ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
ダンジョンの中、ジュルジュルと液体を啜る音が響く。それに混じった、押し殺したような嬌声も。
音の発生源であるヴァハはフィルヴィスから牙を抜く。
「ごちそうさん、美味かったぜぇ」
「あ、ああ………」
トロンととろけた表情で応えるフィルヴィス。やはり彼女の血も美味いが、アミッドやユノには劣るな、などと考えながら地上に戻る。
「あ、兄さん!」
「よおベル、なんか多いなぁ」
ベルの現在の拠点である宿に向かうと、ヴェルフや命、リューが居た。聞けばヴェルフと命はこれを機に『
「ま、そういうわけでよろしくな」
「一年ほどの移転ですが、決して恥じぬ戦いをすると約束します……」
「……………」
「あそっ………んじゃ、どんなゲームになったか教えてくれ」
ゲーム内容は《攻城戦》。なんとも運のないことだ。ヴァハはケラケラ笑うと笑い事じゃありません! とリリが睨んでくる。
「まあ、作戦はありますが……」
「ああ、それ必要ねぇよぉ。てか、潜入はやめとけ」
「えっ………?」
「俺は殺せねぇけどなぁ。だが、死ぬぞ、お前……」
ヴァハはもう、それは楽しそうに目を細めた。
【アポロン•ファミリア】は防衛側。一足先に会場に到着し、布陣や役割分担を決める。
そして、城壁の中にある通路奥の、使われていない物置でカタカタと震える女性が一人。
「カサンドラ、あんたこんな所で何やってるのよ」
「っ………あ、ダフ……ネちゃん……」
「………っ」
顔を上げたカサンドラは、酷い顔をしていた。目の下に濃い隈があり、ここ最近まともに食事を食べていないから痩せ、まるで幽鬼のよう。
「そろそろ『
因みに
「い、いや!」
「嫌って、あんたねえ」
「お、お願いダフネちゃん………彼処は、嫌なの………こ、ここに………ここに居よう? ここなら………」
何かに怯えるように震えるカサンドラ。その様子は、どうせまた夢でしょなどと切り捨ててしまえば壊れてしまいそうで………。
夢で未来を見るなんて信じられないが、怯えるカサンドラを無理やり動かす必要はないだろう。それだけの戦力差はあるのだ。
ガラガラと馬車が古城に向かう。かつて盗賊が根城にしていた城。近付くにつれ、ベルの表情が強張っていく。
「…………む」
微かに感じた世界の揺らぎ。神の権能が限定顕現したのだろう。今この瞬間からオラリオ中の人間が、このゲームに注目している。
『
その声に、ヴァハは笑うとヴェルフがリューに渡そうとしていた剣を奪う。
「お、おい………」
「開戦の狼煙だろぉ? ハハァ………派手に行こうぜ」
刃に手を押し付け、引く。血が滲み剣に付着し、バチバチと紫電を上げながら火の粉を纏う。
「落ちろ、焔雷」
ピシピキと亀裂が走っていく魔剣を空高く投げ飛ばすヴァハ。一際強く輝いた瞬間砕け散り、雷が降り注ぐ。燃えるものなど無くとも、炎が発生した。
「んな!?」
「に、兄さん!?」
「別に殺しちゃいねぇよ………焼き加減はレアだ」
ケラケラ笑いながら歩き出すヴァハ。どれだけポーションを準備していようと、あの数では顔が爛れて治らない者も多く出たろう。ああ、本当………愉快だ。
「来るぞ……」
城壁が穴だらけにされ、一度に何人もやられ、必死になったのか【アポロン・ファミリア】や【ソーマ・ファミリア】の連中が突っ込んでくる。
「ヒュアキントスはお前がやれ。俺は、雑魚を殺さねえ程度に痛めつける」
そう言うと、駆け出すヴァハ。ベルも古城に向かい走り出した。
ヴァハ君のヒロイン
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フィルヴィス・シャリア
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アスフィ・アル・アンドロメダ
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アミッド・テアサナーレ
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エルフィ・コレット
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メイナちゃんやティオナを混ぜて全員