ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている!   作:超高校級の切望

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事後処理

 結論から言おう。

 【カーリー・ファミリア】は【ロキ・ファミリア】に負けた。ニョルズの悪事、というかモンスター放流もバレた。

 クロエはLv.3以下の追跡者なら難なく倒せたが【ロキ・ファミリア】の二軍、Lv.4のアナキティ・オータムと戦闘になり、まあおかげでランクアップした。実質『豊穣の女主人』No.2だ。

 【カーリー・ファミリア】は報告を受けやってきた【ロキ・ファミリア】の男達にボッコボコにされて現在発情中。バーチェは同性のティオナにやられたからセーフ。ティオネと戦っていたアルガナは物語の王子様よろしくやってきたフィンに殴り飛ばされ恋の病に落ちた。因みに約3分の1が出血死している。中には【イシュタル・ファミリア】の死体も交じっていた。

 タギーは行方をくらましている。

 

「お前さ、少しは嫁の街を守ろうとか思わないの?」

「クロエは別に俺の嫁じゃねえからなあ」

 

 ニョルズはその言葉にそうなのか!? と目を見開く。中々家に帰ってこない娘が連れてきた男だからてっきり……。

 

「クロエ、お前もそれなりの年なのに一体何時まで独り身なんだ!」

「余計なお世話ニャ!」

 

 この場にいないクロエに言ったつもりだったが主神が心配で実は近くにいたクロエがお盆でパコーンとニョルズの頭を叩いた。

 

「そう言ってやるな、ランクアップはきっかけだけの状態で、初めて自分の意思で誰かの為に戦った結果ランクアップしたぐらい家族が好きなんだろぉ? コイツ等もおんなじだろうからなぁ」

 

 ケラケラ誂うように笑うヴァハの言葉に顔を赤くするクロエ。ヴァハとの早朝訓練の結果、ステイタスはたまり後は精神的、あるいは肉体的な偉業を行う必要があった。クロエの場合、それが家族のために最大派閥すら敵に回すという覚悟だったわけだ。くっそ恥ずかしい。

 ニョルズは涙を流しウンウンと頷く。

 

「つーかミャーが折角隠そうとしたのに、全部言いやがってこの駄ん神!」

「悪かった。でも、ロッドにもバレちまったからな。俺だけならともかく、彼奴にまで嘘をつかせたくない」

 

 食人花はモンスターを喰らう。ニョルズはその特性を利用しロログ湖のモンスターを喰わせていた。眷属達には見た目を誤魔化し、かつ余計な探りを入れられないよう臭いのきつい粉末に食人花が好む魔石を粉末にしたものを混ぜて渡して。

 

「だから、どんな罰でも受けるつもりさ」

「…………ま、私も【ロキ・ファミリア】に喧嘩を売ったわけだしね、仕方ないから馬鹿な主神に少しだけ付き合ってあげるわ」

「急にどうした、気持ち悪い喋り方して」

「にゃあああああ!!」

 

 真面目な話なので気の抜ける猫人(キャットピープル)訛りを捨て『黒猫』時代の喋り方に戻せばこれだ。またお盆でぶん殴る。

 

「あ〜その事なんやけどな? ここにギルドの正式発表がある」

 

 と、胸から手紙を取り出すロキ。やけに胸が膨らんでいると思った。というか手紙を入れただけで膨れて見える胸って。

 

「『この度港町メレンで起きた騒動はす・べ・て辺境より訪れし野蛮なアマゾネス国家【カーリー・ファミリア】の引き起こしたものであると判明した。 バイ、ギルド長ロイマン』。これ損害請求書やって」

「何でじゃー!?」

「なお同時期の食人花出現は偶発的なものである」

「あるかそんな偶然!」

 

 請求書を机に叩きつけ、ヴァハに背中を預けるカーリー。ちなみにかの女神がお座す場所はヴァハの膝の上だ。女神が座っていると言うのに気にせず揚げ物食うヴァハのせいで頭頂部の髪がテカテカしてきてる。

 

「【イシュタル・ファミリア】にはお咎めなしか? 死体も残ってんだろ?」

「二つ名持ちもいるなぁ………せやけど、下手につついてギルドの関わりまでバラされたら敵わんのやろ」

 

 魔石の横領はギルドのメレン支部支部長ルバートが関わっていた。その事を非難されればそれはギルドの中立性、絶対性を損なわせファミリアの介入を許してしまうようになる。

 それは面白いな。やもすれば暗黒時代の再来を行えるかも、と思ったがヴァハは愛しのマイハニーエレンを思い出す。アレの裏にいるであろう神の、長年………いや、行動を思い返すと小心者の小物だから爺達が去ってからの十数年練った計画をグチャグチャにする方が楽しそうだ。あの手の手合は小物の癖にプライドだけはいっちょ前に高く、計画の変更とかはしないだろうし。少なくともイシュタルではない事は解った。あれはまた別方向の小物だ。報告にあった『階位昇華』(レベルブースト)の魔法かスキル、それが切り札。

 だが小物の癖に美貌に関して自信家とはいえ臆病者。必ず勝てると確信しなければ動くまい。パーツが足りない。恐らく、レアスキルを増やす何らかの策もあると見ていいだろう。下界の子らが使う力を増やす、思い付くのはとある石。それだけではオッタルを超えられまい。あとは、『呪詛』(カース)の集団か?

