流星の軌跡   作:Fiery

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別名:エンジョイ勢の中に紛れこんだガチ勢が暴れ出す


そのさんじゅうに:大会開始

 

 

 《スクワッド・ジャム》当日。大会本部として指定された酒場は、異様な熱気に包まれていた。第一回であるこの大会の参加チームは全二十五チーム。リョウゲツ達のチーム名は自身のスコードロン《ライトニング(Lightning)分隊(Squad)》を縮めた《LS》。ちなみにメンバーの名前……リアルの方の頭文字をどうにか並び替えて頑張ったがしっくりこなかったのでこうなった。

 

「さて、時間も無いですし、概要を説明します」

 

 酒場の個室で、メンバーが全員揃ったのを確認したインディが切り出した。他の五人が頷くのを見て、彼女は続ける。

 

「アスナさん、ルールは確認しましたか?」

「うん、とりあえずは。チームは同じ場所に一纏めで転送される。全チームが一斉に転送されて、他のチームからは千メートル以上離れて配置されて試合開始。最後まで生き残ったメンバーがいるチームが優勝」

「はい。次に大会の舞台ですが、これは《BoB》のものではなく、違う特設フィールドです。ただ、地形が混ざり合ったものであるというのは変わりませんので、有利な物不利な物も当然あって、何処に行くかは運次第ですね」

 

 他にも『ゲーム中にそのキャラクターが所持できる武器なら何を使ってもいい』『通常死亡したキャラクターのアバターは砕けて消滅するが、大会中は【Dead】のタグと共に一定時間残り、死体は破壊不能オブジェクトになる』『死亡した際のデスペナルティである《ランダム・ドロップ》は大会中は無し』

 

「兄さん」

「《サテライト・スキャン》の間隔は《BoB》の十五分から短くなって十分。で、そのスキャンで表示されるのはリーダーの位置のみ」

「ちなみに《LS》のリーダーはわたしです……で、その仕様を利用して、兄さんと義姉さんのペアと、それ以外の四人で隊を分けます」

「分けるのは、何でなの?」

「単純な話、それが一番相手を減らす事が可能なんです。兄さんの索敵範囲が義姉さんの狙撃と上手く噛み合うので」

 

 インディの話を聞いて、アスナは二人を見る。

 

「二人で先行して、旦那が索敵して見つけた相手を私が狙撃するってだけなんだけど」

「まぁ闇風のチームを見つけたら、速攻合流して総力戦に入るけどな」

「闇風さんのチームは、四人が《BoB》本戦出場者ですけど……残りの一人は?」

「ベヒモスはストレアと同じタイプだよ。《M134》……通称ミニガンって言われるガトリングガンの使い手で、集団戦じゃ無敵って言われてる」

「あー……個人戦の《BoB》だとカモられる奴だ」

 

 コットンのある意味失礼な評価を訂正する者は居ない。事実として、件のプレイヤーは個人戦を得意としていない。それはミニガンを弾薬込みで生身で担いでいる為、重量ペナルティにより彼自身の動きが劣悪だからである。個人戦ならウタやインディは狙撃で、リョウゲツなら音も無く近づいての暗殺で倒せる。コットンは距離を詰めるまでが勝負で、同じタイプのストレアは分が悪い。アスナに至っては未知数だ。

 

「だが今回はGGOでは最強クラスの護衛が居る。なら毎分二千から四千発の弾幕は、キリトだろうと切り払えずにミンチになる暴力だ」

「当然私の狙撃対策もしてるだろうし、最低一人は護衛で張り付くだろうし……」

「打って出てくるのは、おそらく闇風さんとペイルライダーさんでしょう。中衛にアサルトライフル使いのダインさん、後衛がベヒモスさんにイクスさん」

「闇風は俺をご指名だから……当たるとすれば、コットンがペイルライダーか」

 

