【凍結中】Creeping & Raid Girls 作:EMS-10
学校に通い。
バイトして小遣いを稼いで。
アイツらとバンド活動をして。
他にも色々あるけど、説明が面倒臭いから割愛。
とにかく、代わり映えのない日々を送る。
そう思っていたのに、気が付いたら
【Creeping】
這い回る、徐々に忍び寄る、潜航性の
【Raid】
不意の襲撃、奇襲、空襲、(略奪を目的とする)侵入
(…………
練習を終え、クタクタになりながら帰宅する準備を整えていると、防音仕様のドアの向こう側から言葉で形容出来ない感覚──圧迫感とでも言うべきモノが、ドアの近くに居る俺の全身に襲い掛かって来た。
そして、
幸いな事に、現在俺達が居るのは
もし自宅の部屋のドアとかだったら、
というか、
「……
「──全力でお断りだ」
ただでさえ
学校が終わってバンド練習の為に
途中、
閑話休題。
今外の様子を見たら、確実に俺のSAN値が直葬されて頭がどうにかなる。
……いや、俺の頭は元からどうにかなっているから、何の問題もないか?
ドアの向こう側から発せられる
「というか、お前、昨日も俺に様子を見させただろ?お前が行けよ」
俺達のバンドのリーダーだろ?バンドメンバーを守れよ。リーダーの役割を果たせよ。
「頼むよ、リョウちゃん。様子を見てくれよ」
「ちゃん付けするな。あ○きバーで頭蓋骨砕くぞ。何度頼まれても、お断りだ──」
「ルー○ビア2本奢るから」
「──任せろ」
そういう事なら様子を見てやる。
「お前、相変わらずチョロいな……」
「ルート○アが2本だぞ?やる以外の選択肢は無い」
俺の血液とも言えるルー○ビアが、2本も無料で摂取出来るんだ。やる気にもなる。
ショウがルートビ○を2本奢ると言い、やる気になっていると、俺と同じ
「ルー○ビアに対して弱過ぎだろ……何でド○ペにサロ○パスの匂いを付けたような飲み物に、そこまで頑張れるんだよ……」
「マサだって、ゲームやアニメ、漫画。それから、
ルー○ビア馬鹿にすんなよ?あのサ○ンパスみたいな香りが最高なんじゃないか。
「あ、納得。なら仕方ないな」
「だろ?」
「いいから、早く様子を見てこいよ」
「わーったよ」
ショウ、急かすな。
……さて。覚悟を決めて外の様子を見るとしますか。
恐る恐るドアノブを汗ばんだ手で握り締め、ゆっくりと。
そして、細心の注意を払いながらほんの少しだけ開け、僅かに開いた隙間から外の様子を確認──
(<⚫>)(<⚫>)(<⚫>)(<⚫>)
(<⚫>)(<⚫>)
────急いで閉める。
見ていない。俺は何も見ていない。
瞳孔がカッ広げられてて、ハイライトの消えた瞳なんて見ていない。
5人分の
その中には、俺が恐れている
ドアを開けた瞬間、目と鼻の先に件の二人の顔があった。吐息が掛かる位近くにあった。
目が合った瞬間、口が三日月みたいに吊り上がっていたなぁ。
ついでに、開けたとほぼ同時に件の二人が俺目掛けて手を伸ばしてきたような気がするけど、気の所為だ。
(……あ、思い出したら鳥肌立ってきた。ブワー!なってる)
ついでに髪の毛も、ジ○リ作品のキャラが驚いたりキレた時になるブワー!状態だ。ブワー!状態ってなんか変だな。なんて言えばいいんだ?語彙力が行方不明になっててどう説明すりゃいいのか分からなくなってる──
「……どうやって帰る?
