しばらくバイクを走らせ
俺と広町はバイクを置き遊園地に入った
司「__中々、遠かったな。」
七深「そうだねー。」
司「ほら、これももっとけ。」
俺はそう言って広町にあるものを渡した
この遊園地内で使える乗り物のパス、らしい
司「そこで買った。」
七深「おー、流石ー!」
広町はそう言いながら
それを腕に巻きつけた
俺はそれを確認した後、遊園地の入り口の方を見た
司「あいつらも来たみたいだ。」
七深「きゃ!///」
俺は広町を引っ張って
物陰に移動した
司「十条カグヤは耳がいい。ある程度距離がないと気付かれるぞ。」
七深「そ、そうなんだ......///」
司「ん?どうした?」
広町の様子を確認すると、顔が赤かった
だが、別に体調不良という様子ではない
七深「な、なんでもないよー......///」
司「そうか。」
俺はそう言って、十条カグヤと倉田ましろの方を見た
2人はパンフレットを見ながら話してる
これからの行動についてだろうな
司(さて、どう動くか。性格的に想像は出来るが。)
七深「むぅ......」
司「......?」
2人の方を見てると
広町が腕を掴んできた
司「なんだ?」
七深「2人のこと見すぎだよ。」
司「尾行と言ってただろう。」
七深「それでも、もうちょっと私の事を見てくれても......」
広町はし小さな声でそう言った
服を摘まんでる手は少し力を増している
司「......」
七深(お、怒ってるの、かな......?)
司「ははは!」
七深「え?」
司「可愛いやつだ!いいだろう、尾行はやめだ!遊ぶぞ!」
俺はそう言って広町の手を掴んだ
七深「!?///」
司「俺も遊園地なんて生まれて初めてだからな。楽しみだ。」
七深「う、うん......///」
司「さぁ、行くぞ。」
俺と広町は遊園地の中を進んで行った
__________________
”ましろ”
カグヤ「__それじゃあ、まずはどこに行こっか。」
ましろ「うーん。」
私達パンフレットを見ながら
行く場所を考えていた
カグヤ「まずは、この、コーヒーカップ辺りに行く?」
ましろ「うん!」
十条君はコーヒーカップに興味が沸いたのかな?
私達はコーヒーカップに移動した
__________________
コーヒーカップに来ると
あまり並ぶこともなく乗ることが出来た
ましろ「__わわっ!」
カグヤ「大丈夫?」
ましろ「う、うん。大丈夫。」
カグヤ(結構、急に動いた。)
コーヒーカップはアナウンスの後
急にスタートした
それで、私は驚いて声をあげちゃった
こんな事でも心配してくれる十条君は凄く優しい
カグヤ「そう言えば、倉田さん?」
ましろ「どうしたの?」
カグヤ「コーヒーカップってどう楽しむものなのかな?」
ましろ「え?」
十条君の言葉に私はかなり驚いた
まさか、コーヒーカップお知らないのかな?
ましろ「えっと、この真ん中にあるハンドルを回すんだよ?」
カグヤ「なるほど。」
そう言って、十条君はハンドルを持った
カグヤ「よいしょ......っと!」
ましろ「っ!?」
十条君は掛け声を出すと
ハンドルを力いっぱい回した
カグヤ「__おぉ......!」
ましろ「きゃ!」
カップがすごい勢いで回ってる
やばい、酔っちゃいそう
ましろ「じ、十条、君......!」
カグヤ「あっ。」
十条君はハンドルの勢いを弱めた
これ、腕力で何とかなったっけ?
