【三次創作】~名も無き忍道~『関節技縛り』【中編】   作:ひろっさん

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関節技縛り003

……。

 

……。

 

ダメかぁ。

 

うーん、どうしたもんかなぁ……。

 

あ、すみません、愚痴っちゃって。

ちょっとナメコちゃんに問題が発生しまして。

 

身長が伸びないんですよ。

 

あ、第三次終わって、無事『立ち関節』の秘伝書もらえました。シカクおじさんカックイー!

そこでセーブして、何年か修行と任務に費やしてから、伸びなかったらリセットってしてるんですけど。

ちなみに、これで18回目です。

 

リーチ的な意味でもまずいんですけど、体重が増えないのが、筋力を伸ばす意味でマズいですね。

『立ち関節』で筋力差無視して簡単にポキポキできるのは、腕や指だけです。

足首、膝関節、首なんかは筋力が要ります。

それに、本チャンの『関節技』が要らないわけじゃないので、フィジカルがないと強キャラの相手はきついです。

 

どこかで肉体成長の乱数が固定されてるのかな……?

まあ、いいや、紹介動画なのに、変に時間かけてもしょうがないですね。

 

ナメコちゃん、ロリボディのまま行きます。

 

 

 

今、のはらリンが死んで、この時期のカカシイベントが一通り終わりました。

次は九尾イベントです。

 

はい、ぶっちゃけ九尾そのものには、現時点では勝てません。

アレは筋力かチャクラがないと無理です。

ていうか、ミナトが来る前に決着付けないとダメなんで、14歳のこの時点じゃダメージが足りません。

 

後、クシナさん救助も無理です。

こっちはマダラが来てるので。

というか、暗部しか警護できないんでね、ナメコちゃんまだ下忍なんで、場所教えてもらえないです。

 

ちなみに、この時点でマダラ、倒せなくはないですよ。

ミナト先生をプレイヤー操作にすれば、なんとかなります。

樹海降誕とかは、穢土転生後の話です。

 

だから、オビトの方に目一杯プレッシャー掛けます。

ナメコちゃん、体術だけはクッソ強いんでね。

しかも、九尾のチャクラでただでさえチャクラ感知が難しいところにオビトはやってきます。

 

この片目だけの特徴的な仮面『グルグル』の奴。

一度だけ、この時点でマダラだったことがあるんで、警戒します。

 

条件調べたけど、結局分からなかったんだよね。

オビト闇落ちを阻止したわけでもなかったし。再現性もなかったし。

 

「タケノコちゃん!?」

 

……。

 

タケノコチャン、って誰かと間違えたんでしょうか?

ナメコちゃんはナメコちゃんだし……?

 

一瞬、固まりましたけど、クロスレンジに接近成功しました。

 

「くっ!」

 

オビトは『神威』で逃げます。

まあ、正解ですが。

身長は伸びてないんですけど、身体の作りができてきてて、『立ち関節』のヤバさが向上しています。

腕に手が触れるくらいでも、一本持って行けます。

 

ナメコちゃんは追い掛けます。

ぶっちゃけ、これでこのイベント中、オビトの無力化完了です。

 

オビトは、ナメコちゃんの何がどのくらい恐いのか、よく知ってますからね。

オビトのチャクラ感知能力では、九尾が暴れてる傍ではナメコちゃんが接近しないと感知できません。

ナメコちゃん、そんなに感知能力高くないんですけど、この状況ではナメコちゃんの方が先に感知します。

 

いやぁ、アカデミーで、特にオビトを実験台にしてきてよかったです。

ネームドがこういう反応をしてくれるから、このゲームは面白いんですよ。

 

あ、この程度でミナトは生き残りません。

マダラにきっちりやられます。

 

 

 

――――語り部、オビト

 

放たれた九尾がこの葉隠れの里を半壊に追いやっている傍で、俺は厄介な敵に追い回されていた。

 

一応、マダラから言われた俺の役目は、九尾を里で暴れさせ、里を壊滅させること。

これによってパワーバランスが変化し、世界は戦争状態に突入する。

 