「
「──強行突破……は無理だな。途中で確実に捕まる。おーい、マサ、しっかりしろ」
気を
先程見た視線の中に、ショウの
そもそも、
ちなみに、今日は
……
仕事が忙しいから、疲れているのかな?今度、ルートビ○を差し入れて労ってあげよう。
閑話休題。
次に、
なんやかんやあって一緒にメシを食った際に、
……一緒にメシを食ってた時、
閑話休題。
しかし、残念ながらマサは
こうなったら、中々復活しない。とりあえず、落ち着くまで声を掛け続けて頬を引っ叩くか──
「リョウ。その……
「──残ながら、二人とも居た」
一瞬だけしか外の様子を見てないけど、
マサの頬を引っ叩きながら落ち着かせていると、
「……そう、ですか。ありがとうございます。うぅ……怖い……」
「キョウ、大丈夫だ。もし
一秒でも長く時間を稼いでやる。だから、安心しろ。
「リョウちゃん、キョウには優しいねぇ。その優しさを少しでいいから俺に分けてくれないかねぇ?」
「ちゃん付けするなと言ってるだろ。バールでチ○コとキ○タマ引っこ抜くぞ?」
幾ら俺の顔や声、体格、髪型が女っぽいからって、ちゃん付けするな──
「なぁ、リョウ。
「──
彼女は
とにかく、彼女は
それにより、気が付けば俺達の背後に立っていた、なんて事が
ツッコミどころ満載だけど、突っ込まない方がいい。精神と胃袋に被害が及ぶから。考えるな、感じろ。
閑話休題。
今回はそのスキル?特性?が発生していないのか、俺が見た時は
ショウに揶揄われ毒を吐いていると、
「本当か!
「
確か、先日は自分の頬を引っ叩きながら、コラ○ラル・ダメージ語録を叫んで臨戦態勢状態の
「俺がマッスルポーズを取りながら
「おお!流石ジョージ!頼りになる!」
「俺達に出来ない事を平然とやってのける!そこにシビれる憧れるゥ!」
「ジョージ、無理はなさらないでください」
「大丈夫だ、任せろ!お前らを守れるのなら、多少無理をしても大丈夫だ!」
ジョージ……頼もし過ぎる。最高だよ、あんた。
大丈夫だ、を二回も言っているけど、突っ込まないでおこう。大事なことだから二回言ったのかもしれない。
「……お前ら、準備はいいか?」
「「「勿論」」」
「何時でもいいぞ」
さぁ、ジョージ。やってくれ。
ジョージを除く全員が楽器を入れたハードケースをしっかり背負い、学校指定の鞄を持って走る準備を整え終えると、ジョージが“準備はいいか?”と声を掛けてきた。
それに対し、俺達は準備が整ったと返事した。
ジョージがドアノブに手を掛け、ゆっくりと開ける。
その様子を、俺達は固唾を呑んで見守る。
ジョージが一気にドアを開け、外に出た。そして──
「筋肉が通ります。黄色い線の内側にお下がりください」
──フロント・ダブル・バイセップスのポーズをしながら、高校生とは思えない程渋い声で謎のアナウンス?発言?をして、全身から凄まじい気迫を醸し出し、臨戦態勢の
ジョージの奇行に
(……ジョージの奴、今度はサイドチェストしながら進んでいる。物凄くシュールな光景だ)
その後に続く俺達。なんか、マッ○ル行進曲みたいだな。
何時だかマサの家に行った際、
「ふえぇ〜!こころちゃん、薫さん、はぐみちゃん、美咲ちゃん、どこ〜?」
──ジョージの後に続いて進んでいると、CiRCLEの正面出入口から今にも泣きそうな女の子の声が聞こえてきた。
……おいおいおい。マジかよ。勘弁してくれ。何でこう大事な時に、ジョージの
「」
……ジョージが歩くのを止め、サイドチェストをしたまま硬直している。呼吸まで止まっているのか、微動だにしない。
……ジョージのサイドチェスト、絵になるなぁ。あと、何度見ても惚れ惚れする筋肉だ今にもブレザーがはち切れそうだ俺も中学に入った頃からジョージと一緒に筋トレしたりプロテイン飲んだりしているのに一向に筋肉が付かないんだよなぁ食事か?食事にも気を遣わないとダメなのか?もしかしなくてもルートビ○飲んでいるからか?結構カロリーあるしなだとしたら飲むのをやめるいやそんな事する位なら筋肉なんて要らない俺にとって○ートビアは血液なんだルートビ○が飲めなくなったら発狂するのは確定的に明らかだそもそも何故俺はこんなにも女っぽい顔と体格そして声をしているんだもう少し男っぽい顔や体格それから声を持ちたかったチクショウ──
「ふぇぇぇぇ〜……あ!
