ウルトラマン特別短編 戦の神と姫の戦記 作:サウザンd.pース
ーーー封印の場所ーーー
「ふふふ、ついに見つけたぞ、古の植物怪獣!」
とある奥地にて、男が腐った巨大な球根のようなものを見つけ、その球根の中心へと降り立つ。
そして懐から瓶を取り出し、栓を抜く。
「さあ再びその花を咲かせ!我が野望のために!」
男は瓶を傾けた。すると中に入っている液体が流れ落ち、球根へと注がれた。
・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
「ギシャアアアアアアアアアア!!」
すると突然揺れが起き、球根が爆発する。
そしてその中から動物の頭のような花弁の花をもつ巨大な植物が姿を現し、高々と咆哮を上げた・・・。
ーーーとある秘境の村ーーー
「運べ運べ!」
「そこ止まるな!」
「・・・なんか物々しいな」
俺はセツ。この村に住んでる。そろそろ成人を迎えるなぁと思っていたら、村は何故か大人たちの雰囲気がおかしい。
「何があったんだ」
気になったんで近くにいた大人の一人、ゴウに聞いてみた。
「おう、どうやらめでたいことがあったみたいでな!村総出で祝おうってことらしい!」
いわく何かいいことが起きたらしく、それを祝うための準備、らしいのだがどう見てもそんな感じじゃない。
何かに備えてるって言った方が正しいぞこれ。
「あ、信じてないな、ま、当たり前か。こんな感じだし。」
顔に出ていたらしく、俺が心の中で思っていたことに気がついたようだ。
ゴウは実はな、と再び語り出す。
「実はな、最近空に穴が開いてそこから悪い奴が来て近くの村を襲ったらしいんだ。
そいつがこっちにくると村長達は踏んで、罠を仕掛けながら警戒してるんだ。」
ふーん、なんか悪いやつが来るらしいから予め用意してるのか。
来るかもしれないぐらいのやつに何神経尖らせてるんだか。
「そか、まあ頑張ってねー」
適当に返事をして、俺はその場を後にしようとする。
ふぉおん…
「ん?」
その時、横の木から花粉が飛び出してきた。気になって木の方を見ると、後ろに見たことない黄色い花があった。
どこか不気味で獣の口にも見えなくもない形をしている。
どうやら花粉はここから吹き出していたみたいだ。
「何だ? これ…」
「触るな!」
俺が花に触ろうとしたとき、ゴウが怒鳴った。
普段怒鳴ることなんてないのにどうしたんだ?
「これは、神聖なものだ。そう簡単にふれてはいけない」
「あ、うん」
ゴウにそう言われて俺は手を引っ込め、その場をあとにした。
あの花が神聖?、何かの間違いだろ。どう見たってあれは…悪魔の花だろ。
そんなことを思いつつ、森を歩いていると、ガサ、と何かが通った音が後ろから聞こえた。
振り返ると茂みから女の人が出てきた。
俺たちの物とは違う、妙な服を着ていて、髪色が赤と金色になっている。
明らかに普通じゃない!
「う、うぁああ…」
女の人が呻き声を上げてこっちに来た!
もしかするとさっきゴウが言ってた、空から来た悪いヤツってこの人なのか!?
そんなことを考えてるうちに、女の人は俺の方にかなり近づいていた。
やばい!…と思ったその時、急に女の人がパタッと倒れた。
ど、どうしたんだ…?
「み、みずぅ…だれかみずを…」
……どうやら単に喉が乾きすぎてフラフラになっていたらしい。
とりあえず俺は女の人を近くの川辺に連れて行った。
ーーー ーーー
「…プハ」
河辺についた瞬間、女の人は凄まじい速さで川に飛びついた。
そして水をすくい上げてそれを一気に飲み干した。
「ふう、ありがとう、きみ」
女の人が礼を言った。俺は適当に頷いた。
…にしても見るからに普通じゃないなぁ……服は複数の色で彩られていて、何故か光を反射している。
俺らのは反射なんてしないのに。
髪の色も上から、赤から金色っていう感じだ。普通黒か茶色、金色が珍しいくらいだ。
赤と金色なんて見たことも聞いたこともない。
「お姉さん、どこから来たの?」
気になったんで聞いてみた。
「え? あ〜…未来?」
…よくわからない答えが返ってきた。
「いやなんか変な穴に急に吸い込まれちゃって! 気がついたら、ここに…というか、なんでそんなこと聞くの?」
逆に聞き返された。まあ答えない意味はないんで「服と髪の色が珍しかったから」と答えた。
それを聞いたお姉さんは、「え? 髪の色? あ!? いつの間にか元に戻ってる!?」と慌て始める。
「あっはは…本当は仕事の時は黒くしてるんだけど…」
どうやら黒くしていたものが元に戻っていたことに焦っていたらしい。
