ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
翌日、クリュティエと別れ下層のモンスターを捕らえ血を啜るヴァハ。期限はまだあるし、後は水をやった種がどう芽吹くか見ものだ。
「んでぇ、何時まで後つけてくるんだよ」
ヴァハの言葉に物陰から人影が現れる。フィルヴィスだ。
「す、すまん。その、ディオニュソス様も今回の『
嘘ではない。【ロキ・ファミリア】や【ヘルメス・ファミリア】に比べれば規模こそ小さいものの、戦力として申し分ない『
そこで、出来うる限り手伝ってやるように言われたのだが………。
「俺が【アポロン・ファミリア】の人間と同じ宿から出てくるのが見えて、混乱してたと」
「あ、ああ………お前のことだし、弟と敢えて敵対するの楽しみそうだし」
「それはもうやったがなぁ」
「………は?」
ついでに言えばルール付きとはいえ負けた。想像以上の成長を見せたベルが当日にはどれだけ育つか、それを楽しむために会わぬように潜っていたりする。
「弟は無事なのか?」
「どうせ折れないだろうが折るつもりで思っきりボコボコにしてやったぁ。ま、最後の最後で一撃もらったがなぁ」
やる時はやる、あの男の血を引いてるだけはある。血に才能は宿らぬなどとは、その出生故にとても言えぬがあの才能とも異なる素質はきっと血筋関係なくベルに宿ったことだろう。
「あの男の血? お前は、引かないのか?」
「俺の父親はもっとクズだぜ」
「お、お前がクズ扱いだと?」
と、若干失礼な反応をするフィルヴィスに気にした風もなくケラケラと笑うヴァハ。
「クズもクズだ。馬鹿に唆されるまま最強の才能を持った女に手を出そうとして一蹴されて、腹いせにその妹に手を出したのさぁ。んでぶち殺された……その結果生まれたのが俺なんでな、あの【ファミリア】にゃ俺を嫌う連中と受け入れる連中で見事に分かれたもんさ」
母のとりなしが無ければ生まれる前に腹から掻き出されていた事だろう。皆母が大好きだった。なのに生まれたのはこんなの、故に、特に母の姉の殺意が増した。
「なのにあの馬鹿、反省もせず腹の中にいる子供にまで手を出すんだから困ったもんさぁ。ま、その代わりに俺のパシリに使ってる訳だが」
彼のパシリ? 誰だろうか、あいにくと付き合いが限定的で、知らない。
アミッドだったらとある神が思いつくだろうがフィルヴィスはそれを知らないのだ。ヴァハもそれが誰なのか聞かれない限りはいちいち言う手間をかけたりしない。
「まあとにかく、俺は【アポロン・ファミリア】も【ソーマ・ファミリア】も等しく滅ぼす。徹底的に壊す。全力で抗わなきゃ、命をかけなきゃ全てが終わると思うぐらいには徹底的になぁ………」
そして、全てを賭して抗い、向かってくるのを、全力で殺しに来る敵を前に満足げに笑うのだろう。笑って、嘲笑って、愉しんで楽しんだ後に結局滅ぼす。きっとこの男はそういう奴だ。
「…………それで、これからどうする? 『
こいつならどっちもあり得る。前者なら手伝うし後者なら前科ありまくりの【アポロン・ファミリア】やギルドに目をつけられても調査に動かれぬ程度にやるのが得意な【ソーマ・ファミリア】が来ても手助けできるように守る。そういう指示を受けている。
「下に向かうぞ。モンスターの血をためておきたいからなぁ」
「………私の血では、駄目なのか?」
「量が量なんでなぁ。お前の血は、地上に戻ったあと口直しに貰う」
「あ、ああ!」
行くぞぉ、と19階層に続く道を向かうヴァハの後を追うフィルヴィス。祭りは近付く。ヴァハは地下で、その時を待つ。
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ヴァハ君のヒロイン
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