ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている!   作:超高校級の切望

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向日葵畑

 血の鞭で死体を切り裂く。炎で燃やす。

 Lv.1の死体ならともなく、Lv.2ともなると炎でも内部まで焼けず、痛みを感じぬ故に突き進んでくるが血の爪で切り刻む。

 直ぐに断面から生えた根で繋ぎあわさろうとするが肉片を蹴りつけバラバラに蹴り飛ばす。

 

「ハハァ。どうしたぁ、ただ死なねぇだけならまるで足りねぇぞぉ」

《楽しそう》《た、楽しそう》《でも足りない》《殺さなきゃ》《殺す気で》《言ってた》《言ってた言ってた》

 

 向日葵達がキイキイ喚く。特殊な魔力など宿っていない声。しかし人を不快にさせ、狂わせる声の中ヴァハは寧ろ楽しそうに笑う。

 

「へへ、えへへ………た、楽しそうで、嬉しい………です……でも、だ、駄目駄目ですよね、私…………ここ、殺し合いがしたいのに、殺し合いをさせてあげたいのに、弱弱で………」

 

 両手の指を合わせながらモジモジ俯くクリティエ。

 どうやら殺し合いがしたいヴァハに中途半端な強さしか用意できない自分を恥じているらしい。

 

「そ、そうですよね………数ばっかで、皆弱いし…………ヴァハさん、つ、強すぎるし…………これじゃ、全然足りない」

 

 と、バラバラにされた死体がビクビク動き出す。自身のパーツを探す、なんてことはしない。近場の死体同士で根を絡め合い、茎を伸ばし葉を重ねる。

 

「………ほお〜」

《■■■■■■■■!!》

 

 複数の声が混ざり合いもはや何と言っているのか理解できぬ程の『音』を放つ怪物が人の腕が指となった巨大な拳が感心していたヴァハを殴り飛ばす。

 

「うお、ヴァハ!?」

「だ、大丈夫ですか!?」

 

 ヴェルフ達の居る所まで吹き飛ばされたヴァハは立ち上がり土埃を払う。気絶したダフネを抱きしめていたカサンドラが震える中、ベルは瓦礫を押しのけ現れるそれを見つけた。

 

「な、あ………」

「ひっ!? な、なんですかあれ!?」

 

 リリも思わず叫ぶ。現れたそれは人のパーツを無理やり繋ぎ合わせた異形。大きな口には歯の代わりに膝や握り拳、頭部などが並んでいて彼方此方に葉や花が茂っている。

 見ているだけで気分が悪い。

 

《■■■■■■■■》

「ぎっ!?」

「んだよ、この音!?」

 

 体中に咲いた向日葵が口を開き声を出す。複数の声が混じり合いヴェルフ達が耳を抑える中、ヴァハやリューは魔力の流れを感じ取る。花一つ一つが、詠唱を行っているのだ。

 

「おいヴェルフ、仕事………は、無理そうだなぁ」

 

 この音の中まともに魔法を発動できそうにない。如何に短文詠唱と言えど魔力制御を誤り自爆するだろう。

 

《■■■■■!!》

 

 放たれる水、風、炎、氷、土に対してヴァハは血の赤子で壁を作る。

 

『いたいぃぃ!』『はじけた!』『とれた』『つぶれたぁ』『うでどこぉ?』

 

 此方も此方で見てるだけで精神が削れそうな壁。ベルは顔を青くしている。

 

「ベ〜ル〜。そいつ等に死んで欲しくねぇんだろ? 邪魔だから、さっさともってけ」

 

 思いやり? いいや、ただの事実を告げてるだけだ。散々痛めつけたダフネも心を追い詰めたカサンドラも最早眼中にない。

 

『あれきらい』『おおきい』『おおい?』『こえうるさい』『つぶされる』

「仕方ねえガキ共だ。おら、集まれ集まれ」

 

 文句を言う子供達にため息を吐いたヴァハは両手の人差し指を立てクン、と胸の前で交差させると赤ん坊達が集まり巨大な赤子になり、3()()()()を開く。

 

『『『あはははははは!!』』』

《■■■■■■■■!!》

 

 血の赤子と死体の塊がぶつかり合う。真っ赤な歯が覗く口で噛み付き、腕の力で死体の塊の腕を引きちぎると顔の上にある2つの口でブチブチと食いちぎって行く。

 

《■■■■■■》

《■■■■!》

《■■■■■■?》

 

 が、所詮は十数人分がくっついた死体の塊。【アポロン・ファミリア】は100を超える軍勢。

 

「もっと、もっと大きく………えへへ………」

 

 階層主(ゴライアス)撃破の偉業持つ【ファミリア】の成れの果てが死体を継ぎ合わせた巨人とは中々皮肉が効いているなどと思いながらヴァハは全身から雷を溢れ出させる。

 

「いいぃぃねぇぇぇ!!」

 

 殴り飛ばしても表面しか削げぬほどの巨体。赤子が父の手伝いをすべく更に集まり巨大化する。その掌や腕にも口が開き舌で絡め取り噛み付いていく。食いちぎられ飲み込まれた肉は再生しない。代わりに茎が生えて塞いでいく。

 

《【我が名は愛、光の寵児。我が太陽にこの身を捧ぐ】》

 

 と、全ての口が()()詠唱を口にする。

 

「はっはぁ!」

《【我が名は罪、風の悋気。一陣の突風をこの身に呼ぶ】》

 

 ヴァハが斬りかかるが防御や回避、攻撃を詠唱と同時に行う。ヒュアキントスが生前ついぞものにできなかった『並行詠唱』を行えるらしい。

 

《【放つ火輪の一投、来たれ西方の風】》

《【アロ・ゼフュロス】!!》

 

 高速回転する円盤が赤子を切り刻んでいく。ボトボトと落ちた一部が別の赤子になって増える。

 

《【赤華(ルベレ)】》

 

 円盤が爆発し赤子をバラバラに吹き飛ばす。巨大な手を伸ばしてヴァハを叩き潰した。




ヴァハはとても喜んで、クリティエもヴァハに喜んでもらって嬉しい。平和だなぁ(なお、ベル達やこれを見ている神々や一部の【ファミリア】の精神は考えないものとする

ヴァハ君のヒロイン

  • フィルヴィス・シャリア
  • アスフィ・アル・アンドロメダ
  • アミッド・テアサナーレ
  • エルフィ・コレット
  • メイナちゃんやティオナを混ぜて全員
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