どうやって黒くしていたのか気になったがそれは置いていくことにし、「大変だね」と返した。
「あはは、ありがとう…あ、実は帰るために探し物してるんだけど、何か知らない?」
それを聞いたお姉さんは苦笑い気味で礼を言った。
と、ここで探し物をしているので何か知らないかと尋ねてきた。
「え? いや多分知らない…」
「なんでもいいよ! 例えばうんとその…変な草とか!」
知らないと返したが食い下がってきた。
そういわれても知らないものは知らないし…ん? まてよ、変な草と言えば…
「…お姉さん」
「うん?」
「怪しいの一つあった」
ーーー ーーー
「セツくん! 本当にここにある?」
「うん、確かだけど」
あのあと、俺はあのおかしな黄色い花のことをヒメラに話し、ヒメラがそこに連れて行ってと行ったので案内しているところだ。
道中で互いに自己紹介しあい、お姉さんの”ヒメラ・シン・トライフィア”という名前を聞いた。
なんか俺の名前を教えた時に笑顔を向けられたら胸がドクンっとなった気がしたが気のせいだろう。
「あ、セツくん! あれ?」
そうこうしていると、ヒメラが何か見つけたようだ。
指差す方を見るとそこには例の黄色い花があった。
「うん、あれ」
「よし」
確認をとったと同時に、ヒメラはそろりそろりと花に近づき、まじかまで行くと、じーと花を見る。
「どう? それ何かわかった?」
「……」
声をかけたが、反応がない。
かなり深刻そうな顔だったので少し様子が気になり、近づいて再び声をかけた。
「ヒメラ?」
「! あ、ご、ごめん! ぼーとしてた…」
どうやらただぼーとしてただけのようだ。
だけどやっぱり深刻そうな顔は変わらず。
そして深く息を吸った後、ヒメラはこう言った。
「セツくんの村、少しやばいかも…」
「!……どういうこと?」
俺の村がやばい、そう言われて何故か驚かない自分。
おそらく最近の物々しさから村の様子のおかしさを感じ、今ので腑に落ちたんだ。
「…驚か、いやそうだね、どういうことかの方が聞きたいよね」
そんな俺の様子にヒメラは一瞬戸惑ったが、
すぐに察しがついたのか気を取り直し、花と今の村について話をし始めた。
「この花、ギジェラっていうんだけど、すごい幻覚作用があってね、
それでいい夢見てみんな無気力になった後、闇の餌食になった。だからこのままだとセツくんの村が危ない。その闇が来て…」
「・・・多分違う」
「え?」
今の説明が本当なら、今みんなあんな物々しい感じにはならないはずだ。
もっと楽しそうになってると思う。でも実際はみんなかなり気が立ってた。
ゴウはあれを神聖なものと言った、つまりは…
「多分だけど、この花はみんなを操って、自分を守らせようとしている」
俺はそういった。ヒメラは少し考えると、
「…なるほど、多分セツくんの考えは正しい。だってこの花はこの時代では出てこないもの。
私のようにこの時代に来たやつが、悪いことにこの花を利用しているんだ。その準備が終わるまでの守護として、村人は操られているんだと思う」
と言った。なるほど、このギジェラっていう花を、誰かが悪いことに利用し、村のみんなも操っていると。
「だったらまずはどうすればいい?」
しかし、それでどうすればいいかはまったく解らない。困った俺はヒメラに聞いた。
「…花には悪いけど、こうする」
そう言ってヒメラは腰に納めてあった何かを手に持つと、ギジェラに向けた。
すると光がギジェラにあたり、ギジェラは燃え尽きて消えた。
「こんな感じではなを消せば、村人たちは元に戻る…」
ヒメラはどうやら花を燃やすのを嫌がっているようだ。
多分、本当はそれ以外の方法があるのなら別の方法をとりたいんだろう。
でも村人達を戻すためにヒメラは…
「…やさしいね」
思わず、俺はそう呟いた。
「…私にその言葉は合わないよ…」
でも、彼女には逆に応える呟きだった。
「そこで何をしている」
「「!?」」
声をかけられ、俺たちは振り返る。そこにはゴウや村の人達がほぼ全員いた。
「花に何をした」
「燃やしたのか」
「無礼者!」
「捕らえろ!」
恐ろしい雰囲気で、ぶつぶつとみんな何かを呟いていたと思っていると、急に全員ヒメラに向かって飛び出した。
「きゃ!?」
「ヒメラ!? く!?」
ヒメラの悲鳴が響く。助けようとするがみんなが邪魔をする。
ようやくその邪魔から抜け出せたと思ったら、既にヒメラはいなかった。
「セツ、おまえも花を燃やすのか?」
もうみんな話しが通じるような感じじゃない!
