ピンポーン
司「__なんだ......」
朝、俺はインターフォンの音で目を覚ました
俺は体を起こした
司「誰だ。こんな朝早くに。」
もちろん、宅配なんて頼んでない
明石は基本的に平日、俺の家に来ない
司(宗教か新聞の勧誘か?)
俺はそんな事を思いながら
インターフォンの画面を見た
七深『柊木君ー、やっほー。』
司「......」
宗教の勧誘だったか
俺は通話のボタンを押した
司「なんでこんな時間に来た?」
七深『あ、おはようー。』
司「質問に答えろ。」
七深『えー?一緒に学校に行こうと思ってー。』
司「......そうか。」
アポを取れと言ってやりたい
俺はそう思いながらため息をついた
司「エレベーターに乗れ。乗ったら鍵を開けるからその階のボタンを押せ。」
七深『はーい!』
俺はそう言って、エレベーターの方に向かった
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ランプが下の階から順番に点灯してる
俺はエレベータの前で広町を待っていた
少し待つと、エレベーターがこの階に来た
七深「__いぇーい、広町参上ー!」
司「おはよう、広町。」
七深「うん!」
司「取り合えずついて来い。」
俺はそう言って、リビングに使ってる部屋に向かって歩きだした
広町は俺の横に並んできた
七深「ねー、柊木君ー。」
司「なんだ。」
七深「ここってお部屋沢山あるけど、何に使ってるのー?」
司「そうだな。仕事部屋、自室、リビング......」
七深「?」
司「......後は全部物置(空き部屋)だ。」
七深「えぇ!?こんなにたくさんあるのに!?」
広町は驚きの声を上げた
俺も部屋の使ってなさを驚いてる
何のためにこんなところに住んでるんだ
司「あっ、後は明石が止まりに来るのに使ってる部屋があった。」
七深「誰?」
司「前にパーティーで俺と一緒にいた、あいつだ。」
七深「あの人かー......って、あの人、泊ったりするんだー。」
司「あぁ。」
そんな話をしてるうちに、リビングに使ってる部屋に着いた
俺たちはその部屋に入った
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広町をリビングに入れた後
俺は制服に着替えたり、洗面をした
一通りの作業を終え、俺はリビングに戻った
七深「__広町クイズー!」
司「は?」
リビングに戻ると
突然、そんな事を言ってきた
表情はかなりのドヤ顔だ
七深「広町は今までと違うところがあります!どこでしょー?」
司「夏服。」
七深「え?」
答えを言うと広町は呆気にとられた表情をした
俺は首をかしげながら広町を見た
司「どうした?不正解か?」
七深「い、いや、正解なんだけど......え?」
司(なんだ?)
七深「な、なんで答えられたの?」
司「は?」
広町はそんな事を言ってきた
俺は呆気にとられた
パッと見れば制服が違う事なんて分かる
それなのに、まるで難問に正解したような反応をしてる
俺がなんでか聞きたい
七深「こういうのって、大体、男子は分からないものなんじゃ?」
司「いや、分かるだろう。」
俺はため息をつきながらそう言った
広町も気を取り直したようで
落ち着きを取り戻していた
七深「ま、まぁ、そうだよね。」
司「当り前だ。分からない奴は病院行きだ。」
七深「で、どうどうー?」
司「何がだ?」
広町はそう言いながら
俺の前で一周回った
七深「夏服広町だよー?似合うかなー?」
司「似合うんじゃないか。」
七深「え?」
司「?」
広町は今日はやけに驚くな
そんなに不思議なことが起きてるのか
七深「いや、柊木君なら、制服に似合うも何もあるかーとか言うと思ってた。」
司「なんで、似合うか似合わないの二択でそんな回答をするんだ。」
こいつの中で俺はどんなイメージなんだ
俺は少しの疑問を覚えた
七深(あれ?でも、柊木君の中では似合わないって選択肢もあったんだよね?でも、似合うって言ったの?)
司「?」
七深「......///」
司(なんなんだ?)
