ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
アイズ達が水浴びしに行くと、ヘルメスがベルを誘って何処かに行った。大方覗きでもさせるのだろうと判断したヴァハはまあ良いかと昼寝する。数秒後、ベルの謝罪の叫び声が聞こえてきた。
恐らく慌てて引き返そうとして水浴び場に落ちてしまったのだろう。その後エルフの少女の叫び声も聞こえてきた。気にせず昼寝をすることにしたヴァハ。
数分経つとベルが関係者全員に謝罪してヘルメスが関係者にボコられていた。ヴァハは昼寝をした。
【ロキ・ファミリア】の面々は憤慨している。桜花とヴェルフは感心している。ヴァハは昼寝をしている。
「ヴァハ………ヴァハ、起きてください」
寝ているヴァハを遠慮がちに揺すりながら、声をかけるものがいる。綺麗な声で、余計寝ていたくなるがふぁ、と欠伸をしたヴァハが起き上がる。
「おはよござーまーふ」
欠伸をしながら体をゴキゴキ鳴らす。
起こしたのはアミッドだ。ここはヴァハのテント。アミッドがここにいる理由は、別に夜這いではない。
「んじゃ、行くかぁ」
「ええ、本来の目的を果たすとしましょう………」
周りに悟られぬように小さな声で話す二人は、そのまま拠点から離れ、夜の闇に消えていった。
ダンジョン26階層。現在
「んっん〜、モンスターだけなら大したことねえなあ。『下層』つっても所詮入口近くかあ」
血を纏い赤く染まった手で紫色の芋虫を掴むヴァハが襲ってきたモンスターを丸焼きにして笑う。アミッドは『そう言えるLv.2は貴方ぐらいでしょうね』と言いながら瓶を差し出してきたので芋虫から汁を搾り取る。
「
「はい。少なくとも、解毒薬を暴騰させる心配ないでしょう。では、次です」
「りょーかい。雇い主様のおーせのままにい」
ヴァハ達がこの場にいる理由は、アミッドがヴァハに
「私を守ってください」。内容はそれだけ。
何せただでさえ厄介な
その間、間違いなく解毒薬は高騰するから彼女の主神ならむしろギリギリまで粘るだろう。あくまでギリギリだ。仮にも医療の神。人が苦しめば己が儲けられるからと言って、人に苦しんで欲しいわけではない。そうだったらアミッドはとっくに抜けている。
だが、それでもこれだけは合わないのだろう。
アミッドは苦しむ人間を放っておけない。まだ死者が出ていないとか、死者が出るようになるまで少しあるとか、そんなのは一切関係ない。
故に店にヴァハが来た時、彼に頼んだのだ。即座に対価を支払ってまで。
「お前って意外と激情家だよなあ……」
血の鎖を使い蜘蛛のように天井や壁を移動するヴァハ。地面を見れば
「付き合わせてしまい申し訳ありません。【ロキ・ファミリア】の皆様は遠征帰りですし………貴方ならば、と」
「ん〜、対価は先払いと後払いで、先払いは既に味わっちまったからなあ。返品できるものでもねーし」
そう言って、唇をなめるヴァハ。唇を開いたことにより僅かに覗いた白い牙を見て、ヴァハの背中にくっついていたアミッドは赤くなった顔を隠すように肩に顔を押し付けた。ケラケラ笑うヴァハが憎たらしくって、少しだけ手に力を込めた。
「お、あれか?」
と、ヴァハの言葉に現実に引き戻される。地面を見れば、大群という言葉では片付けられないほどの
「通常の数倍の数が集まっていますね。おそらく、あれが…………」
「元凶ってわけか……」
ヴァハはそう言うと腰に挿していた剣を抜く。今はアミッドを背負っているので、18階層に向かう際背負っていた魔剣も腰に挿してある。
今抜いたのは
「らぁ!」
「!? キィィィィィィッ!?」
バチバチと紫電を迸らせる剣を
「……………」
アミッドがこれまで見たあの剣の効果は落雷を落とすといったもの。あのような使い方では、なかった。
魔剣は使い方を変えられない。なにせ形が定まった『魔法』が刻まれているのだから。
「これが、貴方のレアアビリティ『加護』の効力ですか…………」
「まあ今ので駄目になったがな」
ヴァハはそう言うと砕けていく剣を見据える。アミッドをおんぶしたまま地面に降りる。全部纏めて焼き払ったので、毒の心配はない。
「ありがとうございました。では、皆さんにバレないうちに戻りましょう」
「………………」
「………ヴァハ?」
早く帰ろうとしたアミッドだったが、ヴァハは目を細め最後の剣を抜く。並の剣では耐えられぬ雷を耐えることの出来る『雷霆の剣』を。
そして───
ギィィィン!
耳障りな金属音と、火花が散る。アミッドが目を見開く中、ヴァハの剣とぶつかりあったメタルグローブを装着した襲撃者、紫紺のローブの仮面の
「よお、会いたかったぜ
『減ラズ口ヲ………! ソノ軽口モ、最早今日マデダ!』
「【血に狂え】」
ならば手数も増そう。最早使い慣れたもので体内の血による身体強化はお手の物。それに加え血の剣を生み出し振るう。
『───ッ! 小賢、シイ!』
対する
「────!!」
血を吐き出しながら吹き飛ぶヴァハ。事前にアミッドの血を飲んでいなければ危なかったな、と空中で身を翻しながら傷を癒やす。バチリと紫電が走るヴァハに、
「ヒャハ!」
『効クカ!』
血の大剣が槍へと変化し、放たれる。それを即座に弾こうと腕を振るう
『───ッ!』
「【血は炎】」
血液が、炎に変わる。込められた魔力が熱を生み出す。可燃性の液体をぶっかけられて燃やされたようなものだ。外套や服に染み込んだ血液が全て炎になるまで火は消えない。なので、無視する事にした。
『ガアア!』
「ぐっ!」
炎に包まれたまま接近しメタルグローブを振るう。むしろさっきまでより厄介になったかもなどと思いながらも猛攻に対応するヴァハは足に紫電を迸らせ、その場から消えた──
『ッ!』
背後に移動したヴァハが剣を振るう。ギリギリの所でかわしきれなかった
『────オノレ』
「ハハァ……そんなに
剣についた血をベロリと舐めうま、と目を見開くヴァハ。今すぐにでも押し倒してしまおうか、などと邪なことを考える。歯は既に全てが牙へと形を変えていた。
「ヴワアアアアアアアアアアアアンッ!!」
「『───!?』」
突如現れた巨大な影。
「…………何だこいつ?」
『───シルバーバックノ亜種カ?』
それは白い毛並みを持つ人型にモンスター。顔に毛は無く、皮膚は分厚く、硬質に発達しておりまるで剥き出しの骨のよう。
頭部の毛は長く、髪を伸ばしているようにも見える。そして、前頭に2本の角。オーガ系統にも見えるが、見たことがないタイプだ。新種か?
「…………ミミミミミ、ミツ、ミツケタ………見ヅケダゾオオオオ!! 殺ス、貴様ヲ、殺シテヤル!!」
本日の出来事
アミッドと『下層』にデート
仮面の女がデートの邪魔をする
ヴァハが現在絶賛片思い(殺意)中の仮面の女と両思いになれたかも
白いモンスター………仮名
ヴァハ君のヒロイン
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フィルヴィス・シャリア
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アスフィ・アル・アンドロメダ
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アミッド・テアサナーレ
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エルフィ・コレット
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メイナちゃんやティオナを混ぜて全員