七深「う......っ!」
ある日の朝、私はいきなり気分が悪くなってトイレに駆け込んだ
なんでか分からないけど、すごく気持ち悪い
七深(う、う~ん......?)
別に熱があるわけじゃない
体調も、吐き気はあるけどそれ以外は問題ない
なんだろう、これ......?
七深(学校、どうしようかな......)
私は受験しないし、学校はほぼ自由登校
別に休むほどの状態でもないし
何より、残りの司君との学生生活を無駄にしたくない
七深「行こう、かな~。」
体調が悪化すれば保健室に行けばいいし
熱もないから行ってもいいよね?
そう考えた私は学校の準備をして
いつも通りの時間に家を出た
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“司”
平日の今日は学校に顔を出してる
別に来る必要はないんだが、七深が来いと言うから来てる
まぁ、可愛いあいつの言うことだ
聞いてやるのも恋人の務めだろう
七深「__お、おはよ~。」
司「やっと来たか、七深。今日は少し遅かったな。」
七深「し、信号に引っかかり過ぎちゃってね~。」
司「......(なんだ?)」
今日の七深、様子がおかしいな
顔色が悪い、それに心拍数もいつもより多い
それに、学校に来ただけにもかかわらず息を切らしてる
司「おい、七深。」
七深「ど、どうしたの~?」
司「お前、体調を崩してるんじゃないか?」
七深「そ、そんなことないよ~?大丈夫大丈夫~!」
司「......」
......明らかに何か隠してやがるな
これはどうするべきか
デリケートな問題なら俺が触れるべきではない
だが、顔色が悪すぎる
司(取り合えず、今は様子を見ておくか。)
七深「そう言えばね~。昨日、可愛い猫グッズがあって~。」
司(視界にさえ入っていれば、どうにかなるだろう。)
俺はそう考え、取り合えずはいつも通りにすることにした
今日は七深から目を離せないな
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“七深”
き、気分悪い......!
そう感じたのは3時間目の授業の途中だった
朝は別に問題なかったのに、急に気分が悪くなった
お腹痛い、頭痛い、寒気する
なんなの、これ......?
七深(うぅ......)
泣きそうになって来た
なんだか不安になってくる
こんな不調、生まれて初めてだし......
七深(つ、辛いし、保健室行こうかな......でも、周りはみんな受験間近だし......)
司「__おい。」
七深「......!」
私が手を上げるのをためらってると
司君が声を上げた
それで全員の視線が司君に向いた
司「体調が悪いなら正直に言え。下手な嘘つきやがって。」
七深「っ!」
司「馬鹿め。」
七深「ひうっ!」
司君は私の席まで歩いて来てそう言うと、軽くデコピンをしてきた
ちょっとだけ痛い
怒ってるのかな......?
司「下らん意地など張るな。」
七深「わっ!」
司君はそう言って私を抱き上げて
教壇の先生の方に顔を向けた
司「七深を保健室に連れて行く。文句はないな?」
「はい、どうぞ、ごゆっくり。」
司「あぁ。」
そんな会話の後、司君はそのまま教室を出た
その時、私はなんだか安心しちゃって
目じりから少し、涙が出ていた
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保健室に移動してから、私は養護教諭にいくつか質問を受けた
その時、先生の顔色が変わって
私はトイレに連れていかれ、ある物を渡された
七深(こ、これって......)
どこかで見たことのある、それ
使い方はもちろん知ってる
けど......
七深「取り合えず、やってみよ。」
説明書通りにそれを使う
もしかして、もしかしちゃったら......
心臓がドクンドクン動いてる
もし、反応があったら......
七深「__っ!?」
そんなことを考えてるうちに、結果が出た
それを見て、私はトイレを駆け出した
こ、これ、どうしよう
ほんとに、予想が現実になっちゃった......
