ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
「【アポロン・ファミリア】」
「うん、兄さんが旅行に行ってる間、そこと少し揉めちゃって……」
メレンからオラリオに帰還すれば弟が他派閥と揉めたという。しかもその理由が相手がヴァハの事を強い女に体を売ってモンスターを倒してもらってると言ったかららしい。
強い女の例は【
「面白いことになりそうだなぁ」
「面倒なことじゃなくて?」
因みに神の宴をその【アポロン・ファミリア】が開くらしい。これまでの神の宴と違って、眷属を2名同伴できるという変わり種。
これで一人ならベルだけが狙いだったのだろうと思ったが、2名だ。このオラリオで、眷属が2名の【ファミリア】は一つだけ。
さて、取り敢えずドレスコードを満たせる服を買いに行かないと。
「おおベル、見事に服に着られてんなぁ」
「ヴァハ君は見事に着こなしてるなぁ。何も知らなければ上品な貴族に見えるよ」
そして宴当日、ヴァハは見事に服に着られてるベルを見てケラケラ笑い、ヘスティアは何処かの貴公子にも見えるヴァハの本性をほんの少し知ってるため胡散臭気な顔をしていた。
「確かに、似合っておるぞヴァハよ。もちろんナァーザも。どちらも私にとって自慢の
と、ミアハからの素直な称賛に、ナァーザは顔を赤くした。
その後【タケミカヅチ・ファミリア】がベルに改めて謝罪しに来たりもしもの時は力になると誓ったりしてた。ヘルメスもやって来た。
後フレイヤも絡んできた。タケミカヅチとミアハが褒めれば彼等の眷属達が嫉妬する。
「久し振りねヴァハ。聞いたわよ、メレンでだいぶ暴れたみたいね?」
「ああ、中々良い女達と巡り会えたぜぇ」
「あら、私を前に他の女を褒めるなんて、やっぱり連れない人」
フレイヤを前に他の女の話をするヴァハに従者のオッタルとアレンが顔をしかめる。と言っても、オッタルは本当に僅かで、アレンはとても解りやすいが。
「フフ、でも良いわ。貴方って、そういう人だものね?」
そう言ってヴァハの頬を撫でると今度はベルに目を向ける。
「貴方のお兄さんに、振られてしまったわ。代わりに、今夜貴方が夢を見させてくれないかしら?」
「見せるかぁ!」
美神と竈の神が絡みだしたのでヴァハはとっととその場から離れることにした。
質は悪くとも規模はそれなり。金回りもいいのだろう、それなりに高い酒や料理を食うヴァハはディオニュソスに気付き、連れているエルフがフィルヴィスでないことに気づきすぐにどうでも良くなる。
バルコニーから広間の光景を眺める。と……
「お、おかわりは如何です、か?」
と、女の声が聞こえる。振り向けば前髪を伸ばし目を隠した女が居た。メカクレというやつだろう。以前祖父がベルの髪型を『嗜好の領域に近い、もう少し伸ばすべきだ』と良く言っていた男とメカクレは髪を掬いその目を見る瞬間にこそ意味があると言いながら殴り合ってたのを思い出す。
「あ、あの………」
「ああ、ワインね、貰おう」
と、グラスを差し出すと少女がワインを注ぐ。それを飲み月を眺めるヴァハ。そういえば、今回の主催者は月の女神の弟だったか。
「……え、あ………」
「どうかしたかぁ?」
「あ、その………」
と、何やら困惑した様子の少女にヴァハはケラケラとからかうように詰め寄る。
「生憎とこの程度の毒じゃ俺は殺せねぇなあ。もうちょい精霊由来の毒持ってきなぁ」
「な、なん、なんの、ここ、事ですか? わた、わ私は何も………」
「ふーん………じゃ、そのワインアポロンにでも飲ませてやるよ。俺が注ぎゃ飲むだろ」
「まっ!」
少女は慌ててヴァハの服を掴む。
「ち、ちが………ちがくて、悪いのは、だって………私、わ、私じゃない。貴方が、貴方達が………わ、悪いんです。アアアポロン様を、とと盗るか、から、誘惑するから………」
ボロボロと怯えた子供のように泣き出す少女にヴァハはやはり自分も狙われていたのかとケラケラと笑う。
「泣くな泣くな、せっかくの綺麗な顔が台無しだぞぉ」
「───っ!」
面白いことを教えてくれた礼に涙を拭いてやろうとすると髪を掬う。驚きで目を見開いた表情が見える。
その目は、キラキラと輝いている。アースアイだったろうか、まるで花のような瞳をしている。
「へえ、綺麗な目だなぁ」
まあ、この男はその奥にある、ドロドロした感情を感じさせる光にしか興味無いのだが。それでも、その言葉に女は固まる。
「………そ、そう……そうですよ、アポロン様も、ほ、ほほ、褒めてくれた。褒めてくれたんです。ど、どうかその瞳に私を映し続けてくれって、なな、なのに………アポロン様は、見てくれなくて、そ、その目を向けるなって」