──現実逃避していると、ジョージの
そして、
「えへへっ♪ぎゅ〜♪」
「ぉっ……ゃっ……おぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ っおぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ っっおぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
──ジョージに抱きついた。抱きつかれたのと同時に、ジョージが大声で泣き出し、幼児退行してしまった。
あー……これ、終わったな。詰んだ。
「マサくん、どうして脅えているんですか……大丈夫……怖がらないでください……ふふっ……」
「オノオオオォォオオレエエェェェェエエエエッッッ!!!」
マサの断末魔の叫び声が聞こえてきた。
どうやら
それはそれとして。
……居ない。アイツ、
それと、
「
「そう言う
「母さん……僕の……ギター…………」
──キョウ、大丈夫か?今にも死にそうな声を出しているぞ?それに、意味不明な事を言っている。
もしかしなくても、
しっかりしろ、お前は俺が助ける。だから持ち堪えてくれ──
「涼」
「リョーウ♪」
──キョウ、ごめん。助けに行けなくなった。悪いけど、自力で何とかしてくれ。
「今日も学校で私とお話してくれませんでした。埋め合わせを要求します」
「明日、学校で沢山お話しよう。昼メシも一緒に食おう。それで手を打ってくれ」
今埋め合わせをしたら、確実に
けど、逃げたら後々面倒臭い事になる。だから、学校で会話したりメシを食おう、と提案しよう。
(周囲の目があるからか比較的大人しくなる学校でなら、
あくまで放課後と比べれば、だけど。本当はやりたくない。けど、放置したら……やめよう。考えたくもない。
閑話休題。
とにかく、俺の提案に乗ってくれ!頼む!
「……分かりました。約束ですよ?破ったら……分かっていますね?」
「ああ、約束だ」
っしゃ!何とかなった!おっかねぇ声出されたけど、俺のSAN値は直葬されていない。まだ正気を保てている。
けど、油断は出来ない。何故なら──
「ふーん?いいなぁ?
──ハイライトを消すな。ハイライトは常灯させるモノだぞ。それから、おっかねぇ顔するな。笑顔なのに恐怖を感じるぞ。
なぁ、リサ。今、キミがどんな顔しているのか分かってるのか?ハッキリ言わせてもらうけど、色々と凶悪だぞ?
暗闇で見たら、確実に悲鳴をあげる程の凶悪な顔になっているぞ?以前の慈愛に満ちた、見た者に
「アタシ、リョウとは別の学校だから、リョウに会える機会少ないんだよねぇ?」
「今週か来週の土日、空いてるか?ちょっと服を買いたいから、付き合ってくれると助かる」
「ホント!?じゃあ、今週日曜行こう?楽しみだなぁ☆」
腕に抱きつくな。柔らかいモノが当たっているぞ。離れろ。
……またデカくなったな。成長期なのかな?(錯乱)
俺は仕方なく、買い物に付き合ってくれと誘う事にした。
服を買うと言ったが、本当は俺の
「今井さんとお出掛けですか。そうですか……」
──紗夜、殺気を放たないで?リサの胸を射殺せんばりに睨みつけないで?落ち着け。胸なんてのは脂肪の塊。大きけりゃ良いってモノじゃないマサの言葉を借りるなら大事なのは感度だ幾らデカくて形が良くても感度が無かったらそれはただの脂肪の塊だつまり何が言いたいか紗夜の
「お前ら、幸運を祈る!頑張れよ!」
「──待ちやがれッ!」
あの野郎!自分だけ
紗夜の殺気を感じ、凄まじい視線を向けられたから思わず現実逃避していると、ショウが俺達を置いてCiRCLEの正面出入口へ走って行くのが見えた。
ふざけるな!自分一人だけ助かろうなど、万死に値する!逝く時はお前も道連れだ……あの、リサ、腕離して?アイツを。ショウを捕まえなきゃならないんだ。頼むから離して?
紗夜、殺気を放つのやめてくれないかな?落ち着け。君は君の良さがあるんだ。だから、顔中青筋だらけにしないで何時ものクールビューティな顔に戻して──
「あー!ショウくんだ!やっと出てきた!」
「げぇっ!
