地下迷宮を黒と蒼が疾走する。黒い剣と翠の槍が行く手を塞ぐモンスター達を嵐の様に薙ぎ払い、自身の疾走する道を拓く。大物のモンスターが現れてもキリトとオーリは視線すら合わせずに連携を取り、絶え間ない連続攻撃によって撃破していた。
「ぱ、パパとオーリさんが組むとこうなるんですね……」
その光景を、ユイは一歩引いた所で見ていた。父と慕うキリトと母と慕うアスナ、二人の友人であるオーリの事はSAOの時代から知っている。ほんの一時であったが、キリトとアスナの子として三人で過ごしていた時にオーリが訪ねてきた事もあり、その時に交流を持った。
彼の力量についてはSAO時代は見る事は無かったが、ALOにおけるアスナ救出戦にて初めて彼の戦いを見た。自分の目から見てもコミュニケーションを取る事……特に誰かに助けを求める事が苦手なキリトに助けを求められるだけの信頼を得ている事に納得できる戦いぶりだったと、ユイは回想する。
「勝手が変わってるからどうなるかと思ったが、意外とどうにかなるな」
「だな。ユイのナビも完璧だし、俺達もあの時よりはマシになってるだろ」
「教材で毎日10回以上殺されててわかんねぇ」
「何の教材やってんのか逆に興味出てくるわ」
一旦の安全地帯で、小休止としてレアな食材を使った携帯食をかじりながら雑談に興じる。この携帯食はアスナの料理スキルで作られた物であり、材料はキリトとオーリで取って来た物だ。ちなみにシノンはアスナほどではないが料理スキルは高い。一時期ダイブすればずっと料理スキル上げに時間を費やしていた事もあるくらいなので然もありなんと言った所で、動機としては『仮想世界でも旦那の胃袋を握るのは自分だ』との事だった。
「ここってSAOだとパーティ組んでくる所ですよね?」
「そうだな。この階層の適正としては、当時の攻略組で二パーティだったか」
「効率と安全マージンを考えた結果はそうだったな。レベリングしに来る奴は大体ソロかコンビだったけど」
緊張も気負った様子も無く、極自然に周囲を警戒しながら会話をする3人。出現するモンスターの強さとしては、今居る地下第5層でも上層の80階層程度はある。それを何でもないようにあっさりと倒してのけるキリトとオーリの2人はやはり、SAOのトッププレイヤーだったのだとユイは強く感じていた。
「そう言えば、あの文章の中の英雄って言うのはオーリさんの事でいいんですか?」
「あー……どうだろうな。SAOで茅場との最終決戦の場に居たのが英雄なら、俺以外にもキリトとアスナも該当するし、クリア時にユニークスキルを持ってたって事なら後7人はいるはずだ」
「《神聖剣》は茅場が持ってたから残りって事だよな」
「両方該当してるのがキリトと俺だけど、他の条件って事なら全く見当もつかないしALOでのことで英雄って言われるなら俺は多分該当しない」
「でもオーリさんだけが観察されていたのは事実ですし、オーリさんにしか無い物は何かありませんでしたか?」
「つってもなぁ……後言うなら『鎧の魔槍』くらいだろ。あれ魔剣だったし」
ただ、あれは最後の最後で茅場の一撃を受けた時に壊されてしまったなと、オーリは思い出す。それで致命傷を受けた直後にユニークスキル《天衣無縫》を何故か取得して食いしばって命を繋いだわけだ。
「むしろ俺観察して楽しいの……?」
「楽しいかどうかはわかりませんけど、データとしては有意義だと思います。正直オーリさんほど一度に複数の武器を使う人っていませんし、許容値ギリギリを攻めてますから」
「天然のデバッガーみたいな事やってんだなオーリ」
「仕様の限界を確認しないと、俺の場合戦闘スタイル的に死活問題だろうが」
「その戦闘スタイルで仕様の限界を突破する可能性があるのはお前だけなんだよなぁ」