ヒメラを探し出してここから離れる、それしか生き残る道はなさそうだ…
俺は木を渡りつつその場を離れた。
ーーー ーーー
「いたか?」
「いやいない」
「どこへ行った!」
「探せ探せ!」
あれからかなり時間が経った。未だにヒメラは見つかっていないし、みんな血眼になって俺を探している。
これじゃいづれ見つかる…
「困っているな君」
「!」
突如後ろから声。周りに気付かれないようにしつつも素早く後ろを振り向く。
そこには布で身を包み、かをを隠している男がいた。
「俺は追いかけてきているやつじゃないから安心してくれ」
「…信じると?」
この男の正体で考えられるのは二つ、一つはヒメラの言ってた悪いやつか。
ヒメラが言うにはヒメラが元いた場所と同じようなところから悪いやつは来たらしい。
ヒメラと同じように見たことのない服を着ているのならありえそうだ。
二つ目、ヒメラを追いかけてきたヒメラと同じ感じの人。
さっきと同じように服からそう思った。
「信じるかは置いとい、て!」
「!!」
男が俺に手をかざした。すると何かが頭に入ってきた!?
これは…ヒメラ!?
「おまえにヒメラのいる場所の知識を与えた。それで迷わず向かえるだろう、あとついでにしばらくのあいだ周りから見えなくなっているから」
本当にこの人は何者なんだ!? でも今は・・・
「ありがとう、これでヒメラを助けられる」
「ああ、行ってこい。ただし、不可視のオーラはヒメラがいる場所に着く寸前くらいには消えちまう。急げ」
「ああ」
今はヒメラを助けられる。それでいいと思い、俺は頭に刻まれたものが示す場所に向かった。
ーーー穴蔵ーーー
ヒメラがいた穴蔵に着く頃にはどうやら見えなくなる力は消えたらしく、猿と目があった時に吠えられた。
幸い人がいなかったから見つかることはなかった。
「ヒメラ!?」
「むぐ!?」
穴蔵に入ると、そこには両手足を縄で縛られて、口に布をかまされたヒメラが横たわっていた。
よく見るといたるところに傷があり、みんなから攻撃を食らったのだとわかる。それも相当な。
俺は持ってた石刀でヒメラを縛っていた縄を切る。
「う……せ、せつ、くん…?」
「しゃべんなくていい! とりあえずここから離れるぞ!」
俺はヒメラを背中に背負い、村から飛び出した。
「……セツくん」
村を飛び出した後、俺がヒメラを背負って森を走っていく中、弱々しくヒメラが呟く。
「どうした!?」
「……ごめん、セツくん、一緒に、連れてこられなかった、から…私を置いて逃げちゃって…このまま、来ないと思っ、てた…」
「……」
ヒメラはそう言って謝った。俺は何も言えなかった。逃げたのは事実だからだ。
今はとりあえず落ち着ける場所に行こう。
そう思ったその時、
「ギシャアアアアアアアアアア!!」
「!?」
けたましいほどの咆哮が空に響いた。見上げると…
「なんだよあれ…」
そこには、巨大な花があった。あのギジェラに似た花が。
だが違うのは花の中に顔があるということだ。
「ギシャアアアアアアアアアア!!」
花はこちらに向かってくる。どうやら俺たちが狙いのようだ。
「……下ろして、セツくん」
「え?」
下ろして、ヒメラがそういった瞬間、ヒメラはすぐに俺の背中から離れ、俺の前にいた。
「ヒメラ!? 何を!?」
「あれは…私が止める!」
そう言ってヒメラは懐から先が水晶になっていて、その水晶の付け根あたりにくぼみがある棒状のものを取り出した。
「ミッション、スタート!」
ヒメラがそう宣言するとヒメラの周りが光に包まれた。
「これは!?」
一体何が起きているのか…
一方、ヒメラはその光の中で棒状のもの、”クリスタルアウェイカー”に、
黄緑と紺の線が入った赤いクリスタル”バランスルージュエレメンタル”をセットしていた(ここから三人称ですすまんそん)。
『バランスルージュ!』
クリスタルアウェイカーからそんな電子音がすると、クリスタルアウェイカーが三叉に展開する。
「迸れ!光の深紅!はっ!」
ヒメラは大きく腕を回して下げて構えつつ掛け声をいい、クリスタルアウェイカーを天に掲げた!
『♪〜 ウルトラマンミツキ……バランスモード! 〜♪!』
ヒメラの体は赤、黄緑、紺の三つの光に包まれ、それが一つの渦となった時、
その渦の中から飛び出すようにぐんぐんと”ウルトラマンミツキ”として現れた。
「……シェア!」
赤メインで黄緑、紺のラインが入っていて体系的に細身で他のウルトラマンよりかは小さめな体を持つ戦士、
ウルトラマンミツキ バランスモードは怪獣ギジェラへ向き、ファイティングポーズを決める。
「あれは…ヒメラがなったのか?」
その光景を見てセツはかなり驚いていた。ただの少女が、40mほどの巨人になっているのだから。
(……行くよ!)
「シェア!」
ヒメラがインナースペース内で気合いを入れるとミツキも意気揚々と構えをとった。
後編へ続く…
後編もすぐに投稿します!