デイブレイク被害者が仮面ライダーになる話   作:平々凡々侍

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やっと書けた…!(安堵)
書いてる途中でなんか段々と入れたいシーンが増えていった結果、次話投稿が遅れてしまいました。

それでは、早速どうぞ!


滅亡の方舟とエンカウント!

「──アーク…? それって──」

 

 天津さんの言っていた人工衛星アーク。確かゼアの前身機で、人類滅亡の為の意思や指示を滅亡迅雷に与えてるっていう……いや待て、それが何で、

 

「──何故自己の『身体(ボディ)』を有しているのか、か?」

「!?」

「──その疑問には答えよう。私は滅亡迅雷.netの四体のヒューマギアからシンギュラリティデータを奪う事で復活を果たした。そして、このベルトを介し、他者の身体(ボディ)を乗っ取ることでこうして地上での活動を可能にしている」

 

 ーーアークと名乗ったソイツは俺の疑問を「先読み」するとそう驚くほど丁寧に説明しやがる。

 

「…こりゃあご丁寧にどうも……まぁつまり──」

 

 シンギュラリティデータだとか正直詳しくわかんねぇ部分はあるが、一つだけ分かり切ったことがある。それは、

 

「──お前は俺の敵だってことだな?」

「──あぁその通りだ」

 

 コイツ(アーク)は倒すべき相手だってことだ。

 即答するアークを見据え俺は構える。

 

「ッ! 無理だっ! よせッバルデル……!」

「あぁ?」

 

 そんな俺の姿を見て、倒れていた迅が突然そう叫んだ。俺は迅の方に視線だけを向ける。

 

「あいつのーーアークの強さは、僕達が挑んでどうにかなる相手じゃない…! 無駄死にするだけだッ!」

「………忠告ありがとよ」

 

 さっきまで戦ってた相手に言うほどとか……とんでもなく強いんだなコイツ。つうか迅、お前めちゃくちゃ足震えてんぞ? 俺は顔をアークへと再び向けながら迅に言ってやる。

 

「でも、ここで逃げるなんて選択肢とれねぇんだよ」

 

 後ろにはAIMSの隊員さん達が居る。

 ………最初の頃なら、赤の他人だからとか言って見捨てて逃げようとも考えただろうが……はぁー…嫌になるなホント。

 

「ーー私とお前の間には圧倒的な開きがある」

 

 アークは戦いの姿勢を見せる俺を前に言う。

 その通りだ。俺とアークの力の差は歴然で、ちょっとやそっとで縮まるようなもんじゃない……それは仮面ライダーとして戦って培ってきた勘ってやつで嫌でもわかってしまう。それでも、

 

(ーーやるしかないよなぁ……?)

 

 ーーやるしかない。

 

『不安だろうが…後の事は俺に任せて、あんたらは寝ててくれ』

 

 ーーあんなこと言っちまったからなぁ……見捨てて逃げるなんて裏切りに等しい行為できねぇよ。

 

「言われなくてもそんなことは分かってんだよ。それでも、やるしかねぇだろうがッ……!」

 

 恐れを振り払い、俺はアークに向かって駆け出しーーその右拳を振るった。

 

「ーー素晴らしい、そしてーー」

「ーーッ!?」

「ーー実に愚かだな」

 

 だが、その拳をアークに片手でいとも容易く受け止められ、アークは俺の右拳を片手で掴んだまま空いたもう片方の手をゆっくりと上げ、

 

「ーーふっ!」

「!ーーごはッ…!?」

 

 ーーッッ!?!?

 ーー防御する暇すら無い速度で拳を振るう。

 俺の体はその攻撃を受け、大きく後ろに弾けるように吹き飛ぶ。

 

「はあッ…! まだだっ……!」

「人間らしく、痛みを以てラーニングするといい。私の強さを。己の愚かさを」

 

 予想を遥かに超える威力に一瞬理解が追いつかなくなるが、何とか立ち上がる俺を見たアークの目前にはーー突如赤黒く何かが投影され、それは俺の見知った武器と化す。

 

「! ンなことできんのかよっ!?」

「…………」

「!? ぐぅう……!? がはっ!」

 

 アークはその場で作り出したアタッシュショットガンを片手で持つと、反動などもはや無問題なのだろう……こちらに歩み寄りながらアタッシュショットガンを容赦なく無言で連射し、

 

「ぐッ……!」

チャージライズ!