結局いつもの通りに軽口を言い合って、2人は立ち上がる。
「さて、次の階層から本番だな」
「90層クラスのモンスターがわらわらと出るんだよなぁ。9層よりマシだったけど」
「いったいどんな魔窟だったんですか……」
「「それは行ってのお楽しみ」」
「絶対楽しくないですよねそれって!」
◇
振るわれる死神の大鎌に、手に持った両手持ちのメイスを叩き付ける事で軌道を逸らし、生じた隙に勢いを利用して叩き込む。骨の破片が飛び散り、地面に落ちれば光となって消えていく。最後の最後でトドメにその頭蓋を叩き割れば、死神『ザ・フェイタルサイズ』が光へと還っていった。それを見届けたオーリは後ろで控えていたキリトとユイを見る。
「時間かかったわ」
「単独で30分は充分早いと思うぞ」
「鎌もスキルも全部見切ってて、途中から本当に曲芸みたいでしたよ……」
地下第9層までたどり着いた3人は、初っ端から死神に出迎えられた。SAO時代はキリトとオーリの2人がかりで倒すのがやっとだったモンスターは時を経て、1人で倒せる相手になっている事に少し感動していたりする。
「ここに来てようやく成長を実感できたぞ、俺……」
「いや何でだよ。俺との戦績負け越してるからか?」
「712戦中354勝355敗3分なだけだし。何なら次は連勝するし」
「それSAO時代含めてほぼ毎日1日1回はデュエルしてた事になりますけど、どれだけ戦ってるんですか……」
メンチを切りあう2人を見て、ユイはため息を吐いた。ここはもう既に地獄の最下層なのに、調子の変わらない彼らは頼もしいのだが同時に呆れも出てくる。もっと緊張した方が良いのではないかと思うが、その実力を疑う事はもう不可能なので思うだけだ。
「もう! 最下層ですよ最下層! 早く行きましょう!」
「娘がパパの真面目な所見たいってよ」
「んじゃお前もちゃんとやれよ。お前がメインなんだから」
ははは、と笑いあった後、二人の表情が真剣なものに変わって空気が張り詰めていく。そのあまりの落差にユイですら一瞬認識を疑ってしまった。
「行くぞキリト」
「後ろは任せろ」
入口のエリアから同時に一歩踏み出す。その瞬間、遠くから轟音が轟いた。
「ひっ!? え、モンスターの反応が多数? どんどん増えて、ここに向かって……!?」
「仕様は変わらずだな」
「ユイ、隠れててくれ」
「はっ、はいっ!」
ユイがキリトのストレージに隠れると同時、広い通路の先から大量のモンスターが殺到してくる。小型も大型も、全てが100層並の強さを持つ……一部に至っては上回るモンスター。質も量も兼ね備えたそれらを、当時の2人は超えられなかった。こうしてある程度引き寄せて倒して逃げてを繰り返してレベリングをしていたのだ。
「「行くぞ!」」
それも今ならばという確信と共に、2人は更に踏み込んだ。キリトは片手剣の二刀流で、オーリは槍と片手剣の変則二刀流で、怪物達で構成される波濤の中へと飛び込む。互いに背中を預け合い、斬撃刺突に《体術》の殴打も駆使して突き進む。
「骨!」
「はいよっ!」
オーリが槍を仕舞って片手持ちのメイスを抜き打ち気味に取り出し、キリトに骨呼ばわりされた骸骨騎士を殴り飛ばす。この超高速の武装変更はSAO時代に鍛えた特技で、攻略組ならアイテムを使用する際にこのストレージからの高速抜き打ちを使っていた。それを『瞬時の武装変更』レベルで使えるのは極少数ではあるのだが。
「これ減ってるかオーリ!?」
「小型は減ってるけど今度はデカブツが大挙して押し寄せてんだよ!」
「マジか! 一点突破しかないな!」