さすがに『神威』1つで、ミナト先生に勝てるだなんて己惚れちゃいない。

だからこその九尾の化け狐で、ミナト先生が九尾と戦っている隙に、俺が横からちょっかいをかけてミナト先生を倒そうって算段だ。

 

しかし、特大の誤算があった。

それが滑里タケノコである。

 

同い年の下忍で、忍としての才能はそう高くない。

少なくとも、マダラが求めるような、1人で世界を引っ繰り返せるような力はない。

チャクラ量が人並み以下というのと、言葉が不自由なせいで、昇格できたとしても中忍までだと言われていた。

 

輪廻眼に加えて『神威』のおかげで、上忍のカカシ相手にも渡り合える力を持った俺だが、タケノコちゃんとばったり遭遇して、思わず固まる。

 

「タケノコちゃん!?」

「……」

 

思わず叫んでしまい、そのちっこい目が細められるのが見えた。

全身が総毛立つ。

 

ヤバい。

本能が全力で警報を鳴らした。

 

チャクラ量と言葉が不自由という二つの欠点ゆえに、マダラは警戒の外に置いているが、俺は知っている。

その戦闘力は、決して低くないと。

なにしろ、俺はよく彼女の技の実験台になっていたからだ。

俺の目的は、手ひどくやられた時に、リンに手当てしてもらえることだったが。

 

だから、俺はタケノコちゃんの手の内を知っている。

チャクラ術がほとんど使えない彼女には、たった1つ、『立ち関節』しかなかったから。

その痛み、どれくらい危険なのか、どうすれば回避できるのか。

 

――俺の体術の腕では、接近戦は圧倒的に不利だということまで。

 

というわけで、俺は『神威』まで使って逃げた。

 

『神威』は、忍術空間に肉体を退避させることで、敵の攻撃をすり抜けさせることができるという、万華鏡写輪眼の術だが。

そうは言っても、打撃する瞬間には現実空間に出さなければ、こちらの攻撃もすり抜けてしまう。

その一瞬があれば、タケノコちゃんは俺の腕を持って行くことができてしまう。

 

距離を置いて戦えばいい話だが、ばったり遭遇した時点で接近戦の距離だった。

しかも、彼女は瞬身の術だけは並み以上なのだ。父親がそれ専門だから、習ったのかもしれない。

 

そして。

一度仕切り直すべく、戦場を俯瞰できる場所に移動して、気が付いた。

 

――タケノコちゃんを感知できない。

 

九尾の膨大なチャクラ、それに対抗する色とりどりのチャクラ術が飛び交って、チャクラが荒れ狂っている。

そのせいで、まともにチャクラ感知ができない。

それでも、チャクラの強い部類の忍の位置はなんとなく特定できるが、あのちっこいのの居場所がわからない。

 

「参ったな……」

 

俺は頭を抱える羽目になった。

 

いくら『神威』が強いと言っても、タケノコちゃんを警戒しながら上忍と戦うってことになると、今の俺ではかなり辛い。

彼女が待ち伏せできる場所を避けるということになると、かなり行動を制限されるだろうし。

 

「参ったな……」

 

俺はもう一度呟いた。

 

 

 

――――

 

はい、九尾イベント終了です。

 

里はかなり破壊されましたけど、史実より死人は少なく済みました。

 

ただまあ、この方法だと中忍ポイントは余分には入らないですね。

ぶっちゃけると、ただ侵入者とばったり会っただけですから。

 

実は確率判定なんで、オビトと遭遇しないってこともあり得ました。

命令されてたのは、逃げ遅れた人を探して回収する任務なんで、オビトばっかり追い掛けると怒られることもありますし。

これが中忍だったら、そんなこともないんですけどね。

 

とはいえ、何か入り込んでいたと報告はします。

ナメコちゃん以外だと追い掛ける方が危ないので、事後報告ですが。

 

ということで、クシナママ、ミナト先生、めでたく死亡です。(不謹慎)

 