「そりゃヒデェ事を言うなぁ。こぉんなに綺麗な目をしてるのになぁ」
美醜は解る、そこに価値を見い出せないが。だがそこにある感情にはそれなりに反応するヴァハからすれば、一歩道を踏み外せば堕ちていくであろう狂気に染まりかけた瞳は好ましい。
「え、えへへ………ありがとうございます。ああ、あな、貴方は、い、良い人ですね」
「お前ちょっとチョロ過ぎない?」
そのまま去っていく少女。将来が心配だ、などと言葉だけで言い、毒入りワインを煽る。ワインとしてはかなり美味い。というかこの味、毒の違和感よりもまた飲みたくなるように
「ヴァハ、こんな所にいたのか」
「ああ、リヴェリアか」
どうやらロキの連れの片方はリヴェリアだったらしい。やはり王族なだけあり、ドレスに身を包めば気品もあり女神よりも神秘的だ。
「……今のは、【
「知ってんのかあ?」
「まあ、それなりに有名人だ。本名はクリュティエ・オケアノス。アポロンに見初められ国を捨てた王族でな。【ファミリア】内で同じくアポロンに見初められた者達に虚言を吐き殺し合いをさせアポロンからの愛を失った女だ」
「ふーん………」
それであの行動か、これ以上アポロンが愛する者を増やすのが嫌だったのだろう。一途、というわけではない。寧ろフィルヴィスに近い。レフィーヤやヴァハに案外簡単に絆される、拠り所を求めているだけの少女だ。
「ソレより、あれを見ろ」
「んん〜?」
その言葉にリヴェリアが指差す方向を見ればベルがアイズの前で固まっていた。アイズは、何処か期待した目でベルを見る。
「手本を見せるぞ」
「良いのかぁ、相手が俺で」
「…………メレンでの行いは、確かに褒められたことではないのだろう。だが、それでも責めることでもない、そう思っている」
あっそ、と笑いヴァハとリヴェリアはベル達の方へと歩いていく。知り合いの接近に、ベルとアイズの視線が二人に向く。
「私と一曲踊っていただけますか、
手を差し伸べ恭しく頭を垂れるヴァハ。リヴェリアは笑みを浮かべ手を重ねる。
「喜んで」
手を握り合い、ダンスホールへ向かう二人。リヴェリアが振り返りアイズにせいぜい愉しめと視線を送り、ベルに頼んだ、とでも言うような眼差しを向ける。
ベルはアイズに向き直り、すぐに新しいペアがダンスホールに加わった。
ダンスが一先ず終わり、ヴァハは今度は来ていたアミッドと踊る。彼女と繋がりを持とうと詰め寄っていた冒険者や神々が居たが無視してダンスホールへ引っ張ってきた。
「助かりました」
「おお、精々感謝しなぁ………しっかしうちの弟も大変だねぇ」
ふと見ればアイズとベルが踊っていた事に怒ったそれぞれの主神に詰め寄られていた。
「………貴方も、リヴェリア様と踊ってましたけど。後でエルフの皆さんが騒ぎますよ」
「俺は誘われたんだがなぁ。ま、その辺り関係ねえか。誘われようと断るべきだとか言うんだろうなエルフ共は」
ケラケラと気にした風もなく笑うヴァハ。リヴェリアと踊れたのが、エルフ達に絡まれるデメリットが気にならないほど嬉しかったのだろうか、と邪推するアミッド。
「お手を煩わせてしまい、申し訳ありません。どうせなら、最後までリヴェリア様と踊りたかったでしょう?」
「煩わせる? 別に、俺はお前とも踊りたかったが?」
その言葉に足をもつれさせるアミッド。ヴァハの方に倒れる。
「あ、あの………すい───」
「諸君、宴は楽しんでいるかな?」
と、主催者のアポロンがそのタイミングで現れた。
クリュティエ・オケアノス
王族の子。それなりに大国であり異母兄弟や従兄弟達が沢山いるが、その中で不気味な目をしている事から疎まれていたが目を褒めてくれたアポロンについていくために国を抜け出した。ヴァハはフィルヴィスと似た性質と思っている。
【アポロン・ファミリア】今回の被害……間違えた加害者
ヴァハ君のヒロイン
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フィルヴィス・シャリア
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アスフィ・アル・アンドロメダ
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アミッド・テアサナーレ
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エルフィ・コレット
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メイナちゃんやティオナを混ぜて全員