ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている!   作:超高校級の切望

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人工迷宮での戦い

「取り敢えず、気を引いてくれ。何なら魔法で攻撃しても構わない」

「あいよ」

 

 フィンの言葉に笑いながら、ヴァハは雷霆の剣を構え、血を足に纏い爪の様なスパイクを生み出す。

 

「【雷鳴よ轟け。宇宙(てん)を焼け】」

 

 詠唱を紡ぎながらヴァハが飛び出す。『精霊の分身(デミ・スピリット)』は嬉しそうに微笑み、突っ込んで来る。

 

『アラ?』

 

 しかし、そこにヴァハの姿はない。

 

「【傲慢なる絶対者。初布に包まれた石を喰らいし愚者(ちち)を殺した(ちち)。我こそ()父神(もの)の代行者】」

 

 血の鎖を生み出し天井へと逃げたヴァハはそのまま詠唱を続ける。

 

『ウフフ。待ッテ、ヴァハ!』

 

 地下空間の天井は低いとはいえ、一足でヴァハのもとまで跳ぶ。

 

「【毒蛇(ヒドラ)】!」

『!?』

 

 が、紫の衝撃波がその巨大を揺らがす。短文詠唱でありながら魔砲の如き魔法。しかしダメージは殆ど無いようだ。それでも身動きの取れぬ空中ではバランスを崩し背中から地面に落下する。

 

「【豊穣と大地の時代は終わりを告げた。さあ(そら)の時代を幕開けよう】!」

「長文詠唱?」

「彼奴幾つ魔法持っとるんじゃ?」

 

 未だ続く詠唱にフィンとガレスが驚異を感じつつも起き上がろうとした『精霊の分身(デミ・スピリット)』に襲いかかる。

 立ち上がれぬように足を狙う。しかし響く鈍い金属音と、手を震わす衝撃。

 

「ぬう、何という硬さ!」

「物理攻撃では決定打にかけるね。幸い、立たせないというのは出来るかもしれないが」

 

 立ち上がろうとする『精霊の分身(デミ・スピリット)』を蹴りつけ立たせないことを徹底するフィン。

 

「ティオネ!」

「はい、団長!」

 

 フィンの言葉にティオネは事前に詠唱を終えていた魔法を発動する。

 光の鞭が巨牛の後ろ脚に絡みつく。

 『拘束魔法』と種別される、ティオネの魔法【リスト・イオルム】。対象を一定確率で強制停止(リストレイト)に追いやるその魔法は、しかし失敗。

 

『私トヴァハノ邪魔シナイデ!』

「っ!? こ、んの!?」

 

 グン、と引き寄せられそうになるティオネ。何とか耐えようとするが、足が浮き上がり壁に叩きつけられる。

 

「【独眼の鍛冶師が生み出した槍を此処に。御身の御業を知らしめよう】」

『【突キ進メ雷鳴ノ槍。代行者タル我ガ名ハ雷精霊(トニトルス)雷ノ化身雷ノ女王(オウ)──】』

 

 と、ヴァハの呪文が完成しヴァハの右腕を焼くほどの雷が迸り、槍を生み出す。『精霊の分身(デミ・スピリット)』も即座に対抗すべく詠唱を唱えた。

 

「【ケラウノス・アンディグラフォ】!」

『【サンダー・レイ】!』

 

 放たれる雷の槍。薄暗い地下迷宮が雷光に照らされ、分離した空気の独特の匂いが周囲を包み、熱せられた大気が膨張し雷鳴が響き渡る。地下迷宮に亀裂が走り、押し負けた『精霊の分身(デミ・スピリット)』が下層に落ちる。

 

「あー、死ぬ。おい誰でもいいから血を寄越せ」

「ポーションならあるよ」

 

 フィンが投げ渡してきたポーションを受け取り飲み込むヴァハ。エリクサーは使い切ったらしい。傷が癒えていき、すぐにその場から飛び退く一同。床を吹き飛ばし多少の火傷を追った『精霊の分身(デミ・スピリット)』が飛び出してきた。

 

『痛イ……痛イヨ、ヴァハ……何デコンナ事ヲスルノ?』

「あ? それは俺が殺し合いが好きだからなぁ」

『……ヴァハハ、コレガ好キ? ソウ………ソウナノ。ジャア、私モヴァハニ痛ミヲアゲル!』

 

 恋する乙女のような顔で、『精霊の分身(デミ・スピリット)』は蕩けるように微笑んだ。

拷問描写

  • SAN値が弱いんです(やめてください)
  • 可哀想だし(やめてあげて)
  • 可哀想だし(いいぞもっとやれ)
  • 可哀想は可愛い(ガンガンやれ)
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