ドラゴンボール超~あいつは摩訶不思議な転生者~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です。


第19話『ラディッツとの再会』

「…アンディか?」

 

驚き固まっていたラディッツが言葉を溢す。

 

「なんだ?兄ちゃん知り合いなんか?」

 

無垢な弟の問い掛けにラディッツは頭をワシワシ撫でる。

 

「あぁ、そうだ。カカロット、すまんが悟飯爺さんを呼んできてくれ。この時間なら畑仕事を終えて魚を取りに行ってる頃だろう。」

「うん!わかった!」

 

カカロットと呼ばれた少年が元気に走り去っていくと、ラディッツはアンディに撲り掛かる。

 

しかしその拳は決して本気のものではなく、友人同士のじゃれあいの一発だった。

 

アンディがその一撃を受け止めて笑みを浮かべると、ラディッツも同じ様に笑みを浮かべる。

 

「まったく…俺達がどれだけ怒り悲しんだと思ってる!」

「ごめん。」

「いや、いいさ。今となっちゃ数少ない同胞なんだ。生きていてくれただけで上等さ。」

 

ラディッツの言葉にアンディは首を傾げる。

 

「数少ない同胞?ラディッツ、どういうことなんだ?」

「…惑星ベジータは滅ぼされた。」

 

驚いたアンディが目を見開く。

 

「誰に?」

「フリーザだ。」

 

ラディッツは語る。

 

自身の父がとある戦いで未来を見た事を。

 

「それで親父はまだ養育器から出ていなかったカカロットを…弟を俺に託して宇宙ポッドを飛ばしたんだ。自分は未来に抗う為に残ったくせにな。」

 

悔しさ、やるせなさが垣間見えるラディッツの肩にアンディは手を置く。

 

「弟を託すに足ると認めて貰えた…そう考えよう。」

「…あぁ、そうだな。」

 

苦笑いをしたラディッツにアンディが問いかける。

 

「ところでラディッツ、ベジータ達はどうなったかわかるか?」

「任務で惑星ベジータにいなかったからまだ生きているとは思うが…。」

「任務?君は一緒じゃなかったのか?」

 

頷いてからラディッツは答えを返す。

 

「あぁ、あいつらが任務に行った時には、俺はメディカルポッドの中にいたからな。」

「メディカルポッドに?君がそんな大怪我を負う程の敵と戦ったのか?」

「あぁ、いや…。」

 

少し言い淀んだラディッツだが、頭を掻きながら話し出す。

 

「アンディの代わりとしてベジータの弟が俺達の班に入ったんだが、まだ未熟でな。ある任務の時に庇って怪我をしたら、あいつらにメディカルポッドの中に置いてかれちまったわけだ。」

 

ラディッツは知らないが、ベジータ達が任務に行ったのにはDr.プグレーが関わっている。

 

ある日、フリーザからサイヤ人を滅ぼすから惑星ベジータから退去するようにと命令を受けたDr.プグレーは、アンディと親しかったベジータ達を生き残らせる為に命令書を偽造して任務に行かせたのだ。

 

ラディッツも生き残らせようとギリギリまで粘って行動していたDr.プグレーだが、メディカルポッドの前でバーダックと出会うと彼と幾つか会話をした後に惑星ベジータを脱出している。

 

その後、任務から帰還したベジータ達はDr.プグレーの取り成しでフリーザ軍に拾われ、現在も生き続けているのである。

 

「ところでアンディ、そっちの爺さんは?」

「あぁ、紹介が遅れたね。俺の師匠の1人の武天老師様だ。」

 

師匠と聞いてラディッツが驚く。

 

「お前の師匠?」

「あぁ、2年近く手合わせを続けているけど、まだ一度も勝てていないんだ。凄い人だよ。」

「アンディが一度も勝てていない…!?」

 

驚愕したラディッツだが、拱手をすると亀仙人に一礼をする。

 

「ふむ、その様子だと悟飯の奴に師事を受けとるらしいのう?」

「はい、弟のカカロットと共に。」

「この老骨には底が見えぬ才を持っておるのう。楽しんで励むがよい。」

「はい!」

 

ラディッツが頭を下げたその時、遠くからカカロットの声が聞こえてきた。

 

「どうやら老師がカカロットと共に戻った様です。」

「あの様子だと、儂と同様に弟子の育成を楽しんでおるようじゃな。いや、あれは師というより家族としてかのう?まぁ、どちらにしろ元気な様でなによりじゃわい。」




本日は2話投稿します。

次の投稿は9:00の予定です。

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