流星の軌跡   作:Fiery

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 願った世界を垣間見た。
 この手から零れ落ちてしまったものが、笑っている世界を見た。
 この手に残ったものも、皆が笑っている世界があった。

『……なんでだよ』

 諦めたくなかった。
 それでも、力が足りなかったからできる限りの最善を為したと、そう思っていた。
 納得などしたくなかったけど、そう理解できてしまったから……

『なんでなんだよ』

 それが、ただ一つのピースだけで為せてしまったのだと、見せつけられた。
 理解できない。納得などできはしない。それならば何故、お前はあの世界に居なかった。
 こっちの残った人達が居て、取りこぼした人たち皆が居て……何故お前だけいない。

『それだけでなんで! 皆いるんだ!?』

 口から出たのは慟哭か。憤怒か。わからない。
 ただこれは、とてもとても自分勝手な願いなんだろう。
 でも、そんな自分勝手な願いこそ、最も欲する答えなんだと理解した。

 目の前に、黄金に輝く何かが現れる。

《汝、その身に欲する願いはあるか?》

 囁かれた声に身を委ね、俺はそれを掴み取った――


 件の如く微小特異点の反応を検知したカルデアは、そこで紫の衣に身を包んだ少女と出会う。
 何もかもを知っているような少女が願うのはただ一つ。

『この世界の、英雄と呼ばれた男を止めて』

 少女の口から語られるのは、英雄が見てしまった可能性。そして、それに焦がれた男の末路。それはとてもありふれた願いを夢見た男へと突き付ける、残酷なまでの現実。

『何故否定する。これは、皆が夢見る優しい世界だ』

 英雄と呼ばれた男はそう嘯いた。

『そうだね。そういう世界だったらいいと、皆が一度は願う世界』
『でもね?』

 それを、少女は否定する。
 その夢の優しさを知りながら。真っ直ぐと向き合いながら、否定する。


異聞特異点・多重仮想連結世界《ザ・シードネクサス》


《夜天切り裂く、目覚めの星》


『アンタがそれに溺れたら……全部が報われないよ』

 夢は、英雄の目覚めを待っている。


※前書きは内容に一切関係ありません。


何かを呼び寄せる奴が複数居て、こうならないはずはない(哲学

 

「なぁラン……こっちじゃインディか。ここにいる奴等ってのは、どんなもんなんだ?」

 

 リョウゲツ達が格納庫内に向かってから、残ったインディらは乗ってきた車両を格納庫外へと移動させ、周辺警戒へと態勢を移行した。その中で銃初体験のアリスとユージオに銃器の扱いを教えるインディに、クラインが周辺を見渡しながら問いかける。

 

「カテゴリー的には車両ですね。その中で《マシンナーズ・アニマ》という分類になります」

「《マシンナーズ・アニマ》?」

「直訳すれば機械生命体、でしょうか。情報公開されてからそれほど経ってないので、情報自体はそこまで。種類としては様々居るという話ですが……確認できているのは、サソリ型。犬や狼のような四足歩行型。そして、格納庫内で見えただけですが恐竜型が居ます」

「強さは、インディたちが全力で掛かってギリギリだった、つー話だよな」

「初見撃破は幸運でした。その後で撃破して出た素材を調べて、一応対策はしてからの今回の事ですね」

 

 彼らもノリと勢いでここまで来たわけでは決してない。入念な事前準備と可能な限りの情報収集は、SAOにおいてはまさに死活問題だった。そのSAOを最前線で生き抜いた男がそれをしない事はあり得ず、彼の薫陶はそのパートナーや義妹達にも引き継がれている。

 だからこそ、未知への対策はこれ以上なく講じている。初見の突発戦闘への対応も必要不可欠な能力だが、通常のVRMMOならばこの事前準備と情報収集の比率が高いだろう。

 

 そもそもリョウゲツ達五人で、この格納庫を攻略する準備は整っていた。出来るかどうかは未知数ではあるが、算段がついていたのは装備を見れば一目瞭然である。そこに、身近で最も強いプレイヤーであるキリトを組み込んで盤石にする……リョウゲツにとってはキリトの罰ゲームという名目が八割だが、二割はそんな打算があった。