 《BoB》でもその軽業とショットガンで本戦に残ったペイルライダーの相手が、互いに姿を見つけた状態で可能なのは、リョウゲツを除けばウタとコットンしかいない。ただウタはチーム唯一無二のスナイパーなので、コットンが必然的に相手をする事になる。

 

「本戦出場者相手はテンション上がるね」

「テンション上げ過ぎて他から撃たれないでね?」

「だーいじょうぶだよアスナさん! お姉ちゃんがちゃんと見てるから!」

「見てるけど、ちゃんと自分でも注意してよ?」

「了解でありますリーダー殿!」

「大丈夫かなぁ……?」

 

 そこはかとなく不安そうなインディの声に、他のメンバーが笑った。

 

「こ、こほんっ! 後、通信機についてですが、基本的にわたしと兄さんで常時通話。他のメンバーは音声を聞くだけの設定にしています。何か意見があるならこのボタンを押せば常時通話になりますので」

 

 インディがテーブルの上に置いたのは、耳に掛けるタイプで近未来的なデザインのインカム。イヤホン部分に丸いボタンがあり、そこで設定を切り替える事が出来る様だ。各自がインカムの具合を確認しているのを横目に、インディが時間を確認する。現在の時刻は十三時二十分。大会参加者の集合時間は十三時四十分のため、まだ余裕があった。

 

「そういえば、リョウ君」

「ん?」

「この大会って個人協賛なんでしょ? 賞品とかあるの?」

「あー……それがなぁ」

「スポンサーが小説家って言うのは知ってる? アスナ」

 

 へー、と言いながら、アスナは首を横に振る。

 

「私も又聞きでしか知らないけど、何でも銃の出る小説を書いてる人で、本人も結構なガンマニアらしいの。で、優勝賞品なんだけど……」

「その人の書いた紙媒体の小説のセットがサイン入りでもらえるそうです……」

 

 メンバーの中で一番本を読んでいるインディが苦い笑いのまま言った。アスナも自分の頬がヒクついたのを認識する。何というか、賞品がそれだと優勝を目指すというモチベーションがあまり湧かない。《BoB》は随分と盛り上がって、それに比べて《SJ》の参加があまり振るわないと言われていたのは、そのせいもある気がしてならなかった。

 

「まぁ、ボクら。優勝って言うより大会に出て楽しめればいいし」

「アタシは派手にこの《ブローニングM1919》が撃てればいいなー」

「ストレアが早速ヤバい発言をしているんだが」

「リョウ君、大会終ったらちょっと親同士で話しよう? ちなみに拒否も逃亡も許さないよ」

 

 リョウゲツの未来は真っ暗になってしまった。

 

 

 

 

 

 

『スクワッド・ジャム出場選手の皆様! お待たせしました! 今から一分後に待機エリアへの転送を開始します。お仲間は全員、揃っていますかー?』

 

 《SJ》開始十分前の十三時五十分に、参加チームの待機エリアへの転送が始まる。薄暗く狭い待機エリアには、大きなホロウィンドウが浮かんでおり『待機時間 09:59』と表示されている。ここで各自装備と準備を整えるのと、《サテライト・スキャン》用の端末……丁度大き目のスマートフォンの形状の物が配布される。

 

「こっちのボタンが画面表示で、こっちで地図を投影する。で、スマホの要領で拡大縮小が出来る。胸のポケット辺りに入れとけばいい」

「あれ? これ破壊不能オブジェクトなんだ」

「流石にこれで銃弾パリィする自信はねぇよ? 光剣なら受けれるかもしれんが」

 

 リョウゲツはいつもの青いワイシャツと黒のスラックス姿で、上に複数のポシェットが付いたベストを着こむ。ポシェットの中身は大体が自分が使用する銃器の弾薬であり、腰のベルトの部分には光剣である『カゲミツ』と『オサフネ』のユニットを二本ずつぶら下げる。シャツとベストの間には左右に自身の切り札の《カスタムイーグル》をホルスターに入れ、《M4カービン》を手に持つ。

 