カグヤ「だ、大丈夫?」
ましろ「う、うん。」
カグヤ「ご、ごめん。」
十条君は申し訳なさそうにしてる
その様子を見ると「全くだよ。」なんて言えない
ましろ「ふっ、ふふふ!」
カグヤ「倉田さん?」
少し落ち込んでる十条君が可愛くって
つい、笑ってしまった
十条君は困った顔をしてる
ましろ「ごめん、つい......!」
カグヤ「??」
いつもは落ち着いてて、声のトーンを変えないのに
今は慌てて私に謝ってる
その様子がすごく可愛らしい
ましろ「十条君って、意外と可愛らしいね。」
カグヤ「え?」
ましろ「だって、いつもはそんな顔しないもん。」
カグヤ「顔?」
十条君は不思議そうに自分の顔を触ってる
その様子も可愛い
カグヤ「僕って表情変わったんだ。」
ましろ「いや、変わるよ?」
カグヤ「......?」
十条君は不思議そうな顔をしてる
どうしたんだろう?
カグヤ「ねぇ、倉田さ__」
係員「降りられますかー?」
カグヤ、ましろ「!?」
お、驚いた
いつの間にか、カップが止まってたみたい
それで、係員さんが声をかけに来てた
私達は指示に従ってカップから降りた
__________________
”司”
七深「__ねー、あれ乗ろー。」
司「あれ?」
俺は広町が指を指してる方を見た
あれは......
司「ジェットコースターと言う奴か。」
七深「うん!ここのジェットコースター結構有名で楽しいんだー!」
司「ほう、面白そうだ。」
前にも言ったが
俺の心情は百聞は一見に如かずだ
司「よし、行くぞ。」
七深「広町、りょーかいー!」
俺と広町はジェットコースターに向かった
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有名と言われてただけあって
やっぱりここは並んだ
暫く並ぶと、俺達の番が来た
係員「バーを下げまーす!」
司「バー?って、なんだ?」
七深「これだよー。」
広町が指を指すと
赤色のバーと思われるものが下ろされた
そして、動きが制限された
司「なんだこれ?」
七深「安全のためのものだよー。」
司「安全?別にいらないだろう。」
七深「まぁ、柊木君はいらないかもしれないけど、普通の人はいるんだよ。」
司「そんなもんなのか。」
そんな会話をしてるうちにジェットコースターがスタートした
最初はかなりゆっくりらしい
司「ふむ。」
七深「あがってるねー。」
コースターは段々と上に上がって行ってる
さっき、レールの形を見た限り
ここから急降下するんだろうな
七深「__来た!」
司「うん?」
広町がそう言うと
コースターが急降下を始めた
七深「わー!」
司「ふむ。」
まぁまぁ、速度は出てる
だが、安全バーが必要なほどでもない
司「おっ。」
そう思ってたら、一回転した
別にこれがどうのこうのないが
まぁ、普通ならバーがいるか
司(別にこのくらいの高さから降りても大丈夫だな。)
それからもコースターは激しい動きを続けた
だが、別に人間の範囲内のものは怖いと感じなかった
そんなこんなで、ジェットコースターが終わった
__________________
ジェットコースターが終わった後
俺たちはベンチに座った
司「__ふむ。」
七深「い、いまいちだったかなー?私は結構楽しかったけど。」
司「まぁ、人間向けだったからな。」
俺は考えながらそう言った
多分、速度が足りないんだろう
司「まぁ、あれ自体が楽しいのとは違うが。」
七深「ん?」
司「楽しそうにしてるお前を見るのは結構、楽しかった。」
七深「え!?///」
司「これも楽しみ方だろ。」
俺はそう言ってベンチから立ち上がった
司「飲み物買ってくる。」
七深「う、うん///」
俺はその場を離れ、自動販売機に行った
”七深”
柊木君は私の神経を逆なでしてくる
シレっとああいう事言って
私の心臓を早くする
七深(ほんと、ああいうところだよね......///)
顔が熱い
ただの言葉でここまで影響されてる
胸が苦しいのに、それが心地いい
七深「......やっぱり、好きだなぁ......///」
司「あ?何がだ?」
七深「!?///」
”司”
自販機から戻って来ると広町が何か呟いてた
何のことを言ってたんだ?