──
なんというタイミング。最高だよ、日菜。そのままソイツを
撮影はどうした?とか、何故CiRCLEの外で待機していた?とかツッコミを入れたいが、流そう。
……待て。日菜が居るって事は、
確かに
とにかく、
「うーん!とってもるんっ♪てする♪」
「
「ショウくん、あまり騒ぐと近所迷惑だから静かにしてね?」
「まりなさん!静かにします!静かにしますから助けてくださいなんでもしますから──」
「ん?今、何でもするって言ったよね?」
「オメーにゃ言ってねぇ!!」
「さーて、お仕事しないと」
「待って!まりなさん!助けて!!」
──思考中断。あの様子なら、俺が捕まえてどうこうする必要は無さそうだな。日菜に任せておこう。
それと、まりなさん。
「あら、翔琉じゃない!まだCiRCLEに居たのね!」
「ぎぃやああああああああああッッッ!!?」
──
「翔琉、全然笑顔じゃないわね!そんなんじゃダメよ?……そうだわ!これからショウが笑顔になれる事をしましょう!」
「俺を放っておいてくれると、俺は笑顔になれると思うんだ、うん。だから何もせず俺を家に帰してくれ」
「昨日、ス○リッグ・マイケル島に別荘を作ったの!翔琉が住んでみたいって言ってたでしょ?さぁ、今から行きましょう!」
「
「うふふふふふ♪」
流石ショウ。視聴した時間を
それはそれとして、
あと、こころ。何ですか、その意味深そうな笑みは。もしかしなくても
「こころちゃん、悪いんだけどショウくんに先に会ったのは私だから、帰ってくれないかな?」
「あら、日菜!
──相変わらず、
……これ以上日菜とこころの様子を見ていたら、俺の胃袋にオゾンホール並の穴が開きそうだから、無視しよう。
ショウ、頑張れ。生きてまた会えたら、一緒に
(嗚呼、
ハハハ。ハハハハハ。アハハハハハハハハハ。
……紗夜、抓らないで?痛い。痣になる。
……リサ、抱きつく力を強めるな。骨がミシミシ言ってて痛い。あと、さり気なくズボンのベルトを外そうとするな。
…………これ、どうしよう?諦めて、
───────
────
─
バンド活動を通して
なのに、接していく内に少しずつおかしくなって。今じゃ、会う度にヤベー視線を向けて来るわ、
……愚痴ってすみません、まりなさん。
……どうしました?顔を強ばらせて──後ろ?
……
……何時からそこに居た?数分前からずっと居た?気付かなかったよ。
……紗夜、リサ、待て。話せば分かる。話せば分かる!ちょっ、やめ──
次回予告
明日は始業式……か。面倒臭い。サボって家でベース弾いていたい。それか、CiRCLEにでも行って弾く──冗談だよ、
……不安なので、
……そんな事しない?本当か──
……昔はこんな子じゃ無かったのに、どうしてこうなった。
第1話・自宅に居ても、俺の胃袋と精神に安息の時は無い
「風紀委員を呼べ。風紀を乱そうとする輩が居るぞ」
【補足的なナニか】
・フロント・ダブル・バイセップス…ボディービルのポーズの一つを指す。
詳細については各自でお調べ下さい。
・サイドチェスト…ボディービルのポーズの一つを指す。
詳細については(ry
・キロネックス…クラゲの一種。地球上で最も強い毒性を持つクラゲと言われている。
その毒は、刺されると1~10分程で死に至るほど強力。
・スケリッグ・マイケル島…アイルランド島の西方ケリー州の沖合16キロメートルに位置する、面積0.18平方キロメートルの岩山からなる孤島を指す。「シュケリック・ヴィヒル」とも言う。世界遺産に登録されている。
「スターウォーズ・エピソードVII-フォースの覚醒-」及び「スターウォーズ・エピソードVIII-最後のジェダイ-」のロケ地として使われた事がある。
弦巻家の力があれば別荘を建てる程度、造作もない
・三郎…「ガルパピコ」第10話に登場したラーメン屋が元ネタ。
・ガールズバンドの子達…「BanG Dream!」に登場する少女達を指す。
尚、この小説内では一部の子達を除いて「ヤベー奴」と化している模様。
誰がどう「ヤベー」かは、本編で徐々に明かしていく予定です。
以上、補足終了。