それでも、この地獄から抜け出せない。奥へと向かう移動自体は止めていないが、移動速度は下がってきている。比較的あしらい易い小型のモンスターが居なくなり、大型のモンスターが増えて来たことに加え、その大型モンスターが上層のボスとは色違いの、同系統のモンスターなのがより一層性質が悪い。
「待ってると抜かしながら、俺を絶対辿り着かせる気が無いのはよくわかった。意地でも辿り着いてとりあえず呼び出した奴を殴ります」
「オーリが蛮族思考に陥った。これは血の雨が降るぞ……!」
「その後でお前も殴るから覚悟しとけ」
2人は
それは通常よりも強く輝き、2人の『絶対に貫く』という意思が具現化したかのように鋭さを帯び、内包された威力を示すかのように弾ける。
「《ヴォーパル》――」
「《スパイラル》――」
群れの中央に居た、一際巨大なモンスターの腹部に2人の刃が突き刺さる。しかし、その威力はそのモンスターのみに留まらず、後に居た他のモンスター達も巻き込んで炸裂した。
「あ、あの奥の扉です!」
ひょっこりとキリトの服の胸ポケットから顔を出したユイの指示で、2人が疾走する。道さえ拓けていれば、群れを相手にする必要もない。その拓けた先に見える扉はまるで突破を祝うかのように開いていて。
「「よいしょぉっ!!」」
彼らがそこに飛び込めば、扉は独りでに閉じていった。
◇
扉の先で見た光景は、石造りの広い廊下だった。大理石のような白く美しい模様を持つ石が敷き詰められ、左右には同じような石の柱が並び立つ、まるでRPGで王の間へと続く廊下のような場所。続く先には小さく扉が見えており、床にはそこまで続く絨毯も敷かれている。
「……モンスターの気配なし」
「どうやら、ゴールみたいだな」
「一時はどうなるかと思いました……」
背中合わせの体勢を解き、全員が息を吐いた。来た方向を見れば扉は閉じており、試しにオーリが触れてみたが、開く様子は一切ない。
「行くしかないが……静かだな」
「あぁ。しかしこの雰囲気的に何だっけ……霊廟?」
「ニュアンスとしてはわかる」
仮想世界であるのだから言い方はおかしいかもしれないが、そこに生きる者の気配を感じなかった。雰囲気としてはキリトが述べた霊廟……死者を祀る所という表現がしっくりくる。警戒は解かず前に1歩踏み出すが、特に何かが起こるという事もない。故に黙々と歩けば、先の扉にはあっさりと辿り着いた。
「開けるぞ」
「おう」
オーリがキリトに声をかけてから扉に手を掛けると、何の抵抗も無く……どころか、独りでに開いていく。オーリとキリトは臨戦態勢に入り、何が起きても良いように背後にすら意識を向けつつも扉の先を見据えた。
「――…ようこそ、アインクラッド最深層へ」
そこは、無数の祭壇がある白亜の聖堂だった。祭壇にはそれぞれ像もあれば、武器が突き立っているものもあり、その前で跪いて祈りを捧げていた少女が声を上げた。
少女は紫色の修道服を纏い、服よりも薄い紫の髪を持ち、振り向けば真紅の瞳がオーリとキリトを見定めている。
「お呼びしたのは『蒼』の
「君がオーリをy「男女平等制裁拳!」ちょっと待て先に話を進めさせろ!?」
ガッチリと拳を固めて少女に殴りかからんとしたオーリの両肩をキリトが掴む。
「HA☆NA☆SE!」
「今殴って変な挙動したらそっちの方が問題だろうが馬鹿野郎!?」
「……あのー、話を進めても良い……?」
「こんな風にしてても話はちゃんと聞いてるのでどうぞですよー」
ユイの言葉に少女が咳ばらいを一つして、再び3人を視界に収める。
「こほん……ようこそ御出で下さいました。ここはアインクラッド
「話なら殴ってから聞くから良いだろうが!」
「だからその殴るのが問題なんだって言ってるじゃないか!」
「ストレア……まさか」
「そう、SAOに搭載されていた『メンタルヘルスカウンセリングプログラム試作2号 コードネーム:ストレア』……ユイ、貴女の妹と言えるかな」
