ドラゴンボール超~あいつは摩訶不思議な転生者~ 作:ネコガミ
「くっそ~、負けたぁ!」
カカロットとの手合わせで負けたクリリンは、地面に大の字に倒れながら悔しそうに声を上げる。
「へへっ、わりぃなクリリン。なんか仙豆食ってから調子良くてよぉ。」
「ほんとビックリしたよ。カカロットの動きが、マークと手合わせした時よりも良くなってるんだからさぁ。」
とあるスポーツの様にノーサイドと言わんばかりに、2人は仲良く笑顔で会話をしている。
そんな2人の元にアンディが歩み寄る。
「2人共、お疲れ様。ほら、仙豆だよ。」
「おっ?サンキュー。」
「不思議だよなぁ。こんな豆1つで傷が完全に治っちゃうんだもんなぁ。」
仙豆を食した2人の傷はあっという間に治る。
「あっ、もしかして、またカカロットの動きが良くなってたりするのか?」
「う~ん、今度はそんな感じはしねぇぞ。」
クリリンの指摘を確かめる様にカカロットが身体を動かすが、その動きのキレはクリリンとの勝負前とそれほど変わらないものだった。
「やっぱ変わった感じはしねぇぞ。」
「そうかぁ。」
「クリリンの方はどうなんだ?オラが良くなったんなら、クリリンとマークも動きが良くなってもおかしくねぇだろぉ?」
カカロットの言葉でクリリンは立ち上がって動き出し、話を聞いていたマークも軽く動いてみる。
「カカロット程じゃないけど、俺も良くなった感じがする。マークはどうだ?」
「こっちもだ。」
カカロットがパワーアップしたのはサイヤ人故だからだが、クリリンとマークもパワーアップしたのには幾つか理由がある。
2人が12歳という成長期である事と、日々の修行に加えて今回の手合わせでの負荷からの超回復がその理由だ。
学のあるマークは自身の成長の理由を半ば理解しているが、学の少ないクリリンとカカロットは首を傾げるばかりだ。
「3人共、話し合いはそのぐらいにしておけ。そろそろ俺とアンディで手合わせを始めるからな。」
ラディッツがそう言うと、見ることも修行だと理解している3人は集中して見学するのだった。
◆
「ふむ、天下一武道会の時に比べてラディッツも腕を上げたのう。」
弟子達の手合わせを眺めながら笑みを浮かべる亀仙人がそう言うと、養孫を誉められた孫 悟飯は上機嫌になる。
「養孫達が日に日に成長していく姿を眺めるのは楽しいものです。」
「確かにのう。弟子が成長していく姿を見るのは、自身が成長を感じるのと同じ程に楽しいわい。」
アンディとラディッツの戦いにカカロット達が感嘆の息を漏らすと、老人達は笑みを深める。
「次の天下一武道会も楽しみじゃな。」
「次はラディッツが優勝を貰いますぞ。」
「ほう?アンディを倒すのは、そう簡単な事ではないぞ?」
先程まで和やかに会話をしていた老人達は、ライバル心を剥き出しにして目から火花を散らせるのだった。
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。