「失礼します」
「見ない顔だな?」
「1-Dの東堂 蓮です…先輩達とカードで賭けをしに来ました」
俺が訪れたのは遊戯部の部室で、他にも賭けをしている部活も多いと思うけれど、ひと勝負の時間やマップに表示される部員数が多かったのが理由だ…
「ほお…入学初日に賭けをしにくるとは驚きだな。因みに今やってるカードのグループはポーカーとブラックジャックだがどっちが良い?」
「ではポーカーでお願いします」
「分かった。ならここに座れば良い…レートは最低5,000ptで、今日支給されたばっかだろうからMAX100,000ptで行くが良いか?」
「是非お願いします」
3人の先輩達とポーカーを始めたのだが、俺には運気上昇・第六感スキルが存在する上に、鑑定眼で相手の手札が丸わかりと言うインチキまで存在している…
当然ではあるが、賭けとして勝率は8割を超えると言う事もあり、第1グループ・第2グループ・第3グループとポーカーを行なったが、最初のグループのMAXレートが100,000pt、第2は200,000ptに上がり第3は上限無しと言う状態だった…
第1グループ
1.レイズ 100,000 ○ 獲得125,000pt
2.コール 55,000 ○ 獲得170,000pt
3.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
4.レイズ 100,000 ○ 獲得150,000pt
5.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
6.コール 100,000 ○ 獲得170,000pt
7.コール 50,000 ○ 獲得100,000pt
8.コール 100,000 ○ 獲得205,000pt
9.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
プラス 955,000pt
第2グループ
1.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
2.レイズ 200,000 ○ 獲得225,000pt
3.コール 50,000 ● 損失 50,000pt
4.コール 150,000 ○ 獲得415,000pt
5.レイズ 100,000 ○ 獲得 70,000pt
プラス 655,000pt
第3グループ
1.コール 150,000 ● 損失150,000pt
2.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
3.レイズ 300,000 ○ 獲得450,000pt
4.コール 170,000 ○ 獲得245,000pt
5.ドロップ 5,000 ● 損失 5,000pt
6.コール 200,000 ○ 獲得340,000pt
7.レイズ 400,000 ○ 獲得505,000pt
プラス 1,380,000pt
獲得2,990,000pt
残高3,090,000pt
遊戯部の3分の1から搾り取った俺は、次回来るなら別メンバーでカード以外を使用と誘われた為、遊戯部の部長さんと連絡先を交換してから俺は帰路に着いた…
ポーカーのひと勝負が非常に早い為、まだあれから1時間半しか経って居ない事に気が付いた。遅めの昼食は面倒だからと学食に向かった…
既に1時を回っていた為か、生徒数はかなり少なくなって来て居る。食券を販売機で購入しようと並んでいると、俺の前のお団子頭の女生徒が荷物から支払いに使う端末を探している様だ…
「どうかしましたか?」
「あっごめんなさい。端末を生徒会室に忘れたみたいです…」
「何を注文されるんですか?」
「えっ? 日替わり定食です…」
ピッ
俺はお団子頭の女生徒が注文予定の食券を買うと、彼女に差し出しながら自分のメニューを考えていると、彼女は目を見開き動揺している様だった…
「どうぞ…俺は…天丼にしようかな」
