ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている!   作:超高校級の切望

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恋バナ

「で? お前等はこんな所で何してんだ?」

「ヴァハに言われたくないんだけど………」

 

 美しい雪像を作っておいて溶かすなんて意味不明な事をしたヴァハにだけは言われたくない。

 

「私達は……これ言っていいのかな?」

「クラネルは既に何度も交戦済みだ。構わないだろうが」

 

 エルフィの言葉にフィルヴィスが返す。とはいえ、これは【ロキ・ファミリア】がフィンから極秘に行なうように言われたこと。素直に話していいものか、とティオネを見る一同。

 

「駄目に決まってるでしょ。だいたい、私あんたの事あんまり信用できないの」

「そうか。地下へと続く隠し扉を見つけたが、特に話す必要はなさそうだな」

「これからよろしく、仲良くしましょうね」

 

 掌をあっさり返したティオネにロキファミリア一同がずっこけた。

 

 

 

 

「……………」

「何かよそよそしくねえかフィルヴィス」

「そんな事は………いや、あるかもしれないな」

 

 案内しながら歩いているとヴァハはフィルヴィスの何処か話しかけるのを躊躇うような態度に質問を飛ばす。

 

「お前は、あんな過去があるのに何故………」

「そりゃなんとも思ってないからなあ」

「………私は、神という存在が本当に人類にとって救いだったのか、そう思ってしまったよ」

 

 フィルヴィスの言葉に【ロキ・ファミリア】の面々は困惑する。神の存在なくして、今のオラリオ………外界の平和はない。間違いなく、救いである筈だ。

 

「救いなわけねぇだろ。そもそもが神々の目的は暇つぶしだぞ? 面白みがないと外界を見放して後に残ったのは慟哭や絶望、足掻きを楽しむ神ばかり。たった一人の道化が現れるまで人類もせめて緩やかに滅びたいって思ってたんだからまあ当然だが、英雄神話時代になってようやく面白そうだって降りて来た連中だぞ?」

「………いや、それは………そうなんだろうけどさ。神様達がいなくちゃ、バベルだって出来なかったし」

「出来たさ。時代は変わってようと、冒険者のあり方が変わってようと、ダンジョンを閉じる蓋は出来た」

 

 人間はそこまで弱い生き物ではない。むしろ、神が現れる前のほうが、ミノタウロス一体さえ絶望とされていた時代の少し先の方が、今の人類よりよっぽどマシな人間が現れていた。

 まあそれを言ったところで意味はないが。

 

「まあだが、今の人類と数が変わらなくても神がいなけりゃ俺は生まれてなかったかもしれないがな」

「それは、そうだが………」

「??? どゆこと?」

「俺の父方の祖父母とかは第一級冒険者が互いに惹かれ合い婚約してるんだよ」

 

 別段嘘ではない。

 

「へ〜。ん? 何でそれをフィルヴィスが知ってるの?」

「俺の出生を教えてやったからなあ」

「なにそれ! フィルヴィスだけず〜る〜い!」

「ひ、ひっつくな! 馴れ合う気はないと言ってるだろう!」

「良いじゃん、仲良くしようよ〜。あ、好きな人いる?」

「はぁ!? 初対面の相手に何を聞いているんだ!」

 

 突然の話題の転換に顔を真っ赤にして叫ぶフィルヴィス。さすがティオナ、距離感なんてない。大方女子の話題は恋バナとでも誰かに吹き込まれたのだろう。

 

「その相手ってもしかしてディオニュソス様ですか!?」

「レフィーヤ!?」

 

 レフィーヤも似たような事を思ったのか話に参加してきた。

 

「へぇ〜、相手は神様かぁ」

「………ぅ」

 

 素直に感心され呻くフィルヴィス。チラリとヴァハをみれば興味なさそうに欠伸をしていた。恋バナは女子の話題で男性に興味は皆無だ。

 

「そ、そういうお前達はどうなんだ!? ヴァハ、お前も関係ないといった反応をするな!」

「俺? 今はエインが一番興味ある女だな」

「フィルヴィスさん!?」

 

 何故かすっ転んで顔から雪に突っ込むフィルヴィス。レフィーヤとエルフィが慌てて起こす。

 

「………………」

 

 フィルヴィスとエインは同時に存在した。その血の味も、似てるが別物だった。それに、向けてくる感情もまるで異なる。

 まあ、ある程度察しはついているが別段指摘する気もない。ヴァハにとって、その事実の発覚が遅れることでどれだけ人が死ぬかなんて関係ないのだから。

 

「何故、エインなんだ……彼奴は、お前を殺そうと………」

「さっきの雪像、あの女も俺に憎悪と殺意を向けてきた。俺にとってはそっちの方が心地良いんだよ………向こうが殺しに来てくれんなら遠慮なく殺し返せるだろお?」

 

