七深「__普通プロジェクトー!」
司「なんだそれは。」
放課後、俺はあいつらがバンドの練習をしてる教室に呼ばれた
そして、広町は朝に続きまた訳の分からない事を言い始めた
透子「お!なんか面白そうなことやってんじゃん!」
つくし「いや、普通プロジェクトってなに!?」
七深「そのまま、普通を目指すプロジェクトだよー。」
ましろ「普通を目指す?」
倉田ましろ、二葉つくし、桐ケ谷透子は疑問の表情を浮かべている
心なしか、八潮瑠唯も首をかしげてる
司「それで、何をするんだ。」
七深「そうだねー。」
俺が質問すると、広町は考えるような仕草をした
瑠唯(そもそも、普通とは目指すものなのかしら?)
七深「うーん、何があるかなー?」
透子「まずはさ、自己紹介じゃね?」
司「自己紹介だと?」
透子「いや、普通を知るなら己とお互いを知れ?みたいな?」
七深「おー、流石とーこちゃんー!ナイスアイディアー!」
正直、良く分からない理由だが
普通を理解してない俺が口をはさむのは野暮だな
ここは乗っておくことにしよう
透子「じゃあ、一番手!行きます!」
桐ケ谷透子が手を挙げた
なんかノリが宴会の一発芸だな
透子「桐ケ谷透子!バンドではギターしてます!好きな食べ物はカップ焼きそば!趣味はSNSと服のデザイン!月ノ森のカリスマと言えば私って覚えてください!」
瑠唯(こういう流れなのね。)
七深「流石とーこちゃん、良い自己紹介だねー。」
司(いい自己紹介ってなんだ?)
俺は心底疑問に思ったが
それを飲み込んだ
透子「じゃあ、次、二葉!」
つくし「えぇ!?コ、コホン!二葉つくしです!A組の学級委員長です!趣味はヘアアレンジ!」
透子「え?そうだったんだ!」
つくし「知らなかったの!?」
透子「いやぁ、知らなかったわー!」
桐ケ谷透子は頭を掻きながらそう言った
二葉つくしは少しむくれてる
透子「まぁ、いいや!次、倉田!」
つくし「えぇ!?」
ましろ「倉田ましろです。嫌いな食べ物はほうれん草、グリンピース、ニンジン......」
透子「なんでそんなマイナス!?もうちょっとあるじゃん?」
ましろ「えっと、趣味は編み物、です。」
司「ほう。」
透子「そうそう!そう言うの!いい趣味じゃん!」
ましろ「う、うん。ありがとう。」
桐ケ谷透子、こいつ、意外に苦労人か?
透子「じ、じゃあ、次、広町!」
七深「はいはーい。広町七深でーす。好きな食べ物は辛い物ー、趣味はおまけ集めの普通の女の子でーす。」
司「普通ってなんだ?(哲学)」
透子「ま、まぁ、普通の自己紹介だったし、多少は!じゃあ、次、八潮!」
瑠唯「......私も?」
透子「いいじゃんいいじゃん!乗り掛かった舟ってやつだよ!」
瑠唯「はぁ......八潮瑠唯。以上よ。」
八潮瑠唯は面倒そうにため息をつきながらそう言った
これには桐ケ谷透子も苦笑いだ
透子「じゃあ、最後に柊木さんっすね!どうぞ!」
司「あぁ。」
と言っても、俺の自己紹介か
何を言うんだ
司「柊木司だ。好きなものは、金、成功。」
透子「暗い!倉田とは別ベクトルで暗い!」
司「そうか。」
透子「何か、特技とか!」
司「特技は、金を稼ぐことと、ころ__」
まずい、口が滑った
完全に油断してた
ましろ「ころ?」
司「......コロッケ早食い。」
七深「ふふ......」
透子「そ、そうっすか!あれ熱いからコツいりますよね!」
司「......あぁ、そうだな(?)」
俺は何を言ってるんだろう
広町は笑いをこらえてるし
七深「じゃあ、自己紹介はこんな感じでー。」
司「聞く以上に高度なものだったな。」
七深「普通は難しいんだよー。(柊木君は完全に自滅してたけどー。)」
司「まぁ、いい。次は何をするんだ。」
七深「そうだねー......あっ、あれとかいいかもー。」
司「?」
七深「所謂、寄り道だよー。」
司「寄り道?」
広町がそう言った後、何だかんだあって
俺たちは学校を出た
__________________
俺たちが来たのは少し広い公園だ
八潮瑠唯は帰り
メンバーは残りの4人と俺だ
透子「__ここ!」
司「これは?」
そこにあるのは車が屋台になってるもの
建てられてる旗にはクレープと書かれている
ましろ「クレープ?」
透子「そうそう!やっぱり女子高生と言えばクレープ?みたいな!」
司「俺は男なんだが。」
七深「まーまー、気にしない気にしないー。」
司「いや、重大な問題なんだが。」
俺がそう言っても4人は聞こえてないようで
クレープの種類を選んでいた
七深「柊木君は何にするー?」
司「これだ。」
俺がそう言うと、レジに金額が表示された
司「おい、店員。」
店員「はい?」
司「ここでカードは使えるか?」
店員「はい、一応使えますが?」
司「じゃあ、支払いはこれだ。」
店員「へ!?」
透子「そ、それって!」
つくし「ぶ、ぶ、ブラックカード!?」
司「あぁ。」
俺は基本的に使うために財布に現金を入れてない
なんでか、小銭が出るのが鬱陶しいからだ
大量の車も、ブラックカードの裁定基準をこなすためだ
司「何をしてる?早く支払いを済ませろ。」
店員「は、はい!」
それから、俺はクレープの支払いを済ませ
近くのベンチに座った
透子「いただきまーす!」
ましろ「あ、あの、お金は.....」
司「いらん。はした金だ。」
つくし「ま、まさか、ブラックカードまで持ってたなんて......」
透子「いやぁ、流石としか言えないわ。」
七深(これは普通なのかな?)
