姉になりたい人は含まれていない。
パンパン、と竹刀を打ち合う軽快な音。それを響かせているのは、小さい道場で向かい合う二人の少女だ。二人が振るう竹刀はまるで演武の様に、示し合わされたように打ち合わされる。一定で刻まれていたリズムが突然切り替わったかと思えば、攻守を変えてまたリズムを切り替える。
演武の均衡は崩れる事無く、やがて隅に置かれたタイマーから時間切れのブザーが鳴ると共に終了した。二人は竹刀を腰の横に持っていき、互いに礼をする。
「木綿季ちゃんもだいぶ上手くなったね」
「今の所直葉さんの見様見真似な感が強いけど、もうちょっと体鍛えないとなぁ……」
一度深呼吸をして、木綿季は息を整える。月一で桐ケ谷家にお邪魔するのも今回が四回目。剣道の指導をされた事の無い木綿季に対して、最初の三度で指導は終えていたが今回はその確認の意味も込めて自由に打ち合っていた。結果としては基礎はもう大丈夫と直葉は見立てているが、乾いたスポンジが水を吸うような吸収速度の高さに内心驚いてもいた。
二人は今日の内容を話しあいながらシャワーを浴びて、剣道着から私服に着替える。木綿季の剣道着は義両親が買った物で、試合に出る訳でもないのでジャージタイプの物である。
「んー、木綿季ちゃんが後輩になってくれると楽しそうだなぁ……」
「それ、今楽しくなさそうに聞こえるよ……?」
着替えた後は桐ケ谷家のリビングでお茶を飲むのが流れだ。来る時は電車と徒歩で来る木綿季だが、帰る際には迎えに来てもらう。『終わったよー』と彼女が電話していたのは兄である涼で、彼もこの家に来るのは慣れたようだった。
「今日は和人さん、顔出さなかったね」
「明日奈さんとユイちゃんと三人、親子水入らずだって」
「あぁ、なるほど……なら都合がいいかな」
「都合?」
「直葉さんってさー、和人さんの事男の人として好きだよね?」
木綿季の火の玉ストレートを無防備に受けてしまい、直葉は咽た。言ってる事は理解は出来たが、今この場で言う理由が理解できてないので大混乱だ。
「ぇぁっ!? ど、どうして聞くのかなっ!?」
「んー……ボク、お兄ちゃんの事好きなんだけど、諦めるって話をしたんだよね」
「唐突に重いし、なんかあたしもすっごく共感できそうな話ィッ!?」
「あ、共感できそうなんだ」
ニヤニヤと笑う木綿季に、直葉はジト目で返す。
「真面目な話じゃないと怒るよ?」
「話自体は真面目な話。ボク、お兄ちゃんを諦められるかなって」
呟いた木綿季の表情には、『諦めなきゃいけない』と言う決意と『諦めたくない』という恋慕が混ざった物が浮かんでいる。その表情に、直葉は見覚えがあった――…去年の自分が良くしていた顔だから、嫌でも覚えている。
「お兄ちゃんも好きだけど、お義姉ちゃんも好き。二人が好きあってるのは知ってるから、二人には幸せになってもらいたい。その気持ちに嘘偽りはないって誓えるし、ボクはお兄ちゃんの妹になる事を選んだ。それでもさ、ふと思っちゃうんだよね」
「……『何で、自分じゃないんだろう』」
直葉が呟いた言葉に、木綿季は目を見開いた。まさに彼女が考えていた事その通りだったから――…『何で、愛しい人は自分を選ばなかったんだろう』という、嘆き。
「あたしもそれについては偉そうな事言えないかな……実を言うと今も未練たらたらなんだよね。
桐ケ谷直葉と言う少女は、その想いに決着をつけている。それでも、恋心という物は儘ならない物であり、ふとした拍子に思ってしまうのだ。
自分の何がダメだったのか。
それを直せば振り向いてくれたのだろうか。
あの時こうしていれば良かったのか。
そんな『もしも』ばかり浮かんで、どうしようもなくなってしまう。
「でもさ、これって結局自分にとって、もっと大切な誰かが見つかれば解決するんだと思うよ」
「問題は、見つけられるかどうかなんだよねぇ……」