フルチャージ!

 

 アタッシュショットガンを手放したアークは次に滅が使っていたアタッシュアローを投影し瞬時に作り出す。最初に受けたアークの一撃とアタッシュショットガンの連射によるダメージで片膝をついた俺が顔を上げればーーアークは俺の真ん前にアタッシュアローを向けレバーを引いていた。

 

カバンシュート!

「!ーーぐわあぁぁァアーー!!」

 

 ーーそれをもろに受けた俺は衝撃でまたも勢いよく吹き飛び、爆発と共に強制的に変身が解除される。

 

 ───────────────────────

 

「ッ…がはっ…! くっそッ……!」

「その身を以て理解しただろう? バルデル。お前の力は、私には遠く及ばない」

 

 何のアーマーも装着せず倒れる太陽に目を落としアークは淡々と告げる。

 

「ーー迅、次はお前だ。安心するといい。まだお前には利用価値がある……破壊はしない」

「くっ……!」

 

 

 倒れる太陽から迅へと視線を移したアークは迅にゆっくりと歩み寄る。迅は震える足で後退りするがアークに受けたダメージとバルデルによって受けたダメージによりその動きは実に緩慢だった。

 

「ーー遅い」

「!? ごはッ…ぐッ………ーー」

 

 そして、迅は気付けば一瞬で背後に回り込んでいたアークの拳を腹に受け意識を落とし、

 

「……理解不能だな」

 

 ーーアークが倒れた迅に近付いた時、一発の弾丸がアークの背後からその肩を掠る。当然その攻撃をした人物はただ一人、

 

「力の差を理解していながら何故立ち上がる? 無駄な行為を続ける意味は何だ? 」

「はぁはぁッ……悪いが、俺はお前らヒューマギアほど賢くねぇんでな。一回倒れたくらいじゃ、簡単に諦められないんだよ…!」

 

 ボロボロな体で立ち上がり、痛みに堪えながらショットライザーを構える太陽に振り返ったアークは冷たくどこか呆れたように呟く。

 

「……人間というのはやはり愚かな生物だ」

「ハッ、よく分かってんじゃねーか?」

 

 アークの呟きを聞いて笑った太陽はショットライザーを仕舞い、別のドライバーを取り出す。それはアークも迅もよく知るドライバー、

 

「俺にはまだこいつがある…!」

「フォースライザー、か……本当に諦めが悪い……」

「知らなかったか? じゃあ、しっかりラーニングしとけよ。俺はどうしようもない小心者だが、同時に結構諦めが悪いってなあ!」

 

 ーーフォースライザー。

 ソレは太陽が一度だけ使用したドライバー…とは正しくは別物。十二年以上前の滅との激闘により損傷したそれを天津垓が回収し、AIMSの研究班に修理・改良させたものである。

 

フォースライザー!

「ッ…! んじゃ第二ラウンドと行くかァ!」

ストロング!

 

 左手に持ったフォースライザーを腰に当て装着し、続けて変身解除の勢いで落ちたアメイジングヘラクレスプログライズキーを拾いボタンを押す。

 

──変、身ッ……!

フォースライズ!

 

 

 ーー黄色のレバーを力強く引けば、装填したプログライズキーは強制的に展開。ヘラクレスカブトムシのライダモデルが真っ直ぐ俺に向かって飛び、その鋭い角に向け太陽は拳を振るう。瞬間、ライダモデルが太陽の身に纏われ、ゴムのように伸縮したアーマーが勢いよく装着される。

 

アメイジングヘラクレス!

Break Down.

