禁忌少年の月ノ森ライフ   作:火の車

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ストーカー?

司(__なんだ。)

 

 放課後、廊下を歩いてると妙な気配を感じた

 

 明らかにこっちを見てる

 

司(つけてきてるな。誰かは知らないが。)

 

 さて、どうしたものか

 

 ずっとつけられるのは俺の精神衛生上よくない

 

 家まで付いて来ようものなら面倒以外の何もでもない

 

司(よし、逃げるか。)

 

 俺はそう思い、走り出した

 

?「!!」

 

 俺のストーカーもその様子を見て走り出したみたいだ

 

司(学校の中で撒くか。)

 

 作戦は俺の下駄箱から遠い位置までストーカーを誘導

 

 窓から飛び降りて下駄箱まで先回り、見つかる前に帰る

 

司(__と言ってもどこから飛び降りるか。出来れば階段を降りる時間をかけさせたいからそこそこの階から飛び降りたい。)

 

 走りながらそんな事を考えていた

 

 俺の方がはるかに足が速い

 

 この調子なら逃げるのは簡単だ

 

司(さてと、後は飛び降りる教室だ。)

 

 この時間じゃほとんどの教室が部活で使われてる

 

 普通の人間に見られると、騒がれて後々面倒だ

 

 出来れば、誰もいないか俺の事を知ってるやつがいる教室がいい

 

 だとしたら......

 

司(よし、あそこに行こう。ちょうど音も聞こえるし。)

 

 俺はある教室の方に向かって走って行った

__________________

 

 ”?”

 

?「__あそこの教室に入った。」

 

 司が教室に入ったのを見ると、?もその教室に入った

 

透子「__うん?どーしたの?」

?「ここに、男子が来ませんでしたか?」

つくし「来てないです。ここは私達が使ってる教室だし。」

ましろ「う、うん。」

?「......」

 

 ?は疑いのまなざしを向けている

 

瑠唯「何の用でここに来たんですか?天空時さん。」

三久「柊木司を追いかけてるのです。」

つくし「柊木君を?なんでですか?」

三久「それは言えないです。」

 

 三久は言葉を濁した

 

 そして、周りを観察してる

 

三久(もう逃げられた?確かに、彼ならそこの窓から飛び降りても不思議じゃない。)

七深「大丈夫ですかー?」

三久「はい、大丈夫ですよ。活動中に失礼しました。」

透子「は、はい?」

 

 三久はそう言って教室を出て行った

 

 そして、走って行く足音が廊下に響いた

 

司「__行ったか。」

 

 ”司”

 

 俺は窓の外から教室に入った

 

透子「な、なんだったんだろ?」

つくし「何かしたんじゃないの?柊木君だし。」

司「失礼な奴だな。」

 

 最初は窓から飛び降りて下駄箱まで走るつもりだった

 

 だが、さっきの女子はすぐにここから離れた

 

 この教室内を探すことなく

 

 つまり、俺が窓を飛び降りて逃げられるのを分かってるって事だ

 

瑠唯「あの人は日ごろ、かなり穏やかな人よ?そんな人に追いかけられるなんて。」

司「誤解にもほどがある。俺はあんな奴初めて見た。」

透子「じゃあ、なんで探してたんだろ?」

司「ふむ......」

 

 俺の裏の顔を知ってる?

 

 それにしても、何の狙いだ

 

司(少なくとも、日本国内じゃない。)

 

 確率が高いのは外国で俺の事を良く思ってない商会

 

 俺の事を殺して、成り代わるのが狙いか

 

 もしくは、俺に利益を潰された事への報復か

 

司(どっちにしても、面倒に変わりないな。)

七深「ねぇ、柊木君、あれって。」

司「あぁ、そうかもなー。」

 

 広町七深は流石に感づいたみたいだ

 

司(まぁ、どっちにしてもあいつは使われてるだけだな。)

七深「どうするのー?」

司「知らん。ほっとく。」

 

 普通の人間が俺を捕まえられるわけない

 

 泳がせておいてもいいだろう

 