絶対比べちゃうよ、と木綿季が呟けば、直葉もそれを肯定した。今はどうしたって意識してしまうし、これから出会う男性の中に今の想い人以上に惹かれる男性が現れる可能性があるかと聞かれれば、確かに可能性はあるだろう。未来が不確定であるなら、ゼロなんて事は絶対に言えない。
ただ、彼女達の知っている同年代の男子と比較した場合、惚れた弱みか贔屓目かはわからないがどうしても想い人以上に『良い』と思える相手が居ない事も確かだった。
「藍子ちゃんもそうだったりするの?」
「んー、そうだと思うよ。ボクと同じで、まだ持て余してると思う」
「そっちのお兄ちゃんも相当だね……うちのお兄ちゃんとは似てるから仲良くなったとか?」
「類友だよねぇ。共通点多すぎるんじゃないかな」
「あはは、考えてみたらホント多そうだよね……笑い事じゃないけど」
はぁ、と二人が溜息を吐く。ぱっと思いついた共通点が女性関係の事だったので、その溜息には多分に呆れが含まれている。それを差し引いたとしても、相手に一途な所や、AI……ユイとストレアと言う共通点もあるし、理系である事、いざという時は互い以外を巻き込まずに事件に飛び込む事など、色々多岐に渡る。
「主人公属性的な何かを感じるよ……」
「箇条書きマジックかな? でも、事実だしね」
「……これだけ共通点があるとさ、どっちかがフリーだった場合凄くない?」
「それはそれで相手に失礼だと思うけど……そういう意味では良かったのかな?」
主に修羅場的な意味で、と言う言葉を二人は飲み込んだ。
例えば涼に相手が居なかった場合、木綿季は藍子と一緒にマンションに押しかけたままだったろうし、時間が経って自分達が高校に進学する機会には、かつて紺野家が住んでいた家で暮らすという手段も取れただろう。
直葉の場合は、ひょっとしたら和人と共通点も多く、近しい異性である涼に惹かれていた可能性だってゼロではない。好きだった人の代わりであるという切欠だが、それが本当に好きと言う想いに変わらないなど、誰も言い切れないのだから。
逆に和人がフリーだった場合には、里香や珪子も遠慮なんてなかっただろうし、直葉も勝負を仕掛けていただろう。帰還者学校が始まるまでに落とせたら大勝利だった事に疑いはない。勝負を掛けれず学校が始まってしまえば、里香や珪子と言った面々も勝負を仕掛けてくるだろうから、争いは熾烈になって居そうだ。木綿季と藍子は参戦が遅れて、このルートだと今と結果があまり変わらなさそうではあるが。
「直葉さんは良いなぁって人、居ないの?」
「居たらこんな事言ってないかなぁ。お試しって言うのも苦手だし」
「ボクもお試しはイメージが湧かないや。まぁお兄ちゃんとキスはしたんだけど」
「ちょちょちょちょ!? え、桜川君と!? 何で!?」
「何でって……あ、思い出したら恥ずかしくなってきた。今の無し無し!」
「ここまで来てはぐらかすのは止めよう木綿季ちゃん? 桜川君に根掘り葉掘り聞くよ?」
「そ、それはやめてよー!?」
この後、涼が桐ケ谷家のインターホンを押すまでキスについて根掘り葉掘り聞かれ、涼は直葉から複雑な感情が籠った目で見られるのだが、彼がその原因に気付く事は無かった。
◇
●妹同盟
※すぐは さんが らん さんを招待しました。
※すぐは さんが ゆうき さんを招待しました。
すぐは:さぁ、藍子ちゃんには色々話してもらうよ!
らん:え、何がですか? いったい何があったんですか?
ゆうき:お姉ちゃんごめん。お兄ちゃんにキスした事言っちゃった
らん:ちょっと木綿季とお話するんで、直葉さんは待っててくださいね?
すぐは:アッハイ
(十分後)
すぐは:……もういいかな?
らん:良くないですけど大丈夫です
らん:木綿季とはこの後でもっと話しますから
ゆうき:ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
すぐは:こわれてるー!?
