禁忌少年の月ノ森ライフ   作:火の車

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希望

透子「__ちょ、広町!?」

七深「?」

 

 朝の月ノ森学園で透子の声が響いた

 

 それに対して、七深は首を傾げた

 

 透子は慌てたように声を出している

 

透子「ちょ、何その傷!?」

七深「あー、どうでもいいから、ほっといて良いよー。」

透子「いや、よくないでしょ!」

 

 七深の手には無数の切り傷がある

 

 しかも、1つ1つが深く

 

 血が止まってる分、さらにグロテスクに見える

 

つくし「__どうしたの?そんなに大声出して?」

透子「広町がケガしてんの!これ!」

つくし「えぇ!?」

七深「もー、大げさだなー。」

透子、つくし「大げさじゃない!」

 

 2人は同時に突っ込んだ

 

 当の本人は気にしている様子は無い

 

瑠唯「......何を騒いでいるの?」

七深「あ、るいるいだー。おはよー。」

透子、つくし、瑠唯「!?」

七深「?」

 

 3人は昨日までとの態度の差に驚いた

 

 呼び方も戻ってる

 

 表情も穏やかだ

 

瑠唯(ど、どういう事?)

七深「どうしたの、るいるい?」

瑠唯「な、なんでもないわ。」

 

 瑠唯は明らかに戸惑っている

 

透子「って、そうじゃなかった!」

七深「?」

つくし「保健室行くよ!」

七深「な、なんで~。」

 

 七深は2人に連れられて

 

 保健室に向かった

__________________

 

透子「__ほら!手出して!」

 

 保健室に来ると、透子が手当ての用意し

 

 そして、手当てを始めた

 

瑠唯「これは、なんなの?」

つくし「わ、分からないんだよ。」

透子「どうしたの、広町?」

七深「えー?」

 

 七深は少し考えるそぶりを見せた

 

 そして、話を始めた

 

七深「えーっとねー、アトリエの中にあった鏡全部割っちゃってー。」

透子「はぁ!?」

つくし「なんで!?」

七深「私が写ってるから。」

瑠唯「......?」

 

 3人は七深の言葉に戸惑っている

 

つくし「ど、どういう事?」

七深「......私が恨んでるのは私自身だから。私が邪魔なんだよ。」

透子(や、やばいじゃん!)

 

 3人は冷や汗を流した

 

 一瞬、空間の温度が下がった気がした

 

瑠唯「......死んだりしないわよね?」

七深「え?しないよ?」

瑠唯(それなら人まず、大丈夫なのかしら。)

七深「だって、死んじゃったら楽になっちゃうから。」

つくし、透子、瑠唯「え?」

 

 七深は笑顔でそう言った

 

七深「柊木君が苦しんだんだから、私も苦しまないといけないよね?だったら、必要なのは死ぬことなんかじゃなくて生きたまま苦しむことだと思うの。」

 

 七深は嬉々としてそう語っている

 

 だが、目に光はない

 

七深「どうしたのー?」

透子「な、なんでもないよ。」

つくし「う、うん!」

瑠唯「......」

七深「そう?じゃあ、私は行くねー。手当てありがとー。」

 

 そう言って、七深は保健室から出て行った

 

 室内には、3人が残された

 

透子、つくし、瑠唯「......」

 

 3人の空気は極めて重い

 

 あの七深の様子は異常だ

 

透子「あれ、なんなの......?」

つくし「わ、分かんないよ。」

瑠唯「恨んでる、と言ってたわね。」

つくし「自分を恨んでるって、どういう事?」

透子「さ、さぁ......?」

 

 透子とつくしは首をかしげている

 

 良く分からないと言った様子だ

 

瑠唯(......まさか。)

透子「八潮?」

つくし「どうしたの?」

瑠唯「なんでもないわ。私達も教室に行きましょう。」

 

 瑠唯がそう言った後

 

 各自、教室に戻って行った

__________________

 

 放課後になった

 

 今日はバンドの練習もなく

 

 学校で全員、解散となった

 

透子(__なんだかなー。)

 

 透子は今日一日、七深の様子を見た

 