 

「大丈夫なの? キリトもアスナも、GGOの経験はほとんどないでしょ?」

 

 興味津々で様々な銃を弄っていたリズベットが顔を上げ、思っていた疑問を口にする。ダンジョンに限らず、攻略についてはメンバーの連携が必要不可欠。その点において長い付き合いがあるとはいえ、キリトとアスナの二人はリョウゲツ達ライトニング分隊にとっては誤解を恐れずに言えば異物。

 連携に支障をきたす可能性がゼロではない二人を、インディが抜けた為にしょうがないとはいえ、加えての探索に不安は残る。

 

「以前のスクワッド・ジャムでアスナさんとは連携訓練はしましたし、キリトさんについては運用方法が近接一本ですから……それも兄さんとコットンがフォローするというので、問題は無いですよ」

「かなりガチだな……そんだけのもんがこの格納庫にあるのか?」

「さぁ……?」

 

 インディの返答にクラインとリズベットがずっこけた。

 事実として、ここにあるであろう《マシンナーズ・アニマ》の数は膨大だ。全て得られればちょっと引くぐらいの利益が見込める可能性だってある。しかしリョウゲツ達は()()()()を考えてここに来たわけでは無い。

 

「まぁあると言えば、『面白そうだから』ですよ。ついでに言うとこれ、兄さんとストレアさんのリハビリも兼ねてますから」

「……あー、本当に忘れちゃうけどあの二人、二十年アンダーワールドに居たんだったわ。そっか……純粋に冒険(ゲーム)を楽しむ事を思い出す、か」

 

 忘れていた、と言わんばかりにリズベットが自身の額を押さえる。リハビリがてらのゲームプレイには彼女も付き合い、そこで以前よりもキレの増した動きを見てその事実が抜け落ちていたのだ。

 ちなみにその動きを見ても『まぁあいつだし……』で流された。

 

「あいつらってそんな深刻なのか?」

「日常生活は問題ありませんけど、ゲームに関しては急にスイッチ入る事がまだありますから。心意技を使えないのに使おうとして一瞬動きが止まったり」

「……そんな事あった?」

「兄さんに関しては義姉さん以外気付かないレベルですよ。ストレアさんに関してはわたし達でも気付けましたけど」

「ツッコミどころが多すぎるから限定して?」

 

 意味が解らん、というリズベットの雰囲気にクラインも同意する。それで問題になるのはバカップルの連携だけだと思って、割と致命的だと言う事に気付く。

 

「だからこれでリハビリなんだ」

「ですね。付き合ってもらうアスナさんには非常に申し訳ないですが……」

「キリの字はまぁ、罰ゲームだからなぁ……」

 

 そうして談笑する三人の所へ、一通り銃を撃ち終えたアリスとユージオが顔を出す。

 

「リハビリとは……?」

「あぁ、難しく言うと機能回復訓練です。要は慣らしですね」

「なるほど……まだ、リョウもストレアも本調子ではないのですか」

「まったくの新規ゲームなら良かったんですけど、慣れ親しんだGGOなので……兄さんは二十年でストレアさんは三十五年ですか。それだけの積み重ねを補正するのは、適応力が桁違いの二人でも難しいという話です」

「実戦で取り戻す、と?」

「荒療治ですけどね」

 

 困った二人ですよ、という義妹の表情はどこか楽しそうに見えた。

 

 

 

 

 

 

 格納庫らしきダンジョンの《B1》エリアは、特筆するものが無いエリアだった。円柱状になっているフロアの中央に機獣……《マシンナーズ・アニマ》用の昇降機があり、それを囲むように設けられた格納スペースに、機獣達が格納されている。昆虫型……サソリや芋虫、蜘蛛にカブトムシやクワガタ。四足歩行型には狼や犬、狐に猫にライオン、虎なども居た。そして少数の恐竜型に、変わり種で言えばエイやシュモクザメ、ゴリラ型もあった。

 

 格納スペースばかりで探索できそうな部屋が無いと判断した一行は、続いて《B2》エリアへと降りた。そこはB1よりも遥かに広く、形状も円柱……かどうかも判別できないくらいに広い。