すぐは:木綿季ちゃんは大丈夫なの!?
らん:大丈夫です。何処まで話したか聞いただけですから
らん:それで、直葉さんは何が聞きたいんですか?
すぐは:藍子ちゃん視点でどんな感じだったのかなーって
らん:えぇぇ……
すぐは:いつから好きだったの?
らん:ちょっと待ってください。これ想像以上に恥ずかしいんですけど
ゆうき:ボクも話したからお姉ちゃんも言うのだー
らん:木綿季は後でお話追加
らん:いつから……いつからですかぁ……
らん:……気になってたのは、お義父さんから話を聞いてた時からですね
すぐは:まだ桜川君やお兄ちゃんがSAOに居る時だよね
らん:はい。話を聞いたり写真を見せてもらったりしてました
らん:それで実際に会った時にその……一目惚れと言いますか……
らん:でも、義姉さんとの様子を見て、始まって終わったんですけど……
すぐは:それでも、かぁ……
らん:それでも、ですね。ずるずると初恋を引きずってました
すぐは:未だに?
らん:あー……
らん:……未だに、だと思います
らん:流石に義母さんにも相談して解消なんてできませんし、これは
らん:というかやっぱりすっごく恥ずかしいですね!
ゆうき:お姉ちゃん顔真っ赤だよ
らん:ゆうきのせいでしょー!?
すぐは:どうしよう。もっと聞きたい……!
ゆうき:今度は直葉さんの話を根掘り葉掘り聞こう
らん:聞こう。絶対に聞こう
すぐは:藍子ちゃんが未だかつてないほど本気に見える
らん:わたし達がここまで話したんですから、直葉さんも一蓮托生ですよ
らん:もうこのルーム名の様に同盟者ですよね? わたし達
すぐは:あたし、早まったかもしれない
ゆうき:お姉ちゃんが般若の幻影を背負ってるよ……
◇
「む、初めての組み合わせだな」
いつもの『ダイシー・カフェ』が今回の尋問場所……集合場所に選ばれ、三人はやってきた。
「三人でーす」
「個室の方が良いか?」
「で、出来れば個室で……」
「個室だな。奥が空いてるぞ」
はーい、と藍子と木綿季が元気に返事をして、直葉の手を引いていく。珍しい事もあるもんだとエギルは少し考えて、三人の共通点が妹である事に気が付く。彼は疑問が氷解した感覚を覚え、後で珈琲でも持って行ってやろうと、少し上向いた機嫌のままグラスを磨き始めた。
「さて直葉さん」
「は、はい……」
「根掘り葉掘り聞いてくよー」
藍子がどこからかサングラスを取り出して掛け、
どうしてこうなったのか、直葉は考えてしまうが大概自分が突っ込みすぎたからだと頭を抱えた。要は自業自得だ。
「お、面白い話なんて無いんだけどなぁ」
「大丈夫です直葉さん。わたし達は面白いですから」
「そういう言い方、お兄ちゃん揶揄ってる時の桜川君みたいだよねホント!」
「そんなお兄ちゃんの影響を受けた妹が二人だよー」
「悪夢かな?」
遠慮のない直葉の物言いに二人は笑う。和人が涼に揶揄われて、煽って煽られてを繰り返してデュエルするという、最早様式美と化した流れの触りの部分みたいだったからである。それを直葉も自覚したのか、諦めたように自分と兄の関係を話し始める。
「
「うん、生まれた時から一緒だったから、知った時はちょっと色々あってね……」
普通なら他人に話さないような事……和人と直葉の関係すら、隠さずに話す。直葉は藍子と木綿季の事情を知っている……二人から聞いたから、自分の事も隠さない。コイバナをしようとしたら重い話が出てくるのが仕様ですと言わんばかりだった。
「それで、SAO事件の後で色々と話すようになって……自覚したのはその頃。でも、お兄ちゃんの口から明日奈さんの名前が出て来てね。あー、これはダメだって、失恋しちゃった」
「それが去年の一月、ですか」
「そうだね。お兄ちゃんが旧ALOにダイブする前かな」
