないからだ。
だが……
「何言ってるんだお前?」
ここに一人その呟きを聞いていた人物が居た
その名も快楽主義者、十六夜。
「なんでも無いよ、十六夜君」
ソウは笑いながら十六夜を見る
嘘吐きは相手に動揺を悟られたら負けである
たとえそれが絶対不利の状況であっても笑って対応せよ
それがソウに嘘の吐き方を教えて者の言葉であった。
「へ~……」
「……」
だが、十六夜は面白そうなものを見つけたように言葉を吐く
ソウはこれはやっちまったと冷や汗を掻いた。
「……まぁ、良い。お前も俺と目的は同じだろ?」
「それは彼等の事かい?」
そう言って森をソウは指さす
ソウに指さされた場所はガサガサと揺れ、そこに何かが居る事を表している。
ソウの言葉に十六夜は“ああ”と頷くと、落ちていた小石を軽く投げた
-----ズドンッ-----
爆弾が爆発した様な音と共に大きなクレーターが出現し、ぶっ飛ばされた者達が地面に投げ出される
周囲に火薬の匂いも発光もない
これはつまり力のみでこの惨状を作り出したと言う事である。
「……出鱈目だね」
ソウは十六夜の起こした惨状を見て呟く
そんなソウに十六夜は眼を向け……
「お前もこれ位出来るだろ?」
そう言ってきた
ソウは苦笑して頭を掻く
沈黙は是。
「ど、どうしたんですか!?」
そこに今の振動で何かあると察したジンがやってきた
ソウは慌てるジンを落ち着ける様に言う。
「大丈夫だよ、ガルド君のコミュニティの人が人質を取りに来ただけだから」
「あ、そうなんですか……って、大変じゃないですか!?」
ソウはジンの反応に“ナイスノリツッコミ”とサムズアップすると十六夜にぶっ飛ばされた者達に向き直る
その者達はふらふらと立ち上がりながらソウ達に期待をする視線を向けてきた。
「なんと、出鱈目な力……蛇神を倒したと言うのは本当だったのか」
「ああ、これならばガルドに対抗する事が出来るかもしれない」
その者達はソウ達の方に向かってきて土下座を始めた
「恥を忍んで頼む! 我々の……いや、魔王の傘下である“フォレスト・ガロ”を完膚なきまでに倒してくれ」
「嫌だね」
土下座する者達の言葉を十六夜は即座に一蹴した
あまりに見事な拒否にソウは失笑しそうになるが、土下座した者達の絶望した顔になんとか耐えきる。
「どうせお前等も人質を取られた口だろ? なら、お前等にそんな事を言う資格はねえよな?」
「そ、それは……」
「結局は同じ穴のムジナ、その人質が死んでりゃ世話無いけどな」
「そ、それではやはり……」
「ああ、お前等の人質はとっくにいねぇよ」
十六夜の言葉に侵入者達は項垂れる
ジンは十六夜の言葉遣いを注意しようとするが、人質を奪っていたのが目の前の人物たちだと考えると何も言う気が起きなかった。
「皆様、落ち込むのはまだ早いですよ!」
そんな落ち込んだ空気の中、突如明るい声が辺りに響き渡る
あまりに場違いな声に皆はその声を出す人物を注目した。
「私達“ノーネーム”は明日のゲームで“フォレスト・ガロ”に勝ち、貴方達の無念を必ずや果たします!」
あまりに突然な宣言に落ち込んでいた者達は顔を見合わせる
ジンはキャラが変わったように喋るソウに唖然としていた。
「貴方達の不安も分かります。あの“フォレスト・ガロ”は“魔王の傘下”のコミュニティ、私達“ノーネーム”では役不足、そう思われるのでしょう?」
「あ、ああ……」
ソウはオーバーリアクションで落ち込む者達に近付いて手を取る
演技の様なその言葉に手を取られた者は言われるがままに肯定した。
「ですが、問題ありません。何故なら私達は……
「「「「なっ!?」」」」
ソウの言葉に落ち込んでいた者達は驚愕の表情を向ける
ソウはにこやかにその場を離れ、ジンの傍に近寄った。
「私達のリーダー、このジン=ラッセルは私達に言いました。“魔王の脅迫には絶対に屈しない”。魔王に脅されているコミュニティがあるのなら私達がその恐怖から救いましょう。魔王に怯えているコミュニティがあるのなら私達が手を差し出しましょう」
「ちょ」
ジンが言葉を遮らない様にソウはジンの口を手で塞ぐ
十六夜はソウの狙いが分かったのか不敵に笑いながらソウを見ていた。
「私達は“ノーネーム”、旗印も名もないコミュニティです。貴方達は私達を信用できないでしょう、なのでここで宣言します! 明日のゲームの勝利をもって、私達のコミュニティが魔王に対抗できるコミュニティである証明とすると!」
ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー
ソウの演説で希望の光を見た侵入者達は満足そうに帰っていった
あまりに突飛なソウの行動にジンはソウを連れて人が他に居ない屋上に向かった。
「どういうつもりですか!?」
屋上に着き開口一番、ソウにジンは詰め寄る
ソウはジンににこやかに笑うと逆に問いかけた。
「どういうつもりだと思う?」
「ふざけないでください!」
ジンはソウがまともな部類だと思ってたのでショックも大きかった
何を考えて先程の行動を取ったのかジンには分からない
それがジンにソウへの不審を抱かせた。
「ふざけていないよ。何故、俺が先程の行動を取ったと考える? 思考を止めたらそこで話はお終いだ」
「それは……なんであんな嘘を……」
「嘘? 俺は嘘は言ってないよ?」
「何を言って……」
ソウは肩を竦めてジンに説明する
「ジン君、君はコミュニティの名と旗印を取り戻す為に俺達を喚んだ、それは魔王を倒す事に他ならない。そして君はガルドに向けてこう言った“脅しには屈しない”。ほら、何処に俺が【嘘】を言ったかな?」
「それは……」
「魔王に脅されて居るコミュニティ、それは私達“ノーネーム”だ。怯えているコミュニティもそうだろう? 俺や十六夜君、飛鳥ちゃんに耀ちゃんは君達に救いの手を出そうと思っている。何処に【嘘】がある」
「だったら、なんであんな誤解する様な言い方を!」
ジンの目的は名と旗印を奪った魔王から全てを取り戻す事だ
だが、ソウが言った言い方では全ての魔王を倒す為のコミュニティであると誤解される言い方であった。
「……だろうね」
ソウはジンに向けて嗤った
あまりに薄ら寒い笑みにジンは鳥肌が立つ。
「ああ、誤解しただろうね。ならどうするしかない? 私達のコミュニティが生き残るにはどうすれば良い? 考えろ、ジン=ラッセル。考えなければ魔王にこのコミュニティは襲われるぞ?」
「!?」
あまりに無慈悲なソウの言い分にジンは戦慄する
ソウはそんなジンに続けて言葉を放った。
「このコミュニティは弱小だ。魔王に潰され、プレイヤーは喚び出した俺達しかいない。ゲームに参加できるのは残ってる君と黒ウサギだけ、名前しかないじゃないか。あまりに戦力不足。あまりに貧弱。あまりにひ弱だ。さぁ、どうする? ここで終わるか? ここで諦めるか? なら、何故もっと早く諦めなかった、答えろ! ジン=ラッセル!」
昼と違うソウの変貌にジンは泣きそうになりながらソウを見る
そこに居るのは昼にジンをサポートしてくれた心優しき男ではない
自分達のコミュニティに喚びだされたプレイヤーの一人、“嘘吐き”
「ここに来るまでは君の決断を認めていた。だが、あれだけの子供が居るのを見たら考えも変わる。君の決断によって彼等は今の生活をしている……君はあの大勢の子供達の未来に責任を持てるのかい?」
「!?」
ジンは言われて気付いた
自分の選択が皆を苦しめている
分かっている筈だった、しかし未来の責任を持つ、その考えを持ってはいなかった。
「……もう一度問おう、ジン=ラッセル。何故君は諦めなかった? どうして俺達を喚んだ?」
「それは……」
“仲間達の居場所を取り戻す為”その言葉があまりに重くジンには感じた
それは今の仲間の未来を失うかもしれないと言う責任を持たなければならないと言う事だ
ソウ達が来る前から覚悟していた。していた筈なのに言葉が重く感じた事はなかった
今、その言葉を言うのに潰れそうな重圧がジンを襲う。
「……僕は……」
ソウはジンの言葉を待った
目の前の少年がどれほどの覚悟を持つのか
子供達の責任と言う重圧でさえ魔王の前では小さなモノかもしれない
そう考えると、目の前の少年に手を貸すだけでは駄目だ。
前に進む勇気、決断する力、何かを斬り捨てる覚悟が必要だと感じたのだ
自分達の力だけではいずれ目の前の少年は潰れてしまう
誰かの力では無く、自分の力で前に進む勇気を持たなければならない
それがソウのジンへの思いだった。
「っ! 仲間達の居場所をっ」
ソウはジンへ殺気を向ける
そしてジンの瞳を見つめた。
“魔王の威圧はこの程度ではないだろう?”
