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◆ 裏路地
「炭治郎、無事か?」
「蒼紫さん!どうしてここに!?」
場所を僅かに移し、愈史郎と呼ばれた男性が何かを拾い上げ眺めていると蒼紫さんが禰豆子を連れて現れた。
物凄い速さだ、近づくまで気が付かなかった。
「ム―!」
「ぐふぅ!?」
禰豆子が勢いそのままに抱き着いて来る。
俺を探していたのかもしれない。
強い心配の匂いがする…悪い事をしてしまったな。
「鬼じゃないかその女は、しかも醜女だ」
醜女…?醜いって事か…誰が…?
口枷の上からでもわかるほど悲しい顔をしている
「禰豆子!?醜女の筈ないだろ!よく見てみろこの顔立ちを!街でも評判の美人なんだぞ!」
「愈史郎!謝りなさい!申し訳ありません。貴方達は…?」
着物姿の女性が恐る恐る尋ねてくる。
鬼殺隊の制服を身に付けてるのだから無理もない。
「こちら俺の妹の禰豆子と同僚の蒼紫さんです。蒼紫さん、俺が官警に連れてかれそうになってる所をこの人達が助けてくれたんです」
「私は医者の珠世と申します。この子は愈史郎、仲良くしてやってくださいね。―ただ今はこの人達の治療をしたい。私達に着いて来てくれませんか?」
「いけません珠世様!こいつらは鬼狩りですよ!?」
そうだ、禰豆子はともかくとして蒼紫さんは隊士である以上この人達の頸を刎ねかねない!
「蒼紫さん!この人達は斬らないでください!あの時助けて貰えてなかったらこの人を止められ無かったかも知れないんです!」
「ここへ来る途中、血鬼術と思われるもので官警から助けるのを目撃している。訊きたい事は山の様にあるが今はこの2人の治療が先決だ。炭治郎、そちらの女性を頼む」
「あ、はい!」
「愈史郎、どうかお願いします」
「仕方がない、珠世様の頼みだ。ついて来い」
珠世さん達に先導され街頭でぼんやりと照らされた人気の無い路地を進んでゆく。
鬼になった主人と負傷した婦人の治療はなるべく早い方がいい、傷口を広げたりしない範囲で可能な限り素早く移動してゆく。
すると行き止まりに辿り着いた、どういう事なんだ…?そう考えていると2人は壁に入り込んだ。
「早く来い、誰もいない内に」
愈史郎と呼ばれた男性が顔だけ壁から出して来るように促す。
意を決して足を踏み入れるとそこには立派な屋敷が存在していた。
「行き止まりの向こうに屋敷が!?」
「いいから早く来い、珠世様に失礼の内容にしろよ?いいか、俺はお前達などどうなったっていいんだ。それをあの方がどうしてもというから連れて来たんだ!」
「愈史郎」
「はい珠世様!」
「失礼する」
「お邪魔します!」
◆ 珠世の屋敷
「これでしばらく安静にしていれば問題ないでしょう」
珠世と名乗る女性の屋敷には数々の医療器具や専門書が所狭しと並べられている。
中には西洋医学の物と思われる物まで確認できた。
これだけの質と量は一朝一夕で集められるものではない。
どうやら医者というのは本当のようだ。
「先程は助けて頂きありがとうございます、貴方達がいなかったらご主人を斬らないといけませんでした」
「炭治郎、軽率な行動は他の周りにも迷惑がかかる。まして鬼殺隊は命がけの任務だ、肝に銘じておけ」
「はい、蒼紫さん…。すみませんでした」
「謝るべきは俺では無く、この夫婦だぞ」
「はい、ごめんなさい!俺の勝手な行動なせいで!」
「患者が眠ったばかりだぞ!耳元で大声を出すな!」
「ごふぅ!?す、すみません」
「愈史郎、よしなさい。何故暴力を振るうの」
愈史郎が突っ込みを入れ黙らせる。
ただ今回ばかりは炭治郎の方に非がある、愈史郎も少々手が早いが。
「この人は大丈夫ですよ。ご主人は可哀想ですが拘束して地下牢に…。詳しい話はこちらで―」
通された先は灯りこそ西洋風の電球を使っているが、和を基調とした風情のある一室であった。
まさか鬼と面と向かい合って話し合いをする機会が訪れるとは夢にも思わなかった。
部屋に入ると直ぐに禰豆子は寝転がってしまい、それを注意する炭治郎と構いませんよと許す珠世。
まずは情報の共有から始めなければ―
「さて…炭治郎、どうやって彼が鬼の首魁であると突き止めた?明らかに視認できない距離と位置だったが」
「俺は生まれつき鼻がいいんです。それこそ動物達の感情や、鬼の匂いだって嗅ぎ分けることが出来ます。だからある程度離れていたり、姿を変えていても鬼の位置が大体わかります。あの時、家を襲った鬼の臭いが漂ってきたんです」
「―擬態していようとも禰豆子さんを鬼にした鬼舞辻を辿れる、そういう訳ですか」
「珠世さん達は鬼特有の臭いがしないのですが秘密があるのですか?」
「そうですね、私は自分の身体をかなり弄っており、鬼舞辻の呪いを外していますから」
そこから先は驚きの連続であった。
少量の血を買って生きているという事。
愈史郎は200年以上かけて珠世が鬼にできた唯一の存在で更に血の量が少なく済むという事。