七深「ひ、柊木君ー、戻ってきてたんだ///」
司「自販機に行っただけだしな。ほら。」
七深「わわっ!」
俺は広町に買ってきた飲み物を投げた
広町は慌ててそれをキャッチした
七深「か、買ってきてくれたんだ。」
司「自分の分だけ買ってもな。」
俺は広町の隣に座った
そして、買ってきた飲み物を開けて
それを飲んだ
司「で、さっきは何のことを言ってたんだ?」
七深「え?」
司「好きがどうとか。」
七深「!///」
俺がそう聞くと
広町の顔が真っ赤になった
七深「え、えっと、それは......///」
司「なんだ?」
七深「心の確認って言うか、なんて言うかー......///」
広町が何を言ってるのかよく分からない
それにしても......
司「好き、か。」
七深「柊木君?」
司「好きって、何なんだろうな。」
七深「え?」
俺は理解出来てない
好き、つまり好意というものが
どんな書物を呼んでも
ネットで調べても
その内容はあまりに抽象的だ
司「ほんと、分かんねぇな。」
俺はそう言ってから、ベンチから立ち上がった
司「もう昼だ。飯行くぞ。」
七深「う、うん......」
俺たちはどこか飯を食える場所を探しに行った
七深(今の柊木君、少し悲しそうだった様な......)
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”ましろ”
お昼を過ぎた
私と十条君はフードコートでお昼ご飯を食べた
カグヤ「__次はどこに行こっか?」
ましろ「うーん。」
私はパンフレットを見た
やっぱり、多くて迷うなぁ
カグヤ「あれ、なんだろう?」
ましろ「え?__あれって......」
十条君が指を指してたのは
遊園地の雰囲気からかけ離れた
おばけ屋敷だった......
__________________
ましろ「__ひっ......!」
私達はお化け屋敷に入った
十条君が興味津々だったから
カグヤ「これがあの、お化け屋敷......!」
ましろ「......」
こんな雰囲気の中
十条君は目を輝かせてる
それを見ると、何か湧き上がるものが......
カグヤ「......?」
ましろ「十条君......?」
カグヤ「倉田さん、こっちによって。」
ましろ「?」
十条君があまりにも真面目な顔で言うので
私はそれに従って、十条君の横に行った
カグヤ「じゃあ、行こっか。」
ましろ「う、うん__って、きゃあ!」
少し進むと、私がいた一歩先から
仕掛けが作動した
カグヤ「やっぱり。」
ましろ「な、なんで?」
カグヤ「えっと、音が聞こえたから?」
ましろ「えぇ!?」
十条君は当たり前みたいにそう言った
え?私には全く聞こえなかったんだけど?
カグヤ「次は3メートルくらい先にあるよ。」
私達は少し進んだ
すると、仕掛けが作動した
ちょうど、3メートルで
ましろ「す、すごい......」
カグヤ「こんなにうるさいとバレちゃうんじゃないかな?」
ましろ「い、いや、普通は聞こえないんだよ......?」
カグヤ「え?そうなんだ?」
忘れてた、十条君は月ノ森生だった
いや、それだけで説明つかないけど
ましろ(あれ?おばけ屋敷ってこんなのだっけ?)
カグヤ(おばけ屋敷ってこういうものなのかな?)
私はそんな疑問を覚えながら
仕掛けの有無をナビゲートされながら
おばけ屋敷の中を歩いた
__________________
あれから、しばらく遊園地で遊んだ
そして、気付くころには周りは暗くなっていた
カグヤ「__もう、こんな時間?」
ましろ「早いね。」
時計を見ると、もう7時
結構遊んだなぁ......
ましろ(って、あれ?何か忘れてるような?)
そう言えば、透子ちゃんに何か......
ましろ「あっ。」
カグヤ「?」
ここって確か、夜にパレードやるんだっけ
それで、透子ちゃんが......
透子『そこでアタックっしょ!』
って、言ってた
アタック、アタック......?
ましろ「!///」
カグヤ「倉田さん?」
アタックって、告白するの?
