ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている!   作:超高校級の切望

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精霊の誘い

 精霊。

 神々が無限の己を切り分け生み出した有限なる存在。最も神に近い存在であり、子を残さぬ、現象に近い存在。

 そんな精霊とともにあるのが、エルフ。美しく、永い時を生き、高い魔力を持つ精霊の隣人。

 

「あ? んな訳ねえじゃん………」

 

 たまたま迷い込んだという少年にそんな話をすれば、ケラケラ笑われる。誇り高きエルフの一人が少年に掴みかかり、後に少年の旅の連れが少年を見つけた時には一つの集落から多くの命が消えていた。

 

 

 

 

 

「…………古代エルフ文字? 懐かしいなぁ、初めて読むぜ」

 

 張り出された冒険者依頼(クエスト)を見て顎に手を当てるヴァハ。彼の他にも何名かのエルフが見ており、中には蛮族に読める訳がないと鼻で笑う者もいた。

 

「『聖樹の逸話を語らんとする者、求む』ねえ………聖樹、聖樹………ああ、あれかぁ」

 

 が、あっさり読んだ。そのまま報酬を見てケラケラ笑う。

 

「エルフの、矜持ねえ………種族限定されてねえし、面白そうだ」

 

 なにせ、誇り高き森の妖精どもだ。ただのヒューマンがその矜持とやらを依頼者に渡されたらどんな反応をするか。

 因みに受付のエルフは何やらエルフ限定とか言ってきたがそんなもの記載しなかった依頼者(クライアント)のミスだと言えば、何やらつっかかってきたので依頼者はリヴェリアだと解った。なので依頼内容を無視してそっちから探す事にした。

 

 

 

 

 リヴェリアの気配を探り人払のされた酒場に向かう。

 

「……ヴァハ?」

「よお……何だ、店員もいねえのか」

「…………酒は好きにとって良いそうだ」

「お、そうか。なら遠慮なく……」

 

 酒場にはやはりリヴェリアがおり、困惑しながら酒の置かれた棚を見る。ヴァハはそうか、と言うと酒を取る。果実酒が多い。いっそ違和感をおぼえる程の清潔感と、多くの観葉植物。エルフ専用の店と言うことだろう。

 

「妙な依頼だったなぁ。報酬もお前にしちゃ形の無いものなんてありえねぇし………何処ぞの豚に無理やり出されたかぁ?」

「………あれが、読めたのか?」

「博学なんだよ、俺は……もう一つ当ててやろうか? あれはある程度学のある奴を集める依頼書だ。んで、冒険者である以上は多少は戦闘にも役立つだろうよ。お前、どっかエルフにとって神聖だったりする場所に行くんだろ? その外聞の為に護衛を無理やりつけようってわけだ」

「………どうかな。私が気まぐれに始めたのかもしれんぞ? なにせ、私はお転婆なのだろう?」

 

 からかうように笑うリヴェリアに、ヴァハはそんな事も言ったなぁ、と酒瓶を開ける。

 

「まあそれはそれで可愛らしい一面が見れたとして良しとするさ」

「な、かわ……っ!?」

「子供っぽいとも言うなぁ」

「………………」

 

 ムッと眉間に皺を寄せ睨むもヴァハは堪えた様子もなくニヤニヤ笑っている。

 

「なんだぁ? 酒でも欲しいかあ? 子供にゃはええよ」

「……………」

 

 無言で酒の入ったグラスを奪い取り、飲む。ちょっとした仕返しだ。

 

「あ、間接キス」

「ぶほ! げほ、ごほ!」

「まあ俺一口も飲んでねえけどな」

「っ! お、お前………!」

 

 ギロっと睨めばヴァハは何処からともなく酒瓶を取り出す。

 

「飲むか? あん時の酒だ」

「…………頂こう」

 

 舌に痺れる刺激が特徴的な、あの酒だろう。グラスを一度空にして、ヴァハに差し出す。 やはり美味い。

 

「ソーマから貰った神酒(ソーマ)で割るとまた違った味も楽しめるぜえ?」

「それは…大丈夫なのか?」

「原液じゃねえから大丈夫だろ………」

 

 

 

 

 

「失礼します」

「ん?」

「っ!? 貴方は!?」

 

 酔い潰れたリヴェリアを寝かせクリュティエの血を混ぜた雷精霊酒を飲んでいると覆面をしたエルフがやって来た。ヴァハの姿を確認するなり警戒心を顕にするもリヴェリアを見て困惑する。

 

「リヴェリア様?」

「おー、よく眠ってるぜぇ。酔い潰れたとも言うなぁ」

 

 膝の上に乗ったリヴェリアの頭を撫でながら時折耳に触れるヴァハ。王族(ハイエルフ)へのその対応に視線を鋭くするも下手に暴れる事出来ず睨むだけ。

 

「………酔い潰したと言いましたね。何が目的ですか」

「エルフじゃねえと友人と酒も飲んじゃならねえってか? 王族のエルフも大変だねえ」

「………友人? 貴方が?」

 

 正直言って、言動と軽く平然とどころか楽しみながら人の命を奪えるヴァハとリヴェリアが交友関係があるなど信じられないし信じたくない。まあ、それを口に出した瞬間ヴァハは間違いなくエルフの誇りとやらを笑うのだろうが。

 

「お前が気にしてる事なら酔う前のリヴェリアに言われたよ。まあ、この後他のエルフも来るとなると面倒くさそうだから後は頼む……」

 

 そう言ってリヴェリアの頭を膝から下ろす。温もりが消えたリヴェリアが腕を彷徨わせるがクッションを渡すと寝ぼけながら顔を埋めた。

 

「……貴方は、あの依頼を解いたのか?」

「記載してねぇから受けたのにエルフじゃねえと駄目なんだとよぉ。伝達ミスで金でも貰おうかと来ただけさ。それに、コイツが寝てる間にちょっと面白そうな誘いを受けた」

 

 そう言うとヴァハは店から出る。と………

 

「ピッ」

「レフィーヤ!?」

 

 ちょうど店に入ろうとした二人組み。レフィーヤがヴァハを見た瞬間顔を青くして気絶する。何やら赤ん坊が、などと魘されているが、無視してギルドに向かった。オラリオの外に出る申請の為だ。まあ、出なくても勝手に行っただろうが。

 

 

 

 

「んじゃ、案内よろしくなぁ」

 

 歓楽街により、例の如く向かってきたアマゾネス達を殺さない程度に痛めつけ奪った血で作った巨大な血の鳥に乗り、ヴァハは呟く。それに答えるのは光の粒達。精霊だ………

 

「精霊を崇める祭りねぇ………きちんと楽しめるんだろうな?」

 

 その問いに応えるようにキラキラ光る精霊達。ヴァハは暇つぶしにはなるだろうと笑う。

 

「しかし『精霊郷』ねえ………初めていくが、どれだけ変わってるかね。あの時のガキは、流石に代替わりしてるだろうが」

 

 何やら楽しそうなヴァハにつられ精霊達も楽しそうに揺らめく。

 

「しかしこの酒まっず………」

 

 とある場所から見つけた葡萄酒ベースの神酒(ソーマ)を空から捨てながらヴァハは口直しに雷精霊酒を飲み込んだ。




ヴァハは大精霊と融合してるからね。精霊からしたらヴァハ>エルフ


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ヴァハ君のヒロイン

  • フィルヴィス・シャリア
  • アスフィ・アル・アンドロメダ
  • アミッド・テアサナーレ
  • エルフィ・コレット
  • メイナちゃんやティオナを混ぜて全員
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