それからしばらく、こんな感じのやり取りをした
そして、時間になると、俺たちは家を出た
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月はもう7月に入った
夏らしい温度を感じた
皮膚が少しチリチリして、アスファルトから熱気が伝わってくる
七深「__いやー、夏だねー。」
司「そうだな。」
七深「そうだなって言っても、柊木君はそんなに暑そうじゃないねー。」
司「そうか?」
七深「うんー。年中、温度変わらなそうー。」
司「そこまで行くともう人間じゃねぇよ。」
俺は若干呆れながらそう言った
流石に温度は感じてる
司「__ん?あれは。」
七深「どうしたの?」
暫く歩くと、見覚えのある姿が写った
もう学校の近くだ、いても不思議じゃない
司「知り合いがいた。」
七深「え?どこどこー?」
司「あの銀髪の奴だ。」
俺はそう言って、少し歩くスピードを上げた
広町もそれについてきた
司「__おい、十条カグヤ。」
カグヤ「司さん?おはようございます。」
司「あぁ。」
七深「知り合いってこの人ー?」
司「あぁ、そうだ広町。十条カグヤ、お前も聞いたことくらいはあるんじゃないか?」
七深「確か、ピアノがすごい人だよねー?音楽室で弾いたりしてるって聞いたことあるー。」
司「大体はそんな感じだ。」
俺がそう言うと、十条カグヤは広町に頭を下げた
カグヤ「初めまして。十条カグヤです。」
七深「広町七深ですー。」
カグヤ「まさか、明石さんや弦巻さん以外に司さんが呼び捨てにする人がいるなんて。」
七深「え?そんなに珍しい事なんですかー?」
カグヤ「はい。かなり珍しいです。全人類で3人しかいませんから。」
十条カグヤはそう言うと
俺の方を見た
カグヤ「僕もそうなりたいのですが、中々、そういう訳にもいかないので。」
七深「へぇ、そうなんだー。」
カグヤ「広町さんは一体、何をなさったんですか?」
七深「え?えーっとねー。」
司「そいつは俺をひっぱたいたんだよ。」
カグヤ「えぇ!?」
司「そんな肝が据わってるやつ、面白くないわけないだろ?」
カグヤ「ま、まさか、司さんにそんな事が出来る人間がいたなんて。」
十条カグヤはかなり驚いてるようだ
まぁ、そりゃあ驚くとは思う
カグヤ「......す、すごいですね、広町さん。」
七深「え?そんなに重大な事なの?」
カグヤ「当然です。普通の人がそんな事をすれば確実に消されますよ。」
七深「消される!?」
カグヤ「はい。やはり、広町さんは特別なようですね。」
七深「わ、私は普通だよー。」
カグヤ「恐れ入りました。流石、司さんが認めたお人です。」
そう言って、深く頭を下げた
はたから見ると、この状況は結構面白いな
俺は今にも腹を抱えて笑いそうだ
ましろ「__あ、あれって、十条カグヤ君......?」
司「倉田ましろ?」
ましろ「あ、お、おはようございます......」
司「あぁ。それで、どうした。」
ましろ「え?」
司「十条カグヤを見ていたようだが。」
俺がそう言うと、倉田ましろの顔が真っ赤になった
カグヤ「__あれ、倉田さん?」
ましろ「!///」
カグヤ「また会えたね。」
ましろ「は、はい......///」
カグヤ「?」
七深「おやおや、これはー?」
司「なんだ?」
横を見ると、広町がニヤニヤして2人を見ていた
俺は不思議に思いながら広町を見た
七深「これは、恋の予感......!」
司「恋?」
七深「そうだよー。しろちゃんの顔見て見なよー。」
司「?」
俺は広町がそう言うので
倉田ましろを観察した
司「......ふむ。」
頬がほんのり赤い
呼吸も若干だが不自然だな
目線も顔見たりそらしたりで安定してない
七深「しろちゃん、絶対に恋してるよ!」
司「そうなのか?」
七深「そうだよ!漫画と同じ症状だよ!」
司「そうか。」
カグヤ「倉田さんは何組なのかな?」
ましろ「えっと、A組です......///」
カグヤ「そうなんだ。じゃあ、司さんと一緒なんだね。仲良くしてあげてね。」
司(おい、それは聞き捨てならない__)
ましろ「は、はい......///」
司(いや、はいじゃねぇよ。お前は俺の事苦手だろ。)
あのお人よし天然ボケ野郎、とんでもない事を言いやがったな
俺は頭を抱えた
七深「......ふふふ。」
司「おい、笑ってんじゃねぇぞ。」
七深「い、いや、ごめん......ふふふ......」
広町は横で腹を抱えて笑ってる
十条カグヤ、あの野郎
カグヤ「__僕も司さんに呼び捨てにされるようにひっぱたいてみるよ。」
司「いや待て、何の話をしてやがる。」
俺は不穏な言葉を聞きつけ
2人の会話に割り込んだ
カグヤ「いや、司さんをひっぱったけば、呼び捨てにされるのかなと。」
司「それを実行してみろ、ぶん殴るぞ。」
七深「くっ、ふふ......!」
司「お前はいつまで笑ってる?」
ましろ「あ、あの......」
司「なんだ?」
突然、倉田ましろが話しかけて来た
俺は振り向き、倉田ましろを見た
ましろ「仲良く、しましょうね......?」
司「......」
もう大体、予想してた
それにもかかわらず、返答が思いつかず
俺から出た言葉は......
司「......もう、勝手にしろ。」
それだけだった
こうして、俺の今日の一日が始まった