「で、ALOで知らずに会って、好きになったらそれが和人さんだったと」
「直葉さん、それって完全に理想が和人さんなんじゃ……」
「言わないで。自覚してるから。明日奈さんにも言われたから」
真っ赤になった顔を両手で隠す直葉は、その時の事を思い出しているのだろう。明日奈との関係は良好ではあるけれども、想い人である兄の恋人から言われるのは色々とクるものがあるだろう。藍子達も、詩乃から言われれば確かに、羞恥などの複雑な感情で転げまわる自信があった。
「でも、今は普通に仲が良い兄妹だよね」
「そうだね。お父さんが『仲良過ぎじゃないか?』って言ってくるくらいだよ」
「それは中々……普段はどんな感じで過ごしてるんです?」
「普通だと思うけどなぁ」
うーん、と唸り、和人とどう過ごしてきたかを思い出しながら、彼女は二人に話していく。それは藍子達にとっては貴重な情報だ。以前、明日奈にも兄が居るという話を聞いて、どんな風に生活していたのか聞いた事はあったが、生活レベルが違っていて参考にならなかったのと、SAO事件前の事は彼女の中では少々黒歴史扱いになっているらしく、あまり詳しくは話してもらえなかった。
「……距離感近すぎません?」
「それボクらもやったけど、お義姉ちゃんからアウト食らったよ?」
「え゛……いや、それは詩乃ちゃんが過剰反応と言う線も……」
「わたし達も兄妹の距離感っていうのはよくわからないですけど……」
「少なくとも、お義姉ちゃんが同じ事してるの見たら『恋人だなぁ』って思うかも」
「他人から見て恋人と思われるような事やってた……? え、でも今更止めてまた拗れるのも嫌だし……」
あーでもないこーでもないと、妹達の話し合いは続いていく。途中、エギルが差し入れの珈琲を持ってきてくれ、その時に注文をしつつも、更に踏み込んでいく。
「剣道部でもさー、やっぱり誰それが好きって話題は出るんだけど、男子が聞き耳立ててるのがわかるんだよね」
「あー、確かに。ボクらの方でもそんな感じの雰囲気はある」
「『俺は気にしてない』って態度でも聞き耳立ててるのが分かるから、最近逆に微笑ましく思えるようになってきた」
「直葉さんって人気ありそうですよね」
「胸囲的な意味で」
「……明日奈さんは着やせするタイプだけど、詩乃ちゃんはそうでもないよね? 胸の好みは似てないのかなあの二人」
「平然と『好きになった人がタイプ』って言いそう、って意味では似てますよ」
「そう来るかぁ……確かに言いそう」
直葉が想像してみるが、しっくりと来てしまった。そう言えば細かく異性の好みの話は聞いた事ないなと思ったが、藍子の言った言葉を返される光景が目に浮かぶ。もしくはそのままきっぱりと恋人の名前を言うかだ。
「でもお兄ちゃん、肉体的な好みってあんまり無さそうなんだよね」
「そうなの? 思春期の男子って大体は興味あるって聞くけど」
「《死銃》事件の頃にボクら三人で誘惑してみた事があるんだけど」
「何をしてるのかな? というか詩乃ちゃんも含めて何をしてるのかな??」
「まぁそれは置いといてですね……反応が薄かったのは確かなんですよ」
「それ多分、一人一人だったら落ちてたんじゃないかなぁ」
流石に、好意を持ってくれる女性全員に手を出すような変態ではないだろうけど、と直葉は苦笑する。恋人へのゾッコン具合を見れば、彼も兄と同じで一途な性格であると分かるし、浮気をするような精神性でもない。思い切り迫られた場合でも何だかんだで逃げるか断るだろうというのは、現在進行形で迫ってる女性と彼の関係を見ればわかる。
「そう考えると、ユナさんはよく諦めてないよね……」
「あー……お泊りの時に兄さんが貰ったアルバム聞きましたけど、新曲のあれって……」
「完全に『自分のヒーロー』に向けたラブソングだったね」
