「俺、なんでこんなとこ来てるんだろ・・・(泣)」
宏斗は病院に来ていた。
「おーい、宏斗君こっちこっち。あんまり離れすぎるとはぐれちゃうよ(笑)。」
この元気よく俺を手招いている人は、寧々森鷹乃(ねねもりたかの)さんと言って姉の親友に当たる人だ。
今日は病院に入院しているこの人の妹さんが退院するということで、運悪く荷物持ちとして捕まってしまったのだ。
事の原因は昨夜のことになる
宏斗は初勝利を飾ったあと今後について考えていた。 ブレイン・バーストの知識については姉から一通り教わったといえ、事実上ブレイン・バースト初心者だ。
知識はないが最初の方針はすぐに思いついた。まずは自分のアバターを強化すること。
姉のLvを記憶している限りたしかLv7だったはず、この世界で一番上のLvが9で人数が6・・・いや7人だったはずなので姉はそれなりに強い分類なのだ。
そんな姉を全損させるまで追い込んだのだ。何かしらのあくどい手を使いを使ったのだろう。
そして強いはず。 そんな強い奴が復讐目標なのだ。
ならばバーストリンカーなりたての宏斗が敵うはずはないのは安易に想像できた。
その為にまずは自分のアバターを強化すること。 そう思い自分を強くするため早速グローバルネットに接続し対戦をおこなった。
・・・のだが。結果は、1勝3敗。ポイントは-20P。そこで心が折れた。
その分、怪我の功名と意味べきか減った分の代償としてこのアバター『オブシディアン・バイパー』の弱点がいくつか判明出来たことが幸いだ。 それはまず第一戦。相手に負けたというより対戦ステージに負けたと言うべきか・・・。
初戦で会得した
この《豪雪》ステージの特徴は空が灰色の雪雲に覆われ、ぼた雪がしんしんと降り積もる。 地面は脛位まで雪が積もり所々に雪山オブジェクトが点在するというものだ。
宏斗はその雪山オブジェクトを破壊して
そこには空中に雪が積もるという異様な光景あった。あきらかにシュール過ぎる。
唖然として5カウント、宏斗はやっと我に帰り
だから雪が降れば身体に積もるし、もし雨に打たれれば雨を弾く、おそらく今歩き回ると誰もいない所に足跡がどんどんできる用に見えるだろ。 実際に数歩歩いてみるとやはり足跡が出来てた。
宏斗はこのステージでは使用できないと判断してアビリティを解除し、ひとつ考える。
今後
今のところ対戦相手がまだ近くにいないことと、ギャラリーがまだ観戦に来ていないのでなんとか弱点は隠せそうだ。
「さて、気を取り直しっ」
ッダン!!
「アレ?か、身体が痺れ・・・」
ッダン!ッダン!ッダン!
【GEME SET YOU LOSS!!】
よくわからないまま負けてしまった。相手の名前からどうやら赤系アバターだったらしく、いろいろともたついているうちに狙撃されてしまったようだ。
その後は対戦は《熱砂》と呼ばれる太陽が照りつく砂漠ステージで砂中に潜んでた重量級緑系アバターに拘束圧死され、またその後対戦は《世紀末》と呼ばれる荒廃ステージで対戦相手が所構わず建物オブジェクト爆破系技で破壊し、それ巻き込まれて爆死。 ちなみに《熱砂》で判明したのだが
そしてそんな心折れそうになりつつ最後の一戦はなんとか初戦のような戦い方で勝てたのだが・・・。
「ヤバイ。こんな戦い方じゃ、俺もすぐポイント全損しちゃうな。ん~・・・よし!運は試しだ。第2プランを実行しよう。」
――――後日
宏斗は学校が終わってから、姉の友人である寧々森鷹乃さんという人の家の行ってみることにした。
目的の場所は家にある情報と地図ツールでなんとか来れた。 寧々森さんのお家はずいぶんと大きく、家にある庭も俺の家のリビング以上の広さがある。 結構、お金持ちなのだろうか?
