黎明卿inオバロ   作:Tomo Tomo

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邂逅

カルネ村

 

王国と帝国の国境、アゼルリシア山脈の麓に広がるトブの大森林の恵みと農業によって生計を立てている小さい村

そんな村はかつてない危機を迎えていた

 

走る

 

まさかこんなことになるなんて

 

走る

 

もう両親は目の前で殺されてしまった

残った家族はこの手を結んだ妹のネムだけだ

今一度手の中の小さな手を強く握る

 

あと少しでトブの大森林だ、そこまで行けば…

 

そんな淡い期待は後ろからの二人分の騒がしい金属音によって裏切られる

 

「見つけたぞ!」

「ネム、走るよ!!」

 

「う、うん!」

 

ネムのことを考えると少しペースを上げるのが精一杯か…

 

いくら地の利があるとはいえ未だ発達途中の女の子二人では追いつかれるのは時間の問題だった

 

足場が悪いところを走ってきたせいか足はもうすでに限界を迎えている

ネムが木の根に足を引っ掛けた

 

「あっ!」

「きゃっ!」

 

こんなチャンスを敵が見逃すはずはない

 

「手間かけさせてくれたなっ!」

 

とっさに体を投げ出してネムを庇う

 

「———っっっ!!」

「お姉ちゃん!」

背中に火に炙られたような感覚を覚え、声にならない悲鳴をあげる

 

まだ意識を失うほどではないが逃げることは不可能だろう

ネムは自分が切られたのを見てパニックになっている

 

「お姉ちゃん!大丈夫!?」

「私のことはいいから逃げて!早く!」

 

「これで終わりだ。」

 

兵士はニヤニヤしながらこちらに近づいてくる

なんとか妹の逃げる時間を稼がなければ

 

切られる瞬間に剣を掴んで離さななければ少しは時間が稼げるはずだ

 

「死ね!」

 

剣が振り下ろされるその時

 

月に触れる(ファーカレス)

「ぐはっ!」

 

茂みから黒い何かが兵士に激突し、兵士は木に叩きつけられた勢いで気を失う

茂みの中を痛みをこらえながら目を凝らすとそこには紫と青色の光

 

それらの光の元は異様だった

 

「子供をいじめてはいけませんよ」

 

全員仮面を着けていた

コートのようなもので身を包み背中には大きな荷物、腕にはエンリには見覚えのない機械のようなものがついている

 

「貴様らは何者だ!」

「おやおや、まだ戦意があるとは…素晴らしい」

 

兵士が剣を構えるが全く気にしていないようだった

 

「耐えてくださいね、呪い針(シェイカー)

「何を…す…る…」

 

紫色に光る仮面の男の左手から針が射出される…といってもエンリの目には左手を向けた瞬間に兵士のお腹に針が刺さったようにしか見えなかったのだが

 

「ふむ…ダメでしたか。どうやら負荷以前にダメージに耐えられなかったようですね…。それよりも貴方怪我をしていますね、すぐに手当てを」

「あ、ありがとうございます。」

 

仮面の男は赤い色のポーションを差し出してくる。恐る恐る飲むと綺麗に傷が癒える

 

「え、うそっ。」

「お姉ちゃん!!」

 

ネムが泣きながら飛びついてくる

 

「よかった!お姉ちゃん死んじゃうかと思った」

「ネム!私たち助かったよ!」

 

「どうやら治ったようですね、良かったです。」

「助けてくれて本当にありがとうございます!」

「ありがとう!」

 

「いえいえ、助けられて本当に良かった。ちなみに他にも彼らはいるのですか?」

「ええ、村の方に20人ほど」

「そうですか…ギャリケー、彼女らの護衛を頼めますか?グェイラと私は村の中心部に向かいます。他の方々はこの場の処理をお願いします」

 

問いかけには何も答えず一人だけいる白いコートを着た人が寄ってくる

「彼はギャリケー、私の探窟隊の中でも優秀な探窟家です。」

「えっと…よろしくお願いします!」

 

ギャリケーと呼ばれた人は頭を少しだけ下げるとまた元の姿勢に戻った

 

「では行きますよ、グェイラ。」

「わかりました」

 

いってしまおうとするのでとっさに声をかける

「あの!」

「どうしました?」

 

「えっと…助けてくれてありがとうございました!是非お名前を教えてくれませんか!」

「おや、自己紹介もまだでしたか。」

彼はゆっくりとこちらを向く

 

「私はボンドルド、奈落の探窟家、『黎明卿』と人は呼びます。」

 

 

アルベドへのアンチ色強いルートあるけど見たい?もし出すとしてもIFルートだけど

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