 ウタもいつものスナイパーズジャケット姿で《ウルティマラティオ・ヘカートⅡ》を背負い、後ろ腰のホルスターにはリョウゲツと御揃いの《デザートイーグル》を装備。後は保険として、右胸の所に鞘に納まったコンバットナイフがある。

 

 インディは《M24》と様々な道具が入ったバックパックを背負い、ウタと同じように後ろ腰に《グロック18C》を入れたホルスター。右胸の位置に鞘に入ったコンバットナイフ。そして《M4カービン》に《M203グレネードランチャー》を装着した物を持っている。

 

 コットンは腰に《カゲミツ》を二本下げ、《H&K MP7》を二挺をそれぞれ左右にベルトを使って下げる。弾薬については彼女もポシェット付きのベストを着てそこに入れている。サブアームとして仕込んでいるのはアスナやキリトと御揃いとなる《FN ファイブセブン》だ。

 

 四人は一応今までの装備の更新などだったが、ストレアとアスナは完全に新規だ。

 まずはストレアが着ているのは《フラックスーツ》と呼ばれる、体のラインが出るぴっちりとした全身スーツを、紫と黒のツートンカラーにチェンジした物だ。その上で装備は重機関銃の《ブローニングM1919》を持ち、インディよりも大きいバックパックを背負う。後はついでと言わんばかりにグレネードランチャーの《アーウェン37》を肩から吊るしている。

 

 アスナは《ソルジャーベスト》という、白の所々にアーマーの付いたコートに赤いインナーで構成された防具を纏い、手に持っているのは《H&K HK416》というアサルトライフル。腰のホルスターには《FN ファイブセブン》が入れられ、逆側には光剣《カゲミツ》のユニットが下がっている。

 

「先ほども確認しましたが、まず最初のスキャンまでは待ちに徹したいと思います」

「転送場所によっては、比較的有利なフィールドへの移動をするよね?」

「その場合は俺が先行して索敵しつつの移動になるな。コットンが殿(しんがり)で後ろ、左右は他の四人で警戒」

「マズイ地形ってどこがあるかな?」

「《BoB》であった地形で当てはめると、足が死ぬ水辺だな。森林は遮蔽物が多くて射線が通らないけど、逆に俺は動きやすい。可もなく不可もなくは草原と砂漠。荒野は……岩山とかがあるなら要注意、か」

「都市廃墟については、私と旦那のコンビなら有利を取れるわね」

 

 ウタの言葉に五人が頷き、ホロウィンドウの表示を眺める。待機時間は残り五分を切り、微妙に開いた時間。

 

「少し時間が余りましたけど……兄さんは、こういう時ってどう過ごすんです?」

「第一回《BoB》の時は瞑想。第三回はキリトと駄弁ってた」

「何話してたの?」

「ただの世間話だよ。時期的にはクリスマスの話してたな」

 

 キリトと隙間の時間で話したのは主に《死銃》の事だが、それ以外の事も気を紛らわせるのに話はしていた。キリトがアスナの家に行くのに土産は何が良いかとか。

 

「そういやアスナ。キリトと住む所決めたか?」

「え、今その話する?」

「《BoB》から連鎖的に同棲話が出た時だったなと思い出しただけ」

「候補は決めて、今度内見に行くよー。決まれば、引っ越すのは春休みかな」

「どの辺りが候補なの?」

「都内でセキュリティと治安の良い所。うちの親がそうしてくれって譲らないんだよね……」

 

 それが無かったら帰還者学校の近くにするつもりだった、とアスナは言う。ただ、それが普通だろうなとリョウゲツは考えた。アスナという少女は、はっきりと言えば超が付くほどのお嬢様である。その話をすれば本人があまりいい顔をしないし、恋人であるキリトや仲間達はそういう事は気にしない。たまにその話で揶揄う事はあるが、信頼の上で成り立つじゃれ合いの範囲は誰もが弁えている。