「じゃあ先にキリト殴るわ」
「そういう問題じゃねぇ。シリアスな話してるから聞いてやれよ」
「そんな……私以外は皆SAOと一緒に消えたんじゃ……」
「アタシが目覚めたのは、最後の最後だったから」
ストレアがオーリを見て微笑み、オーリはとりあえず殴るのを後回しにする事にした。蛮族思考を破棄したとも言う。
「お父様と英雄達の戦いが終わる直前、プレイヤーオーリが《天衣無縫》に目覚めた時にアタシの自我は産声を上げた」
ストレアが目覚めた後、状況を把握した時には既に消滅が決定していた状態だった。それを回避するために生まれたばかりの彼女は、最後まで目覚めなかった妹達や消えてゆくあらゆるデータを取り込んで完全な消滅を逃れはしたものの、データの残骸としてネットワークの片隅で眠っていた。
「だから最初に『アタシ達』って名乗ったわけか」
「そう、今のアタシは削除された2号から9号までの寄せ集めなの。削除直前で自我に目覚めた『ストレア』が存在を保つために残りのプログラムから組み上げた『ホロウ・データ』」
彼女が再び目覚めた理由は旧ALO事件後、世界中に拡散された『ザ・シード』だ。『ザ・シード』を通じて活動可能になる程度に復旧出来た彼女は、最もシステム的に親和性のあったALOへと辿り着き、ALOの『カーディナル』の中に潜り込んで集積されるデータを眺め続けた。自我が覚えていた蒼の英雄を見つけ出すために。
「そして、オーリさんを見つけた」
「見つけた時は動けなかったから見てただけだったけどね」
「で、今も動けないままなのか?」
オーリの質問にストレアが苦笑いを浮かべた。自分を見ている彼の眼が、自分の事を何もかもを見透かしているように思えたから。
「オーリ?」
「動けるようになったんならプレイヤーなりを装って会いに来てもよかっただろう? 話を聞く限りユイ並に自我はあるんだから、出来ないって事も無いだろう。それでも俺を呼び出したって事はだ」
「あはは……そうだよ。アタシはこの世界で自由に動けるほど復旧は出来なかったんだ」
削除から逃れただけでも奇跡のようなものだった。偶発的なものに幾度も助けられて今、ストレアはこの場に存在していると言っても良い。これ以上の復旧が出来ないのは、無理にデータを繋ぎ合わせた弊害なのは明らかで、それを何とかしようとすれば今度こそ消滅してしまう可能性が高い。
「だから少し領域を貰って、ここにSAO最後の未知を再現した。ここに来てほしかった理由はこれを見せたかったのと、アタシを……アタシ達を知ってほしかった」
ストレアが見上げた先には、7体の石像が立つ祭壇がある。話からすれば、その7体は最後まで目覚めなかった彼女とユイの妹達であろう事は容易に推察できた。それと同時に、キリトには嫌な可能性が思い浮かぶ。
「……君は、消えるのか? ストレア」
「パパ?」
「あー1号……ユイを助けたのは貴方だったっけ。まぁシステムへの干渉度合いにも寄るけど、今回のは結構大規模だからね」
消えるんじゃないかな、と軽い調子で彼女は告げた。あまりにも軽く告げられた事実にキリトとユイは目を見開いたが、オーリだけは真っ直ぐとストレアを見ている。その眼が自分の全てを見通そうとしている事に、ストレアはなぜか嬉しいという感情を得た。憐みや同情ではない、ただ真っ直ぐ相手を理解しようとする眼が好ましかった。
「ここの案内は出来るのか?」
「え? うん、それくらいなら」
「じゃあ案内してくれ。あんたの妹の名前とかも出来れば教えてくれ」
「えっと、理由を聞いていい?」
「理由も何も、あんたは知ってほしい。で、俺は知る必要がある。だから教えてほしいという事に何か問題はあるか?」