「えっ⁉︎でも…」
「もう買っちゃいましたから気にしないで下さい」
「では後でお返しします。ありがとうございます…私は3-Aの橘 茜と申します。名前を伺っても?」
「分かりました。俺は1-Dの東堂 蓮です…橘先輩は生徒会役員何ですか?」
俺たちは料理を待ちながらたわい無い話しに花を咲かせて居ると、入学式で見かけた生徒会長が後ろから話し掛けて来た。
「橘…端末を生徒会室に忘れて居たぞ」
「すみません会長」
「構わんが気を付けろ…それにしても見かけない生徒だが後輩か?」
「会長⁉︎彼は1-Dの生徒で「東堂 蓮です」…先程困っていた所を彼が助けてくれたんです」
「そうか…1年生がこの様な時間に食堂に居るとは…東堂と言ったか、お前はこの学校をどう見る…」
(この人…会長になるべくしてなったって感じだな)
「……自治国家ですね」
「ふっ…面白い。橘…確か会計の席が空席だったな?」
「かっ会長⁉︎確かに空席ですが…」
「何だ?不服か?」
「いっいえ…会長がそうお決めになられるのでしたら…」
「…どうだ…東堂。生徒会に入らないか?」
「確かにそれも面白いかも知れませんね……ただし条件があります。基本は在宅ワークで週1は生徒会室勤務と言う事でお願いします…当然忙しい時期などは多く生徒会に顔を出しますが…それで宜しければ生徒会に入らせて頂きます」
俺の発言に顔色一つ変えない生徒会長とは正反対で、橘先輩は目を見開き俺の発言に驚愕している様子だった…
「ああ、それで構わん。明日には担任に生徒会役員の書類を渡しておく…放課後には担任に提出しておいてくれ」
「分かりました。では今後とも宜しくお願いします堀北会長」
「ああ…私はまだやる事があるのでこれで失礼する」
その後は会長は立ち去り、橘先輩と一緒に昼食を取る事にした。生徒会での主な役割や会計の負担する内容なども説明して貰ったが、生徒会の権力がいかに大きい物かが分かってしまう程、学校の根幹に触れる権利があるようだった…
・生徒会には特別報酬が存在するが他言は禁止
・生徒会は主に学校行事以外に特別試験の公平性の監視、校則違反やルール違反のペナルティーの内容決めなど…
・会計は生徒間と教師からのポイント譲渡に不正が無いかを確認する業務や、年間の特別試験でのボーナスポイントの妥当な金額設定も行う…
今後も多くの情報が、生徒会役員には優先的に入って来る事を考えると、今日会長と出会った事も運気上昇の効果の可能性は充分あり得るだろうな…
橘先輩とは連絡先を交換してその場で解散した…俺はその足で今後に備えて必要そうな物を買い物に出掛けた。電気屋とホームセンターで諜報員時代は当然持っていた盗聴器・小型カメラ・ボイスレコーダー・ハイスペックPC・ピッキングキット・変装セットなどを用意していった…
当然だが特殊な物は自作で工作するしか無いが、俺は自分のスキルである事が出来る事に気が付いた。購入した物は自室に運び込んでからアイテムボックスに殆どを仕舞い込み、気付いた事を実行に移して見ることにした…
【隠密】【アイテムボックス】【マップ】【身体能力向上】【魔術】
これらのスキルを使って俺は学外に容易く出ると、学校から割と近いある埠頭の倉庫にやって来た…
そこには某国系マフィアの倉庫があり、20人以上の警備が存在する様だが、魔術にマップがあれば警備はあって無いような物だ…
倉庫がある埠頭に向かうのも魔術で海中を歩行して向かい、マップで警備を全員把握して魔術で眠らせた。そこに有った銃火器や諜報様に使えそうな機材はアイテムボックスに入れ、金庫の中身も全て収納させてから俺はその場を立ち去った…
彼らが持っていた集音器・変声機・高性能ドローン・自白剤・暗視スコープ・高性能双眼鏡・セキュリティーハック機材一式など、マフィアが持っているにはおかしな物が多い。
もしかすると諜報機関のアジトとして、カモフラージュでマフィアの様に振る舞っていたのか?だがマップスキルでマフィアと出ていたので間違いは無いと思うが。