 ここに格納されている機獣らしきもの……B1に居た個体よりも遥かに大きい為に同じ物かどうかイマイチ判断に困るそれらも、この場所に相応しい程度に巨大だ。

 

「いやでけーよ。さっきまでの奴のもデカかったけどさ」

 

 ストレアが真顔で言うのも仕方ない。地下であるはずなのに、かなり遠近感が狂う光景を見せられているのだから。

 B2には幸い……と言って良いかわからないが、一行が使った昇降機のすぐ横に扉があり、そこはこのエリアの詳細マップと映像が投影されているホロウィンドウ。そして色々と操作できそうな操作盤が並んでいた。

 

「どうする?」

「マッピングはアスナとウタ。操作盤はストレア。映像で何かあるか調べるのは残り三人で」

「ギミックあったらどうすんの? 兄貴」

「丸裸にしていいぞ。情報売って稼ぐわ」

 

 ウェーイ! と早速操作盤に飛びつくストレア。テンションが壊れ気味なのは、久しぶりに『制限なし』で解析していいと言われたからである。

 そんな彼女を温い目で見送って、残りの五人はそれぞれの作業へ入る。

 

「いいのか?」

「問題ねぇよ。あいつにもストレス溜めさせてるしな」

「ストレス?」

 

 妹の問いかけに兄は苦笑をこぼす。

 コットンの視点から見れば、ストレアは色んな事を満喫しているようでストレスとは無縁に見える。なっていそうなものと言えば、本人があーだこーだ言うアリスとの接触位なもので、それも自分から見ればじゃれ合いの範囲にしか見えていない。

 

「俺らの学校が始まってから、あいつは基本家にいるんだよ。父さんと母さんも気に掛けてくれるけど、特に父さんは家に居ない事が多い。アリスとユージオに絡みに行くわけにもいかないから、一人で色々やってはいるんだが」

「あー……掲示板巡りもその一環か」

「性には合わないらしいがな。んで、こうして皆でバカする方があいつにとっちゃ一番楽しいって話だよ」

「へー……お兄ちゃんよく見てるね」

「もう何年あいつと兄妹してると思ってるんだ……」

 

 リョウゲツの声音は溜息交じりでも、その目は映像へと向けられている。コットンが彼の先の発言に不満そうに頬を膨らませているのは、キリトだけが見ていた。

 切り替えられていく映像の中には、巨大な《マシンナーズ・アニマ》達。実際に見たサイズから考えると、最低でも数十人は乗れそうな拠点型のように見えるもの達ばかりが映っていた。

 

「これはクジラ……か。こっちはエビ……じゃねぇな。ロブスターか」

「カメもあるな。んで、ヒトデ……ヒトデ? 何で?」

「カタツムリとペンギンだー……大きさ以外はそれっぽくて可愛いけど」

「三人とも気になる事言い過ぎじゃない?」

 

 マップデータを早々と手持ちの端末に入れたのか、アスナが合流してくる。ウタの方はストレアの方に顔を出し、何やら一緒に操作をしている様子だ。

 

「これって、何というか……母艦?」

「上の奴らを積んで運ぶタイプだろうなぁ……上の一番デカい奴でも積めるだろ」

「飛ぶのかな?」

「形状的には飛ばないとどう移動するんだよって奴もあるしな……」

 

 ヒトデとか、とキリトに言われて三人は頷く。それを言うとカメも脚部を引っ込めて飛びそうだなとリョウゲツは考えたが、それだと機体自体が回って中が悲惨になるので考える事を止めた。

 

「ぜんいんしゅうごーう」

 

 映像を見ながらあーだこーだと言っていれば、パンパンと手を叩いてストレアが全員を呼び集めた。ストレアとウタの背後にある、部屋の中で一際大きなモニターにはB2でもB1でもない場所の映像が出ていた。

 