何故ここに来たかと言うと、ブレイン・バーストにはタッグとかレギオンなどの仲間との繋がりがあるのだという。 そこで宏斗が考えた第2プランとは『姉の親友ということならその寧々森さんもバーストリンカーなのではないのか?』というものだ。
もし俺の考え通り寧々森さんもバーストリンカーであれば、ブレイン・バーストについて教えを請えるかもしれない。 宏斗はブレイン・バーストのシステム説明を受けていたが、戦闘知識については無知。 なにより宏斗にとって戦い方に模索している現状、戦闘について教われば次のステップにいける。
そしてもうひとつ理由は実は寧々森さんは姉がバーストリンカーで無くなった日、一緒に秋葉原に行っていたという。 もし運が良ければ何かしらの姉を仇を打てる情報があるかもしれないと思った。
しばらく待っているとその人らしき人物が家から出てきた。
「バースト・リンク!!」
普通自宅いる場合はホームネットに繋いでいるのが一般的なので、グローバルネットに繋ぐとしたら家から出る今だ。
もし、寧々森さんがバーストリンカーならばマッチングリストに新たに対戦者が表示されるはずだ。
グローバルネットに繋いで急いでマッチングリストに変化がないか探した。
急いで確認したがマッチングリストに新しい対戦者名は無いようだ。
なお、急いで確認した理由はもたもたしていると、こちらが対戦を挑まれかねないからだ、また事前にマッチングリスト情報は確認済みである。
「バースト・アウト!! どうやら寧々森さんはバーストリンカーじゃないのか。さて、後は昨日の姉のことを聞くだけだけど、どうやって接触しようか・・・」
「お姉さん?由貴に何かあったの?」
「え!?」
振り向くとそこに寧々森鷹乃の顔が近くにあった。
「うわぁぁぁ!!」
「あ、ごめんごめん。驚かせちゃったかな?君、由貴の弟君だよね。こんなところで何してるの?」
「え!?いやあのですね。え~あ~、そう!昨日姉が機嫌よく帰って来たものでして、何を企んでいるかと思いまして。」
宏斗の姉・由貴は何か悪だくみをする時やサプライズをする時は何かと上機嫌になる性格だ。
昨日はそんな素振りはしていないので嘘になるわけだが、姉を知る人にはおそらく嘘だと気付かれないと思う。
「う~ん、昨日一緒にいた時は特になにか企んでいる雰囲気じゃなかったかな。でもそういうことなら私も気を付けないとね(笑)」
宏斗は、昨日の姉が普段通りならこれ以上情報は出ないだろうと感じた。
「そうですか。これからお出かけのところ失礼しました。」
「あ、ちょっと待って。君これからちょっと暇あるかな?」
「特に用事はありませんが、何か用ですか?」
「そう、よかった。それならちょっとそこまでお姉さんとデートしようか。」
「は?」
――――話の冒頭より
そんな感じで拉致られて、現在鷹乃さんの先導のもと病院内を進んでいた。
鷹乃さんの話では妹さんは大きな怪我を負ったとのことで重傷治療施設にいるらしい。
施設内では入室パスが必要なので病院内ネットに接続しなければならなかった。 宏斗としてはまだ戦い方を模索中なのでローカルネットに接続するのは抵抗があった。
なお、「寧々森さん」と呼ぶと妹さんも反応するので名前でよいとのことだ。
「さぁ、こっちこっち。」
鷹乃さんがある扉なのまで手招きをしている。どうやら妹さんの個室についたようだ。
ガラガラガラー
「ひなちゃーん、優しいお姉さまが迎えにきたよ~♪」
部屋の扉を開けてに入るとそこには夕陽の中、本に手を当てて瞳をつぶっている少女がいた。