透子「てか、ちょうど柊木さんも来てるし見てもらおうよ!」

司「?」

ましろ「え、あの......」

透子「これ!見てくださいよ!」

 

 桐ケ谷透子は俺に何かかが書かれた紙を見せて来た

 

 これは、歌詞か

 

つくし「これ、倉田さんが書いたんだよ!」

司「へぇ。」

 

 俺は内容に目を通した

 

 これは、倉田ましろが書いたんだよな

 

司「倉田ましろの心情か。」

ましろ「は、はい。校訓の言葉も参考にして......」

司「いいじゃないか。」

 

 俺はそう言って、倉田ましろに歌詞が書かれた紙を渡した

 

司「後は、この歌詞を生かせる演奏をするだけじゃねぇの?」

瑠唯「随分、優しい言葉をかけるわね。」

司「月ノ森生の中じゃ面白い部類だからな。評価はしてる。」

瑠唯「それじゃあ、前の頭打ちすると言うのは撤回かしら?」

司「それはない。」

 

 俺はきっぱりそう言った

 

 人はそんな簡単に変わらない

 

司「まぁ、見てろ。特に倉田ましろをな。」

瑠唯「やけに倉田さんの名前を出すわね。好みなのかしら?」

司「ないな。ただ、何か失敗した時にすぐに見失いそうだと思っただけだ。」

瑠唯「そうかしら?」

司「あぁ。」

 

 俺は制服を正して

 

 教室を出ようとした

 

司「あっ。」

瑠唯「どうしたの?」

司「まだ、あのストーカー徘徊してるんじゃ。」

 

 ちょっと話して完全に忘れてた

 

司「......仕方ない。明石に頼むか。」

 

 俺は明石に電話をかけた

 

響『もしもし?どうしたの?』

司「俺の学校にストーカーがいるんだが、助けてくれ。」

響『ストーカー!?』

司「家まで特定されたくないから、逃走用にドローンを飛ばしてくれ。」

響『それはいいんだけど、少し時間かかっちゃうよ?』

司「どの位だ?」

響『うーん、30分くらいかな。』

司「そのくらいは待つ。頼むぞ。」

響『りょーかい!』

 

 そう言って、俺は電話を切った

 

司「後、30分か。」

透子「そんなに時間あるんですか?」

司「あぁ。」

透子「じゃあ、見て行ってくださいよ!退屈させないんで!」

司「じゃあ、見て行くか。」

 

 それから俺は明石が準備を終えるまで、4人の練習風景を眺めていた

 

 その途中

 

七深「__ねぇ、柊木君?」

司「なんだ。」

七深「聞きたいことがあるのー。」

 

 広町七深は俺に少し近づいてこう聞いてきた

 

七深「パンドラのもう一つの意味って、なんなの?」

司「......!」

 

 ここで聞いてくるか

 

 思えば、あれから約1週間

 

 整理がついててもおかしくない

 

 気になっても不思議じゃないか

 

司「......さぁな。」

七深「え?」

 

 俺がそう言うのと同時に携帯が鳴った

 

 明石からだ

 

 準備が整ったみたいだ

 

響「飛ばし終わったよー!ルート解説始めるよ!」

司「あぁ、わかった。」

 

 俺は携帯を耳から話した

 

司「世話になった。また礼をしよう。」

七深「あ、ちょっと待って__行っちゃった......」

瑠唯「どうしたの?広町さん。」

七深「い、いや、なんでもないよ。」

 

七深(なんか、焦ってるように見えた。あれは......)

 

 こうして、少しおかしな放課後が終わった

__________________

 

 ”三久”

 

三久(__逃げられた......)

 

 ほとんど人が残らない校舎で三久は立ちすくんでいた

 

 手には携帯が握られている

 

三久(まさか、あのパンドラがこの学園にいたなんて。)

 

 三久は画面に映ってる情報を確認した

 

三久(今回の依頼はパンドラ、柊木司の身元を特定する事。)

 

 三久は携帯を握りしめた

 

三久(殺し屋、パンドラ。絶対に見つける......!)

 

 三久は勢いよく足を踏み出し、歩きだした

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