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七深「__つ、司君......!」
司「どうした。」
私は保健室に入って、司君の前に立った
変な汗が滲み出てくる
そんな状況で、私は一つ息をついた
七深「あの、あのね......体調不良の理由、分かった。」
司「そうか。なんだった?」
七深「そ、それは......」
そう言いながら、私は妊娠検査薬を出した
一応ちゃんと洗ったけど
なんだか触るのには抵抗がある
七深「に、妊娠、しちゃった......」
司「......なに?」
司君も流石に驚いてる
それを見て、涙が出てきた
司「どうした、七深。」
七深「......ごめん、ね。」
司「なにがだ。」
七深「ちゃんと、司君は気を付けてたのに......あの日......」
私たちは普段はちゃんと避妊はしてた
けど、何回か、私が避妊を拒否したことがあった
司君が止めるのを聞かないで......
きっと、そのどれかのせいだ......
七深「ごめん、ごめん......私が......」
司「はぁ......なに早とちりして泣いてやがる。馬鹿め。」
七深「え__っ!」
司君は呆れたような声でそう言って
私の頭に手を置いた
司「別にあれはお前1人の責任じゃない。最終的に了承したのは俺だ。」
七深「そんなこと......」
司「あるから言っている。1人で全て背負ってるんじゃねぇよ。」
七深「わぷっ......!」
司君に抱きしめられる
温かい......安心する......
そう思いながら、私は司君の背中に腕を回した
司「それに。お前の恋人を誰だと思っている?この俺だぞ?一生養うくらいは可能だ。」
七深「司君......」
司「一つ、文句があるとすれば。式が来年になることくらいだ。」
七深「!?」
その言葉に私の心臓は大きく跳ねた
えっと、式が来年になる
って言うことは......
七深「つ、司君、それって......」
司「結婚するぞと言ってるんだ。安心しろ。世界一幸せにしてやるよ。最も、世界の幸せのラインを変えかねないがな。」
七深「!///」
偉そうで、ロマンチックとは言えないプロポーズ
けど、その言葉に嘘なんて一切ない
自信があるのが態度に滲み出てる
司「それで、どうする。」
七深「え?///」
司「結婚するのか?」
七深「......答え、知ってるくせに///」
司「お前の口から聞きたいだけだ。ほら、聞かせてみろ。」
そう言われて、私は深呼吸をした
それで、司君をさらに強く抱きしめて
私は声を出した
七深「私、司君と結婚したい......!///これからもずっと、一緒がいい......!///」
司「あぁ。分かった。じゃあ。」
七深「?」
司君は私から離れて行った
少しそれが寂しいと思ってたら
すぐにどこかに電話を駆け出した
司「柊木司だ。仕事の依頼だ。広町七深を俺の家に移住させる。親への連絡はこっちでしておくから、今日中に俺の家に運び込め。」
『かしこまりました。』
七深「え?」
私は首を傾げた
引っ越し?司君のお家に?
ていうか、今日中!?
そんなことを考えてると、司君はまた別の場所に電話をかけた
司「もしもし、柊木司だ。いきなりで悪いが、報告だ。」
七深父母『?』
司「貴様らの娘、広町七深は予定通り俺が貰う。今日、そっちに引っ越し業者がいくから通してくれ。」
七深母『えぇ!?』
司「正式な挨拶は後日行う。日程はそっちが指定しても構わん。じゃあ。」
そう言って、司君は電話を切った
怒涛の展開に頭が付いてこない
今、私の両親に電話かけてたよね?
しかも、報告済ませちゃったよね?
司「よし、準備は整った。行くぞ、七深。」
七深「え、ど、どこに!?///」
司「俺の家......いや、俺たちの家だ。体調が悪いんだろう。帰ってさっさと寝るぞ。」
司君はそう言って私の手を引いた
もう、行動力ありすぎだよ
司「さぁ、これからが大変だぞ。この俺の月収3か月分の指輪と言う、この世に存在しない物を見つけなければならないからな。」
七深「......うんっ!///」
そう言って、私と司君は学校を飛び出した
この時で、高校卒業1か月前
1か月後の今は私たちは婚姻届けを出して、夫婦になりました
まだ、指輪も見つかってないし、結婚式の予定も立ててない
けど、司君がいて、少しずつ大きくなってる新しい命もいて
私は今、すっごく幸せです!