広町と交際を始めてから少し経ち、
季節は秋から冬となり、今日は12月24日
世間はクリスマスで盛り上がりを見せている
外は恋人やら男女のペアが多い
無論、俺も広町といる、だが......
七深「__シロちゃん達あっちに行ったよ、柊木君~。」
司「......俺達は何をしてるんだ?」
七深「勿論、尾行だよ~。」
俺は何故か十条と倉田を尾行してる
横では広町が楽しそうにあいつらの方を見ている
本当になんでこんなことになったんだ
七深「クリスマスにあの2人がデート......絶対に面白いよ~!」
広町の目が輝いてる
確かにあの2人は面白いだろうが、
別に尾行する必要はないだろう
司「まぁ、お前が楽しそうだし付き合ってやる。」
七深「やった~!」
司「あんまり大声出してると十条に気付かれるぞ。」
七深「あっ。」
俺がそう言うと、広町は両手で口を塞いだ
一応、可愛さの評価は100点をくれてやろう
まぁ、尾行する者としては0点だが
司「この距離なら気付かれないが、もう少し近づいたら隠密を心掛けるんだな。」
七深「りょ、了解(ガチだ。)」
俺達はそれから歩きだし、
十条、倉田との距離を少し詰めた
”カグヤ”
今日は倉田さんとのデートの日
色々な準備を積んで、備えは完璧
司さんにも協力してもらったし、絶対に大丈夫だ(司への信頼100%)
ましろ「十条君?」
カグヤ「どうかした?」
ましろ「返事がなかったから、大丈夫かなって。」
カグヤ「大丈夫、倉田さんに見惚れてただけだから。」
ましろ「っ!///」
今日の倉田さんはすごくお洒落だ
薄くお化粧をしてて、髪もいつもより綺麗で
桐ケ谷さんが仕立てたと言う青色ベース洋服もすごく似合ってて、いつもの可愛らしさも残しつつ、大人のような美しさも感じる
ましろ(よ、よかった。私、変じゃないんだ......///)
カグヤ「本当によく似合ってる。横で歩けることが嬉しいよ。」
ましろ「そ、そんな!///十条君の方が、その、かっこいいよ......?///」
カグヤ「ありがとう、倉田さん。」
倉田さんの変化は見ていて楽しい
まるで小動物のようにワタワタしてて、
心音も大きくてよく聞こえてくる
ましろ「い、行こっか///」
カグヤ「そうだね。倉田さんに恥を掻かせないように頑張るよ。」
そう言って、
僕と倉田さんは手を繋いで、
クリスマスムードの街へ繰り出した
”司”
七深「お、お~......」
2人の様子を見て、広町はそんな声を上げた
こっちが恥ずかしくなる会話をしてやがるな
司「上手くいってるようで安心だな。」
七深「それにしても、今日のシロちゃんは特に可愛いね~。」
司「そうだな。」
いつもとイメージが変わるな
まぁ、口を開いたらいつも通りなんだが
見た目だけなら芸能人や名家の令嬢に見える
桐ケ谷透子、いい仕事をしたな
七深「......ふーん。」
司「なんだ。」
七深「横に彼女がいるのに他の子のこと可愛いって言うんだ~。」
司「......」
広町はこっちをジトーっとした目で見てる
その様子を見て俺は溜息をついた
全くこいつは......