少女は扉の開いた音に気がついたのか本を閉じるとこちらへ振り向いた。 ただ瞳は閉じたままだ。
そこに宏斗は違和感を感じた。
「あ、お姉ちゃん。いらっしゃい。あれ?足音がもうひとつあるけど誰か他にいるの?」
「私の親友の弟さん。ちょっと私に用があったんだけど、ちょうど良かったから荷物運びとして連れてきました。」
「え!?申し訳ありません。姉が無理を言ったのではないでしょうか。」
「いえ、特に用事もなかったので問題はありません。あの、失礼かと思うのですがもしや目が・・・」
「はい、半年前ちょっと事故にあいまして目がもう見えていません。」
「すみません。傷に触れるようなことを聞いて。」
「いえ、事故から結構経ってますし気持ちの整理もついているので大丈夫ですよ。」
宏斗は聞いてしまったことに罪悪感を感じてしまった。
さすがに身体的障害を負った人に対していきなりその話を振るのはタブーだったかもしれないと感じた。
そんな重たい雰囲気を崩してくれるかのようにへ鷹乃さんが会話を打ち切るよう自己紹介を進めてきた。
「はいはい、二人とも初対面なんだからまずは自己紹介でしょ。」
「あ、私ったら名乗らないですみません。私は寧々森日向(ねねもりひなた)と申します。来年度で中学1年なります。」
「俺は鈴峰宏斗といいます。俺も来年度中学生になります。」
日向は話した感じおっとりとしたお嬢様って感じがした。
実際にあの大きな家に住んでいるのだからお嬢様っていうのは当たっているか。
そして宏斗と日向は自己紹介を終えると鷹乃さんが・・・
「さて実は宏斗君をここに連れてきたのは、荷物持ちもあるんだけど1つ頼みがあって連れて来たの。」
「え、何ですか?」
「自己紹介で聞いた通りひなちゃんも後2ヶ月後には中学生になるんだけど、御覧の通りは目が見えないから中学校生活は不安で。私がサポートしてあげればいいんだけど、いつも一緒に居てあげれるわけじゃないの。そこで同級生になる宏斗君には私の代わりに少しサポートしてあげてほしいの。」
鷹乃さんのいきなりの重大発言。
話の流れから彼女も同じ中学へ入学するのだろう。 確かに俺も来年は姉や鷹乃さんと同じ中学へ入学するのだが、鷹乃さんはその点をリサーチ済みだったわけだ。
「お姉ちゃん、まだ会って間もない人になんてお願いしてるのよ!」
「大丈夫、私の親友の弟君だもの。信用に値する人物だわ。それで宏斗君引き受けてくれる?」
特に問題が思いつかなかったので断る理由は無いと思う。
むしろ、本人を目の前にして断るとか更に罪悪感を駆られるのですが。 断ったら断ってで後が怖い。
さすが姉の友人。 類は友を呼ぶということか。
「ひとつ確認なんですけどサポートってどんなことをするんですか?」
「サポートっていっても四六時中一緒にいて盲導してってわけじゃないの。ひなちゃんの脳内には医療用硬膜内留置型通信機って機械が入っててそれがある程度は視覚補助はしてくれるから。宏斗君にしてもらいたいのは他の人から障害者っていう偏見の払拭と、通信機が対応できない範囲での補助、保険代わりってとこかな。」
「え~と・・つまりどういうことですか?」
「噛み砕くと、『中学で右も左も分からないひなちゃんのお友達なってあげて』ってこと。私としてはそれ以上でも構わないけど・・・ふふふっ」
「お姉ちゃん!!」
鷹乃さんの言葉に日向は顔を真っ赤にして抗議し始めた。
俺も少しドキッっとしたがあれは鷹乃さんの場を盛り上げる冗談だったんだろ。 たぶん。
ちなみに俺も中学校生活なんて右も左もわからないのだけど、三人寄れば文殊の知恵の二人バージョンってことなのかな?