 ケラケラ笑うヴァハに一同は理解できない、といった視線を向ける。

 

「てか俺とフィルヴィスだけじゃなくて………お前等はどうなんだよ?」

「そ、そうだ! どうなんだ!」

「わ、私はいませんよ! 憧れている人ならいますけど……」

「アキさんはラウルさんとか?」

「ないない」

「お前はどうなんだ!?」

 

 と、最後に視線を向けられたのはリーネ。アイズに話題が上がらなかったのは、そんな存在いないと思われているからだろう。

 

「わ、私は………ベ……ベートさんが………」

 

 赤くなりながらも、想いに嘘は吐きたくないという意思が感じられる語り。空気が、固まる。

 

「「「ええええええ!?」」」」

「ベートォ!?」

「嘘でしょ、リーネ!?」

「趣味悪いよ〜」

「考え直したほうが良い」

「フィルヴィスさんまで……」

「ベートさんは格好いいし、本当に優しい人なんですから!」

 

 アイズとヴァハを除いた総否定にムキになったように叫ぶリーネ。

 

「まあどんなに無駄な事でも想うだけならただだからなぁ、応援してやろうぜえ」

「む、むだって………そんな言い方しなくても」

「無駄だろ。だってお前、治癒師(ヒーラー)じゃん」

 

 ヴァハは目を細め笑う。その目を、フィルヴィスは知っている。人の内面に容赦なく踏み入れ汚す、神の如き観察眼を持って嘲笑する者の笑みだ。

 

「魔法は本人の資質と、性格を反映させる。お前は誰かと戦うより誰かを守り、救うあり方を望む。あの臆病者(ヴァナルガンド)が望むのは隣に立てる相手。死なない誰か、失うことに怯えなくていい番。お前じゃ無理だ、どっかで何時のまにか死んでそうなほど弱々しいからなあ」

「てい!」

 

 そんなヴァハをティオナがチョップした。

 

「そんなこと言っちゃ駄目だよ! ヴァハってば本当に本音隠さないなぁ」

「それが俺なんでね」

「まあ、私はそんな所も好きだけどね!」

「………あんたも十分趣味悪いじゃない」

「しっけいな! あたしはリーネみたいにヴァハが実は優しいとか、良い人とか思ってないもん! 平気で人を傷付けるし敵って名分があればとっても酷いことする人だってちゃんと思ってるもん! ……………あれ? なんで好きになったんだろあたし……」

 

 首を傾げ頭を押さえるティオナ。ヴァハは俺が道化英雄の記憶を持ってるからかね、と他人事に考えた。

 

「そういや、話題に上らなかったがお前はどうなんだアイズ・ヴァレンシュタイン」

「私?」

「好きな人、とは言わなくても出会えて良かったと思う相手はいないのか?」

「アイズさんにそんな人居るわけありません!」

「お前は黙ってろ。理解を放棄した奴が他人のあり方に口出しするな」

「な!? わ、私はアイズさんに………!」

「憧れってのは自分の中の理想を押し付ける理解を否定した行為なんだよ。覚えとけエルフにアマゾネス」

「なっ………」

 

 レフィーヤが口をパクパクしてから、アイズを見る。自分はきちんと理解している事を証明してほしいのだろう。

 

「………ベル」

「え」

「え?」

「ゑ」

「エ」

「e」

「……………あれ? 今、私……ベルって、言った?」

「「「ええええええ!?」」」

 

 本日二度目の大絶叫。ダイダロスの住民も迷惑だろう。

 

「どどどど、どういう事ですかアイズさん!? あのヒューマンに何されたんですかしっかりしてください!」

「私、今……なんでベルの名前、言ったんだろ?」

 

 レフィーヤの言葉に、自分でも何故言ったか解らないと言ったように困惑しながらも、決して最後まで否定しないアイズ。レフィーヤの悲鳴が虚しく響いた。

 

「ついたぞ、あそこだ」

 

 と、不意にヴァハが指差した方向に目を向ける。そこには、地下へと続く階段。門と、2つの死体があった。

 

「……あの死体は、お前が?」

「よく見ろ、これ自傷だ」

 

 確かに片方の滅多刺しの死体は手にナイフを握っている。死してなお手放さないほど強く。なら、仲間割れの後の自殺か?

 

「……この門の前にいるということは、鍵を持っているのかもしれない。探してみよう」

「え、この死体に触るの?」

「仕方ないだろう」

 

 うえ〜と呻きながらも探す。鍵らしきものは、結局見つからなかった。




因みにヴァハはエレボスなどとと相性がいいが、タナトスとは反りが合わない。エニュオに関してアゾる

感想お待ちしてます

ヴァハ君のヒロイン

  • フィルヴィス・シャリア
  • アスフィ・アル・アンドロメダ
  • アミッド・テアサナーレ
  • エルフィ・コレット
  • メイナちゃんやティオナを混ぜて全員
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