そう問いかけるソウの視線を睨み返す様に見ながらソウに言いきる。
「仲間達の居場所を取り戻す為に貴方達を喚んだっ!」
なんと重い言葉なんだろうとジンは思った
責任を持つと言う意味、リーダーとしての決断
それがどんなに重い事かジンは少しだけ分かった
そして、その重圧を感じてなかった自分を恥じた。
「……それが君の答えか?」
「はいっ!」
ジンの答えに満足しながらソウは苦笑する
「その道は厳しいぞ?」
「分かってます……いえ、やっとその意味が分かりました」
ソウはジンへ微笑むとその頭を撫でる
ジンは恥ずかしながらその手を払う事はなかった
さっきまでのソウは自分を試しす為にあの様な言い方をしたと分かったからだ。
「ジン君、俺達のコミュニティに必要なモノはなんだ?」
「……人材ですか」
「そうだ。なら、それを短期間に一気に集める方法は考えつくかい?」
ジンは少し考えてからソウの言葉を思い出す
ヒントは幾つもソウの言った言葉に混ざっていた。
「……魔王を倒すリーダーとしての旗印として僕の名前を広め、仲間を集める……ですか?」
「正解だよ、ジン君」
ソウは笑ってジンの考えを肯定する
「このコミュニティに人材を集める為にはそれ相応のインパクトが必要になる。その為にはまず、集まる為の基盤が必要だ。つまり、集まる仲間を信用させる為の実績が必要なんだ」
ソウはパーカーのポケットからペンを取り出す
そしてそれで宙に文字を書くと、そこに光る文字が現れた。
「時間を掛けて隠れながらコミュニティを大きくするのはまぁ良い考えだったが、その前に他の魔王に襲われる可能性、ここを襲った魔王が再度ここを襲いにくる可能性は考えたかい?」
「……いえ」
「ここには黒ウサギが居るんだ、子供達を人質にとるガルドみたいな連中が彼女を狙う可能性もある。黒ウサギはこのコミュニティの柱だ。彼女が居なくなったら……」
“ノーネーム”と書かれた文字が崩壊してジンの前に崩れ落ちる
それはもしかしたらの可能性だったが、ありえない話ではなかった。
「……」
「だが、君は一発逆転のカードを手に入れた」
ジンの目の前にプレイヤーと書かれた文字、そしてガルド・ガスパーと書かれた文字が現れる
そしてその周りには観察者と書かれた文字がまばらに散りばめられている。
「俺達“ノーネーム”が明日の試合に勝ち、魔王を倒すコミュニティと宣伝されたらこうなる」
ソウが文字にタップすると観察者が“ノーネーム”に近付く
だが、何も変わらない。
「所詮、魔王に反抗するコミュニティにしか思われないだろう。まだ、俺達が魔王を“倒せる”コミュニティだとは思われない。だが、何かのきっかけで魔王と闘う事になれば? そしてそれを打倒する事に成功すれば?」
「! 魔王を倒そうと考えている人達が僕達の下に集まる!」
「その通りだ」
ソウが観察者をタップすればそれは仲間に変わった
だが、新しい文字が現れる。
「っ! 魔王!?」
「そうだろう? 魔王って奴は暇を持て余しているはずだ。そこに俺達みたいなコミュニティが出てきたらどうだ? 面白そうだと思ってゲームをしに来ないはずがない」
ソウが“ノーネーム”をタップすると複数のプレイヤーの文字が現れる