 七深は相変わらず、穏やかな物だった

 

 だが、危うさもひどい

 

カグヤ「桐ケ谷さん。」

透子「あ、十条。」

ましろ「私もいるよ。」

つくし「私も。」

瑠唯「私もいるわ。」

 

 透子が廊下を歩いてると

 

 4人が歩いてきた

 

透子「どうしたの?」

カグヤ「少し、集まって話がしたいんだ。」

透子「話?」

瑠唯「天空時さんたちも呼んでるわ。」

透子「う、うん。で、どこ行くの?」

カグヤ「司さんの家だよ。」

 

 それから、5人は三久と龍奈の2人と合流し

 

 司のマンションに向かった

__________________

 

 少し歩き、司のマンションに着いた

 

カグヤ「__明石さん、皆さんを連れてきました。」

響『うん、入って。』

 

 響にそう言われると

 

 7人はエレベーターに乗り

 

 最上階に上って行った

__________________

 

響「__いらっしゃい、皆。」

 

 エレベーターが付くと

 

 響が7人を出迎えた

 

 そして、リビングに案内された

 

カグヤ「__それで、話とは何なんですか?」

 

 リビングに着くと

 

 カグヤが最初に口を開いた

 

三久「広町さんだけ呼んでないと言う事は......」

透子「広町に話しずらい事、ですか?」

響「うん。ある意味ね。」

 

 響はそう言って少し息をついた

 

 部屋の中に緊張が走った

 

響「あの日からもう、2週間。大体の事は話が入ってきてるよ。」

つくし「はい......」

ましろ「......」

透子、瑠唯「......」

 

 4人は暗い顔をした

 

 響は少し頷いた

 

響「うん、聞いてるよ。」

龍奈「それで、話って何なんだ?」

 

 龍奈は響にそう問いかけた

 

響「まず、結論から言うよ。」

 

 響は少し空気を吸った

 

 そして、こう言い放った

 

響「__司はまだ、完全には死んでないよ。」

7人「!!」

響「でも、生きてもない。」

三久「つまり、仮死状態、という事でしょうか?」

響「まぁ、そうだね。」

 

 そう言うと、響は説明を始めた

 

響「司は普通ならもう死んでるはずだった。心臓近くの血管が破損したから。」

瑠唯「......はい。」

響「でも、搬送された病院でその破損が塞がったの。」

三久「!」

ましろ「や、やっぱり、すごい。」

 

 全員目を丸くしてる

 

 流石司だと、そう思ってる

 

龍奈「でも、広町を呼ばなかったって事は、何かあるんだろ。」

響「正解です。今回は過度な希望を持ってほしくなかったんです・」

透子「それって、どういう事なんですか?」

 

 透子がそう聞くと

 

 響はすぐに答えた

 

響「今回、司が目を覚ます確率は極めて低いんだよ。」

三久「多分、一気に血を失い過ぎたからでしょうか。」

響「そうだよ。それでも、常人ならショック死ものだけどね。」

つくし「でも、よかったよね!死んではないわけだし!」

ましろ「うん!そうだよね!」

 

 2人のその言葉から

 

 場の空気が少し軽くなった 

 

響「3日、この間に目覚めないと死亡判定になる......と思う。」

龍奈「随分、あいまいなんだな。」

響「だって、司だよ?何しでかすか分かんないじゃん。」

三久「ふふっ、間違いないですね。」

カグヤ「司さんですからね。」

 

 少し笑った後、カグヤと三久の2人の表情が変わった

 

カグヤ「何かあれば、言ってください。最大限、協力します。」

三久「天空時もご協力いたします。」

響「ありがとう。でも、大丈夫だよ。」

 

 響はそう言って、口角を少し上げた

 

響「そんな事したら、司、怒るから。」

カグヤ「そうかも......いえ、そうですね。」

三久「『俺に恩が出来るなんてカッコつかねぇ。』とかいいそうですよね。」

瑠唯(さりげなく、柊木君へのイメージが酷いわね。)

透子(あと、3日。)

 

 こうして、7人に情報が渡った

 

 そして、希望が生まれた




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