「それは?」

「説明の前に、このダンジョンの概要説明ね。このダンジョンはまぁ、予想通り格納庫だよ。ただし地球外生命体を利用した兵器のね」

「地球外生命体」

「《マシンナーズ・アニマ》ってのは車両分類の名称で、その設定は公式や情報サイトで語られてなかったが……」

「まぁ地球で色々やってて、皆宇宙に出たから放置されて、戻ってきた人類が見たものは……って感じだねー。それが引き出せた設定で、ギミックについては殆どない。精々がそれこそ、この階と上に居る《マシンナーズ・アニマ》のテイムくらい」

「テイム……え、捕獲とかじゃなくてテイムなの? この機獣達」

 

 コットンが聞き返せば、ストレアは頷いた。

 それを知っていれば一番の適任(シリカ)を連れてきたというのに……とリョウゲツは考えて、まぁ後で連れてくればいいやと思い直す。

 

「それで、その映像は?」

「ボス」

 

 キリトの質問に、二文字の単語で答えられた。

 単語の意味は理解できる。ゲーマーにとっては馴染みの言葉であり、その映像に()()()()()《マシンナーズ・アニマ》の事だろうと容易に想像はつく。

 

 ただし、映像のそれは現在進行形で目の部分であろう所が光り、動いているのは完全にアウトだろうと、この場に居る全員の勘が告げていた。

 

 

――…ギャオォォォォォォォン!!!

 

 

 下層から、巨獣の咆哮が響く。

 それだけで、この格納庫全体が揺れた。

 

「えー、ストレア?」

「アタシ達が侵入した時点で待機状態だったみたいで、ここに来た時点で強制ボス戦でっす☆」

「くたばれ《ザスカー》」

 

 リョウゲツの言葉を掻き消すように、自分達の車両に積んだそれと同じ光が、それの数倍の大きさを伴って下から天へと施設を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 強制ボス戦に入る少し前。

 地上で待機していたメンバーのシリカとリーファは、現状に少し困惑していた。

 

「えぇっと……どういう事なんですかね?」

「あたしに言われてもなぁ……」

 

 格納庫から少し離れ、索敵の為に岩山を少し迂回した所で、ばったりと二体の機獣に遭遇。流石にマズいと転進しようとして、その機獣達の様子が自分達を追いかけていたものと違う事にシリカが気が付いた。

 青色をベースに、白のラインが入ったライオンのタテガミを思い起こさせる造形をしたライオン型機獣と、白い装甲を纏った青いライオン型よりはスマートな印象のライオン型機獣。その二機は二人を確認して、目が合っているにも拘らず襲ってこないのだ。

 

 しばらく見つめ合えば、ゆっくりと二体が二人に近づいてきて青いライオン型はシリカの前で、白いライオン型はリーファの前で『伏せ』の姿勢をとった。それが何を意味しているかよくわからないからこそ、二人は困惑している。

 

「シリカちゃん、何かした?」

「何もしてないですよ!? あたしが何かしたみたいに言うならリーファさんだって!」

「いや、あたし達の中でテイマーなのってシリカちゃんだけだから……」

「見学用の新規アカウントですから、SAO時代のスキルとかも一切ないんですよぅ」

「それだと完全にテイム関係がプレイヤースキルになっているんじゃ……?」

 

 話をしながらも、二人は機獣達の様子を伺うが二機が危害を加えてくるような事はない。大人しくしているのが何故かもわからない為、あまり迂闊な事は出来ないがとりあえず二人は、それぞれの前に居る機獣に触れてみる。

 体勢こそ伏せのままだが、二機はそれに反応したのか頭部にあるハッチを開いた。覗いてみればその中にはプレイヤー一人が十分に入れるスペースが存在する。

 

「……乗れって事ですかね?」

「そもそもこれ乗れるの? 確かにそういうコックピットみたいには見えるけど……」

「じゃああたしが乗ってみますね」

 

 てやっ、と可愛い気合と共に飛び乗れば、自動でハッチが閉まって青ライオンが四本の足で立ち上がる。こういう時の度胸は人一倍……いや、SAO生還者としてはデフォルトなのかもしれない。

 

「し、シリカちゃーん!?」

『あ、大丈夫みたいです!』

「マジかー……乗れるんだ」

 