 

「イシュタルっつえばお前恨まれてるかもしれんな」

「あ?」

「いやだって、戦争の準備中にあそこの眷属殺しまくって数減らしたやん」

「逆恨みもここまで来ると面倒くせぇなぁ」

 

 ケラケラ笑うが数十人殺しておいて逆恨みも何も、いや、確かに仕掛けてきたのは向こうか。

 

「その点、お前のところはどうなんだ? 相当数殺されてるだろ?」

 

 と、そう尋ねるニョルズ。カーリーはふん、と花を鳴らす。

 

「どいつもこいつも人生の春を謳歌しとるわ」

 

 アマゾネスは強い男に惹かれる。男を攫い種馬にするだけの闘国(テルスキュラ)。恩恵持ちの彼女達からすれば男とは情けないものに過ぎない。しかし、打倒され自国の男達との違いに萌えた。恋に燃えた。

 と、不意にフィンとティオネが見えた。そちらに向かう影も。

 

「チコクチコク〜」

「………あ?」

 

 その言葉にロキは胡散臭いものでも見る目でそちらを見る。

 その影は、フィンとぶつかる。

 

「おっと、失礼。大丈夫……」

「イタ〜イ」

「「!?」」

 

 と、その人物を見てティオネとフィンは目を見開く。

 

「ア、アルガナ!?」

 

 アルガナだった。何故かセーラー服を着ている。あと、咥えていたのかパンを落としている。

 

「ちょっとあんた、どこ見て歩いてるのよ!? あ………あ〜………」

 

 と、何やら考え出すアルガナはチラリとヴァハを見る。ヴァハは周りに気づかれぬよう片手の人差し指と親指で輪を作り反対の人差し指を輪に突っ込む。アルガナはコクリと頷く。

 

「あんたのせいでショクパン落としちゃったじゃないの!? 責任とって、アタシと子作りしなさいよね」

 

 と、服を脱ぎだすアルガナ。かつて恐怖の対象であり昨日は憎しみの対象であったアルガナの行動にティオネが吐血した。

 

「な……何や、あれ………」

「アマゾネスの性じゃ! アルガナめ、お主の所の団長に負けてその強さに惚れおったわ! しかもメレンで出来た友人から恋愛必勝法などとデタラメを吹き込まれよって───!!」

「ハハァ。気の毒になぁ、ほら、なめろう食え」

「恋しとる連中に悪いが引き離させてもらうで。ウチ等も忙しいんや」

「何人か残してやってもいいんじゃねえの?」

「あん?」

「あること確定なもう一つのダンジョンの入り口。あれ、市街にも伸びてるだろ。恐らくメレンにもな………イシュタルも闇派閥(イヴィルス)も、そっから暗殺者を雇うだろうよ」

「暗殺者?」

「自称神一の美貌のイシュタルは他称一位のフレイヤに嫉妬しまくりのこじらせババァだからなあ。潰したくて仕方ねえだろ。だが、たとえ『位階昇華』(レベルブースト)を増やしたとしてもオッタルにゃ勝てない。Lv.7ってのは、それまでのランクアップとはまるで違う。お前んとこの連中も、オッタルも、あの二人が弱体化してたから勝てた。してなかったら勝てなかったろう?」

 

 こいつ、暗黒時代の事を知ってるのか、とヴァハを睨むロキにヴァハはニヤニヤ馬鹿にしたような笑みを浮かべる。

 

「Lv.6をLv.7に、魔法でする? 不可能だな。ランクアップしたみてぇに強さは跳ね上がるだろうがLv.7にゃ遠く及ばねえ。あの脳味噌も顔と同じく皺だらけのババァがその辺り理解するほど脳年齢が若いかは不明だが、どのみち最大Lv.6にしかならねぇなら、相手に弱くなってもらう他ねえだろ」

 

 暗殺を生業とする者はその形成、或いは余計な感情を切り落とされた性格や暗殺経験から幻惑系の魔法や相手を弱くする、或いは毒で侵すなんていった『呪詛』(カース)に恵まれやすい。『呪詛(カース)』の発現はモンスターを相手してる場合目覚め難い。ならば、確かに外から雇うほうが効率がいい。

 

「せやな、取り敢えず何名か残してオラリオに繋がる地下水路警戒させるか………後は、どう帰るか」

 

 ロキは男達に詰め寄るアマゾネス達を見てはぁ、とため息を吐く。

 

「何だ、帰るのか? 丁度良い、手を貸すから同伴させろ」

「あん?」

 

 な、パアンと大きめの柏手の音が響く。途端にアルガナ以外のアマゾネス達は顔を青くし固まる。脂汗をかき、目を見開き恐る恐るヴァハを見る。

 

「色恋沙汰はそのあたりで終いだ。そいつ等は帰る、邪魔してやるな」

 

 アマゾネス達は一斉に頷き逃げる様に散っていった。

 

「………何や今の」

「こいつ今妾の眷属達からナマハゲみたいな扱いうけてる」

 

 悪い事すれば血を吸いに来る怪異扱いを受けてる。一部のアマゾネス達はそれでもと夜這いをかけるも夜戦で勝てた者はいない。

 

「これで帰りやすくなったろ? ほれ、とっとと帰ろうぜえ。俺も帰ってアミッドを味わいたいんでな」

 

 

 

 

 その頃の【イシュタル・ファミリア】。団長にしてLv.5、フリュネがたった一人のアマゾネスにボコボコにされていた。

 

「ええ、はい………ですから、私を暫くここに置いてほしいのです」

 

 フリュネよりも華奢な、美しい女。黒髪褐色肌のアマゾネスは目の前の女神に懇願する。否、命令する。それを面白くなさそうに睨むイシュタル。

 

「ふん、なるほど確かに強いな。だが、それだけだ。信用も出来んお前に切り札を使う気もない。Lv.6では、フレイヤの喉元にも届くまい」

「ああ、その点ならご安心を。私、Lv.7ですので」




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ヴァハ君のヒロイン

  • フィルヴィス・シャリア
  • アスフィ・アル・アンドロメダ
  • アミッド・テアサナーレ
  • エルフィ・コレット
  • メイナちゃんやティオナを混ぜて全員
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