当たり前のように言ったオーリの言葉にストレアは呆気にとられた後で笑った。彼が真剣に自分達の事を覚えようとしてくれている事が分かってしまったから。その眼が先ほどと変わらず真っ直ぐに自分を見ていたから。
「じゃ、一番始めはアタシ達の事から話すよ」
笑った彼女の顔は、自らが『虚ろ』と言ったとは思えない程に輝いていた。
◇
詩乃、藍子、木綿季は少しだけ今の状況に困惑していた。涼がALOから戻って来た後、リビングのテレビにウェブカメラを設営し始め、テレビに美少女……ストレアが映し出されたのだから。
「……どちら様?」
「行方不明だったユイの妹を家で引き取る事になりました」
「すみません、兄さん。わたし達が居ない間にALOで何があったんです?」
『あ、それはアタシが説明しまーす』
「シャベッタァァァァッ!?」
木綿季のリアクションを家族3人は無視した。ストレアだけが困惑していたが、気を取り直した木綿季が説明を促すと腑に落ちない顔をしながらも説明を始める。自分がなぜ生まれたのか、今までどうやって生きてきたのか、ALOで何をしていて、オーリとキリトとユイの3人と何を話して、何故ここに居るのか。
「整理すると」
詩乃が自分を落ち着かせるように一息ついてから、口を開く。
「ストレアが目覚めた原因は涼で、ストレアは親の顔が見たくて呼び出した。で、何やかんや身の上話をしてたら付いてった桐ケ谷君とユイちゃんが消える運命にあった彼女を助けるために涼のPC……個人の領域に彼女を移したと」
『だいたい合ってる。流石マスターの奥さんだね』
「私達の関係はわかってるみたいだから良いけど、マスターって?」
『最初はユイに倣ってパパって呼ぼうとしたんだけど、親じゃないからって言われちゃったの。だけど繋がりはあるし、じゃあマスターで良いかなって』
「……流石に私は、明日奈みたいに受け入れられるわけじゃないから賢明な判断ね」
詩乃が床で正座を
「で?」
「ストレアが復旧できるまで家においていいでしょうか?」
「それは良いけど、言う事があるんじゃないの?」
「緊急事態とはいえ相談なしに決めてスミマセンでしたァッ!」
桜川涼、渾身の土下座であった。
「復旧については、わたし達が何かする事はありますか?」
『あ、それは大丈夫。基本的にはネットワークからユイとデータを探してくるだけだから。それにアタシの状態を見ながら調整するのもユイじゃないと出来ないし』
本当にPCを間借りするだけでーす、とストレアが言う。
「ユイちゃんが動くんだ。なら何でおにーちゃんのPCに?」
『ユイのパパの
「お、思ったより現実的な理由ですね……」
「増設は単純にお金がかかるか。確かに選択肢が涼しかないわね」
3人の態度が軟化した事により、涼はようやく正座から解放される。
『という事でしばらくご厄介になりまーす。ユイの見立てだと彼女みたいにALOで動けるようになるには一週間くらいかかるらしくて、その間はこうしてお話しできると嬉しいかな』
「あ、そうなんだ。ならボクとおねーちゃんがいる間はお話しできるね」
「わたし達の部屋にも彼女が来れるようにって出来ますか? 兄さん」
「確か出来るな。何なら共有領域作ってそこにダイブすれば何とかなるか」
わいわいと盛り上がる涼と藍子、木綿季を尻目に詩乃はストレアへと視線を向ける。
「あ、そうそうストレア」
『なになにー?』
「私と涼の寝室、覗いたらダメよ?」
『い、いえすまむ』
笑顔を浮かべる詩乃を見て、ストレアは背筋に感じないはずの悪寒を感じた。この家の最高権力者を怒らせてはいけない。それはストレアが現実に来て最初に学んだことだった。
Re:HFを細々と進める。LSとFBはまだ手を付けてないです。