ドラゴンボール超~あいつは摩訶不思議な転生者~ 作:ネコガミ
side:ベジータ
「いくぞ!アンディ!でやぁぁああああ!」
懐に飛び込み打撃でのラッシュを仕掛けるが全て防がれ、避けられてダメージを与えられん。
一度距離を取ると今度はエネルギー弾を連続で放つが、それすらも全て弾かれてしまいアンディはノーダメージだ。
「チッ、相変わらず防御が上手いやつだ。」
「ベジータこそ昔からエネルギー弾とかの扱いが上手いよね。」
アンディは俺が知る限りでは一番の天才だ。
だからこそ超えたい。
サイヤ人の王子として、そして一人の戦士として。
「はぁぁあああああ!」
エネルギー弾だけでなく近接戦も混ぜて攻撃を仕掛けるが、アンディの防御を突破するには至らず、逆にカウンターを受けてこちらがダメージを負ってしまう。
それでも俺は愚直に攻め続ける。
この日の為に用意した秘策を成す為に。
しばらく経つと俺は息も絶え絶えという程に消耗したが、アンディにはダメージがない。
だが、これでいい。
この状況こそが俺の望んだものだ。
俺は今一度仕掛けると、攻撃をガードされた反動を利用して距離を取る。
そして身体を捻り、両の手に気を限界まで集める。
このまま放ってもアンディには効かないだろう。
だからここで一手加える。
俺は…『瞬間移動』でアンディの背後を取った。
人生で初めて自らの意思で頭を下げ、鶴仙人のジジイに教えを乞い学んだ瞬間移動…全てはこの一撃のために!
「ギャリック砲!」
気合いと共に両の手から放たれた高密度のエネルギーが、アンディの全身を飲み込んでいった。
◆
うぇあ!?瞬間移動!?瞬間移動なんで!?
なんでベジータが瞬間移動を覚えちゃってんの!?
時間一杯まで稼いで完勝した後にイベントムービーが始まったのですが、そのムービーでベジータが瞬間移動からのギャリック砲を使ってきやがりました。
原作で悟空がパーフェクトセルにかましたかめはめ波と同じものですね。
セルは再生能力があるから無事でしたが、アンディ君は大丈夫なのでしょうか?
「…やったか?」
ベジータ、それフラグやで。
ギャリック砲の余波で発生した砂煙が晴れると、そこには左手を前に突き出したアンディ君がいました。
流石に左手はボロボロみたいですがね。
「…チッ、これでも勝てんか。」
「左手は使い物にならなくなったけどね。まだ続けるかい?」
アンディ君の問い掛けにベジータが頭をガシガシと掻きます。
「今日のところは俺の負けだ…くそったれ。」
「ベジータ、また勝負をしよう。」
「当然だ。今はナンバーワンの座を譲ってやる。だが、いつの日かアンディ、お前を超えてみせる!」
そんなベジータの宣言にアンディはニッコリ。
「あぁ、俺もベジータに負けないように修行に励むよ。」
「ふんっ!」
握手をして二人は和解。
戦闘民族らしい友情ですなぁ。
おや?アンディとベジータが何かを察知しました。
「なんだこの気は?」
「…少なくともラディッツ達の気ではないね。」
どうやら魔人ブウが復活したみたいですね。
「ベジータ。」
一声掛けたアンディ君がベジータに仙豆を放り渡し、更に自分も仙豆を食べます。
「礼は言わんぞ。」
「俺には言わないでいいよ。代わりといってはなんだけど、帰ったら奥さんとデートをしてあげてくれないか?タイツさん、たまにブルマに愚痴を言いにきてるからさ。」
「…3日前にしたばかりなんだがな。」
ベジータ夫婦の惚気を見てニヤニヤしたところで今回はここまで!
次回に続く。
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。