【三次創作】~名も無き忍道~『関節技縛り』【中編】 作:ひろっさん
君麻呂を関節技で倒す縛りプレイ、始まってます。
血継限界『屍骨脈』が雑に強いタイプで、戦闘経験の差で我愛羅を追い詰めるところは、私は好きです。
タイプとしては我愛羅と同じですね。
先に述べた通り、戦闘経験でまだ子供な我愛羅を追い詰めた感じです。
君麻呂、実際に使った人ってどれくらいいるんでしょうか?
病気の関係で寿命が短いため、どう足掻いても第三次も第四次も、生身では参加できません。
第四次は必ず穢土転生体での参戦になります。
その点がプレイするには不人気なんじゃないかと思われますが。
プレイヤーが操作する場合と、NPCとして動く場合では、戦術が異なります。
これはどっちが正しいというより、ただの癖だと思いますが。
簡単に言うと、君麻呂は防御する時以外、関節の動きが阻害されることを嫌います。
つまり、上手くやれば骨を掴んで関節を折るってことも可能です。
これが我愛羅の砂になると、体術オンリーなナメコちゃんでは手も足も出ないので、敵に回らないことを祈るしかありません。
――――語り部、君麻呂
「なんてことだ」
肝心のサスケ君が目に入らないくらい、僕は彼女に目を奪われた。
いや、全神経を集中させた。
左近と多由也が手もなくやられたのは、まぐれでもなんでもない。
脚力が、大蛇丸様でもかなり身体強化に費やさないと出せない領域だ。
骨手裏剣は危なげなく捌かれ、『屍骨脈』の骨で防御しても、その隙間に小さな身体を滑り込ませて、僕の身体に手を伸ばしてくる。
触れられればどうなるか、左近と多由也がその命で教えてくれた。
今、右近、鬼童丸、次郎坊がサスケ君を相手している。
あちらはあちらで、一進一退。
さすがは大蛇丸様が次の肉体にと目を付けただけはあるか。
「ぐ、ゴホッ……!」
血の塊を吐く。
僕は死の病で、もうすぐ死ぬ定めにある。
せめて大蛇丸様の役に立ちたい。
大蛇丸様の次の肉体になれなかった代わりに、サスケ君を捕らえるか引き込みたい。
しかし、その願いはどうやら叶わないようだ。
子供のように小柄なのに、腕力も体術も桁違い。
噂に聞くマイト・ガイじゃあるまいに、あまりにも強過ぎる。
鉄を貫くはずの僕の骨が、彼女の握力に悲鳴を上げる。
新たな骨で貫こうとしても、回避される。
さっきから、この繰り返しだ。
僕が血継限界『屍骨脈』の防御力のおかげで生き長らえているに過ぎない。
こんなのは、そう、大蛇丸様と稽古をしているかのようだ。
少し前に、イタチや鬼鮫が襲撃して、猿飛ヒルゼン亡き後最大の脅威だった、はたけカカシを戦闘不能に追い込んだと聞いていたのに。
まだ、木の葉はこんな隠し玉を持っていたのか。
でも、時間稼ぎならできる。
血継限界『屍骨脈』の防御力を、彼女は抜けるわけではない。
骨を圧し折れるわけではない。
ならば、後は右近、鬼童丸、次郎坊が首尾よくサスケ君を捕らえて帰ってくれるのを祈るだけ。
そんな……。
意識をほんのわずかに思考に傾けた瞬間、僕の角に彼女の足袋をはいた足が触れ、視界が巡り、すぐ近くから鈍い音が響いた。
両腕で骨の防御を開き、2本の角に足を引っかけた少女の姿が、僕の見た最後の景色。
ごきり、と。
急速に意識が落ち込む中、大蛇丸様に対する謝罪の言葉を浮かべながら。
僕は、なぜか満足している自分に気が付いた。
――――語り部、薬師カブト
「なんてことだ。君麻呂がやられるとは……」
思わず呟き、術を発動して、3人の生き残りに撤収を命じる。
残念ながら、あのバケモノを倒す術がない以上、これ以上は戦力の無駄な損失にしかならない。
しかし、想定外だ。
滑里タケノコ。
体質的にチャクラをまともに練れず、才能と言えば足が速いだけ。
体術を徹底的に鍛えたおかげで、辛うじて中忍になれた、落ちこぼれ。
それが大蛇丸様が下した評価だった。
なのに、君麻呂の防御力を両腕の腕力でこじ開け、両足を突っ込んで、角に引っ掛けて首を折る。
最初に君麻呂の骨を軋ませていたのは、自分の腕力でこじ開けることができるかどうかを測っていたんだろう。
それなりに頭も働くようだ。
普段、犬猫や子供を相手に遊んでいる姿が目撃されることが多く、トレーニング時間を取れていないようだったため、完全に見誤っていた。
これは、大蛇丸様に報告して、早急に対応策を立てなければ。
――――
はい。『骨牢の隙間』取得。
プレイヤーが操作すればこんなもんです。
『立ち関節』がどれだけヤバいのか、ご理解いただけましたでしょうか?
