蛇王龍が白兎に憑依転生するなんて間違っているだろうか!?   作:XIII世

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ダンジョンに入った(オレ)は上層を駆け下り中層に到達すると早速モンスター共が襲ってくる。

 

「邪魔だ」

 

火を吐こうとするヘルハウンドを蹴り飛ばし、アルミラージを踏み潰し、バットバットはアルミラージの石斧で打ち落とし、ハード・アーマードは拳を叩き込んでいく。

 

そうしてモンスター共を片付けていき、我は十八階層にやって来るとならず者の街(リヴィラ)が騒がしいことに気付く。

 

その事が気になり立ち寄ってみると、其処には一人の血塗れの冒険者とそれを取り囲むリヴィラの住人。

 

「おい、これは一体何があったんだ?」

 

俺が一人の住人に話しかけると、驚きの内容を聞かされる。

 

「あぁ、なんでも二十四階層でブラッドサウルスらしきモンスターに襲われて逃げてきたらしいんだがそいつに仲間を喰われちまったらしい」

 

「そうか」

 

冒険者という危険なものに身を置いていればやって来る出来事、最初はそう思っていた。

 

次の言葉を聞くまでは・・・。

 

「しかも気でも可笑しくなったのかそのブラッドサウルスは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って言い出す始末だからな」

 

「!!」

 

俺の反応に気付かずその住人は話を続ける。

 

「しかも、それだけでもあり得ねぇのに跳躍したり炎まで吐きやがると言いやがるんだから相当狂ちまってんな」

 

「そうか、だが命あっての物種だからな」

 

「全くだ」

 

そうして、我はリヴィラを出るとそのまま二十四階層に向かうのだった。

 

十九階層を踏破した我は二十階層に入ると其処にはアイズとレフィーヤがいた。

 

「剣姫に千の妖精(サウザンド)か」

 

「貴方は」

 

「ベル・・・」

 

「!?」

 

アイズが我の事を名前で呼んだことに対してよほど衝撃的だったのかレフィーヤが驚き顔をしながら固まっている。

 

「何かあったの?」

 

「あぁ、まぁな」

 

それを無視して我達は話を進める。

 

「ラージャンと同じように我の(前世の)世界で生息していたモンスターが冒険者を襲ったらしい」

 

「「!?」」

 

我の言葉にアイズとレフィーヤはその話を聞いて驚愕し目を見開く。

 

「そのモンスターってどんなの?ラージャンみたいに強いの?」

 

そう言ってくるアイズの問い。

 

「名前は【蛮顎竜】アンジャナフ、強さ的にはラージャンと比べれば下だが油断すればLv.3ですら死ぬ可能性は高い」

 

「!!」

 

我の言葉にレフィーヤが顔を青ざめている。

 

まぁ、無理もないか。

 

死ぬと言われて動揺するのは正常な判断な方だからな。

 

 

「そのモンスターの居場所は解ってるの?」

 

「さっきアンジャナフに襲われたという冒険者が十八階層のリヴィラで治療を受けていてな、二十四階層で遭遇したと言っていたが当てには出来ん」

 

「何故ですか、モンスターなら階層に留まっているものですし」

 

そう言ってくるレフィーヤに対して我はこう返す。

 

「それはダンジョン産まれのモンスターの話だ、アンジャナフは歴とした生物だから階層に留まることは考えにくい上に奴の習性からも留まっている可能性は低い」

 

「習性?」

 

「あぁ、アンジャナフは一度獲物と定めた物に執着する。恐らくだがリヴィラに逃げ込んだ冒険者のことを追いかけてくるかも知れないと言うことだ」

 

「だったら、戻ってその冒険者を守らないと!!」

 

レフィーヤがその話を聞き、声を荒げる。

 

千の妖精(サウザンド)、我が可笑しいと思った所はそこだ」

 

「え?」

 

我の言葉にレフィーヤは疑問符を浮かべる。

 

「アンジャナフが重傷の冒険者にまんまと逃げられていることがだ」

 

「他のモンスターに邪魔されているからでは?」

 

「それなら・・・って、剣姫はどこだ?」

 

「アイズさんならさっきまでそこに・・・」

 

「グゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

レフィーヤと話し込んでいる内にアイズが居なくなり、西の方角からアンジャナフの咆哮と思わしきものが響いてくる。

 

「まさか・・・」

 

「そのまさかだろ」

 

レフィーヤの言葉に同意しながら我達は走り出す。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

しかし、蛇王龍(ダラ・アマデュラ)の規格外性能(スペック)を持つ我に着いていけずレフィーヤは息絶え絶えになっている。

 

千の妖精(サウザンド)、今は事態が事態だから許せ」

 

「はぁはぁ・・・っ、えっ!?」

 

我はレフィーヤを抱え全力でアンジャナフの居る方角へと駆け出した。

 

「きゃぁああああああああああああああっ!?」

 

駆け出した瞬間、地面は抉れ踏み割れる。

 

そして、あまりの敏捷(はやさ)に絶叫するレフィーヤだが早く目的地に辿り着かなくてはいけないため我慢して貰うしかない。

 

そうして、目的の場所に着くと其処には切り刻まれ息絶えたアンジャナフとその上に佇むアイズがいた。

 

「全く・・・、流石と言うべきかなんというか・・・」

 

その光景を見ながら言葉を漏らすとアイズが此方に気付く。

 

「あっ、ベルにレフィーヤ、遅かったね・・・」

 

この発言に対して我はちょっとイラッとしたので反省させると言う意味でこう言った。

 

「今の事は九魔姫(ナイン・ヘル)に伝えるからな」

 

「!?」

 

母親(リヴェリア)に伝える、それは少女(アイズ)にとっては一番効く説教(くすり)だ。

 

リヴェリアの名を出されて動揺しあたふたするアイズを尻目に我はアンジャナフに近付く。

 

すると、鋭い剣での傷の他に爪で引き裂いた様な傷もあった。

 

「おい剣姫、この爪痕のようなものはなんだ?」

 

「! 解らない、その爪痕は私が戦う前からあった。それに動きがおかしかったよ」

 

この爪の攻撃だけじゃないな、恐らく・・・。

 

「毒か」

 

「それならダーク・フィンガスの毒を受けていたと言うことでしょうか?」

 

「ううん、それなら爪痕以外の場所にも毒の粉が付いてるはず」

 

毒についてのレフィーヤの指摘にアイズがすかさず否定する。

 

「爪に毒・・・」

 

それなら思い当たるモンスターがいるんだが・・・。

 

今は考えても仕方がないか、とりあえず剥ぎ取りを済ませるか。

 

「何をしているんですか?」

 

我の行動を疑問に思ったレフィーヤが問いかけてくる。

 

「素材を剥ぎ取っているんだ、こいつらの素材は武器や防具になるからな」

 

「へぇ、そうなんですか・・・って本当ですか!?」

 

我の説明を聞きレフィーヤがそう答える。

 

「あぁ」

 

蛮顎竜の鱗×2 蛮顎竜の牙×1

 

「ほら」

 

「?」

 

我がアンジャナフの素材をアイズの前に出すと首を傾げる。

 

「お前が狩ったのだからこの素材はお前のモノだ、剣姫」

 

「解った」

 

我の行動の意味を理解し、アンジャナフの素材を受け取るアイズ。

 

「それでは、我はここまでにするがお前達は如何する?」

 

「私達も帰ろっか」

 

「はい、アイズさん」

 

そうして、アンジャナフによる冒険者襲撃事件は幕を閉じた。

 

しかし、問題はアンジャナフに毒を喰らわた正体は未解決のままである。

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