「わかりました。俺に何ができるかわかりませんが、出来る限りサポートしますよ。」
「本当!ありがとう宏斗君。」
「え?本当ですか!?ご迷惑を掛けるようなことに申し訳ありません。」
鷹乃さんが俺にお礼をいい、日向が俺に謝ってきた。
「ひなちゃん違うでしょ。こういう時は『ありがとうございます』でしょ。」
「・・・・あ、ありがとうございます。」
鷹乃さんに促され日向は照れながらも俺にお礼をしてきた。
不覚にもその表情にまたドキッっとしてしまった。その心境が顔に出てないことを祈りたい。
「おっと!医療用硬膜内留置型通信機で思い出した!私は担当の先生からその機械について説明を聞きに行かねばならないので、宏斗君。今後の練習としてひなちゃんをお家までエスコートよろしくね~。」
そんな一言を残して鷹乃さんは部屋から出て行った。なんとも嵐のような人である。
二人だけになった部屋で俺と日向はまだ出会って間もないせいか少し気まずかしい雰囲気を感じとっていた。
ひとまず今後の仲良くしていく為にも、もう一度挨拶をしておいたほうがよいと宏斗は思った。
「えっと、改めて今後、君を出来る限りサポートしていくからよろしくね。」
「こ、こちらこそ、よろしくお願い致します。」
「じゃ、じゃあまだお互い名前だけしか知らないから今後の為にお互いをもっと知ろうか。」
「知るですか・・・」
「そう、俺が答えられることなら何でも答えるから聞いてよ。」
「えっと・・・その・・・」
なんだこれ?日向の口調が恥ずかしがっているような口調になった気がした。
こ、これは少年少女の青春で有名なあのワンシーンか!? 俺らまだ出会ったばかりなんですが!
先程の鷹乃さんの言葉に影響されたのか!? ヤバイ俺もなんか恥ずかしくなってきた。
外から見える夕焼けのせいで日向の顔が照れているような色に見えてきた。
「・・・それでは、ひとつお聞きしてよいですか?」
「ど、どうぞ。」
「宏斗さんも
その瞬間、宏斗は予想だにしない言葉に耳を疑った。
その言葉は当初の目的に関連する言葉で、宏斗が今頭から忘れていた言葉だった。
「ひ、日向さん今なんて言ったんですか?よく分からない単語が聞こえた気がしたのですが。」
「では、分かりやすいようにこうしましょう。 ―――バースト・リンク!!」
次の瞬間世界が青く代わり、またたく間に部屋を崩壊させギリシャ風の神殿のような建築物に変わる。
世界がまた色を取り戻した時、現実世界と同じ夕焼け空が病院の個室だった場所を照らし、見慣れた文字が表示された。
【HERE COMES A NEW CHALLENGER!!】
【FIGHT!!】
自分の姿がオブシディアン・バイパーの姿に変わったことを確認すると、先程まで日向がいた位置にこの《黄昏》ステージの夕焼けの色のような橙色の振り袖をまとったアバターが存在していた。
「このアバターの名前は《フローライト・モルフォ》。私もあなたと同じ
ここまで読んでいただきありがとうございますm(_ _;)m
今回はちまちま書いていたら1話目の倍掛ってしまいました。
ネタはすでに出来上がっていたのですが文才がないので、文書として全然うまくまとめられないのが
大変にもどかしいです><
さて、前回は戦闘パートを書かせて頂いたので、今回は現実世界パートを書かせて頂きました。
また今回は女性を登場させて頂いております。私は男なので女性の口調とか難しい、難しいw
他の作品等参考にもっと文才磨いてせめて女の子らしい感じを文章で出せるよう精進致します。
さて次回は、やっと皆様から投稿頂きましたアバター案を使わせて頂こうと思います。
誰のが出るかは候ご期待下さい。
※今回オリジナルステージを盛り込んでみました。その過程上、原作の対戦ステージを調べてみましたので
設定資料内にまとめて記載してみましたのでアクセ執筆者の方々の参考になれば幸いです。