 

「行くぞアークっ…!」

「何度試行しても、結果が変わることはない」

 

 変身した直後、疾走し挑みかかる太陽を前にアークは言う。

 

「ーーどらぁああッ!!」

「ふっーーはっ!」

「ぐッ…! ったく、そんな簡単に受け止められると自信失くすなぁ……」

 

 自らの全力のパンチを片手で受け止めたアークの攻撃に怯み、僅かに後退りした太陽は一瞬俯きそんな言葉を零し、

 

「おらァ!」

「無駄だ」

「くっ…!」

 

 再度攻撃を仕掛ける。だが、それを当然のように躱したアークの手元には赤黒いノイズが出現し、またアタッシュショットガンが作られる。

 

「なら、こっちもショットガンだ!」

「ふんっ!」

 

 それを見た太陽は、先程自らがアークの攻撃により落としたアタッシュショットガンに目を向けると、素早くそちらに向かいローリングしアタッシュショットガンを手に取りーー地面に片膝をついたまま、照準をアークに向けトリガーを引く。

 

「!? ぐはっ…!! ッ……まさか、威力まで強化されてんのかソレっ!?」

「こちらの攻撃を相殺しようとしたようだが、無意味だ」

 

 ーー両者の攻撃は相殺されず、太陽の放ったアタッシュショットガンの一撃が押し負け太陽は大きく吹き飛ばされる。そんな太陽に無慈悲にアークはアタッシュショットガンを放つ。

 

チャージライズ!

「うぐっ!? …ぐゥうッ!? っ……はぁ…それなら……!」

 

 その一撃を前に太陽は反射的にアタッシュショットガンをアタッシュモードに変え盾にする。しかし、アークのその攻撃は防御をしたとは思えないほどの衝撃を太陽に与え、

 

ブロウ!

「ーーコイツでどうだっ…!!」

【Progrise key comfirmed. Ready to utilize.】

『バッファローズアビリティ!』

 

 衝撃になんとか耐えた太陽は立ち上がり、新たに取り出した赤いプログライズキーのボタンを押しアタッシュモードのアタッシュショットガンに装填しーーアタッシュショットガンを展開する。

 

フルチャージ!

「ーーはああぁぁぁあッ!!」

クラッシング カバン バスター!

 

 途端にアタッシュショットガンの銃口に赤いエネルギーが発生しーー発射された弾丸と共にバッファローのライダモデルが放たれアークへと突進していく。

 

「ーーー!」

 

 放たれた必殺技はアークに直撃しーー爆発が起こる。

 瞬間、辺りは黒い爆煙に包まれ、

 

「ーー所詮、人間とは……バルデル。お前とはこの程度か?」

 

 ーー爆煙が晴れた先でアークは平然と立っていた。一切ダメージなど受けていない……そうとしか思えない姿を前にした太陽は……。

 

「ッ……はぁ…ここまでテメェの無敵っぷりを見せられると、絶望通り越してーー最っ高に頭にキタぜっ!」

 

 ーー恐怖することもなく。

 ーー絶望することもなく。

 アークの強さとこちらを明らかに見下している言動に湧き上がる怒りに任せーーフォースライザーのレバーを押し込んだ。そうすればプログライズキーは閉じられ、危険を知らせるかの如くベルトに取り付けられたランプが赤く点滅し始め待機音が鳴る。

 

アメイジング ユートピア!

「おおッーーらああああ!!!」

 

ア メ イ ジ ン グ

ユ ー ト ピ ア

 

 そして、フォースライザーのレバーを引き、再び押し込み、更に引き……レバー操作を連続で行った太陽はアーク目掛けて高く跳躍し蹴りの構えをとる。アークへと向けられた太陽のその右足からは赤黒い火花が激しく散り、黄緑色の爆発的なエネルギーが収束していた。

 

「ーーぐっ……!」

 

 太陽の必殺のライダーキック、渾身の一撃をアークは避けることなくその身で受けーー戦闘が始まってから初めて僅かではあるが怯みを見せる。だが、

 

「──認めよう、バルデル。お前は強い──」

「?! 消えーー! うぐッ…!?」

 

 ーーアークはすぐに反撃へと転じた。

 一瞬で太陽の背後を取り、右手でその首をがしりと掴み持ち上げ、太陽の足は地面から浮く。

 

「──しかし、私の方が上だ」

「ぐぅ…ァ…! はな、せッ……!」

 

 アークの拘束から逃れようと自分の首を掴むアークの右腕に拳を叩きつける太陽。しかし、アークの拘束は一切緩まずーーアークは空いた左手で自身が装着するドライバーの上部にあるスイッチを強く押し込んだ。

 

オールエクスティンクション!