 そんなお嬢様が『恋人と同棲します』と言い出せば、親としては心配なのは当然。恋人は信用できたとしても、出来れば近くに居てほしいだろう。アスナの話では家賃も親が出すという事らしいので、キリトは恐縮しまくっているようだが。

 

「じゃー、アスナさんの同棲が落ち着いたら遊びに行こっか」

「それは是非! 歓迎するよー」

「同棲に必要そうなの、見繕って持っていくわね」

 

 そうして談笑していれば、あっと言う間に待機時間が残り三十秒を切る。

 

「それじゃ、何気に初のチーム戦だ。楽しんでいこう!」

「「「「「おー!」」」」」

 

 全員が勢いよく腕を突き上げて、残り時間がゼロになった瞬間に光に包まれる。転送が始まり、視界が白く塗りつぶされて、第一回《スクワッド・ジャム》の開始が告げられた。

 

 

 

 

 

 

 ホワイトアウトした視界が戻った瞬間に、六人は自分以外の全員が居る事を確認して、それぞれ背中を預ける形で密集した。

 

「砂漠……」

「と、荒野の境目近くね。マップは?」

「確認します」

 

 インディが早速端末を取り出して、全員に見えるようにマップを投影する。上が北になっているマップは、平面図ではなく地形が立体で再現されている。地図の左右……東西は深い谷になっており、北は高い山、南は崖で区切られた物になっており、縦と横が共に約十kmのフィールドだった。マップには縦と横にそれぞれ等間隔にグリッド線が引かれ、本数はそれぞれ十一本。四角形一つに付き幅が一kmになる。

 

 移動可能なエリアは分けると八つあり、六人が今居るのは南側の中央……西側が荒野、東側が砂漠であり、ちょうどその境目の部分にいる。そこからちょうど真北のマップ中央部分には低層家屋が並ぶ市街地エリアがあるが、中央部東側は高層ビルや高架道路などがある都市廃墟と分けられるように青色……その部分が水没している事を表しているそれが市街地と南の荒野と砂漠の境目を横切り、中央部西側へと向かって湖を形成していた。そのすぐ北は円形の沼地で、そこには巨大な構造物が地面からほぼ垂直に突き立っている。北側は東が森林地帯であり、西側がなだらかな傾斜のある草原と言う構成だった。

 

「この光点が今のわたし達の位置。選択肢としては西か東か、ですね……」

「北の市街地には向かわないの?」

「泳ぐのは論外だぞ。ストレージに一旦武器を入れる羽目になるし、そこでプラズマグレネードでも投げ込まれたら避けようが無い。乗り物があれば別だが……多分序盤には無い」

「なら、中央部東側の都市廃墟を目指すルートになるの? マスター」

「そこは我らのリーダー次第だな」

「……好んで湖や沼地に近づくプレイヤーは少ない、という事ですか? 兄さん」

「乗り物があるかどうかを確かめるプレイヤーは居るだろうな。ただ、泳ぐ奴は居ないと思うぞ」

 

 兄の言葉を聞いて、インディは数秒の思考の後、西へ向かう事を決断する。

 

「お姉ちゃん?」

「今の位置は丁度、水辺から約一km程度の位置。兄さんと義姉さんなら相手を先制で発見できる距離。なら最初の作戦通りに兄さんと義姉さんに先行してもらって、西側に敵チームが居た場合、追い詰める事が出来る」

「水の中に隠れての奇襲もやりづらいって知ってるなら、序盤は比較的安全だと思うプレイヤーは居るかもしれないね」

「という事で、兄さん。義姉さん」

 

 インディの言葉に、二人は頷きを返して西へと移動を開始する。その二人が大体四百メートルほど離れた状態で、四人も同じ方向に移動を開始した。移動速度としては全員が最も遅いストレアに合わせており、一週間ほどの時間があったとはいえその移動に乱れはない。

 

『ここまで敵影無し』

「こちらは兄さん達から四百メートルほど東側の荒野の遺跡に居ます。スキャンまで待機で」

『わかった。こっちも岩陰に隠れて確認する』

「スキャンまであと十秒。わたしが確認しますので皆さんは警戒を」

 