司(面倒な女だな。)
七深「むぅ......」
司「ほら、行くぞ。」
七深「......分かったよ。(うぅ、怒ったかな......)」
司「......」
なんか、落ち込んでやがるな
マジで面倒な女だな
俺はそんな事を思いながら、
広町をこっちに抱き寄せた
七深「!///」
司「残念ながら、俺はお前以上の女を見たことがない。そして見る予定もない。分かったか?」
七深「柊木君......///」
司「お前は笑ってろ。落ち込んだ顔は絶望的に似合わん。」
俺はそう言ったあと広町を離した
一瞬で元通りになったな
扱いやすいと言うかなんというのか
そこがいい所でもあるんだがな
司「今日、新しいピアス付けてるな。似合ってる。」
七深「き、気付いてたんだ......///」
司「当り前だ。」
十条と倉田の方を確認すると、
もう結構な距離が空いてる
これなら多少大胆に動いてもいいだろう
司「少し飛ぶぞ。」
七深「うん!///」
俺は広町を抱え
ジャンプして壁を蹴り、建物の屋根に乗り
尾行を再開した
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”カグヤ”
僕と倉田さんは近くの商業施設に来た
ここにはたくさんのお店があって、
女の子と出かけるのにはいい場所だって、
モルフォニカのみんなに聞いた
今はその施設にある雑貨屋さんのいる
ましろ「これ、すごく可愛いね。」
カグヤ「どれかな?」
ましろ「これ!」
倉田さんはティーカップを手に持っていた
モルフォ蝶を模したデザインに丁度いいサイズ
カグヤ「まるで、倉田さんのためにあるようだね。」
ましろ「え?そうかな?」
カグヤ「僕はそう思ったかな。折角だし、プレゼントするよ。」
ましろ「!」
僕は倉田さんの手にもってるカップを取った
僕には少しだけ小さいけど、倉田さんにはぴったりだろう
本当に運命の巡り合わせだ
ましろ「そ、そんな、悪いよ......」
カグヤ「僕が買いたいんだ。また、倉田さんとティータイムでもと思ってね。」
ましろ「!///」
カグヤ「ほら、行こう。」
ましろ「うん///」
僕は倉田さんと一緒にお会計に行った
また、2人でする楽しみが増えた
”司”
あいつら、マジで仲が良いな
元を辿れば似た者同士なわけだし、
相性がいいのは明らかなんだが
それにしても、運命かってくらい噛み合ってる
司「広町は、運命を信じるか?」
七深「え~?それって、私達のことかな~?///」
司「今回は十条と倉田のことだ。」
俺は流れをぶった切るようにそう言った
こいつ、浸りだしたら長いからな
しかも回りが全く見えなくなる
七深「あ、そっちか~。う~ん、あの2人は確かに奇跡的な噛み合いかたしてるよね~。」
司「だよな。」
ガキどもが幸せそうでいい事だ
俺が望んだのはこの風景だったのかもしれない
生きてる間に見れてよかった
司「......ふっ。」
七深「どうしたの?」
司「いや、なんでもない。」
七深(柊木君、なんだか嬉しそうだな~。)
こいつらは何の心配もない
幸せな未来がハッキリと見えてくる
司「行くぞ、広町。」
七深「うん~!」
司「バレるぞ。」
それから俺達は尾行を続け
行った場所で俺達は俺達で楽しみ
時間は過ぎてった
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”カグヤ”
時間が経って、陽が落ちて
僕達は商業施設から外に出た
周りはこれからがクリスマス本番とでも言うように男女のペアが増え始めている
そんな中、僕達は夜景が反射する川を眺めてる
カグヤ「__あの、倉田さん。」
ましろ「どうしたの?」
僕が呼ぶと、倉田さんはこっちを見た
遠くからの街の光に照らされて
僕は一瞬、倉田さんに見入ってしまった
ましろ「十条君?」
カグヤ「あ、ごめんね。」
ましろ「大丈夫だけど、どうしたの?」
カグヤ「実はね、その、プレゼントを用意したんだ。」
ましろ「え?でも、さっき......」
倉田さんは混乱してる
僕は鞄に入れてある箱を出した
カグヤ「これ、なんだけど。」
ましろ「これって......ネックレス?」
カグヤ「うん。」
これは司さんに協力してもらって
職人さんにオーダーメイドで作ってもらった
倉田さんに合わせるためだけに作ってもらった
ましろ「わ、私には勿体ないよ......!」
カグヤ「ううん、そんな事ない。僕は倉田さんに付けていてもらいたいんだ。」
ましろ「......///」
カグヤ「貰ってくれるかな?」
倉田さんの感情が乱れてる
嬉しいとか恥ずかしいとか不安とか
色々な感情が渦を巻くように混在してる
ましろ「その、十条君に付けてもらいたい///」