ひとまずこの件はこれで終わりにして、本当の目的であるマフィアから貰ったお金で変装用の服(女物)と化粧品を購入して、学校へと向かう。寮に戻る際は、行きと同じ様に【隠密】【魔術】を使って監視カメラに映らない様に徹底して帰宅する。
翌朝教室に着くと、半数以上のクラスメイトは既に教室にいる様なのだが、皆は昨日話をした茶柱先生の言った事を相談して居る。自分の席に向かっていると、昨日自己紹介した平田が俺に話し掛けて来た
「おはよう東堂君。昨日の件で少し君の意見が聞きたいんだけど良いかな?」
「構わない。何が聞きたい?」
「東堂君が考えてるポイントの増減される行為を聞かせて欲しい」
「ああ分かった。まず難しく考えずに学生の本分を全うする事、授業の私語に端末操作など小中学校で言われて来た駄目だとされる行為は減額対象だろうな。もう一点言うならば、私生活での言動も当然減額対象に含まれるだろうと考えてる」
「そっか。ありがとう、参考にさせて貰うよ」
「気にするな」
俺は平田と話し終わると自分の席に着く、堀北は相変わらず本を読んで誰とも会話をしていない様で、どこか自分の殻に篭っている様にさえ見えてしまう。
俺自身も端末操作をしながら周囲のクラスメイトを観察して行くが、2日目ではあるが既に一部でグループが出来ており、平田グループ(平田・軽井沢・松下・佐藤・篠原)櫛田グループ(櫛田・井の頭・王)池グループ(池・山内・須藤・外村)と言った感じに形成されて居る
。
俺の右側に目をやると、目線を誰にも合わない様に机に向ける佐倉が目に入った。俺はマップで一方的に名前を知って居るが、本人は俺の名前を覚えているかは定かで無い、それに佐倉の場合は人に極端に臆病な様だ…
「おはよう。佐倉」
「えっ⁉︎…おっお…「ゆっくりで良いからな」おっおはよう。東堂君」
「急に話し掛けた所為でビックリさせて悪いな、佐倉が会話が苦手そうだと分かっていたが、折角だからせめて少しは会話出来るようになりたかったからな」
「うっうんん。東堂君の目は優しいですから、ほっ他の人よりは平気です」
「そうか?俺自身は意識した事無いから分からないが、そう言われて悪い気はしないな。佐倉は昨日は直ぐ寮に帰ったのか?」
「うっうん。はっ初めての場所だから不安で、きょ今日必要な物を買いに行く予定です」
「良かったら一緒に回るか?少しでも知ってる相手が居た方が不安は和らぐだろうからな」
「え⁉︎えっと…よっよろしくお願いします」
「ああ、こちらこそ。一応連絡先を教えておくが、不安なら俺には教えなくてもいいからな」
「うっうんん。大丈夫です、とっ東堂君は悪い人じゃないって思います」
佐倉が先程より声に力を込めて発した事に驚いて居ると、茶柱先生が教室に入って来たので会話を終了する。最後尾の座席の為、クラスメイトが1名まだ登校していないのが直ぐに分かったが、その場所は須藤の席だと分かると容易に遅刻だと想像が出来た。
結局須藤が登校して来たのは1限の中頃で、SHRの後に平田が皆にポイント増減の原因になり得る行為を説明していた為、クラスメイト達は須藤に対して冷ややかな目で見ていた。
授業後に平田が須藤にも先刻話した内容を伝えたが「俺の行動に指図すんじゃねぇ」との事で、一切取り合わずクラスメイトから高円寺以上に嫌われている。
放課後になり俺は約束通り佐倉の買い物に付き合う。
「じゃあ何処から行く?」
「じゃじゃあ、食器とか洗剤が売ってる場所でお願いします」
「了解。佐倉は何か趣味とかあるのか?」
「しゅ趣味は…しゃ写真です。東堂君は?」
「写真か、良い趣味だな。俺は余り褒められない趣味だが人の思考を読んだりする事かな。相手のクセや言動、趣味嗜好で相手の考えを勝手に妄想するのが趣味って言うかなり変わった人間だ。佐倉の思考もある程度なら当てられるぞ」
「えっ⁉︎」