ナメコちゃんは、復興を手伝いつつ、任務と修行の日々です。

結構、物騒なことも増えてきますけど、中忍になるまではそんなに気にしなくていいです。

下忍を潰しに来る奴って、そんな大したのいないので。

 

まあ、死人が減ったって言っても、中忍や上忍の絶対数が減りましたし、ナメコちゃんに中忍の話が来ました。

今まで、意図的に試験を受けてなかったんですけどね。

その方が初見殺し率が高まるので。

あと、やっぱりナメコちゃんは座学がダメな方なので、サポートしてくれる人は必要です。

シカクおじさんはその点で都合がよかったんですが……。

まあ、ナメコちゃんの実績ポイントも高まってきましたし、ここらで潮時なのかもしれません。

 

そういうわけで中忍試験を受けることになりました。

 

世代としてはイルカ先生と同時期です。

 

 

 

――――語り部、ミズキ

 

『中忍にもなれなかった落ちこぼれのチビ』

 

それが俺の先輩、滑里タケノコに対する印象だった。

 

チャクラ術がまともに使えない、体術一辺倒。

それがマイト・ガイ先輩のように、チャクラ量自体がそれなりならともかく、チャクラ量が底辺で、まともに身体強化もできない。

しかも背も伸びず、格闘にすら致命的に不向き。

距離を置けば、どう考えても有利。

 

父親共々、代々下忍のままで終わるのが相応だろう。

何を考えて中忍試験を受けたのか分からないが、才能を持つ者として、希望を断ち切ってやるのが情けというもの。

 

俺って優しい。

 

――そんな甘えた考えは、激痛と共に吹き飛ばされた。

 

「くそっ!聞いてねえぞ!」

 

思わず悪態をつく。

 

闘技場が狭い。

チャクラ全開で逃げ回っても、追いすがってくる。

一瞬で外された肘を戻すのに意識を向けたら、今度は肩を外された。

 

手裏剣を投げても、余裕で捌かれる。足止めにすらならない。

印を組んでいる暇なんてない。

そもそも片腕をやられた時点で、術の印を組む余裕なんてなかった。

 

「くそ、くそ、くそ!この落ちこぼれのチビがぁ!」

 

大人しく俺様の踏み台になりやがれ!

 

 

 

――――語り部、うみのイルカ

 

「だから、タケノコ先輩相手に油断するなって言ったのに……」

 

俺は、才能ある同期が、追って追われての泥仕合に突入したのを見て、天を仰いだ。

 

まあ、才能があると言っても油断する悪い癖があり、それが治らない限り、彼が目指している火影は難しいだろう。

俺としては、経験を積んで悪癖が治ることを祈るばかりだ。

 

タケノコ先輩、滑里タケノコは、決して恵まれた忍ではない。

生まれつきチャクラ量が低くて、手裏剣術の才能もなく、体術一辺倒にならざるを得なかった部分が大きい。

しかも、体格が小さく、肝心の体術でも不利を余儀なくされる。

さらに言葉が不自由で、どう足掻いても上忍にはなれない。

唯一、自慢の脚力が父親の遺伝だろう。

 

しかし、まさしく不断の努力によって、恐るべき体術を身につけた。

それが『立ち関節』である。

 

シスイ先生の話によると、先の第三次忍界大戦でも、待ち伏せだけとはいえ、それなりの戦果を挙げたらしい。

それはつまり、戦闘力だけなら十分に中忍レベルであるということ。

それから3年の月日が流れ、彼女の体術はさらにレベルを上げているという。

 

要するに、中忍の中でも強い部類を相手にするつもりで挑まなければならないのだ。

 

なのに、ミズキのやつ、俺達がまだ下忍だって忘れてるんじゃないか?

 

目の前で、恐怖で体力を消耗し、追い付かれて両腕をやられた同期を眺めながら、俺はもう一度天を仰いだ。

勝負は、もう勝ちの目がなくなったと判断されて、審判員が止めた。

 

来年、また頑張ろう。俺も。

 

 

 

 




プレイヤーがゲスいのはデフォルトです。
あと、やっぱりガバ運はプレイ動画の華ですね。
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