夜の港
灯台からは光が放たれていて
海の方からは船が進む音が聞こえてくる
司「__準備完了だ。」
?『こっちも大体飛ばし終わったよ。』
俺は今、港を一望できるクレーンの上にいる
程々にスペースもあり、今回の仕事に丁度いい位置だ
そして、通信の先には俺の仕事仲間がいる
司「あれが、今回のターゲットだな?」
?『うん。麻薬に臓器、少しの人身売買もあるっぽいね。』
司「数は?」
?『16人。』
司「そうか。」
俺はある装置を目に取り付けた
そこには飛んでいるドローンの映像がいくつか映っている
司「始めるぞ。」
そう言って俺は、ライフルを構えた
俺は手始めに、前にいた3人を狙撃した
?『__命中。』
司「残り13人は気づいたみたいだな。まぁ、関係ないが。」
そう言いながら5発
銃口から放たれた銃弾はちょうど5人の頭を打ち抜いた
司「あと、8人か。」
?『向こうは当然だけど、司の位置はつかめてないね。』
司「どこにこんな距離から撃つ奴がいる。」
向こうからの距離は一般的なスナイパーの約3倍
誰がこっちを補足なんてできるか
司「残りがコンテナの陰に隠れた。映像を回せ。」
?『りょーかい。』
ドローンが移動して、写ってる景色が変わった
そこには、明らかに困惑してる男が5人
合図を送ってるが、ともかく姿を隠せってところだろうな
司「まぁ、関係ないが。」
俺は少しライフルの位置を調節した
このライフルは特注、コンテナくらいはぶち抜ける
司「右側に3、左側に3、その少し手前に2か。」
俺は右側の3人を狙撃した
弾は見事に3人の脳天を打ち抜いた
その映像を確認すると、俺は残りの5人を狙撃
吸い込まれてるいると思うほど正確にコンテナを抜いて、2人の男の頭を打ち抜いた
司「__任務完了だ。」
?『お疲れ様。』
司「依頼者の所に向かう。こっちに合流しろ。」
俺はそう言って、クレーンから飛び降りた
飛び降りた後、向こうから仕事仲間が歩いてきた
?「いやぁ、今日も命中率、ヘッドショット率100%!」
司「当り前の事を言うな、明石。」
響「あはは!ごめんごめん!」
こいつは明石響
表と裏、両方での仕事仲間だ
響「それにしても......」
明石はクレーンを見上げた
響「どうやって、ここからスコープなしで狙撃して、最後には飛び降りるのかなー?」
司「どうするもこうするもない。お前は呼吸をするのにコツを聞くのか?」
響「まぁ、司にとってはそうだよねー。」
司「無駄話はいらん。報酬を受け取って戻るぞ。」
響「りょーかい!」
俺と明石は待たせてる車に戻った
そして、依頼者のいるビルに向かった
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俺たちが乗る車は、港近くにある高層ビルの前で止まった
俺と明石は車から降りて、ビルの中に入った。
中に入ると、エレベーターに乗り最上階に行った
「__来ましたね。」
司「久しいな、柳真廣。」
響「こんばんはー!」
最上階に来ると、40代くらいの男がいた
今回の依頼人だ
真廣「これはこれは、柊木様。いや、ここではパンドラ様とお呼びした方がよいでしょうか?」
司「どっちでもいい。」
響「本日の依頼成功の報告に来ました!どうぞ!」
そう言うと明石は柳真廣の前にパソコンを置いた
そこには、ドローンで撮影した映像が映し出されている
真廣「......素晴らしい。彼らに好きにされて困っていたのです。」
司「そうか。」
真廣「こちらは、依頼料の20億円になります。お納めください。」
司「あぁ。」
俺は札束の入った大きめのケースを受け取った
響「やったー!」
司「確かに受け取った。今日は帰る。」
真廣「はい。これからもよろしくお願いいたします。表でも、裏でも。」
司「いいだろう。」
俺はそう言って、その部屋を後にした
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響「いやぁ!今日も大量だね!」
帰りの車で明石はそう言った
あんな額、今日俺が稼いだ中での欠片にも満たないんだがな
司「まぁ、仕事のリスクから考えればこの程度の額だろうな。」
響「あ、そっか。司は今日だけでもこれの何倍も稼いでるもんねー。」
司「そういう事だ。」
俺はそう言って、さっき受け取ったケースを出した
司「これはやる。」
響「え!?まじ?」
司「今更、この程度の額はいらないからな。」
響「あざーっす!」
明石は嬉しそうにケースを受け取った
俺は軽く体を伸ばした
響「そう言えばさ、司って月ノ森に行ったんだっけ?」
司「あぁ、そうだ。」
少し時間が経つと、明石がそんな事を聞いてきた
響「どうだった?なんかすごい人とかいた?」
司「いない。」
響「うん、司に聞いたのが間違いだった。」
明石は頭を抱えながら呆れたようにそう言った
失礼なやつだと思った
響「やっぱり、月ノ森でも司に並ぶ子はいないのかー。」
司「当り前だ。普通の人間が俺に並べるわけがない。」
響「じゃあ、なんで月ノ森行ったの?」
司「家から近いからだ。」
家から近い、これ以上に素晴らしい理由はない
無駄な時間を最低限に抑え、仕事に時間を使える
響「うん、知ってた。」
司「そもそも、月ノ森が名門校って言われてることも3日前に知った。」
響「流石、天才は違うねぇ。そりゃ、態度もでかくなるわ。」
明石は感心したようにそう言った
司「そう言うが、俺はお前を認めてるんだぜ?心理戦で俺に15分かけさせた、十分な天才だ。」
響「うっわ、嫌みな奴。」
司「そうか?俺にとっては最高の誉め言葉のつもりなんだが。」
響「だから、あたし以外の友達いないんだよ。」
司「それは否定しない。」
俺は少し笑いながらそう言った
明石は困ったような顔をしている
響「司の事はある程度分かってるけどさ、ちょっとは友達作りなよー。」
司「いるじゃないか。」
響「学校で!」
明石は大きな声でそう言った
そう言われても、あんな馬鹿が多い場所で友人なんて作れない
司「ふむ。」
響「あたしは心配だよ。司の将来が。」
司「おいおい、俺ほど将来が約束されてる人間はいないぜ?」
響「そうじゃなくてさー、あるじゃん?人といて初めて手に入れられる幸せって。」
明石は言い聞かせるようにそう言ってきた
こいつは俺の親か
響「あ、でも、司はダメかー。」
司「なにがだ?」
響「彼女とか、そう言うのー。」
司「あぁ。」
何を言うかと思えば、そんな事か
司「しかも、そう言う相手の候補は明石くらいだな。」
響「いや♪」
司「だよな。」
響「司はねー、顔は良いんだけど。性格がねー。」
明石は頭を押さえながらそう言った
こいつ、本当に失礼だな
司「消去法にマジで答えるな。」
響「そう言うとこだよ?」
若干怒ったような声だ
何でかはよくわからんが
響「はぁ......」
司「あ、家に着いたな。」
響「あ、もう着いたの?」
司「あぁ。じゃあな。」
俺は車から降りた
そして、運転手に話しかけた
司「明石を家まで送れ。俺の友人だ、丁重にな。」
運転手「かしこまりました、柊木様。」
響「じゃあね!司!」
司「あぁ。」
俺は車を見送ると、家に入った
こうして、俺の一日は終わった