ドラゴンボール超~あいつは摩訶不思議な転生者~ 作:ネコガミ
「おや?今日も来たのですねアンディ。それで、今日は何を聞きたいのですか?」
アンディが研究室を初めて訪れてから3ヵ月程の時が過ぎている。
その間、ほぼ毎日通って来ているアンディは、研究室に常駐している科学者達全員と顔見知りになっている。
「またメディカルポッドのことをお願いします。」
「では前回の続きから話しましょう。メディカルポッドの根幹とも言える万能液は…。」
話をしながらDr.プグレーは上機嫌にアンディのことを振り返る。
(最初は戦うことしか能がない種族がと思ってましたが、蓋を開けてみれば彼は学ぶことを苦としない秀才だった。サイヤ人でなければ彼を助手か弟子にしたのだが…。)
フリーザ軍から出向してくるに辺り、彼はフリーザから一言言付かっている。
『プグレーさん、あまりあの猿共に肩入れをしない様にお願いしますよ。考えなしに暴れ回る猿共の行動は、いずれとある方の目に付くでしょうからねぇ。優秀な貴方が猿共と一緒に破壊されるのは勿体ない。これからも私の役に立ってくれることを期待していますよ?』
Dr.プグレーにはフリーザが言っていたとある方は見当がつかない。
だが、あのフリーザが気を配るような相手であることは間違いなかった。
スカウターやメディカルポッドなど多岐に渡って作り続けている科学者達だが、数日もすればそれらの作品はガラクタとなって戻ってくる。
そんな日々に物作りに携わる者として研究者達は頭を抱えていた。
だがそんな日々にアンディが現れると、子供故の純粋な好奇心に刺激されることで、科学者達の心は洗われていったのだ。
だからこそDr.プグレーは、なんとかアンディだけでも救えぬかと思考を巡らせる。
(噂ではベジータ王はアンディのことをよく思っていないと聞いたな。また『あれ』を指示してくるかもしれん。ならば…。)
Dr.プグレーはその明晰な頭脳で、アンディを生き残らせるべく思考を巡らせるのであった。
◆
いや~順調ですねぇ。
宇宙ポッドに続いてメディカルポッドの知識もゲット出来ました。
かなり余裕があるので他の知識もゲット出来そうです。
候補としてはスカウターと医学関係ですかね。
あっ、第7宇宙の星域図を覚えさせるのを忘れてました。
これがないと生き残れても、目的の場所にいけるかは運ゲーになるところでした。
あぶないあぶない。
おっと、なにやらイベント発生のようです。
戦闘訓練の後はいつも模擬戦となるのですが、何故か王子はイライラとしているようですね。
アンディ達が話を聞くと、どうやら王子はフリーザと会ったようです。
戦闘民族サイヤ人としての誇りを強く持つ王子ですが、それ故にフリーザにペコペコと頭を下げるベジータ王を見て憤っているみたいですね。
まぁ、ベジータ王ではどう足掻いても勝ち目がないので仕方ないでしょう。
ちなみにアンディが伝説のスーパーサイヤ人になれれば、現時点でも第一形態のフリーザになら勝てちゃいます。
流石は伝説のスーパーサイヤ人ですね。
さて、王子の機嫌を直すために模擬戦に誘います。
脳筋にはこれが一番ですからね。
さぁ王子…語り合おうか。(肉体言語)
◆
「…くそったれ。」
模擬戦に敗れて横たわるベジータにアンディが近寄り手を差し出す。
「ほら。」
「いらん。」
「そっか…いい勝負だったよ。」
苦笑いをして踵を返すアンディにベジータは声を掛ける。
「おい。」
立ち止まったアンディにベジータは言葉を続ける。
「今はまだ勝てん。だが、必ず超えてやる。お前も…そしてあいつもだ!」
「うん、俺も負けない様に頑張るよ。」
アンディが自らの足で訓練室を立ち去ると、まだ横たわるベジータにラディッツが肩を貸す。
「…誰が肩を貸せといった?」
「いい戦いを見せてくれた礼だ。」
「ふんっ!」
反対側の肩にはナッパが手を回し、ベジータは2人に連れられてメディカルポッドに向かう。
その道すがら…。
「ラディッツ、ナッパ…礼は言わんぞ。」
そんなベジータの一言に、顔を見合わせたラディッツとナッパは肩を竦めたのだった。
本日は3話投稿します。
次の投稿は9:00の予定です。