素手で君麻呂の骨を握り潰せるナメコちゃんがヤバいだけ?
それもありますが、現時点でもマダラ相手に十分渡り合えるので、今後その辺を紹介していくことになるでしょう。
さて。
サスケェの里抜けイベントが、これでキャンセルされました。
条件を確認します。大蛇丸と同等以上の使い手が、自来也と綱手以外に里に所属していることです。
この辺は知ってる人が多いと思いますので、詳しくは割愛しますけど。
これによって原作の流れに不具合が生じます。
イタチ戦の際、大蛇丸ソウルの横槍がないと、サスケェの勝ち筋がありません。
大蛇丸が野放しになります。
ダンゾウがサスケェを殺しに来ます。
初期の暁戦で、特にデイダラ戦がクッソ不利になったり。
まあ、サスケェを万華鏡写輪眼なしでイタチを倒せるレベルにすることで、全部解消できますけど。
万華鏡写輪眼の開眼イベントも、サスケが1対1でイタチを倒せばオッケーです。
サスケとナルトの戦いも、この世界線では模擬戦レベルになります。
ここからナルト少年編終了まで、大したイベントはありません。
綱手が五代目に就任するくらいです。
えー。
サクラが綱手。
ナルトが自来也。
サスケェがカカシとナメコちゃん。
という形で、それぞれ修行することになります。
――――語り部、うちはサスケ
五代目の治療で復帰したカカシから、滑里タケノコのことを聞いた。
信じられないことに、カカシと同い年らしい。並ぶと大人と子供なのに。
そして、中忍なのは確か。
その理由というのは、素行不良とかではなく、単に言葉での意思疎通ができないから。
動物の鳴き真似で感情を表現するし、言葉も理解するし、読み書きもできるが、声で言葉を発するとなると、相当な集中力が必要だとか。
上忍になるには、下忍や中忍を指揮する能力を要求されるため、戦闘力はあっても中忍のまま。
そういうことらしい。
さらに、チャクラで身体強化しない理由は、俺が弱いとかじゃなく、単にすぐガス欠するからだ。
並の忍に比しても、チャクラ量が低いという、致命的な弱点がある。
体術するにも見ての通り身長が伸びず、俺より背が低いという有様。
唯一、俺より才能があると言えるのは、父親から受け継いだ、脚力。
彼女が使う体術は、宵闇流柔術という暗殺術。
敵の関節を一瞬で極めて折ることに特化した体術で、これを極めた上で奇襲戦術に活用することで、里でも有数の戦闘能力を誇るんだとか。
ただ、感知能力はそれほどでもないため、感知能力に優れた山中一族の者、山中マネとコンビを組んでいる。
「昨日、確認のために手合わせしたら、有数どころじゃないことが分かったよ」
「勝てなかったのか?」
「ま、そういうことだ」
実は、普通に戦ってカカシより強いとは、上層部も把握していなかったらしい。
だから、ずっと奇襲、待ち伏せ専門の忍として任務が割り当てられていたという。
この間の音忍の襲撃の際、骨を使う奴が出てきて、それを割とあっさり倒すのを、山中マネが見ていた。
残された骨なんかを調査して検証した結果、タケノコが、戦闘力だけなら下手すると里で随一である可能性が出てきたとか。
自分の里の中忍の実力を上層部が把握できてなかったってのは、なかなか間抜けな話だ。
「ところで、宵闇流っていうのは、俺でもできるのか?」
「才能はあるだろうな。でも、サスケの他の才能を潰して特化することになる。
タケノコちゃんは他に道がなかったからやったが、それでも10年以上かかった。
サスケには十分、他の道がある。それを捨てることはない」
「そうか……」
「とはいえ、タケノコには任務の合間に、サスケの稽古相手をやってもらうつもりだ。
タケノコ相手に普通に戦えるようになるだけで、サスケの手でイタチを倒せる可能性は十分ある」
「……わかった。けど、タケノコってどんだけバケモンなんだ?」
「下手すると大蛇丸とか、自来也様とか、あの辺」
「……なるほど」
宵闇流そのものを、でなくとも、十分に俺の糧にできるってことか。
――――語り部、大蛇丸
サスケ君の獲得に失敗した。
良い感じに里抜けを煽ってきたっていうのに、嫌になるわねえ。
最大の原因は、この私が滑里タケノコを読み誤ったことなんだけど。
君麻呂をねえ、1対1で、しかも体術で殺したっていうのよ。
足の速さしか取り柄のない滑里の、しかも身体強化もまともに使えない落ちこぼれが!
イライラするわ。
ああ本当に、イライラするわ。
しかも、三代目のジジイに両腕を封じられ、術が使えない今の私では、殺せそうにないじゃないの。
イタチの肉体を奪う計画も失敗するし、本当に、嫌になってくるわ。
滑里タケノコ、いずれ殺してあげるから、覚えておきなさいよ。
宵闇流っていうのは、適当につけました。
ナメコちゃんのやつは、オリジナルの宵闇流とは大分違う、我流が入っています。