彼女自身は鬼を増やそうとしている訳では無く、不治の病や怪我など余命幾許も無い人にしかその処置はしない、それも同意を得てから行うとの事だった。
炭治郎が何歳なのかと尋ねてしまい愈史郎に投げ飛ばされる場面もあったが。
炭治郎が無言で頷く。
俺から見ても嘘をついてるようには見えないが、内容が内容だ。
情報の信用性は高いに越した事は無い。
「珠世さん、聴きたい事があるんです。鬼を人間に戻す方法はあるんでしょうか?」
「鬼に戻す方法は―あります」
「教えて下さい!」
「珠世様に近づくな!この無礼者…!」
「そこまでだ、愈史郎といったか。珠世殿を心配する気持ちはわかるが、主が招いた相手にそこまでしてはいけない。珠世殿に恥をかかせる気か。炭治郎も重要な話で聴きたいのはわかるが、鬼であるにもかかわらず鬼狩りの俺達を招いてくれたのだ。刺激する様な行動は慎め」
愈史郎が掴みかかろうとするのと珠世殿へと食い入るように近づく炭治郎を手で止める。
「すまなかったな。珠世殿、教えては頂けないだろうか」
「いいえこちらこそ。愈史郎を止めて頂きありがとうございます。それで続きですが―」
どんな傷にも病にも薬や治し方がある様に、今は無理でもこれからはわからない。
禰豆子は今、非常に稀で特殊な状態にあるという事。
その血を調べ、鬼舞辻に近い鬼の血を採取できれば人間に戻す薬の作成が可能かも知れないという事。
いずれも鬼殺隊の中では手に入らなかった情報だ、彼女の鬼に関する知見の深さは確かなものだ。
「という訳です。鬼舞辻の血が濃い鬼というのは即ち鬼舞辻に近い強さを持つという事。…とても過酷なものになります。それでも貴方はこの願いを聞いて下さいますか?」
「それしか方法が無いならば、俺はやってみせます」
「蒼紫さん、貴方にもお願いがあります。先程のこちら、調べさせては貰えないでしょうか」
珠世がいうと控えていた愈史郎が包みを開く。
そこには彼が咄嗟に放ち、鬼舞辻をすり抜けた苦無があった。
「なるほど確かにそれは役に立つかもしれん。有効に使ってくれ」
「もともと採血を前提としたものではありません。付着した血の量は少ないかも知れませんが、他ならぬ鬼舞辻本人の物です。これがあれば研究が大きく進むでしょう」
「俺も尋ねたい事があるのだが、よろしいだろうか?」
「構いませんよ、どうぞ」
「元の時代に帰るにはどうすればいい」
「ええっ!?」
「―その話、詳しくお聞かせ願えますか?」
珠世の纏う雰囲気が変わった。
炭治郎の話でも驚きこそすれどここまでの反応は示さなかった。
それだけ彼女にとって興味深い内容という事か。
「俺は元々明治時代、京都で暮らしていてな。帰り道いつの間にか大正時代の森に迷い込んでいた。時代を超える様な血鬼術などに心当たりはないだろうか」
「残念ですが…、その可能性は殆ど皆無だと思います」
「心当たりがないはともかく皆無とは?」
「なぜあの男が鬼になったのかご存知でしょうか…。今から1000年程前医者が処方した未完成の薬が原因なのです。処方箋によると青い彼岸花というものが使われていました。鬼舞辻の呪い、これは鬼の思考や記憶なども把握されます。もし、その様な鬼がいて過去の人間を連れてくることが可能ならば間違いなくその医者を連れてくるでしょう、首だけでなく日光すら克服する為に」
「待て、やはり鬼舞辻は首の弱点を克服しているのか」
「そこは間違いありません、この眼で確かに目撃しましたから。太陽を克服する、その為にあの男は私を鬼にしたのですから」
「情報の提供、感謝する」
「構いません、こちらとしても禰豆子さんや蒼紫さんの話はとても興味深いものでしたから」
互いの情報を交換し夜は更けてゆく、蒼紫達に待ち受けるのは一体…?
矢琶羽と朱紗丸どうしよう…
蒼紫がいると瞬殺になりそうだしカットするべきか…
ちょっと珠世様サービスしすぎたかな?
少量でも無惨本人の血はかなり意義のある物だろうし線引きが難しい。
医者関係は無惨がつくらせようとしていた感じで処方箋やらを見せた設定です。
花だけあっても日光を克服にはならないでしょうし、いい加減な説明で失敗されてはたまったものではないのが薬なので
朱紗丸達との戦いはどうする? 締め切りは11/7 0時
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どうあがいても楽勝だしカット
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珠世達の護衛に徹する
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なんか敵を追加してテコ入れする
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一度別れて別ルートだ
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