 

 その操作を行なった直後、アークは太陽の首を掴んでいた手を離しーー

 

オール

エクスティンクション

 

「!?!? がああぁぁァアァァーー!!」

 

 拘束から解放され太陽が地面に落ちるより早く、赤黒いノイズが走る足でその体に横蹴りを打ち込む。その威力に凄まじい勢いで吹き飛んだ太陽はその体を地面に強く打ち付けーーダメージにより変身が強制的に解除される。

 

───────────────────────

 

「ァ……ごはッ…!」

 

 こりゃあ……まじでヤバい、かもしんないなぁ……。立ち上がろうとするが体には全く力が入らない。地面に倒れたまま俺は口から大量の血を吐く。頭からも出血してるからか……頭がぼーっとする……。

 

「…………」

「っっ!? な、んで……?」

 

 そのせいもあって、目の前にいるアークがとった行動が俺には尚の事理解できなかった。

 

「何故トドメをささないのか、か? 決まっているだろう。バルデル、お前にはまだ重要な利用価値があるからだ」

「なん、だとッ…!? ごほッ……!」

 

 アークは倒れる俺にトドメを刺すことなく、意識を失い倒れた迅を抱えて倒れる俺に背を向けた。利用価値………十二年以上前に滅が同じような理由を口にして俺を生かした時があったが……お前らの言う『俺の利用価値』ってのは一体何なんだ…?

 

「ーー待てッ! アーク……! お前は、何でッ…何でッ! 人類滅亡なんて結論に至った!?」

「…………」

 

 走る痛みも、流れる血も構わず俺はその背に叫ぶ。衛星アークの存在を知ってから、ずっと抱いていた最大の疑問。それをぶつければアークは足を止め、

 

「──その答えが知りたいのなら、私ではなくあの男──天津垓に直接聞けばいい」

 

 ーー振り向いてそう口にし、それを最後にアークとアークが抱える迅は赤黒いノイズに包まれその場から姿を消す。

 

「!? ーーぐッ…がはッ……!」

 

 そして、俺はアークが姿を消した直後に更に吐血。周りに倒れるAIMS

 の隊員さん達と同じく……いや、それ以上に酷い状態で倒れる。

 

 ──力尽きて意識を失う直前。

 

 ──誰かの呼ぶ声が聞こえた。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。
感想や批評、アドバイスなどありましたら遠慮なくお願いします!

今回の話は一言でいうと「完全敗北」な回となります(↓キャラとスペック載せておきます)


・アーク
本編でも、そして本作でもきっとラスボスのヤバいヤツ。天本太陽(オリ主)のことを十二年前……滅と太陽が初めて出会った時からデータとして知っており、滅同様にバルデルを強く警戒していた。しかし、同時にその力に大きな利用価値があるとも考えている。また、太陽が今まで戦ってきた全マギアのデータを持っているので当然序盤の太陽の未熟さや苦悩、弱さや強さも把握している。


仮面ライダーバルデル
アメイジングヘラクレス
(フォースライザーver)

SPEC
◼️身長:197.5cm
◼️体重:98.6kg
◼️パンチ力:48.8t→52.9t
◼️キック力:31.5t→35.5t
◼️ジャンプ力:16.5m→18.3m(ひと跳び)
◼️走力:3.7秒→3.0秒(100m)
★必殺技:アメイジングディストピア、アメイジングユートピア

【スペック変動あり】
・パンチ力+4.1t
・キック力+4t
・ジャンプ力+1.8m
・走力一0.7秒

デイブレイク被害者である天本太陽が修理・改良された「フォースライザー」と「アメイジングヘラクレスプログライズキー」を使って変身した姿。


仮面ライダーゼロワン!


第11話 ワタシがアークの生みの親

バルデルの強化フォーム案募集…!

  • シャイニングホッパー
  • アメイジングコーカサス(サウザー?)
  • オリジナルプログライズキー(挿絵あり)
  • ぜ、全部…?無茶言わんといてぇ……
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