禁忌少年の月ノ森ライフ   作:火の車

25 / 42
デート

 ”響”

 

 司が何を考えてるか分からない

 

 何か策があるって言ってたけど

 

 急に出掛けるぞなんて......

 

響(ほんとに、何考えてるの......?)

 

 司の建てる作戦はいつでも聞けば納得する

 

 だから、こんな事、初めて

 

 それだけに、すごく胸騒ぎがする

 

響「何する気なの、司......」

 

 あたしは小さくそう呟いた

 

 そして、明日の司と出かけるのに備えた

__________________

 

 待ち合わせの10分前

 

 あたしは司と待ち合わせてる場所に来た

 

 言われた通り、お昼ご飯は済ませた

 

司「__来たか、明石。」

 

 そこに行くともう、司がいた

 

 いつも通り、外に出る用の服装

 

 時間をきっちり守るのも、司らしい

 

響「お待たせー!待った?」

司「俺も今来た。10分前に来るとは殊勝な事だ。」

 

 司は優しく笑いながらそう言った

 

 その様子にあたしはかなり驚いた

 

 こんな顔の司、滅多に見ないから

 

司「早く着いたことだし、行くぞ。」

響「うん!って、どこ行くの?」

司「遊びだ。」

響「遊び?」

司「明石は確か、ゲームが好きだったな。」

響「うん、そうだけど?」

司「じゃあ、行くか。」

 

 司はそう言うと

 

 どこかに向けて歩きだした

 

 あたしは司の後ろをついて行った

__________________

 

司「__着いた。」

響「え?」

 

 司がそう言って、足を止めた場所は

 

 ゲームセンターだった

 

 あたしは目を丸くした

 

司「確か、しばらく通ってた事もあっただろう。」

響「そ、そうだね?」

司「だろ?じゃあ、遊ぼうぜ。」

 

 そう言って、司はゲームセンターの中に入って行った

__________________

 

司「__それで、何か面白いゲームはあるのか?」

響「うーん。」

 

 あたしは少し考えた

 

 結構あるんだよねー

 

響「なんか色々してみようよ!」

司「まぁ、そうだな。」

響「じゃあまず、あれ!」

 

 あたしはパンチングマシーンを指さした

 

 司は不思議そうな顔をしてる

 

司「なんだあれ?」

響「パンチングマシーンだよ!」

司「殴るのか?」

響「そうだよ!」

 

 司は小さく笑って

 

 それに近づいて行った

 

 ずっと気になってたんだよね

 

 司ってどのくらい強いのか!

 

司「さて、やるか。」

 

 司はそう言って

 

 マシーンにお金を入れた

 

司「行くぞ......!」

 

 そう言って、司は

 

 機体の叩く部分を思いっきり殴った

 

司「......?」

響「え!?」

 

 スコアが出る画面には

 

 エラーって書かれてる

 

 嘘、そんな事ある?

 

響「強すぎて、測れなかった?」

司「ふむ。」

 

 司は何かを考えてる

 

 まぁ、機械だな、とか思ってるんだろうなー

 

響「まぁ、司だったらこれくらいやっても不思議じゃないよねー。」

司「そうかもしれんな。」

響「次の行こ!」

 

 あたしはそう言って

 

 司の手を取った

 

司「?」

 

 司は不思議そうな顔をしてたけど

 

 大人しくあたしについてきた

 

響「次はこれどう?」

司「これはなんだ?」

響「これはね、太鼓の〇人だよ!」

司「なんだそれ?」

響「まぁ、やってみればわかるよ!」

司「ふむ。」

 

 司は台にお金を入れた

 

 あたしは最低限の叩く場所とかを説明した

 

響「これ行ってみなよー。」

 

 あたしはそう言って

 

 『幽〇ノ乱』を押した

 

 もちろん、最高難易度で♪

 

響(あたしでもこれをクリアするのにはかかったからねー!)

司「......ほう。」

 

 司は少しニヤッとすると

 

 すごい速さでバチを動かした

 

響「え?」

司「まぁまぁだな。」

響(いやいやいや!)

 

 それから、司は順調にコンボを重ねた

 

 そして......

 

響「__ぜ、全良......」

司「意外と簡単で楽しいな。もっと難しいのはないのか?」

響「ま、参りました......」

司「?」

 

 駄目だ

 

 司に常識なんて通用しない

 

 それが2次元であろうが何であろうが

 

 司から見れば全部、手のひらの上みたい

 

響「次行こうか!」

司「ん?あぁ。」

 

 それから、あたし達は色々なゲームで遊んだ

 

 その度に司がいかにすごいのかが分かった

 

 遊びにおいてもなんでもできる

 

 天才としか言いようがない

 

 でも、何だかんだ楽しかった

 

司「__もうこんな時間だな。」

響「え?って、もう7時!?」

 

 どんなに遊んでたんだろ?

 

 少なくとも5時間は遊んだんだよね?

 

 楽しすぎて時間の感覚無くなってた

 

司「明石。」

響「うん?」

司「ついて来てくれ。」

響「え?うん?」

 

 司がそう言うので

 

 あたしは司の後ろについて行った

__________________

 

 歩いてきたのは

 

 浜辺だった

 

 遠くの施設なだけあって海も近かったみたい

 

響「__こんな所でどうしたの?」

司「まぁ、座ろうぜ。」

響「?」

 

 あたしは近くのベンチに座った

 

 妙に司の声が落ち着いてる

 

司「今日は楽しかったか?」

響「うん、すごく楽しかった!」

司「ふっ、そうか。」

 

 司が優しく笑ってる

 

 今日は司が機嫌を悪くすることなかったような......

 

 そう思うと、急に怖くなってきた

 

司「こんな風に明石と遊んだのは初めてだな。」

響「それは、司が誘ってもかなかったからでしょー?」

司「そうだったか?」

響「そうだよー!ほんとに来なかったんだから!」

司「ははは、悪かった。」

 

 司は笑いながら謝ってきた

 

 あたしは少しむくれてる

 

司「......これが初めてなんだな。」

響「?」

 

 また、司の声が低くなった

 

 あたしは司の方を向いた

 

響「どうしたの?」

司「明石に頼みがある。」

響「頼み?」

 

 なんなんだろ

 

 次の依頼の話かな?

 

響「それはなにかな?」

司「明石、俺の後継者になってくれ。」

響「え?」

 

 司ははっきりとした声でそう言った

 

 それから、あたしの頭は真っ白になった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。