各々、クレープを食べ始めた
4人は座り、俺は立ったまま食べてる
七深「座らないの、柊木君?」
司「いい。女を立たせてると印象が悪い。」
俺はそう言いながら、クレープを食べた
甘い、こんなの久し振りに食べた
司(結構、美味いな。)
七深「ねーねー、柊木君ー。」
司「なんだ?って、座らないのか?」
七深「柊木君が座らないなら立ってようかなーって。」
司「変な奴だ。」
俺は呆れたような声でそう言った
広町は笑みを浮かべながらクレープを食べている
俺も少し、クレープを食べ進めた
七深「柊木君ー。」
司「なんだ。」
七深「クレープ一口頂戴ー。」
司「あぁ、別にいいぞ。」
ましろ、透子、つくし「!?」
七深「わーい。」
広町は俺のクレープを一口食べた
七深「美味しいねー。」
司「そうだな。」
七深「柊木君の味がしたー......って、あ///」
司「......自滅するなよ。」
透子(え?なにこの顔?てか、柊木さんの味って何?知ってるの?)
広町は自分の発言で顔を赤く染めた
まじで知ってるから否定も出来ないし
完全な自爆だな
ましろ(こ、これ、すごい会話なんじゃ......聞いてないって事にしよう、そうしよう。)
つくし(え、え?///仲いいって思ったけど、そう言う関係なの?///)
七深「あ、ひ、柊木君も食べなよー。」
司「俺も?別にいらないんだが。」
七深「普通の友達は一口あげたら、一口返すんだよー。」
司「へぇ、そうなのか。」
透子(え?そうなの?)
俺は差し出された、広町のクレープを食べた
俺のと味が違う
ほぼ同じ材料なのに、この違いは何なんだろうか
ましろ(ひ、広町さんへの信頼が高すぎる......?)
つくし(普通って、女の子同士か恋人同士とかじゃないのかな?)
司「この味も美味いな。」
七深「そうでしょー。広町一押しー。」
司「広町の味がしたな。美味かった。」
七深「!?///」
透子、ましろ、つくし「えぇ!?」
さっき広町が言ってたし
これは完全な悪乗りだ
七深「や、やだなー、そんなのあるわけないじゃんー///」
司「あるだろ。仮にもお前が口に入れたものだぜ?」
七深「そ、そうじゃなくてぇ......///」
透子「あ、あー!2人とも!早く食べないと!」
つくし「と、溶けちゃうよ!」
ましろ「う、うん!」
司「それもそうだな。」
七深「う、うんー......///」
それから俺たちは残ってるクレープを食べた
__________________
クレープを食べた後、俺たちは解散することになった
透子「__じゃあ、アタシらこっちなんで!」
つくし「さようなら!広町さん!柊木君!」
ましろ「さようなら。」
七深「うんー、またねー。」
司「またな。」
俺たちはそうして別れた
そして、俺は広町と帰ることになった
俺たちはしばらく歩き、人通りがない道まで来た
七深「__いやー、楽しかったねー。」
司「そうだな。」
七深「これは、普通の青春だった気がするよー。」
司「そうなのか?」
判定が良く分からないが
まぁ、普通だったんだろう
そう思う事にしておこう
司「......ふむ。」
七深「どうしたのー?」
司「気になることがあってな。」
七深「?」
広町は不思議そうに首をかしげてる
俺は考える仕草を取っている
七深(柊木君がこんなに考えるなんて、どんな内容なんだろう?)
司「......」
七深「何を考えてるのー?」
広町は心配そうに顔を覗き込ませてきた
俺は動じることなく、広町の顔を見た
司「......ふむ。」
七深「柊木君?」
司「なぁ、広町。」
俺は広町の顔を少し持ち上げた
広町の顔は瞬く間に真っ赤になった
七深「え......///」
司「気になってたんだ。」
七深「な、何がー......?///」
司「広町の味って、どんなだろうってな。」
俺はそう言って、ゆっくり広町に顔を近づけた
七深「だ、ダメだよ、こんな所で......///」
司「......」
七深「ひ、人も通るかもしれないし......///」
司「......」
七深「私達、そんな関係じゃないし......///」
司「......くくっ。」
七深「え......?///」
俺は広町の様子を見て笑いが漏れた
広町は困惑してる
司「冗談だ。そんなことしない。」
七深「う、うぅ......///」
司「それにしても、そう言う関係じゃないって......くくっ。」
七深「......柊木君なら、よかったかもしれないよ。」
司「そうなのか?」
七深「!///」
司「まぁ、何もしないけどな。」
俺はそう言って歩き始めた
七深「も、もー!///」
司「ははは!お前は意外といじり甲斐があるぜ!」
七深「......いじわる///」
俺たちはこんな会話をしながら
各々、家に帰って行った