ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
宇宙侵略を企む悪の帝国イヴィルス帝国へと乗り込んだ若き戦士ベルは敵のボスであるヴァハと対面し、恐るべき真実を開かせれる!
「I am your brother」
「Noo!!」
誰もが呆然と立ち尽くす。美姫達はもちろん、クロエとルノアもこいつマジかと言いたそうな顔をしているし、ドア前の男達も口を開け固まっていた。
「ふ、ふざけるなよ!」
ただ一人、集めた美姫達が逃げたがっている事を暴露されたテリーだけが怒りに震えながら叫んだ。
「この俺をここまでコケにして、帰れると思うな!」
テリーが片手を上げれば護衛達が一斉に構える。困惑しているのはただの従業員と富豪達。
「まあそう来るよなぁ。仕方ねぇから相手してやるよ。お前等は、勝手に助かれ」
なんかいい話風だがここでオーナーがなんの行動も起こさなかったら、マジで帰ってたな、と胡散臭げに見るクロエとルノア。
「戦争遊戯の覇者とて一人で何が出来る! やれぇ!」
テリーの合図に迫りくる男達。ヴァハは最初に接近してきた男の手首を掴み握りしめ握力を奪う。握力を失い開いた指を反対から迫る男の鼻に突き刺し鼻の骨と指の骨を折る。
「───!?」
「おお!?」
痛みに悶える男を他の男達に蹴りつけ、床が軋む踏み込みで接近し拳を添え、ドンッと衝撃が発生し纏めて吹き飛んだ。
「な、ななぁ………!?」
「雑魚ばっかだなあ。俺の相手にゃならねえよ」
「っ! き、貴様! この俺に逆らって生きていけると思っているのか! ギルドが守ってくれると思ってるのなら大間違いだいだ!
「いやいや、馬鹿言うな。お前今、冒険者に喧嘩売ってんだぞ? 自分に非がある状態で………ギルドの豚が下手に出るもんだから勘違いしたか? てめぇは本来冒険者を怒らせないために立ち回らなきゃならねえのに、これだ。そもそも、てめぇからは神の血の匂いがすんだよ……」
怒りのままに叫ぶテリーに、ヴァハはヘラヘラと笑う。
「てめぇ何処ぞの神の眷属だろう? なあ、テッド」
「───!?」
「ああ、その反応あたりかぁ。あのババアが言ってた、見逃した相手の一人と特徴が似てんだよ。情けなぁく女共に土下座して泣き喚いたんだってなあ。あのババアは、その辺詳しく言わなかったが嘘が下手だからなあ、言葉の濁し方でだいたいわかる」
ケラケラと馬鹿にしたような口調。なぜ自分の本当の名を、と青くなるテリー……否、テッド。
まて、こいつは直接あったことはない、当てずっぽうだ。
「何ならこの『
何処までも馬鹿にした態度に、テッドのこめかみの血管がぶちりと切れたような気がした。
「ファウスト! ロロ! 殺せえ!!」
と、テリーの言葉にこの中でも別格の手練が迫る。拳を振るう大男に、回避や防御の邪魔をしてくる猫人。微かに切られたヴァハは後ろに飛び退き距離を取る。
「ファウストとロロは、あの『黒拳』と『黒猫』だ! 貴様のような甘い世代ではない、オラリオ暗黒期の生き残り! お前ごときが勝てると思うな!」
「ふーん」
ヴァハは切り口から出た血でナイフを作ると片手で弄ぶ。
「じゃあルノア・
そのナイフを後方のクロエに投げると同時に、ルノアとクロエが駆け出す。
「───!?」
女とは思えぬ加速。明らかな神の眷属の動き、それもかなりのレベルの。しかし見覚えがない。
慌てて拳を振るい迎撃しようとしたファウストの黒い手甲がルノアの拳に砕かれ、拳の骨も、腕の骨もボキバキへし折れる。
「勝手に人の名前、使ってんじゃねえよお!」
ドゴゴゴッ! と無数の拳が叩き込まれる。一撃一撃が骨を砕く強力な一撃、ファウストは机を破壊し、椅子を破壊し、それでも止まらず壁に激突し漸く床に落ちた。
クロエが何かを床に投げると狭い範囲ながら濃い煙幕が広がる。人影しか確認できない中、詠唱が聞こえた。
「【戯れろ】【フェレス・クルス】」
「増えた!? いや、短文詠唱なら、全て非実体!」
詠唱は長ければ長いほど効果が増す。逆に言えば、短文詠唱の分身はただの幻影のはずだ。そう判断し、最初の位置に居たクロエを狙うロロ。
「残念、こっちが本体にゃ」
人影が増えたことに動揺した一瞬に位置を入れ替えたクロエに手足を切られる。
「本当なら毒があればいいんだけど、仕方ないニャン。勝手に人の名を使ったこと、たぁぷり後悔させたあと使用料払ってもらうニャ」