「まず佐倉の人と接する事への苦手意識は、元々内向的な面と自分の容姿が原因だと予測してる「えっ」佐倉の眼鏡はレンズに度が入っていない事から伊達眼鏡だと分かるし、普段から顔を見られない様に俯きがちな事が多い…後は素顔が可愛いからな」
俺の言葉を聞くとゆでダコの様に真っ赤になり「かっ可愛い」と言う言葉を連呼している。
「ただ素顔が可愛いだけでそこまでならないと俺は予想してた、そこで先程の趣味を聞いた際に、佐倉は何処か隠したいと言う雰囲気があった事から、恐らく写真がキーワードになると読んでるよ」
「そっその…私は」
「心配しなくて良い。佐倉が何かを隠してたとしてそれは人としてとても普通の事だからな。もし佐倉が困ったら言ってくれたら助けてあげるからな?この学校では予測出来ない事が起きる可能性は多いにあるんだからな」
「あっありがとう…ございます//」
佐倉と生活必需品を買った後、家電量販店へと向かい一緒にカメラを見る事になった。佐倉は極力ポイントを使わずにカメラが欲しい様なので、そこまで高性能なカメラでは無いが20,000pt程のデジカメを購入することにした。
会計する為に彼女とレジに行くと、量販店の店員は佐倉を舐める様に見ている所為で、彼女はかなり萎縮してしまっている。俺は店員の余りにも従業員らしからぬ行動に不信感を抱き彼女に話し掛けた。
「君は先に店の前に行ってて」
「えっ⁉︎」
「ちょちょっと君⁉︎まだ会計が終わって無いんだから困るよ」
「俺が払うんで問題無いでしょう?」
「かっ買うのは彼女何だから駄目に決まってる⁉︎」
佐倉は今すぐその場を去りたい気持ちがあったので、俺が彼女の背中を押すと走ってお店の外へ出て行った。店員はイライラし出して俺に怒りを露わにして来た…俺が小型カメラで撮影してると知らずに。
「いっいい加減にしてくれないかな君!ぼっ僕の仕事の邪魔をしないでくれないかな」
「仕事の邪魔?女子高生を舐める様に視姦して、購入する際に彼女の端末を覗き込みたかっただけだろ⁉︎」
「なっ何言ってるんだ貴様は。ぼっ僕がそんな事するわけ無いじゃ無いか、何を証拠に君はそんな事を言ってるんだ!」
「ここ見てください、小型カメラですよ。貴方が発言した事や行動は全て記録されてます…っ」
俺の言葉を聞いた店員は、無理矢理小型カメラを奪い取ろうとレジ向こうから乗り上げ気味に掴みかかって来た。俺が店員の腕を弾くと、逆上して側にあった丸椅子を持ち上げ何を思ったのか殴りかかって来たのだ。
「こっこのっこのぉぉ糞がぁぁ」
「見苦しいな」
俺はレジを乗り越えて来た店員と距離を詰めて、椅子で殴れない位置に迫ると脚を払いそのまま腕と首を極めて相手を絞め落とした。店員は白目を向いて気絶した様なので、俺はすぐさま茶柱先生へと対応の指示を仰いだ…
その後は結構大変だったが、茶柱先生も15分と言う速さで駆け付けてくれ、佐倉と一緒に事情を説明した上で動画の提出も済ませた。茶柱先生には「何事も無くて良かったが余り無茶をするな」と言われた後に「佐倉を良く守った」そう言われてついつい昔を思い出してしまう
佐倉と一緒に寮に帰っている間は殆ど無言だった為、別れ際に「佐倉が危険に会わなくて良かった」そう言うと泣きながらありがとうと何度も言って来た。
不安な気持ちで自分の部屋で一人きりはキツイと思い、部屋に着いたら直ぐに電話してくる様に言ってお互いの部屋へと帰った。
翌朝はスキルのお陰で寝不足にはなって居ないが、佐倉が寝付いたのは午前3時過ぎだった。【体力回復向上】のお陰で睡眠が無くても数日行けるのではと思ってしまう程だった。それと電話する事で分かったが、佐倉は電話だと結構普通に話ができる様でかなりおしゃべりだとわかった。
佐倉 愛里
『雫』と言う源氏名でグラビアアイドルを中学2年からやっているらしく、今では某週刊雑誌などにも掲載されている若年層で人気急上昇中のタレントだ。本校在学中は活動を自粛することを『海外留学の為』としているらしい。
学力:B
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