そのプレイヤーが魔王に接近し、魔王と言う文字を消した。
「それを倒す事によって俺達は更に力を得る。つまり、必要なのは速さと人材だ。どれだけ速くこの観察者を仲間に出来るか、どれだけ速く魔王を倒せるかだ」
ソウが腕を振るうと文字が消える
ソウはジンを見つめて言った。
「覚悟を決めたなら進むしかない。たとえそれが茨の道だとしてもね。……覚悟は良いかい、ジン君。既に采は投げられたぞ?」
「はは、投げたのはソウさんじゃないですか」
ジンは苦笑しながらソウを見る
ソウはジンの言葉に肩を竦めた。
「そうだったかな? 明日は大変だ、もう君も寝た方が良いだろう」
屋上の扉の前までジンを押してソウは立ち止まる
「? ソウさんは寝ないんですか?」
屋上から出て行かないソウにジンは疑問の声を出した
ソウは苦笑して懐から煙草を出す。
「一息入れてから寝るとするよ。喫煙は子供の居ない所でしなくちゃね」
「……分かりました。おやすみなさい」
「おやすみ」
ジンが出て行った扉が閉じ、ソウは煙草に火を点ける
そして、屋上の入り口の上を見て煙を吐いた。
「そろそろ出てきたらどうだい?」
「それもそうだな、よっと」
ソウの言葉に隠れていた十六夜が出てくる
ソウは十六夜に煙草の煙がいかないように風下に移動した。
「面白い事をしてくれたじゃねえか。これで明日勝てば俺達は晴れて魔王討伐を掲げるコミュニティだ」
「……君が求めている楽しみにはまだ遠いけどね」
ソウは溜め息を吐いて空を見る
ソウの様子に十六夜は首を傾げた。
「……お前は面白そうだと思わないのか?」
「死闘を面白いかと聞かれたら答えはNOだよ。そんなのは戦闘狂にだけやらせておけば良いんだ」
十六夜はソウの言葉に驚く
白夜叉に喧嘩を売ろうとした人物の言葉とは思えなかったからだ。
「……お前は俺と同じだと思ってたんだけどな」
「ごめんね、十六夜君。俺は君と違って力の使い道に困ってなかったからね」
ソウは苦笑して煙草をもみ消す
そして出口に向かって歩き出した。
「力を持つ者は持たない者を助けるものだと俺は考えてるしね」
出口に向かうソウとそれに向かい合う様に立つ十六夜
二人の視線が交差し、ぶつかる。
「……なるほど、オマエとは相容れねーな!」
刹那、横を通ろうとしたソウに十六夜は拳を振るった
だがその拳が当たる事は無く、ソウは出口までたどり着く。
「……君がその力をどう使おうが気にしないが、無闇に仲間に振るうなら俺は【許容する】よ」
そう言ってソウは屋上を出て行った
「……は、前後の言葉の使い方が可笑しいじゃねえか」
十六夜は振るった拳を見つめる
拳には尖ったモノで刺された痕が幾つも作られていた……
今回の秘密道具
・名称:光花火
・詳細
投げられた高さによって出る光が違う花火玉
花火なのに火が出ないとは如何に?
今までの人に投げられた世界最高記録は180m
・名称:ライトタッチペン
・詳細
空中に文字を書く事が出来るペン
これがあれば紙いらず?
ちなみに電池式である
上記の秘密道具(笑)はソウの世界の道具です
置き場所はソウのパーカーのポケットの中
他にも持ってきている物がありますが、遊び以外に使うつもりはありません