 コックピット内の音声がスピーカーから出ているのだろう。そして、外の声が中にも聞こえるらしく、いくつかの問答の後でリーファも白いライオンへと乗り込む。機械と生物が融合した外観に似合わず、コックピット部分は何とも機械的だ。操縦桿があり、各種スイッチやレバーなどもあるので、これを一から十まで自分で操縦する事も出来るのだろう。

 しかし二人にそこまでの操縦技量はない。仲間の誰かに任せようとも、誰もこの機体を操縦した事はないから意味がない。幸い、二機は二人に進んでテイムされたために指示に従ってくれる様子だ。ならばこのまま呼びかけながら合流するか、とシリカとリーファが相談していれば轟音と共に仲間の居る方角から立ち昇る光の柱が見えた。

 

「あれは……」

『あっちで何かあった、のかな?』

「かもしれません。いきましょうっ」

 

 シリカの声に応えるように、二機の機獣も声を上げる。

 伏せた状態から素早く立ち上がり、機獣達は二人が迂回してきた岩山をあっさりと駆け上がる。速度としては乗ってきた車両よりも速く感じるが、あれほどはコックピットは揺れない。

 それもあって速度を上げ、あっと言う間に格納庫まで戻って来てみれば、粒子砲による薙ぎ払いでも倒壊する事の無かった格納庫の建屋があった場所は大きく穴を空けている。その穴の横には乗ってきた車両が横転していて、ラン達が穴を覗き込んでいる。

 

『おーい、みなさーん!』

「この声はシリカさ……ん?」

 

 声を聴いて振り返ったラン、クライン、エギル、リズベット、アリスにユージオが一斉に目を見開く。仲間の声が聞こえたと思ったら、道中自分達に襲い掛かってきていた機獣の仲間がゆっくり近づいてくるのだから当然で、戦闘態勢を取っていないので困惑が強いのだろう。

 

『あたしもいるよー』

「白い方はリーファか」

「ALOのあのクラゲと言い……あいつも何か好かれてんなぁ」

「あー……それを言うとシリカはテイマーだから、何か納得できる……」

 

 SAO組が何とも微妙な表情に変わって二機を見て、アリスとユージオは視線が二機の間で行ったり来たり。その中で気を取り直したランが横転した車両を戻す事をお願いすれば、シリカの乗る青い機獣がその鼻先部分で器用に車両を元に戻す。

 

「操縦できるんですか!?」

『操縦というよりはこう、テイムしたモンスターに命令というかお願いするような感じというか……』

「シリカ、うちにテイマーはアンタしか居ないんだけど」

「ひょっとして、雨縁達と同じような存在と言う事でしょうか……」

「テイマーじゃないけど似たようなの居たぞ」

「……そう言えばそういう方面で話が弾んでたわね、シリカとアリス」

 

 ピナに興味を持ったアリスが、その主であるシリカと話す場面はよくある。片方はドラゴンテイマーで、もう片方は飛竜が相棒であった整合騎士。共通点のあった二人は仲間内でも仲良くなるのが早く、シリカからリズベットへ繋がり、そこからクラインやエギル達と縁が繋がっていった。

 

『それで、状況は?』

「見ての通り、格納庫が吹き飛びました。兄さん達との通信は回復出来ていませんが、スコードロンのリストを見る限り死亡はしていません。吹き飛んだ事が何某かのギミックによるものであるとするならば、考えられる可能性は内部の探索において失敗か成功した結果か」

「ボスに遭遇したか、って言うのを話してたのよ」

「でもこのザマじゃ俺らも突入できねぇって話だったんだが……」

 

 今度は違う意味で、六人の視線がシリカとリーファの乗る機獣に注がれる。それで察した二人は、是非もないとお互いに頷きあった。

 

『それじゃあ、あたしたちが!』

『行ってくるって事で!』

「それじゃあ私達も行きますよ! ユージオ!」

「お二人はわたし達と居残りなのでダメです」

 

 

 

 




別に誰かがトチったわけでもなく、来たらボス戦に行くという鬼畜仕様だっただけ。


おり主「なんかクッソ羨ましい事になってる」
きりと「いいなー。ロボいいなー」
ゆーじお「何で二人はそんな少年のような目をしているんだい……?」
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