カグヤ「......うん、分かった。」
そう言うと、僕たちは向かい合った
そして、倉田さんの首の後ろに手を回した
すごく緊張する
こんな緊張、生まれて初めてかもしれない
カグヤ「じゃあ、付けるね。」
ましろ「うん......///」
手が震えてる、心臓がうるさい
倉田さんの顔がすぐ近くにある
色々なことに心を乱されてしまう
でも、僕は何とかネックレスをつけた
カグヤ「うん、やっぱりすごく似合ってる。」
ましろ「じゅ、十条君......?///」
カグヤ「?」
倉田さんの方を見てると
何か、僕の方を見てる
その目は何かを期待してるかの様で
音でもそれを表してる
ましろ「私、十条君が大好き......///」
カグヤ「僕も。」
倉田さんはそう言った後、
僕の方に近づいて来た
倉田さんの顔は赤くて、瞳は潤んでてすごく綺麗だ
ましろ「だから、その、わがままなんだけど///」
カグヤ「?」
ましろ「キス、して欲しい......///」
カグヤ「え?」
僕はついそんな声を上げてしまった
耳は良いから聞き間違えたりしない
間違いなく、キスと言った
それで僕の心臓は激しく揺れ動いた
ましろ「ダメ、かな......」
カグヤ「......ダメじゃないよ。」
ましろ「!///」
僕は倉田さんの目をまっすぐ見た
正直、どうすればいいか分からない
けど、今に従えばできる気がする
カグヤ「行くよ。」
ましろ「うん......///」
僕は倉田さんと唇を合わせた
柔らかい感触と温かい口内
それに、心を満たすこの心地よさ
これが、幸せなんだろうか
ましろ「チュ......んっ......///」
カグヤ(倉田さん......)
ましろ「!///」
僕は倉田さんを抱きしめた
冬の夜なのに暖かい
倉田さんと今の関係になった日を思い出す
ましろ「ありがとう、十条君!///」
カグヤ「僕も、嬉しかったよ。」
抱きしめる力を強めた
倉田さんの存在を確かに感じられる
今はこの幸せを噛み締めよう
そう思い、僕達はしばらく抱き合ったままだった
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”司”
七深「わ、わぁ......///」
司(ふむ、ちゃんと渡せたみたいだな。)
広町は恥ずかしそうに眼を隠してる
俺はあいつらの様子を確認し、
少しだけ笑った
司「それで、いつまでそうしてるんだ?」
七深「い、いや~///あんまりにもすごくて......///」
司「別にお前もあんな感じだろ。」
七深「するのと見るのは違うんだよ~!///」
広町は顔を真っ赤にしてそう言ってくる
のんきに恥ずかしがってやがるな
まぁ、それも今の内だが
司「おい、広町。」
七深「え、なに__んんっ!///」
俺は広町が振り向いた瞬間に唇を奪った
広町は最初こそジタバタしてたが
少しすると大人しくなった
七深「ど、どうしたの~......?///」
司「あいつらにあやかっておこうと思ってな。ほら、これやるよ。」
七深「え......?///」
司「付けたければ付けろ。まぁ、どうせまた渡すがな。」
俺は広町に指輪を渡した
これはマーキング的な意味がデカい
他にくれてやるわけにはいかないんでな
七深「ぜ、絶対付けるよ!///絶対絶対!///」
司「必死だな。」
俺は呆れたような声でそう言った
まぁ、この喜びようなら渡した甲斐もあるか
司「じゃあ、行くぞ。」
七深「え、どこに?」
司「俺の家。クリスマスは24の晩から25の晩まで過ごすものだと聞いた。」
七深「ふぇ......?///(そ、それって......///)」
俺は広町の手を取った
だが、歩こうとすると広町は動かなかった
司「なんだ?」
七深「あの、それって、つまり、そういう事......?///」
司「......?(何のことだ。)」
七深「その、営みと言うか......///」
司「......」
こいつは何を言ってるんだ?
別にそんな意図は全くなかったんだが
俺は少しだけ考えた
司「お前が望んでるなら。」
七深「!///」
司「ほら、言ってみろよ。」
俺がそう聞くと、広町はうつ向いた
そして、数秒の時間が経ち
俺の方に近寄り、もたれ掛かってきた
七深「......望む///」
司「ふっ、可愛い女だ。」
七深「わっ///」
俺は広町を抱き上げ、
昼間のように壁を蹴って建物の上に乗った
そして、家の方を向いた
司「精々、良い声で鳴く事だな。七深。」
七深「~っ!///」
俺は七深に笑みを浮かべながらそう言い
家に向かって走ったり、
建物と建物を飛び越えたりした
さて、七深はどんな風に乱れるのか
俺はそれが楽しみで笑いが止まらなかった