「え、あ………は?」
腕利きの護衛達がやられて呆然とするテリー。ヴァハはゲラゲラ腹を抱えて笑う。
「な、なんだ!? 何だ、その女どもは!?」
「さっき名前呼んだろ。ルノア・ファウストにクロエ・ロロ………本物の黒拳と黒猫だよ」
「………なっ」
自分の護衛は偽物だったと? まず、護衛はコイツ等には勝てない。なら……
「給仕共! 女達を取り押さえろ! 誰でもいい、人質にしろぉ!」
その言葉に素直に従っていいのか狼狽えながらも美姫達に近づいていく給仕達。先程の発言、自分から逃げたいという心を折ってやりたいと言うのもあるのだろう。ヴァハは助けを求めるような美姫達の視線に、しかしヘラリと笑う。
「言ったはずだぜぇ。誰か誰か、なんてのは、怠惰だ。助かりてえんだろ? ここに居たくねぇって、そう叫んだなら、叫べたならもう、出来るだろ?」
なお、この時のヴァハの心境は2、3人ぶち殺したら即座に逃げ出すような奴相手にするの面倒くせえ。何も知らねえ給仕殺すのは後で文句言われそうだし、だった。
「わああああ!!」
と、美姫達が抵抗し始め場が更に混沌と化す。ヴァハはそんな様子を眺めながら酒を煽る。
「? みんな、けんか? けんかは、だめだよ……」
状況を理解できないノエルはオロオロと慌てる。と、富豪達が悲鳴を上げながら逃げ出す。
「も、もう嫌だあああ!」
「そうだ、【ガネーシャ・ファミリア】を呼べええ!」
「早くしろぉ!」
「お、おい! 勝手なことをするな!」
こんな状況では揉み消すどころか、余計な詮索を取られ真実を知られてしまう。
「【血は炎】………ってなあ」
【ガネーシャ•ファミリア】は貴賓室から富豪が飛び出してきたのを見て何があったか駆け込もうとしたが、ホールの各所で火の手が上がりそちらに人手を回さざるを得なくなった。
「来い!」
ヴァハが美姫達を押さえつけようとした給仕を蹴り飛ばしているとテッドがアンナの腕を掴み走り出す。そして、1人オロオロしていたノエルも連れて行く。
「待ちやがれテッド! 悪い奴は足の生皮剥がしてやるからよぉ!」
ヴァハが追ってくるのを見て給仕達に足止めを命令するテッド。後ろからゴシャ、とかズバ、ブシュっと言う音が聞こえてきた。
地下へと逃げたテッドは何枚もの扉を抜け、巨大な金属製の扉、金庫の前までやってくると急いで扉を開け、ノエルとアンナを中に放り込む。
「ここまでくれば安心だ。この扉を自由に開けられるのは俺だけ。扉や壁はダンジョンの
そして、アンナとノエルにいやらしい目を向ける。
「それまでの間、お前達で憂さ晴らしさせてもらうとしよう」
「───っ!!」
アンナはとっさにノエルを庇うように抱き締めるも、その反応にテッドはアンナの前でノエルを傷つけた方が楽しそうだと、判断し無理やり引き剥がす。
「あ、や………こ、こな……こないで………」
そう言った知識はなくとも悪意を持って近づいて来ているのは解ったのか、怯えるノエル。
「
「や、やめてください! まだ、子供なのに!」
「お前はあとだ………ほぉれ、おとなしく………」
「い──」
獣欲に染まったテッドの顔。恐怖に染まった、ノエルの顔。
「いやああああああ!!」
「ん?」
ヴァハは取り押さえようとしてきた給仕達を血の縄で捕えると前方に配置する。次の瞬間通路の奥から流れてきた魔力の吹雪が給仕達を凍らせていく。壁を壊し、天井を貫き、天へと届くその魔力は気象を歪め、オラリオに季節外れの吹雪を訪れさせた。
感想お待ちしてます
因みにヴァハは精霊の力を奪った偽物の精霊ともいえる
ヴァハ君のヒロイン
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フィルヴィス・シャリア
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アスフィ・アル・アンドロメダ
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アミッド・テアサナーレ
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エルフィ・コレット
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メイナちゃんやティオナを混ぜて全員