Fate/Grand Order ~外史のあわわ軍師がやってきた~ 作:雷光 剣
「雛里癒亜…私の真名と同じ」
雛里という名字を聞いて、目を丸くする鳳統ちゃん
言われてみれば、確かに同じ字じゃないか
…って、そうじゃない!なんの対策も無しに真名の話になっちゃったじゃないか!?
どうする?知らない体で通す?…いやでもなぁ
じゃあ、知ってることにしたら?…なんで知ってる?ってなるし
えー
あー
うーん
……
「……真名ってなに?」
あー嘘ついちゃったよやだよー俺にとっての初めてのサーヴァントだし嘘つきたくないよーでもこの世界に存在しない真名を知ってるとなると俺の前世も話さないといけないしーうーあー
「…本当に真名をご存知ないのですか?」
え、なんで確認してくるの?嘘に嘘で固めなくちゃいけないの?やだよーでもいまさらだよなー
「……うん」
「…そうですか本当に存在しないんですね、真名というのは、その人の事を表す大事なもうひとつの名前です」
知ってるよー
「……そっかそんな大切なものがあるなんて、ならその真名っていうのは人前で言わないようにしないとね、幸いこの世界には真名っていうものは無いし」
「…はい!よろしくお願いします」
と言いつつ、鳳統ちゃんは頭を下げた
んん?なんか今滅茶苦茶変じゃなかったか?
「ごめん、お待たせしたね」
先程の会話を頭の中でリピートしようとしたとき、ボード片手にドクターが入室してきた
今から検査結果の説明が始まるようだった
仕方ない…これが終わってから考え直そう
ーーー
「…身体面に関しては問題なし…問題は精神面というより、魔術関連だね」
ドクターは俺と鳳統ちゃんの前に座りカルテのようなものを難しい顔をして眺めていた
「ご主人様に何か問題が…?」
「雛里くん…君は」
「いや、俺が言わせてる訳じゃないですからね!?」
ほんと、俺が言わせてる訳じゃないからね?ドクター?なんでそんな目で俺を見るんですか?
「…コホン、話を戻すが問題と言っても悪いことじゃない…むしろ雛里くんにとっては良いことだ」
俺に起こった問題は2つ
魔力増加とレイシフト適正の増加だ
「レイシフト適正に関しては上がったと言っても僕たちの考える基準よりは低くて雛里くんの存在証明がややしやすくなった程度に考えてくれればいい、魔力増加は…」
間を1つ置く、数値としてでていても結果を信じられないのだろう
「召喚前の2倍だ…はっきり言ってありえない、雛里くんの魔力は以前から多い方だったから…なおさらね、雛里くんの才能が召還という経験によって開花したと楽観視したいところだが、要経過観察って感じかな…」
2倍とか正直規模が大きすぎて訳がわからない
あって困らないものだし、今は気にしても仕方ないだろう
「診断結果的に言うなら至って健康!問題なし!って感じかな」
それを聞けてホッとした顔をする鳳統ちゃん…まぁ確かに契約したことによって何か問題が起こったとかなったら誰だって不安になるよな
「ところで、雛里くん彼女はどんな英霊なんだい?」
「あぁ、彼女は鳳統ちゃんクラスはキャスター」
「えぇっ!?鳳統って、あの三国志の鳳統かい?…えっと、初めまして僕はロマニ・アーキマンここで医者をしている気軽にロマンでもドクターとでも読んでくれ…まさか彼も彼女だったなんて」
鳳統ちゃんについて驚きつつも自己紹介をすませるドクター、…流石だなー俺なんてマスターなのに自己紹介する事忘れてたもんなー…はぁ
「…ではよろしくお願いいたします浪漫さん、改めて自己紹介を…性は鳳、名は統、字は士元です」
ドクターに対して頭を下げつつ自己紹介をすませると立ち上がりつつ俺の方を見てきた
「どうかした?」
「…いえ、なんでもありません」
「そう?」
「じゃあ、今日はもう自室に戻って休んでくれ魔力が増えたとはいえ初めての召喚だったり…他にも色々あったからね」
「そうですね…そうします、ドクターも休んでくださいよ?修復作業は明日から俺も全力で取り組みますから」
そう言いつつ、頭を下げ鳳統ちゃんと一緒に医務室をあとにした
HF延期になっちゃいましたね