「あの人、基本ラブソングばかり出してたから違和感ないんだけど、気付いた時のお義姉ちゃんの顔が凄かったよね」
「詩乃ちゃんの笑顔が怖かった……」
「そういう意味では、ユナさんは肝が据わってますよ……」
有名シンガーソングライターの評価を変な所で上げたが、目的から色々とズレ始めている事に三人は気付いた。直葉はこのままズレればよかったと思ったが、思い出されれば後日また捕まる事は目に見えていたので大人しくすることにする。
「と言っても、目ぼしい事は聞いた気がします」
「んー、まぁそうかな? あたしも大まかな話はした気がするし」
「あーそうだ。直葉さん直葉さん」
「どしたの木綿季ちゃん」
「和人さんからは『スグ』って呼ばれてるけど、それってちっちゃい頃から?」
「かな? 物心ついた頃からだと思うよ。あたしの記憶にある限りでは」
「兄妹とかって、愛称で呼ぶものなのかな?」
「あー、どうだろ。でも、愛称で呼ばれたら仲良い感じあるよね」
そう言いながら、確かに疎遠だった頃はそう呼ばれなかったな、と直葉は思い出していた。直葉が九歳の頃、自分が桐ケ谷家の子供では無いと知り、何もかもを信じられなくなって仮想現実へと閉じこもった和人。四年後にSAOに囚われるまでの間、彼と家族の関係は拗れていった。SAOに囚われていた二年間に何があったのかを、直葉は断片的にしか聞いていない。しかし、明日奈や仲間達との交流を通して、彼の中で色々な事が変わったのは間違いが無く、昔よりも家族としての繋がりが強くなったと思っている。
ちなみに仲間達は、直葉が和人の従妹である事は知っているが、その背景については一切知らない。和人は明日奈に話しているかもしれないが、それ以外ではおそらく藍子と木綿季が初めてだろう。
「でも愛称かぁ。難しくない? 今からだと違和感しかないかもしれないよ?」
「仲が良くなりそうなのは魅力的ですよ」
「ちょっとお兄ちゃんにメッセージ送っとこ。『ボクらの愛称考えてー』って」
「桜川君のぽかんとした顔が目に浮かぶなぁ……」
妹から愛称を強請られる兄と言うのも珍しい気がする、と考えながら、直葉はきゃっきゃと騒ぐ二人を見る。楽しそうな顔をしている二人を見ていれば、兄と慕う彼との関係は良好なのだとわかる。顔合わせをしてから一年経っていないというのに、長年兄妹だったような感じなのだから。これで実は上手く行ってないと言われたら、直葉は涼を殴る所だ。
この後、帰る間際になって涼から返信が届いた。『呼んで恥ずかしくない『アイ』と『ユウ』くらいしか思いつかんのだが』という内容で無難な愛称だったが、藍子と木綿季が嬉しそうだったので良かったと、直葉は胸を撫で下ろしたのだった。
◆
「兄さん」
「……何だよ、アイ」
「お兄ちゃーん」
「どうしたよ、ユウ」
「いきなり来て何かと思ったら、愛称で呼んでとかなんだよ。いきなりは微妙に恥ずかしいわ!」
「ぬっふふ、何かいいねこういうの。今後も呼ばれる事を希望しまーす」
「わ、わたしは慣れるまでかかりそうですけど、今後も愛称でお願いします……」
「そう言えば、私も昔愛称ってあったわよね」
「ん? あぁ……しーちゃん」
「……!? ……!?」
「イッタァーイ!? 何で背中叩くんだよ!?」
「義姉さん顔真っ赤ですよ」
「ホントだ。茹蛸だー」
「しーちゃんって呼ぶの、小六の時以来なんだよなってまだ叩くの!?」
「いきなり呼ばないで! 心の準備が出来てないからぁ……!」
オリ主「赤面したしーちゃん可愛い」
詩乃「だからっ! 不意打ちで呼ばないでよっ!?」(べしべし
藍子「イチャつくための切欠になってるし……」
木綿季「お義姉ちゃんにも愛称あったかぁ……」
直葉「桜川君が詩乃ちゃんといちゃついている気配がする……!」
和人「それ、いつも通りって言うんだぞ。スグ」