無理だよ、無理無理
カグヤ「あ、何か来たよ。」
ましろ「あ、パレードだ。」
カグヤ「そんなのあったんだ。」
ましろ「うん。見よっか。」
私はそう言って、パレードに視線を移した
すごく綺麗で、楽しい音楽が鳴ってて
キラキラ輝いてる
カグヤ「綺麗だね。」
ましろ「うん。」
十条君も綺麗だって思ってるみたい
私は十条君の方を見た
ましろ「......///」
真面目な顔でパレードを見つめてる
それはパレードに負けないくらい綺麗で
青くて大きな瞳には吸い込まれちゃいそう
カグヤ「どうしたの?倉田さん?」
ましろ「え、あ、なんでもないよ!///」
カグヤ「そう?」
十条君はそう言うと
私に笑いかけて来た
カグヤ「今日はありがとう、倉田さん。」
ましろ「え?」
突然、十条君がそう言ってきた
カグヤ「今日は凄く楽しかったよ。」
ましろ「私こそ、楽しかった!」
カグヤ「そう?」
ましろ「うん!」
私がそう答えると
十条君は優しく微笑んだ
カグヤ「おっと、パレードは過ぎて行ったみたいだ。帰ろうか。」
ましろ「うん、そうだね。」
カグヤ「時間も遅いし、送って行くよ。」
私達はそうして、遊園地から出て
私は最後まで、十条君と一緒にいる幸せを噛み締めた
__________________
”司”
司(__あいつらは帰ったみたいだな。)
俺は観覧車から地上の様子を見ていた
それで、2人が出て行くのが見えた
七深「何見てるのー?」
司「なんでもない。」
俺はそう言って
正面の広町に目を向けた
七深「綺麗だねー。」
司「そうだな。」
地上はライトアップされている
遊園地の景色はすごく綺麗だ
司「......ふむ。」
俺は携帯を出してカメラを起動した
そして、それを広町に向けた
司「広町ー。」
七深「どうしたのー?」
広町が顔を向けた瞬間
俺は写真を撮った
司「へぇ。」
七深「ち、ちょっとー、急に撮らないでよー!」
司「いいだろ、別に。」
俺はそう言って
携帯をしまった
広町は不服そうな顔をしてる
七深「むー。」
司「なんだその顔。」
七深「広町、不服でーす。」
司「あっそ。」
俺はそう言って、顔をそむけた
広町はずっと機嫌が悪そうに見える
司「はぁ、いつまでそうしてるんだ?」
七深「だってー。」
司「そう言うなって。なんなら、一つくらい頼み聞いてやるよ。」
七深「え?」
司「?」
広町が目を丸くしてる
俺は首をかしげながら広町を見た
司「ほら、何か言ってみろ。」
俺は笑いながら広町にそう言った
広町はうつ向いて、何かを考えている
観覧車も頂上に差し掛かってきた
広町「......じゃあ、キスしてって言ったら、してくれる......?///」
司「っ!?」
なんだ、これ
今、心臓が跳ねた?
司「......ふーん。」
七深「!///」
俺は広町の顔を持ち上げ
顔を近づけた
なぜか、心臓が早く動く
意味が分からん
司「やってやるよ。」
七深「んっ......///」
俺は広町と唇を重ねた
あの事故の時とは違う
長く、深い
司「__これでいいだろ。」
七深「う、うん......///」
俺はそう言って
観覧車の外を見た
今、ちょうどてっぺんだ
司「......」
七深「ねぇ、柊木君。」
司「なんだ。」
俺は広町の方を向いた
七深「ありがとう、柊木君!///」
司「っ!!」
広町は笑顔で、顔を真っ赤にしながら
俺に礼を言ってきた
その瞬間、俺の心臓は激しく動いた
司「......別に、ただのキスだろ。」
七深「嬉しかったよ?///」
司「......っ。」
治まらない
なんだよこれ
今まで、こんなことはなかった
司「......これ終ったら、帰るぞ。」
七深「うん!また2人乗りだね!」
司「......あぁ。」
俺はそうだけ答えて
残りの観覧車の時間を景色を見て過ごした
その間、俺の心臓が治まることはなった