 三人が頷いて周囲を警戒する中、インディは端末に視線を落とした。十四時十分になり、最初のスキャンが始まり――

 

「北西約二kmの地点、チーム名は――…『MMTM』」

『リーダーが第三回の本戦出場者のチームだったな。闇風ん所は真反対だ』

 

 インディが東側の光点をタップしていき、一番東側の砂漠地帯にある光点を叩けばチーム名『BDPXY』と表示される。それは闇風ら各々のプレイヤー名の一部を繋げただけのチーム名で、Χ(イクス)(エックス)ではないのだけど、と苦笑する。

 

「近くに他のチームは居ないので、岩陰を移動しながら向かいます。兄さんと義姉さんはそのチームの監視を」

『……ウタがちょっとやってみたいって言ってるから、早めに来れるか?』

 

 申し訳なさそうな兄の声に、インディは溜息を一つ吐いた。

 

「壊滅できるならそちらが有り難いですけど、無理そうなら東側に退いてください。そっち側から向かいますから」

『悪い。なるべく速く来てくれ』

 

 通信を終え、周囲の警戒を促しながら四人は移動を開始する。

 

「という事ですので、ストレアさんは全力ダッシュで」

「……そうしないと、全部マスター達に取られる感じ?」

「少なくとも、義姉さんは本気みたいです。『MMTM』の人数は六人のはずなので……わたし達みたいに別れて行動してない限りは、本当にやりかねませんね」

「ウタたんがそこまで好戦的なのも珍しいけど、インディちゃんがそこまで言い切る根拠って?」

「あー、お義姉ちゃんはバレットラインを出さない狙撃が出来るんだけど、それでも百発百中なんだ。それだけじゃなくて、あの重くて反動の凄い《ヘカートⅡ》で()()()()()()んだよ」

「「うっそだぁ……」」

 

 アスナとストレアの声が揃う。アスナもストレアも試しに《ヘカートⅡ》を撃たせてもらった事があるが、アスナの場合はステータスが足りずに持つのも大変で、撃つのも反動で大変だった。ストレアは重機関銃を使うので撃ったり持つのは問題なかったが、それでもシステムアシストなしで狙撃を当てるのは困難だ。それを百発百中で当て、尚且つ連射して当てるというのは、達人と言う言葉でも生温い。

 

「変態だ、変態スナイパーだ……」

「それ、義姉さんには絶対言わないでくださいねストレアさん。スッゴイ笑顔で《デザートイーグル》向けてきますから」

 

 インディの言葉に呼応するように、遠くから聞き慣れた轟音が聞こえてきたような気がした。

 

 

 

 

 

 

「近くに要注意チームが居ないのは、運が良かった」

「始まる前に言ってた、二チームの事?」

「あぁ。第一回と第三回《BoB》優勝。第二回も準優勝の最強プレイヤー闇風率いる『BDPXY』と、第一回と第三回のベストバウトに選ばれているリョウゲツが居るスコードロン『ライトニング分隊』……正直言えば、潰しあってくれるのが一番いい」

「どういうチームなの?」

「『BDPXY』は四人が《BoB》本戦出場者で、一人は集団戦で無敵とも言われるプレイヤーだ。リーダーの闇風は、簡単に言えばレンの完全上位互換」

「わたしの?」

「《ランガンの鬼》と呼ばれるAGI特化型。武器は《M900A》という自動小銃。戦い方もレンと似たようなものだが……」

「その人の方が圧倒的に上手いし凄いって事かぁ……」

 

「銃士Χは大型ライフルとグレネードを使う。彼女は第一回《BoB》の準優勝者。ダインはアサルトライフルの使い手で、三大会連続で本戦に出ている。ペイルライダーは、そのダインに本戦で勝っている事から強者だと分かるだろう。武器はショットガンで、軽業スキルでの三次元機動を得意としている。そして、最も嫌な相手がベヒモス」

「その人が集団戦では無敵の人?」

「《M134》……ミニガンというガトリングガンを使う。毎分二千発から四千発を発射する化物だ」

「何それズルい!? ピーちゃんでも毎分九百発なのに!」

「その代わりとてつもなく重い。だから単独ではカモにされる事が多いと聞いている」

「……あ、だから護衛が必要で、居ればその発射数で制圧できるんだ」

「そういう事だ」

 

「もう一つのチーム……じゃなくてスコードロン? については?」

「『ライトニング分隊』は話で聞いていたのは四人のスコードロンだったはずだが、二人増えていた。だからその二人の事はわからない。ただ、身内で組んでいるスコードロンのようだから、リアルか別のゲームの知り合いではあるのかもしれないな」

「その四人については?」

「まずはリョウゲツ。多様な銃器を使い熟し、更には近接武器である光剣で弾斬りをして銃撃を防ぐ事も出来る」

「そ、そんな事出来るの!? こう、映画のあれみたいに!?」

「俺の周りで出来た奴はピトを含めて居ないが、実際に《BoB》でやって見せている。チートを疑われたが、これは《ザスカー》が否定した……で、第一回では同率六位。第三回は同率三位。第二回にはエントリーすらしていない」

「同率なのは何で?」

「その大会で猛威を振るったプレイヤーと相打ちだったからだ。第一回では一人で本戦出場者の半数を撃破したサトライザー。第三回では予選を光剣一本で勝ち抜いたキリトと言うプレイヤーとな」

「その人の戦い方って?」

「何でも使う。狙撃も、アサルトライフルも、マシンガンも、ハンドガンも、光剣もナイフもだ。それぞれ超一流の腕を持っているからどうとでも戦える。ただ、特筆すべきはその抜き撃ちの速さだな。俺も見た事があるが、抜いたと思ったら撃っていた」

「ずっこい!」

 

「気を取り直して他の三人のメンバーだ。まずはウタというスナイパー。《ウルティマラティオ・ヘカートⅡ》という対物ライフルを使い、ピトの話では二kmの狙撃を成功させる腕を持っているらしい。狙撃手としての俺の上位互換と言えるだろうな」

「ウタ……あ、ピトさんが『対物ライフル売って!』って交渉にもなってない事言って断られたプレイヤー?」

「……恥ずかしながら、そのウタだな。ちなみにリョウゲツとシステム的に結婚している」

「その情報必要かなぁ……?」

「ストレージが共通になるから、リョウゲツが《ヘカートⅡ》を撃ってくる可能性もある。次にインディ。先の二人と比べて目立たないが、このスコードロンで最も厄介と言える」

「えぇ……さっきの二人だけで十分すぎるような気がするんだけど」

「リョウゲツほどではないが銃器の扱いに長け、ウタほどではないが狙撃の腕は優秀。だが、ビルド的には〈メディック〉で、味方の支援が本来の役割だ」

「厄介ってそういう……居れば味方の生存率を上げるんだ」

「そういう事だ」

 

「最後はコットン。タイプとしてはレンと同じでAGI型。武器もサブマシンガンを使う」

「お揃い……仲良くなれるかな」

「機会があれば話してみると良いだろう。で、彼女も光剣を使う。腕前に関しては未知数だが……」

「リョウゲツってプレイヤーの仲間だから、同じくらい使えるかもしれない?」

「と、考えるべきだろうな。さて、少し話すぎた……移動しよう」

「了解、エムさん!」

 

 

 

 




闇風:高速移動して連射してくる人。きっと最高速はトランザム並
銃士Χ:大型ライフルで狙撃とグレネードによる支援を行う人。
ダイン:痒い所に手が届くいぶし銀の人。
ペイルライダー:三次元機動がドゥエリストっぽそうな人。
ベヒモス:弾幕はパワーの人。パワーを発揮できないとカモられる。

そんなイメージで書いてます。
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